BtoBは検討に時間がかかり、関わる人数も多くなりがちです。この実態は、ネオマーケティングが2026年8月17日〜18日に、直近1年以内にBtoB商材導入の社内稟議に承認・提案・情報収集のいずれかの立場で関与した国内BtoB企業勤務者540名を対象に実施した調査(BtoB企業の社内稟議・承認プロセス実態調査2026)からも示されています。
稟議書の平均記載項目数は4.35項目(13項目中)、稟議で用意した根拠データの平均種類数は2.91種類(14項目中)で、稟議担当者が複数の観点の情報を自分で集めて回っている実態がわかります。さらに、過去1年で稟議が通らず導入を断念した経験がある人は57.8%にのぼります(n=540)。
獲得した瞬間の関心度だけを見て営業に引き渡すのではなく、検討が進む過程で必要になる情報をあらかじめ継続的に届けておくことが、こうした途中離脱を防ぐ手がかりになります。
リードナーチャリングのメリット・デメリット
導入を検討する際は、次のメリットとデメリットの両方を踏まえておくと、無理のない進め方を選びやすくなります。
メリット
・検討が進んだ状態で営業に引き渡せるため、商談化率を高めやすい:
後述の『MAツールによる接触タイミングの改善』の事例では、接触タイミングを見直した結果、接触を試みたリードのうち約半数が商談化しています。
・一度作ったコンテンツやシナリオを繰り返し使えるため、リードの数が増えても対応の工数を抑えやすい:
後述の『ナーチャリング期間の短縮』の事例では、ナーチャリング計画を1年単位から1か月単位に見直したことで、限られた人員でも月あたり数百件規模のリードを継続的に獲得できるようになっています。
・獲得した時点では反応がなかったリードにも、時間をかけて商談化のチャンスを作れる:
同調査では、稟議が通らず導入を断念した経験がある人が57.8%にのぼっており(n=540)、初回の反応だけで見切りをつけず、時間をかけて情報を届け続ける価値が読み取れます。
デメリット
・コンテンツやシナリオの設計・制作に、最初の立ち上げの工数がかかる:
同じ調査でも、稟議で使う根拠データは平均2.91種類(14項目中)にのぼっており、1種類のコンテンツだけでは足りないケースが多いといえます。
・BtoBは検討期間が長いため、成果が数値として見えるまでに数か月単位の時間がかかりやすい:
稟議書には平均4.35項目もの記載が必要という調査結果からも、社内検討には複数のステークホルダーによる合意形成の工程が挟まりやすいと考えられ、配信を始めてすぐに商談化率の変化を見極めるのは難しい前提で計画するとよいでしょう。
・配信数やリード数が少ないうちは、スコアリングの精度を検証しにくい:
この調査でも、ROI試算を根拠として実際に準備していた人は19.3%にとどまっており(n=540)、体系的な運用にはある程度の運用実績とデータの蓄積が必要になります。
リードナーチャリングの代表的な手法
代表的な手法と、それぞれの特徴は次のとおりです。
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手法
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特徴
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メール配信 (ステップメール・メルマガ)
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検討段階に合わせて内容を出し分けやすく、最も導入しやすい手法。開封率やクリック率から関心度を把握できる
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ホワイトペーパー・ 資料ダウンロード
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検討段階に応じた資料を用意しておくと、比較検討層の情報収集の受け皿になる。ダウンロード時の入力情報から関心テーマを把握できる
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| セミナー・ウェビナー |
関心の高いリードと直接接点を持てる。企画や集客の手間がかかる一方、参加者の温度感を把握しやすい
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| オウンドメディア・コラム |
検索やメール経由で継続的に接触できる。中長期での育成に向く |
| リターゲティング広告 |
サイト訪問者に再度アプローチできる。単体では検討度合いまでは把握しにくい
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オSNS(LinkedIn等)での フォロー
