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BtoBリード獲得の施策の選び方と、稟議まで見据えた進め方

ライター:加藤 賢大

公開日:2026年10月07日

カテゴリー:
目次

BtoBのリード獲得は、施策を増やすだけでは成果につながりにくくなっています。
獲得したリードが商談になっても、社内稟議で止まることがあるからです。

本記事では、リード獲得の基本と主な施策、選び方、獲得後の育成を整理したうえで、ネオマーケティングが2026年8月に実施した稟議の実態調査(540名)をもとに、稟議まで見据えた準備を解説します。

 

BtoBリード獲得とは?

 

リード獲得(リードジェネレーション)とは、自社の商品・サービスに関心を持つ見込み顧客の情報を集める活動です。
基本的な考え方や具体的な手法は「リード獲得とは?具体的な手法18選と成功させるためのポイントを解説」で詳しく解説しているので、本記事ではBtoBならではのポイントに絞って整理します。

 

BtoBでは、BtoCと比べて次の違いがあります。
・検討期間が長く、情報収集から比較検討、導入決定までの段階がある
・検討に関わる人が複数で、担当者と決裁者が別になる
・社内稟議などの承認プロセスを通す必要がある
・一度の取引額が大きく、導入後も関係が続きやすい
特に3点目の社内稟議は、リード獲得の成果を大きく左右します。本記事では、施策の選び方に加えて、この稟議まで見据えた進め方を中心に解説します。

 

リード獲得から受注までの流れ

 

リード獲得から受注までの5段階フロー

 

1.獲得:ホワイトペーパーの資料請求やセミナー参加などで、見込み顧客の情報を取得します。
2.育成(ナーチャリング):メールやコンテンツで情報を届け、検討を進めてもらいます。
3.選別:関心度や属性をもとに、営業が対応すべきリードを絞ります。
4.商談化:営業が提案を行い、課題や予算、決裁の流れを確認します。
5.稟議・受注:担当者が社内で承認を得て、導入が決まります。
多くの記事は1〜2を中心に解説していますが、成果を出すには4〜5まで含めて設計することが重要です。

 

主なリード獲得施策の使い分け

 

代表的な施策を、向いている検討段階と合わせて選び方の観点で整理します。各施策の詳しい手法や、ここに挙げていないものも含めた一覧は、「リード獲得とは?具体的な手法18選と成功させるためのポイントを解説」にまとめています。

 

検討段階×施策の使い分けマトリクス図

 

施策

向いている検討段階

特徴

ホワイトペーパー

情報収集〜比較検討

資料と引き換えに連絡先を取得できる。資料の質が獲得数とリードの質に直結する

ウェビナー・セミナー

比較検討

関心の高い参加者と直接接点を持てる。企画と集客の手間がかかる

オウンドメディア(SEO)

情報収集

中長期で流入を蓄積できる。成果が出るまでに時間がかかる

Web広告

潜在〜顕在 即効性がある。出稿を止めると流入も止まる

プレスリリース・調査PR

認知〜情報収集

話題性のあるデータで掲載を狙う。調査の企画力が必要

比較サイト・ポータル掲載

比較検討

検討度合いの高い見込み顧客と接点を持てる。掲載条件を事前に確認する

展示会

認知〜比較検討

一度に多くの名刺を取得できる。出展費と人員の負担が大きい

テレアポ・リスト営業

顕在

ターゲットを絞って直接接点を持てる。人的リソースが必要

 

施策ごとのポイントと参考事例

 

主な施策について、成果を出すためのポイントと参考事例を整理します。

 

施策

ポイント

参考事例・関連記事

ホワイトペーパー

読者が社内で共有できる内容にする。ノウハウだけでなく、費用対効果の考え方や導入事例を入れておくと、担当者が稟議の資料に使いやすくなる

株式会社コンカー様の経理白書:2024年の新規コンテンツの中で、最も新規リード獲得に貢献→詳しい事例を見る

ウェビナー・セミナー

参加後のフォローまで設計する。参加者に資料を送るだけでなく、関心のあるテーマに合わせて次の情報を案内すると、商談化しやすくなる

ー

オウンドメディア(SEO)

検索する人の課題に答える記事を積み上げる。狙うキーワードを、問い合わせにつながる意図のものから優先し、記事から資料請求や相談へ導く導線を置く

コラム:BtoBコンテンツマーケティングの目的や期待できる効果、進め方と成功のポイント
→詳しく見る

Web広告

即効性が期待できる一方で、獲得単価が上がりやすい面がある。広告経由のリードが商談や受注にどの程度つながっているかを、定期的に確認する

もりや産業株式会社様:展示会出展で名刺1枚あたり約1万円という基準と比べて、商材によってはその半額程度の獲得単価を実現
→詳しい事例を見る

アストモスエネルギー株式会社様:ターゲット調査、特設サイトのリニューアル、広告運用・改善を一気通貫で支援し、特設サイト開設か

ら半年で問い合わせが10倍以上を実現
→詳しい事例を見る

プレスリリース・調査PR

自社で実施した調査データをプレスリリースや記事で発信する。独自のデータは、記事の信頼性を高め、他社と差別化する材料になる。調査の設計と、結果をどう見せるかの企画が成果を左右する

