生成AI(ジェネレーティブAI)とは
生成AI(ジェネレーティブAI)とは、学習データを活用して新たなコンテンツを生み出せるAIのことです。あらかじめ学習した大量のデータを元に、最善の回答を導き出す書類を繰り返すことにより、高度なコンテンツを生成します。
従来型のAI(人工知能)は、定められた手順で処理をしたり、データを分析したりする能力を備えていました。たとえば、さまざまな動物のうち「犬」はどの画像かを学習することで、大量の画像から犬だけを素早くピックアップする、といった処理が可能ですが、一方で新たな犬の画像は生成できません。
生成AIは、学習データから「犬」の特徴を抽出し、まったく新しい犬の画像を生成できます。こうした高度な創作活動を代替できるようになったことが、生成AIの大きな特徴です。
生成AIの主な種類8選とおすすめサービス

生成AIには多くの種類があります。主な種類として挙げられるのは次の8種類です。
1.会話型
2.要約・校正型
3.記事作成型
4.画像生成型
5.動画生成型
6.音楽生成型
7.コード生成型
8.その他
それぞれの生成AIがもつ主な特徴と、おすすめサービスの例を見ていきましょう。
1.会話型
会話型生成AIは、人間が使う言葉(自然言語)を用いて自然な会話ができるAIサービスです。まるで人間とコミュニケーションを交わしているかのような、自然な会話のやり取りができます。短い会話のやり取りだけでなく、長文の生成にも対応可能です。
会話型AIサービスをWebメディア制作に活用することで、たとえば企画案のブラッシュアップなどに活用できます。検討中の企画案について生成AIとやり取りを重ねる中で、異なる視点に立ったアイデアを得たり、想定される読者のニーズを盛り込んだりできるからです。
【会話型生成AIのおすすめサービスと特徴】
■ChatGPT
OpenAIが開発した生成AIサービス。複数の生成モデルを選択することで、処理の速さや正確性など目的や用途に応じて活用できる。
■Gemini
Googleが開発した生成AIサービス。テキストのほか、画像や動画、音声の内容を元にコンテンツを生成できる。
■Copilot
Microsoftが開発した生成AIサービス。Officeソフトとの連携に強みがあり、各種ソフト上で生成AIを活用できる。
2.要約・校正型
文章の重要なポイントをまとめたり、既存の文章を読みやすく整えたりできる生成AIです。従来は人間が資料や文書を読み込んで要約・校正する必要がありましたが、こうした工程を大幅に効率化・省力化できる点に特徴があります。
Webメディア制作においては、コンテンツ制作に欠かせないリサーチ業務に要する時間を短縮したり、原稿の校正をサポートする役割を担ったりできる可能性があります。
【要約・校正型生成AIのおすすめサービスと特徴】
■ELYZA LLM
東京大学発のスタートアップ企業が開発したAIサービス。日本語で書かれた文章の要約や、異言語の翻訳といった機能に強みがある。
■要約AI Samaru
日本語で書かれた文章の要約に特化したAIサービス。日本語特有の表現や、原文のニュアンスを捉えた高精度な要約に対応可能。
■DeepL Write
英語やドイツ語、フランス語など、外国語のニュアンスや文脈を踏まえた文章作成サポートが可能なAIサービス。
3.記事作成型
ユーザーが指定したテーマやキーワードに沿った文章を作成できる生成AIサービスです。まとまった文字数の文章を、ごく短時間のうちに生成できる点に特徴があります。
Webメディア制作においては、記事作成型生成AIサービスで記事の素案を作成した上で、素案をリライトすることで質の高い記事制作に役立てられます。
【記事作成型生成AIのおすすめサービスと特徴】
■Transcope
基本的なSEOを踏まえた文章を生成できる。必要な資料や文書を事前に学習させることにより、特定の企業や製品・サービスに関する記事作成も可能。
■SAKUBUN
キーワードと見出しの入力のみで、コピペ率の低い文章を生成できる。文章のトーンを調整したり、ペルソナ設定にもとづく文章を作成したりすることも可能。
■Claude
自然な日本語による文章の生成に対応している。大量の文字数を処理できるほか、倫理的な視点を考慮した文章の生成も可能。
4.画像生成型
テキスト情報を元に画像を生成したり、元の画像を加工したりできる生成AIサービスです。イラストレーターに画像制作を依頼するように、言葉による指示や希望するイメージに近い画像を用いてイラストを生成できます。