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担当者個人とのゆるやかな接点を維持できる。BtoBでは反応率が読みにくく、他の手法の補完として使う
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インサイドセールスによる フォロー
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関心度が高まったリードに直接接触する。人的リソースが必要だが、商談化への転換率が高い
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動画コンテンツ (デモ・オンデマンド配信)
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製品の使用イメージを短時間で伝えられる。比較検討層への訴求に有効な手法 |
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既存顧客向けフォローアップ (アップセル・クロスセル)
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リードナーチャリングの定義には既存顧客との関係継続も含まれる。新規リードだけでなく、既存顧客への追加提案の土台づくりにも活用できる
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セミナー・ウェビナーの企画や運営のポイントは「リード獲得つながるウェビナーの活用方法とは?効果的な運営のポイント」、インサイドセールスの役割は「インサイドセールスの特徴と役割・効果を整理して押さえよう」、KPIの設定方法は「インサイドセールスのKPI項目と効果的な設定方法とは?」でそれぞれ詳しく解説しています。
どの手法から着手すべきか、自社のリソースに合わせて優先順位をつけたい場合は、BtoBマーケティングコンサルティングのご案内もあわせてご覧ください。
【独自データ】稟議で“効く”コンテンツとは?540名調査からみる、ナーチャリングで届けるべき情報
ここからは、ネオマーケティングが実施した「BtoB企業の社内稟議・承認プロセス実態調査2026」(n=540)をもとに、ナーチャリングの段階で何を届けておくと稟議担当者の助けになるかを、3つの切り口で見ていきます。
稟議で最も説得力があった根拠TOP8
稟議担当者は、検討の最終段階で複数の根拠を自分で集めることになりがちです。
前述の調査で「最も説得力があった」と回答された根拠(単一選択)の上位8項目は、営業担当者からの提案書14.6%、自社の売上・実績データ14.1%、他社の導入事例9.3%、ROI試算8.5%、顧客データ8.5%、市場規模データ6.3%、業界レポート5.9%、顧客アンケート結果5.6%でした。

このうち、提案書・実績データ・導入事例・ROI試算・市場規模データ・業界レポートの6項目は、いずれも営業が稟議の直前に慌てて作るものとは限らず、ナーチャリングの段階から計画的に配信できる情報です。
稟議書の記載項目数からみる「情報を自分で集める」実態
同じ調査では、稟議書の平均記載項目数が4.35項目、根拠データの平均種類数が2.91種類という結果も出ています。
1つの根拠だけでなく、複数の種類の情報を組み合わせて稟議書を作っている担当者が多いとわかります。
ナーチャリングの配信シナリオも、単一のコンテンツに偏らせず、上記の複数項目をバランスよく織り交ぜて届けることが、稟議担当者の「情報を自分で集める手間」を減らすことにつながると考えられます。
資料別の役立ち度から見る「前倒しで準備できる情報」
また同調査では、営業が提供した資料の種類ごとの「役立った」割合も明らかになっています。
資料は大きく、見積書や訪問ヒアリングの機会のように商談が具体化してから初めて用意できる情報と、提案書や導入事例のようにナーチャリングの段階からコンテンツとして先に届けておける情報の2つに分かれます。
役立ち度が高く、かつ前倒しで準備できる後者を優先して配信シナリオに組み込むと、効率よく稟議の材料をそろえてもらいやすくなります。
資料別の詳しい役立ち度データは、「社内稟議はなぜ通らない? BtoB担当者540人調査でわかった『稟議を通す資料』の作り方」で一覧にまとめていますので、あわせてご覧ください。
これらの情報を、ナーチャリングの配信シナリオにあらかじめ組み込んでおくと、リードが検討を進める過程で、稟議に使える材料を自然と手元に集められるようになります。たとえば、次のようなコンテンツが考えられます。
・自社の実績データを盛り込んだ事例記事・事例インタビュー
・ROIの試算例や、試算の考え方を示したシート