コラム:

パブリックリレーションズ(PR)とは?「調査PR」でリリース掲載数を伸ばす

→詳しく見る

 

比較サイト・ポータル掲載

比較検討段階の見込み顧客に接点を持つ手段。掲載条件や費用を事前に確認し、掲載内容で自社の強みが伝わるようにする

ー

 

リード獲得施策の選び方

 

施策は次の順に選ぶと、場当たり的になりにくくなります。
1.目的を決める:獲得件数を優先するのか、商談化しやすいリードの質を優先するのかを先に決めます。
2.ターゲットを絞る:業種、規模、役職、検討段階を具体化します。
3.検討段階に合わせて選ぶ:情報収集層にはSEOや調査PR、比較検討層にはホワイトペーパーやウェビナー、比較サイト掲載を充てます。
4.効果を商談化・受注まで見て判断する:獲得単価だけでなく、商談化率や受注率で施策を評価し、絞り込みます。
評価に使う主な指標は次のとおりです。

 

指標

見るもの

リード獲得数

施策ごとの獲得件数。量の把握に使う

獲得単価 施策の費用を獲得数で割った値。効率の比較に使う
商談化率 獲得したリードのうち、商談に進んだ割合。リードの質の確認に使う
受注率・受注までの期間 商談のうち受注に至った割合と、その期間。施策の最終的な成果の確認に使う

 

獲得したリードを育てる(ナーチャリング)

 

すぐに商談にならないリードも、情報を届け続けることで検討が進む場合があります。代表的な方法は次のとおりです。
・検討段階に合わせたメールの配信
・事例やノウハウ記事など、次の段階に進むためのコンテンツの提供
・セミナーやウェビナーへの案内
・関心度が高まったリードへの、インサイドセールスによるフォロー
育成の際は、リードの関心度に応じて対応を切り替えると、営業の負担を抑えながら商談化を狙えます。

 

リード獲得でつまずきやすい点と対処

 

次の点は、多くの企業で起こりやすい一般的なつまずきです。


・獲得件数だけを追っている:
件数が増えても、商談化率が下がると営業の負担だけが増えます。施策ごとに商談化率まで見て、評価する指標を決めます。

・資料が担当者の情報収集で終わっている:
担当者が上司に説明する場面を想定して、要点をまとめた要約や比較の観点を入れておくと、社内で共有されやすくなります。

・獲得後の対応が営業任せになっている:
誰が、いつまでに、どのリードへ連絡するかを決めておきます。対応が遅れると、関心が高いうちに接点を持てません。

・施策が単発で、改善のサイクルがない:
月に1回など、見直しの日を決めます。獲得数、商談化率、営業からのフィードバックを見て、資料や導線を直します。

 

見直しを始める順番

 

今回すべてを一度に変える必要はありません。次の順で進めると、負担を抑えられます。

1.現状を把握する:施策ごとの獲得数、商談化率、受注率を並べ、どこで止まっているかを確認します。
2.止まっている段階に絞って手を入れる:獲得が少ないなら入口の施策、商談化しないなら資料や育成、受注に至らないなら稟議を見据えた資料を見直します。
3.営業と結果を共有する:改善した資料や導線が、実際の商談でどう使われたかを聞き、次の改善に反映します。

 

獲得したリードが「稟議」で止まることがある

 

リードが商談に進んでも、導入には社内の承認が必要です。
ネオマーケティングは2026年8月17日〜18日に、直近1年以内に「BtoB商材導入における社内稟議」に承認・提案・情報収集のいずれかの立場で関与した国内BtoB企業勤務者540名を対象に、WEBアンケートを実施しました(BtoB企業の社内稟議・承認プロセス実態調査2026)。

主な結果は次のとおりです。

 

BtoB企業の社内稟議承認の壁

 

項目

結果

直近の稟議で差し戻しを経験した割合

57.2%(n=540)

過去1年で稟議が通らず導入を断念した割合

57.8%(n=540)

稟議が承認されるポイントとして「明確な費用対効果」を挙げた割合

43.7%(n=540)

稟議書の平均記載項目数

4.35項目(13項目中)

稟議で用意した根拠データの平均種類数

2.91種類(14項目中)

