Webマーケティングの手法について調べていると、「コンテンツマーケティング」や「SEO」といった言葉に遭遇します。両者がどう違うのか、どちらに注力すべきなのか知りたいという方は多いのではないでしょうか。
本記事では、コンテンツマーケティングとSEOの目的・対象・手法の違いについてわかりやすく解説しています。SEO施策だけでは十分とはいえない理由や、コンテンツSEO施策に取り組むメリットにもふれていますので、ぜひ参考にしてください。
コンテンツマーケティング・SEO・コンテンツSEOの違い
目的・対象・手法の違い
コンテンツマーケティングとSEOの違いについて、より詳しく見ていきましょう。主な相違点は「目的」「対象」「手法」の3点です。
目的の違い
・SEO:主に検索結果の上位表示
・コンテンツマーケティング:コンテンツ提供を通じたユーザーとの信頼関係構築
SEO施策の主目的は、ユーザーが対象キーワードで検索した際の上位表示にあります。一方、コンテンツマーケティングではユーザーが求める有益な情報を提供して信頼関係を築き、行動を促していくことが主な目的です。
コンテンツSEOでは、検索ニーズに応える質の高いコンテンツの制作を通じて上位表示を目指します。高品質なコンテンツの提供が、結果としてSEO施策としても効果を発揮するという考え方です。
対象の違い
・SEO:顕在層がメイン
・コンテンツマーケティング:顕在層・潜在層の両方が対象
SEOは対象キーワードを前提とした施策のため、検索する目的が明確になっているユーザー層が主な対象です。これに対して、コンテンツマーケティングは企業や商品について知っている層・知らない層のどちらにもアプローチできます。
たとえば、自社の商品名を認知していない層が、商品名で指名検索することはまずありません。一方で、商品と関連性の高いキーワード対策を講じたコンテンツを公開することによって、こうした潜在層にもリーチできる可能性があります。
手法の違い
・SEO:専ら検索エンジンを対象とした施策
・コンテンツマーケティング:Webサイト以外を用いた情報提供も想定
SEOは「検索エンジン最適化」という名称のとおり、あくまでも検索エンジンを対象とした施策です。これに対して、コンテンツマーケティングはWebサイトのほか、メールマガジンやホワイトペーパーといった多彩な情報提供の手段を想定しています。たとえば、Webサイトを訪れたユーザーにより詳しい情報を提供するホワイトペーパーを案内し、ダウンロード時に企業名や連絡先を入力してもらうことで、継続的なコミュニケーションにつなげることも可能です。
SEOだけでは十分な効果が期待できない理由

近年コンテンツマーケティングが注目されている背景には、SEO施策の効果が上がりにくくなっているという事情があります。なぜSEOだけでは十分な効果が期待できないのでしょうか。主な理由として次の4点が挙げられます。
検索エンジンの進化
1つめの理由は、検索エンジンのアルゴリズムが急速に進化したことです。ユーザー視点に立った有益な情報を提供しているサイトが上位に表示されるようになり、反対に「単にキーワードを詰め込んでいる」「被リンクを大量購入する」「質を問わず記事を量産する」といった手法では検索上位の獲得が難しくなりました。
近年では「AIによる概要」がGoogle検索結果に表示されるなど、AIや大規模言語モデルを意識した対策(AIO/LLMO)も重要視されつつあります。ユーザーの検索意図に応える質の高いコンテンツを制作することは、現在の検索アルゴリズムおよびAIO/LLMO対策の観点からも重要なポイントです。
商品・サービスのコモディティ化
商品・サービスそのものがコモディティ化していることも要因の1つです。プロダクトそのもので差別化を図る難度が上がり、企業やブランドへの信頼感や関係性の深さが購買・契約を決定づける傾向が強まりつつあります。
とくにBtoBマーケティングにおいては、プロダクトそのもの以上に信頼関係が重視される傾向が顕著に見られます。自社への信頼感を高めることが、結果として商品・サービスの付加価値を高めることにつながるでしょう。
ユーザー行動の多様化
ユーザー行動が多様化し、マスを対象としたマーケティング手法の効果が相対的に薄れつつあることも重要な要素です。現代社会では、ユーザーが情報を収集する手段は多岐にわたります。テレビCMや新聞の広告欄、折込チラシなどの告知方法しかなかった時代とは異なり、各自がスマートフォンやSNSなどで情報を得られる時代になりました。これは、企業にとって見込み客とのタッチポイントが細分化したことを意味しています。