・他社の導入事例や、業界動向をまとめた比較資料
リードナーチャリングの設計から、稟議まで見据えたコンテンツ整備まで一貫して支援を受けたい場合は、BtoBマーケティングコンサルティングをご検討ください。
リードナーチャリングの進め方5ステップ
闇雲に配信を始めるのではなく、次の順で設計すると、施策が場当たり的になりにくくなります。
1.リードの定義と分類:
どこから獲得したリードか、どの程度の情報を持っているかで分類します。
2.ペルソナとカスタマージャーニーの設計:
想定する担当者像と、情報収集から導入までの検討プロセスを整理します。
3.検討段階に応じたコンテンツの用意:
例えばリードの検討フェーズを4段階に分けてコンテンツの切り口を変えます。
①サービスカテゴリーをまだ知らない層には課題の解決策を提示する
②カテゴリーは知っているが選び方を知らない層には選び方を伝える
③比較検討している層には自社ならではの強みを伝える
④既に利用している顧客には新しい使い方を伝える
という具合です。段階ごとに「今その人が知りたいこと」を意識してコンテンツを用意します。

4.配信シナリオの設計:
どのタイミングで、誰に、何を届けるかを決めます。開封や資料閲覧などの行動をきっかけに次のコンテンツを届ける設計にすると、関心度に応じた対応がしやすくなります。
たとえば、送付した資料が開封された瞬間にアプローチする、ウェビナー参加者には当日中に初回アプローチを行うなど、行動のタイミングに合わせたルールをあらかじめ決めておくと、対応の抜け漏れや遅れを防げます。
また、行動のタイミングに加えて、コンテンツをどんな順番・組み合わせで届けるかも設計のポイントです。
たとえば本記事の独自データのように自社で調査を実施している場合、その結果を起点にした配信シナリオが考えられます。
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配信シナリオの例:自主調査レポートを起点にする場合 ①自主調査レポート(自社サイト・メール配信) ②レポートをテーマの切り口ごとに分割したお役立ち資料を複数回配信 ③テーマの近いウェビナーに誘導 という流れです。 調査結果は1本のレポートで終わらせず、切り口ごとに複数のコンテンツへ分割すると同じデータを無駄なく使い回せます。ウェビナーもアーカイブ配信や資料のダウンロードコンテンツ化を組み合わせると、一度の実施を複数のタッチポイントに広げられます。
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5.スコアリングと営業連携:
行動データから関心度を点数化し、一定の基準を超えたリードを営業に引き渡します。配点に迷う場合は、前述の「資料別の役立ち度」データをそのまま重みとして使う方法が考えられます。
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配点例(「資料別の役立ち度」調査の結果をもとにした目安) ・提案書・製品資料ダウンロード +17点 ・導入事例ページ閲覧 +16点 ・デモ・トライアル申込 +12点 ※ 実際の配点は自社の商談化率を見ながら、定期的に調整してください。
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→ 資料別の詳しい役立ち度データは、「社内稟議はなぜ通らない? BtoB担当者540人調査でわかった『稟議を通す資料』の作り方」をご覧ください。
配点の基準は営業と共有し、商談化率の推移を見ながら定期的に見直します。
あわせて、サイト訪問や特定コンテンツの閲覧、商談・ウェビナーからの経過日数などをもとに営業へアラートが飛ぶ仕組みにしておくと、スコアが基準を超えたタイミングを逃さず引き渡せます。
スコアリングや配信の自動化にはMAツールを使うのが一般的です。
ツールの選び方は「BtoB企業向けマーケティングオートメーション(MA)選定完全マニュアル」で解説しています。
スコアリング基準や配信シナリオの設計でお困りの際は、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。
リードナーチャリングの成果を測る指標
段階ごとに見る指標を分けておくと、どこで停滞しているかを把握しやすくなります。
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指標
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見るもの
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開封率・クリック率
