顧客満足度調査(CS調査)とは?
「また利用したい」と思われる企業と、そうでない企業の違いは何か?
その答えを探るために欠かせないのが顧客満足度調査(CS調査)です。顧客満足度の定義と役割を理解し、より事業成長へ繋げていきましょう。
顧客満足度調査(CS調査)の定義と役割
顧客満足度調査(CS調査)とは、顧客が企業の製品・サービスにどの程度満足しているかを測る調査です。定量・定性データを収集して、分析し、サービスの品質向上やマーケティング戦略の最適化につなげます。
たとえばある飲食店が「料理の味」に関する満足度を調査し、評価が低かったとしましょう。その場合、調査結果を参考にして、味付けの見直しやメニュー改良に取り組むなどさまざまな改善策を考えられます。
顧客満足度調査(CS調査)が求められる背景
顧客満足度調査(CS調査)が求められる背景として、顧客体験(CX)の質が重視されるようになった点が挙げられます。多くの業界で競争が激化する昨今、商品や価格以外の部分で差別化を図る戦略が多く見られるようになりました。
SNSや口コミの影響力が拡大した点も大きいでしょう。満足度の低い顧客の声が拡散されるリスクを避け、ポジティブな口コミを増やす重要性が増しました。
さらには顧客の意見を定量・定性データとして収集し、経営戦略に活かす「データドリブン経営」の広がりも、顧客満足度調査の浸透を後押ししています。
顧客満足度調査(CS調査)を実施する目的
顧客満足度調査(CS調査)を実施する目的としては、以下のようなものがあります。
目的
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説明
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商品・サービスの品質向上 |
調査を通じて、顧客が満足している点や不満を感じているポイントを明確にでき、改善に役立てられる |
リピーターやファンの獲得 |
顧客の満足度が高い企業ほど、リピーターが増え、ブランドのファンを獲得しやすくなる |
競合との差別化戦略の立案 |
調査を実施し、自社の強みや改善点を明確にすれば、競合との差別化戦略を立案しやすくなる |
顧客体験(CX)の最適化 |
全体的な顧客体験を把握し、総合的な満足度向上につなげるための施策を考えられる |
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顧客満足度調査(CS調査)で使われる指標
顧客満足度調査(CS調査)を効果的に活用するためには、適切な指標を理解し、目的に応じて使い分けるのが重要です。よく使われる指標としては、以下のようなものがあります。
■NPS®(ネットプロモータースコア)
■NRS(ネットリピータースコア)
■CES(Customer Effort Score:顧客努力指標)
■CSI(顧客満足度指数)、 JCSI(日本版顧客満足度指数)
■ CSAT(顧客満足度スコア)
たとえばNPS®は「顧客がどれだけそのブランドを勧めるか」を測るのに適しており、長期的な顧客ロイヤルティの指標です。一方で、CSAT(顧客満足度スコア)は、特定の商品・サービスに対する満足度を直接的に測る指標であり、短期的な施策の評価に役立ちます。
指標を適切に選ばないと、企業の目的とずれたデータを収集してしまう可能性があるため注意が必要です。
顧客満足度調査(CS調査)の実施方法
顧客満足度調査は、顧客満足度調査(CS調査)を効果的に行うには、適切なステップを踏むのが重要です。具体的には、以下の4つを意識するとよいでしょう。
• 目的の設定
• 調査票の設計
• 調査の実施
• データ分析とレポート作成
まず、何を明らかにしたいのかを明確にします。たとえば「サービスの品質改善」「リピーター増加」「競合との差別化」など、調査の目的を設定すれば、適切な指標や質問内容を決めやすくなります。
調査票の設計や、実際の調査を実施した後は、分析・改善の作業も欠かせません。
顧客満足度調査(CS調査)の費用相場
顧客満足度調査(CS調査)の費用は、調査方法や規模、対象人数、データ分析の深さによって大きく異なります。
近年では、Webアンケートツールや顧客満足度測定ツールを利用し、自社で調査を実施するケースも増えています。こちらの場合、数万円〜10万円程度が相場です。
調査の質を高めたいのであれば、専門の調査会社に依頼する方法がおすすめです。ツールよりも高額になる傾向があり、数十万円〜数百万円が相場です。専門の調査会社について詳しくは、以下の記事を参照してください。
顧客満足度調査(CS調査)を効果的に行うためのポイント
せっかく顧客満足度調査(CS調査)を行っても、「思ったような調査結果が得られない」などの悩みを抱える企業も少なくありません。以下、顧客の声を正確に集め、調査を成功させるためのポイントを紹介します。
■質問設計に注意する
顧客満足度調査の精度を高めるためには、適切な質問を設計し、回答しやすいフォーマットにするのが重要です。
とくに重要なのが、シンプルで明確な質問を心がける点です。以下のNG例・OK例をご覧ください。
・NG「このサービスは価格と品質のバランスがどれくらい取れていますか?」
・OK「このサービスにどの程度満足しましたか?」
質問が曖昧だったり、複数の要素を含んでいたりすると、回答者が迷ってしまい正確なデータが得られなくなります。「1つの質問で1つのことを聞く」を徹底しましょう。
■調査の頻度とタイミングを考慮する
顧客満足度調査は、実施する頻度やタイミングによって、得られるデータの質や顧客の反応が大きく変わります。以下の2つを使い分けましょう。
・長期的な満足度の推移を把握し、施策の効果を測る「定期調査」
・特定の施策やサービス変更後の影響を測定する「スポット調査」
定期調査の場合、1年に1度もしくは2度の実施が望ましいでしょう。
■専門の調査会社に依頼する
顧客満足度調査(CS調査)を効果的に行うには、専門の調査会社に依頼するのもおすすめです。自社で調査を行うと、無意識のバイアスがかかる可能性があります。専門の調査会社に依頼すれば、第三者視点での公平なデータ収集・分析が可能です。
専門の調査会社は、質問設計や調査手法に関する知識を持っており、効果的な調査を実施できます。
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