タッチポイントを増やすには、商品・サービスに関連するキーワードを幅広く確保し、潜在層も含めてアプローチしていく必要があります。ユーザー行動の多様化は、コンテンツマーケティングの必要性が高まった要因の1つといえるでしょう。
ロイヤルカスタマーの醸成
新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客との信頼関係を深化させる取り組みが重要視されていることも理由の1つです。少子高齢化が急速に進む日本では、対象顧客の母数自体が減少傾向にあります。安定的な売上を確保するには新規顧客を獲得し続けるだけでなく、既存顧客により上位の商品を購入してもらうこと(アップセル)や、関連商品をあわせて購入してもらう(クロスセル)ことによって、客単価を上げていくことが重要です。
さらに、強力な信頼関係を築いた顧客には、良質な口コミや新規顧客の紹介など売上増強を後押しする行動が期待できます。こうしたロイヤルカスタマーの醸成を、従来のSEO施策のみで推進するのは容易ではないのが実情です。
コンテンツSEOのメリット

コンテンツマーケティングとSEOの要素を持ち合わせた「コンテンツSEO」に取り組むことで、具体的にどのようなメリットを得られるのでしょうか。
広告費の削減につながる
コンテンツSEOの推進は、広告費の削減に寄与します。有益な情報提供による検索上位の獲得は、広告費をかけることなく実現可能です。広告のみに依存しない集客モデルの確立につながるでしょう。
もちろんコンテンツの企画・制作や各種メディアの運営にはコストがかかりますが、運営するメディアの規模や制作方法によっては比較的低予算でも実現できます。予算規模に応じて取り組めることも、コンテンツSEOのメリットの1つです。
潜在層を取り込める可能性がある
顕在層だけでなく、潜在層も含めてリーチできる可能性があることもメリットといえます。広告施策のように商品名などを直接訴求せず、ユーザーが抱えている課題や悩みに応えるコンテンツを提供することに注力するからです。
自社の商品・サービスを認知していないユーザーであっても、関連するキーワード経由で自社メディアを訪れてもらえる場合があります。コンテンツを通じて有益な情報を得られたと感じてもらえれば、発信元の企業や提供している商品・サービスに関心を寄せることもあり得るでしょう。このように、売り込み感を前面に押し出すことなく潜在層とのタッチポイントを築けることは、コンテンツマーケティング施策の大きな強みです。
ブランディング施策としても効果が期待できる
コンテンツマーケティングはブランディング施策の一環としても有効です。発信している情報への信頼性が、企業やブランドに対する信頼醸成へとつながります。
たとえば、「ハンバーガー」を提供しているチェーン店と聞くと、多くの人が連想する店名は数種類ほどでしょう。このように「欲しい」と思ったときに第一想起される店名・商品名が、実際に購入する商品の候補となります。知らない企業や商品よりも、すでに知っている・信頼を寄せているものの中から選びたくなるのが生活者や企業担当者の一般的な心理です。コンテンツマーケティングを通じて信頼感を高めておくことは、第一想起される商品群の中に自社商品が含まれる大きな要因となり得ます。
さらに、信頼できるブランドの企業であれば、リピート購入や継続利用にもつながりやすいでしょう。容易に揺らぐことのない信頼関係の土台を築くきっかけになることは、コンテンツSEOに注力するメリットの1つです。
制作したコンテンツが自社の資産になる
制作したコンテンツが自社の資産となり、積み上がっていくことも大きなメリットです。広告は即効性が期待できる施策であり、顕在層への訴求効果が高いという強みがある反面、広告出稿を停止するとその効果が失われてしまいます。一方、コンテンツは公開している限り効果が持続するため、将来にわたって強力な集客ツールとなり得るでしょう。コンテンツマーケティングの併用は、広告の弱点を補うための施策としても効果的です。
制作したコンテンツは商談資料や販促ツール、セミナー資料としても活用できます。このように自社が所有するコンテンツが増えていくことは、営業/販売活動全体の質向上にも寄与するでしょう。
SEOを踏まえたコンテンツマーケティング施策を講じよう
コンテンツマーケティングは、SEO施策の難度が上がった昨今においてターゲットとの信頼関係を築くための重要な手法となりつつあります。SEOとコンテンツマーケティングの違いを押さえつつ、両施策が重なる「コンテンツSEO」に注力することで、顕在層・潜在層にバランス良く訴求できるでしょう。
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