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情報収集層向けコンテンツへの反応。件名や配信タイミングの善し悪しを確認する
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資料請求率・セミナー申込率
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比較検討層の反応。コンテンツが検討の後押しになっているかを確認する
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スコア到達率
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一定の関心度に達したリードの割合。配信シナリオ全体の効き目を確認する
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商談化率(引き渡し後)
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営業に引き渡した後、実際に商談に進んだ割合。引き渡しの基準が適切かを確認する
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リードナーチャリングの取り組み事例
実際にナーチャリングの仕組みを見直した事例を4つ紹介します。
1つ目は当社(ネオマーケティング)自身の取り組み、残り3つは他社の事例です。いずれも特定の企業の実績であり、同様の成果を保証するものではありませんが、進め方の参考としてご覧ください。他社事例の詳細は「インサイドセールスの事例7選-施策の具体例と成功のポイント」で解説しています。
・【自社事例】HubSpot活用によるナーチャリングループの構築:
以前は営業担当者がハウスリストへ電話・メールで個別にアプローチしており、アポ獲得率の低さが課題になっていました。
HubSpotを導入し、Webサイト訪問者向けのコンテンツ拡充と、見込み客の検討段階別のメール配信を軸にしたナーチャリングループを構築したところ、コンテンツ拡充によってサイト訪問数が104%増・資料請求が146%増となり、アプローチの効率化によってアポ獲得率は17倍、営業1人あたりの商談数は140%増となりました。
新規取引社数も、コロナ禍初期(2020年頃)を基準に、その後は多くの年で前年を上回るペース(年平均約110%)で推移しています。これらはHubSpot導入と並行して実施した複数の施策全体の結果であり、単一の要因による効果を示すものではありません(出典:当社実績。詳細な集計期間・母数は非公開ですが、お問い合わせ時にご案内可能です)。

・ナーチャリング期間の短縮:
初期費用無料のツールを扱う企業では、従来1年単位だった長期のナーチャリング計画が、顧客の短い検討期間に合わず離脱を招いていました。
顧客情報を1か月単位で整理してフィールドセールスに引き渡す方式に転換した結果、限られたインサイドセールスの人員でも、有力なリードを月あたり数百件単位で獲得できるようになりました。
・顧客情報の一元化によるアプローチタイミングの精度向上:
複数の営業拠点を持つWeb関連企業では、拠点ごとに顧客情報がばらつき、アプローチのタイミングを逃していました。
顧客管理ツール(HubSpot)を導入し、全拠点の問い合わせ履歴やメール開封タイミングをリアルタイムで把握できるようにした結果、商談発生率が4割近く向上しました。
・MAツールによる接触タイミングの改善:
過去に獲得したリードへの再接触ができず、新規リードの発掘に追われていた企業では、MAツールでリードの検討フェーズを分析し、接触に適したタイミングでアプローチする仕組みを整えました。
その結果、接触を試みたリードのうち約半数を商談化できるようになりました。
ここで紹介した当社の事例も含め、具体的な進め方についてはお問い合わせフォームからお問い合わせいただければ、個別にご案内します。
リードナーチャリングでよくある失敗
・配信頻度が合っていない:
配信が多すぎると解除につながり、少なすぎると関心が離れます。
先述の『ナーチャリング期間の短縮』の事例でも、1年単位の長期的なナーチャリング計画が顧客の短い検討期間に合わず離脱を招いたケースがあります。まずは月1〜2回程度から始め、開封率を見ながら調整します。
・全リードに同じ内容を一律配信している:
検討段階が異なるリードに同じ内容を送ると、響く相手が限られます。
稟議担当者は稟議書に平均4.35項目を記載し、平均2.91種類の根拠を自分で集めており、検討段階に応じて情報収集層には基礎解説、比較検討層には事例やROIの目安を届けるなど、最低限の出し分けが必要です。
・営業との情報共有がなく、スコアが独り歩きしている:
スコアの基準が営業の実感と合っていないと、引き渡したリードが商談化しません。
