価格をキメルならバリューベースプライシングリサーチ
ライター:吉原慶
公開日:2023年01月13日
| 更新日:2024年10月08日
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カテゴリー:
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リサーチャーコラム
マーケティングリサーチ
「価格をキメル」これに悩まないことはないのではないでしょうか。
高いと買われないが、安いと利益が減ってしまう、もしくはブランド棄損に繋がってしまう
消費者との価格の駆け引きはとても難しいですが、購入の意思決定に寄与する大きな要因でもあります。
今回は、価格調査・プライシング(価格戦略)の新しいアプローチのコラムに続く続編として
バリューベースプライシングについて解説いたします。
前回のコラムでも価格調査の定石としてPSM分析をご紹介しましたが、このPSM分析を意味あるものにする考え方をお伝えします。
▼前回のコラムはコチラ▼
価格調査・プライシング(価格戦略)の新しいアプローチ
PSM分析とは
簡単に説明すると、ある商品に対する次の4つの価格から分析をするものです。
・これ以上高いと買わないと思う金額
・ちょっと高いなと思う金額
・ちょっと安いなと思う金額
・これ以上安いと、品質に不安を覚える金額
この4つの価格を聞き、グラフ化してできる交点から「最大許容価格」「適性価格」「妥協価格」「最小許容価格」を割り出します。
需要価格をベスト価格と判断しつつ、その価格と自分たちの想定価格との乖離を確認。近しければ、「この価格でだいたい大丈夫だ」と判断できます。あまりにもかけ離れているようであれば、最大価格と最小価格の範囲内に入っているのかどうかなどをチェックします。
凄くシンプルで分かりやすい分析手法ですが、そこには問題も伴います。
問題点は?
それは、「現実的ではない価格」が出てしまう という点です。
損益分岐点を下回る受容価格が出る、というケースは少なくないのではないでしょうか。
それはどこに問題があるのか、
その答えは
「市場価格を把握していない人」の意見も反映しているために、価値が価格換算されていない
という点にあると考えています。
では、どうすればよいのでしょうか?
その答えこそ、価値を価格換算するバリューベースプライシング です。
すべきことはシンプルにこれだけです。
①調査対象者は、既存カテゴリの市場価格理解者 とする
②購入を前提とせず「いくらだと思うか」
③PSM分析
この3点で、価値をベースにしたプライシングができます。
①は、今の市場における標準価格(アンカー)が前提にあり、そこに対して、当該商品・サービスの付加価値にいくらの価値があるかを確認することが重要
②購入意向とは切り離して、感じた価値を価格に置き換えてもらうため、いくらなら買いたいか、買うとしたらいくらか という聞き方はしない
③分析はシンプルにPSM分析とすることで、最大と受容・妥協価格に着目する。複数の価格帯が確認できることで市場ポテンシャルも見える化できる
価格戦略を見誤ると事業に大きな影響が出てしまうため、現実的かつ意義のあるプライシングリサーチが求められています。
今すぐにどなたでもできる方法として、今回ご紹介したバリューベースプライシングリサーチを是非お試しいただきたいです。
特に、これまで価格調査をやったけど納得感が得られなかった経験をお持ちの方であれば尚更おススメいたします。
ネオマーケティングでは、今後もプライシングの探求を続けて参ります。
下記のバリューベースプライシングリサーチ自主調査もご参照くださいませ。
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