ROI試算を根拠として準備していた割合

19.3%(全15項目中7位)

ROI試算を使った人のうち「非常に影響した」と回答した割合

33.7%(n=104、全15項目中1位)

営業担当者から提供された資料のうち、稟議で役立った割合

59.8%
(延べ1,400件。残り40.2%は役立たなかった)

 

最も説得力があると感じた根拠(単一選択)では、「営業担当者からの提案書」が14.6%、「自社の売上・実績データ」が14.1%、「他社の導入事例」が9.3%、「ROI試算」が8.5%でした。
営業資料のうち役立った割合は、資料の種類によって差がありました。調査では、見積書が73.2%、競合比較表が67.6%、訪問ヒアリングの機会が44.7%でした。


この結果から、次の4点がわかります。なお、これらは調査ページの総括にもとづく整理です。


・差し戻しや断念は、約6割が経験しています。項目数や根拠データの種類を積み上げても、差し戻しや断念は避けにくい状況です。
・稟議担当者が最も重視するのは費用対効果です。一方で、ROI試算を用意していた人は約2割にとどまります。
・ROI試算は、使えば影響が大きい根拠です。使った人の3割以上が「非常に影響した」と回答しています。
・営業資料の約4割は、稟議で役立っていません。資料の種類によっても、役立つ度合いが異なります。


稟議を通す資料の作り方は、社内稟議はなぜ通らない? BtoB担当者540人調査でわかった「稟議を通す資料」の作り方でも詳しく解説しています。

 

稟議を見据えたリード獲得の進め方

 

調査結果から、リード獲得の段階でできる準備を4つ挙げます。以下は、調査結果をもとにした当社の見解です。


1.資料に「費用対効果」の考え方を入れる:ホワイトペーパーや提案資料に、ROIの試算例や計算の型を入れておきます。担当者が自社の数字に置き換えやすくなります。
2.提案書を稟議で使える形にする:担当者が上司に説明する視点で、1枚で要点が伝わる要約や、比較の観点をまとめた資料を用意します。
3.根拠の種類をそろえる:導入事例、実績データ、競合との比較、見積書などを、担当者が複数選べる形で提供します。
4.営業とマーケティングで、稟議で効いた資料を共有する:差し戻しや失注の理由を集め、資料とコンテンツの改善につなげます。


リード獲得から稟議まで含めた設計に課題を感じている場合は、BtoBマーケティングコンサルティングのご案内もご覧ください。戦略立案から施策の実行まで、一貫して支援しています。

 

施策を見直す前のチェックリスト

 

☐ 目的(件数か質か)とターゲットが、施策ごとに決まっている
☐ 施策ごとに、商談化率や受注率まで確認できている
☐ 獲得したリードへの育成の流れがある
☐ 資料に、費用対効果の考え方や導入事例が入っている
☐ 営業が、稟議で役立った資料と役立たなかった資料を把握している

 

 

 

よくある質問

 

リード獲得とリードナーチャリングの違いは?

リード獲得は見込み顧客の情報を集める活動、リードナーチャリングは獲得したリードに情報を届けて検討を進める活動です。

 

 

リード獲得で最初に何をすればよいですか?

まずは目的とターゲットを決め、今のリードが商談や受注にどの程度つながっているかを確認します。そのうえで、不足している段階の施策を足します。

 

 

リードの質と量は、どちらを優先すべきですか?

商談化や受注につなげたい場合は、質を優先します。件数だけを追うと、営業の対応が増えて商談化率が下がる場合があります。目的に合わせて、両者のバランスを決めます。

 

まとめ

 

リード獲得は、施策の選び方に加え、獲得後の育成と稟議までを見据えて設計することが重要です。調査では、稟議の差し戻しや導入断念の経験が約6割にのぼり、費用対効果が承認で最も重視されていました。リード獲得の施策を見直す際は、獲得件数だけでなく、稟議で使える資料を提供できているかも確認してみてください。

 

 

■この記事で紹介した調査結果はコチラ

関連レポート:BtoB企業の社内稟議・承認プロセス実態調査2026
https://corp.neo-m.jp/report/investigation/work_028_btob-approval-process

 

 

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まずはネオマーケティングのサービス資料をご覧ください。

加藤 賢大
WRITER
加藤 賢大
マーケティングリサーチャ―としてキャリアをスタートし、BtoB、BtoCかかわらずマーケティングの戦略立案や施策実行を支援。自社マーケティングにおいても、戦略提案や業務提携、ウェビナー登壇やコラム執筆などを担当。その後、自社D2Cのブランドマネージャーを経て、現在はBtoB企業様に伴走してBtoBマーケティング領域を支援。

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