先述の『MAツールによる接触タイミングの改善』の事例でも、検討フェーズを分析し接触タイミングを営業側と合わせたことで、接触した約半数を商談化できています。定期的に営業と結果をすり合わせることが欠かせません。
・効果測定の指標を決めずに始めている:
開封率や商談化率など、何を見て改善するかを先に決めておきます。
稟議が通らず導入を断念した経験が57.8%にのぼるという調査結果を踏まえると、商談化率だけでなく、稟議通過に至ったかどうかまで営業側と追える体制が理想です。
成果を出すためのポイント
1.検討段階でコンテンツを出し分ける:
稟議で「最も説得力があった根拠」は提案書・実績データ・導入事例・ROI試算など多岐にわたっており、単一の切り口に偏ると刺さらない読者が出てきます。情報収集層には基礎解説、比較検討層には事例やROIの目安を届けるなど、複数の切り口・深さを用意しておくことが有効です。
2.前倒しで用意できる資料を優先する:
すでに触れたとおり、提案書や事例のように役立ち度が高く、かつナーチャリングの段階から準備できる資料を優先してコンテンツ化します。見積書のように商談が具体化してから初めて用意できる資料は、営業側の準備に任せます。
3.稟議担当者が使いやすい形に加工する:
本人が上司に説明する場面を想定し、要点をまとめた1枚資料やQ&A想定問答集・FAQ形式に加工しておくと、そのまま稟議書に転用してもらいやすくなります。
4.データを見ながら改善する:
配信タイミングや件名、コンテンツの内容をABテストなども交えて、半年に一度を目安に見直します。先述の『顧客情報の一元化によるアプローチタイミングの精度向上』の事例でも、拠点ごとにばらついていた顧客情報を一元化してアプローチタイミングを可視化した結果、商談発生率が4割近く向上しています。データに基づく見直しの積み重ねが成果につながります。
リードナーチャリングを効率化するMAツール
リードの数が増えてくると、配信やスコアリングを手作業で行うのは負担が大きくなります。
MA(マーケティングオートメーション)ツールを使うと、行動データに応じた配信やスコアリングを自動化できます。
自社に合ったツールの選び方や比較の観点は、「BtoB企業向けマーケティングオートメーション(MA)選定完全マニュアル」にまとめていますので、そちらをご確認ください。
自社に合うMAツールの選び方や導入後の運用体制について個別に相談したい場合は、お問い合わせフォームからご連絡ください。
よくある質問
リードナーチャリングとリード獲得の違いは?
リード獲得は見込み顧客の情報を集める活動、リードナーチャリングは獲得したリードに情報を届けて検討を進める活動です。
リードナーチャリングは何から始めればよいですか?
まずは獲得したリードの分類と、想定する検討プロセスの整理から始めます。
そのうえで、検討段階ごとに届けるコンテンツと配信のタイミングを決めていきます。
リードナーチャリングのデメリットは何ですか?
コンテンツやシナリオの設計・制作に工数がかかることと、BtoBは検討期間が長いため成果が数値として見えるまでに時間がかかることです。詳しくは「メリット・デメリット」の章をご覧ください。
スコアリングはどのように設計すればよいですか?
資料請求やセミナー参加、価格ページの閲覧など、商談化につながりやすい行動に点数を設定し、合計点が一定の基準を超えたリードから営業に引き渡す設計が一般的です。
「進め方5ステップ」の章で紹介したように、営業資料の役立ち度など既存の調査データを重みとして使う方法もあります。基準は営業と共有し、商談化率の推移を見ながら定期的に見直しましょう。
リードナーチャリングには、どのくらいの期間が必要ですか?
商材の価格帯や検討に関わる人数によって異なります。
稟議書には平均4.35項目の記載が必要という調査結果もあり、社内の合意形成に一定の時間がかかると考えられます。
まずは自社の過去の商談データから、問い合わせから受注までの平均的な期間を確認したうえで、配信シナリオの長さの目安にすることをおすすめします。
まとめ
リードナーチャリングは、獲得したリードの検討を段階的に進めるための活動です。
メリット・デメリットを踏まえたうえで、手法や進め方に加え、稟議の場面で何が説得力を持つかを踏まえてコンテンツを設計しておくと、リードが検討を進める過程で、稟議に使える材料を自然と手元に集められるようになります。
ナーチャリングの施策を見直す際は、配信内容が検討段階に合っているか、稟議で使える情報まで届けられているかも確認してみてください。
■この記事で紹介した調査結果はコチラ
関連レポート:BtoB企業の社内稟議・承認プロセス実態調査2026
https://corp.neo-m.jp/report/investigation/work_028_btob-approval-process