Webメディア制作においては、記事内に掲載するイラストや画像を作成したい場合に役立ちます。簡単なイラストであれば数十秒程度で生成されるため、イラスト制作に要していた時間やコストを大幅に削減できるでしょう。
【画像生成型AIのおすすめサービスと特徴】
■Adobe Firefly
Adobe Stock内の画像を学習データとしているため、著作権の利用許諾が得られている画像を生成できる。
■Microsoft Designer
無料で利用可能な画像生成型AIサービス。画像の説明文とサイズ指定を指定するだけで、希望する画像を生成できる。
■Stable Diffusion
商用画像を無料で生成できるAIサービス。文字情報や画像を元に高品質でリアルな画像を生成できる。
5.動画生成型
テキスト情報や画像から動画を生成できるAIサービスです。数秒程度の短い動画を、撮影や編集工程を経ることなく短時間で生成できます。
たとえば、製品画像を元に紹介動画を制作したり、ストーリー性のある広告用動画を制作したりすることも可能です。
【動画生成型AIのおすすめサービスと特徴】
■Sora
OpenAIが開発した動画生成型AIサービス。自然なアングルや背景を再現した動画を生成できる。
■Runway Gen-2
直感的な操作で本格的な動画を生成できるAIサービス。動画の長さや速度、効果などをテキストで詳細に指定できる。
■Make-a-Video
Metaが開発した動画生成型AIサービス。文章や画像を元に、前後のストーリーを踏まえた動画を生成できる。
6.音楽生成型
テキスト情報や希望のジャンルなどを元に、楽曲を制作できる生成AIサービスです。簡単なBGMのような曲であれば、イメージを指定するだけで自動生成できます。
活用例として、作曲する際のアイデア出しや、動画のオリジナルBGM制作などが想定されるでしょう。
【音楽生成型AIのおすすめサービスと特徴】
■MusicFX
Googleが開発した音楽生成AIサービス。簡潔なテキスト入力のみで、オリジナルの楽曲を生成できる。
■Soundraw
希望する楽曲のジャンル・テーマ・ムードを指定することで、オリジナルの楽曲を生成できるAIサービス。
■Suno AI
テキスト情報を元に、ボーカル付きの楽曲を生成できるAIサービス。歌詞から楽曲を生成できる点が大きな特徴。
7.コード生成型
プログラミングコードの作成をサポートする生成AIツールです。使用するプログラミング言語と実行したい処理をテキストで指示することで、希望する実行結果を得られるコードが生成されます。
たとえば、ITエンジニアがコーディングの効率化に役立てたり、プログラミング初心者が学習に活用したりすることも可能です。
【コード生成型AIのおすすめサービスと特徴】
■GitHub Copilot
GitHubとOpenAIが共同開発した生成AIサービス。実行したい動作に応じたコードを提示できる。
■Amazon CodeWhisperer
既存のコードやコメントにもとづいて、リアルタイムでコードの提案ができる。コード内の脆弱性の検出・修正の提案も可能。
なお、先に紹介したChatGPTもコード生成に対応しているほか、Gemini Code Assistのように会話型生成AIと連携させることでコーディング支援が可能なサービスもあります
8.その他
ここまでに紹介してきた生成AIサービス以外にも、生成AIを活用したさまざまなサービスが登場しています。
Notion AIは、多機能なタスク処理が可能なNotion上で利用可能な生成AIサービスです。Notionに入力された文章の要約や翻訳をはじめ、アイデアの提案などにも活用できます。
Polyは、テキスト情報を元に3Dモデルを生成できるAIサービスです。生成されたオブジェクトをユーザーが編集したり、既存の3Dモデル制作ソフトを連携させて自在に活用したりできます。
AIさくらさんは、無人受付システムを実現する生成AIサービスです。要望に応じた柔軟な対応のほか、多言語対応を実現しています。受付業務をはじめ、問い合わせ対応や日程調整といった業務の自動化が可能です。
用途に合わせて生成AIを使い分けよう
生成AIには多くの種類があり、サービスごとに強みや特徴が異なります。まずはどのような生成AIサービスがあるのかを知り、用途に応じて使い分けられるようにしておくことが重要です。今回紹介した生成AIの主な種類とサービス例を参考に、業務効率化や生産性向上に寄与する生成AIの活用方法を検討してみてはいかがでしょうか。