クロス集計表の活用法~ユーザー化分析~-ネオマーケティング-
ライター:株式会社ネオマーケティング
公開日:2021年12月27日
| 更新日:2024年10月15日
-
カテゴリー:
-
マーケティングリサーチ
PR・プロモーション
現ユーザーは自社製品のどのような点を評価をしているのか、そもそも非ユーザーはなぜ製品を利用しないのか、単純に認知が不足しているのか・・・
これらの要素を、今回はクロス集計表を用いて分析する「ユーザー化分析」をご紹介します。
ユーザー化分析とは
企業は日々、ユーザー拡大に向けて試行錯誤を繰り返しマーケティング活動をしています。
(ここでいうユーザーとは「購入者」「飲用者」「喫食者」「使用者」を指します。)
ユーザー化分析とは、その名の通り、非ユーザーをユーザーにシフトする施策を検討するための分析手法です。
ユーザー化分析のメリットは、クロス集計表のみで分かる点です。つまり、リサーチ会社からの基本的な納品物だけで、十分に把握できるわけです。相関分析や重回帰分析といった多変量解析は不要です。
ユーザー化分析の解釈例
上のクロス集計表・グラフを解釈すると、非購入者がブランドに抱いているイメージは、「老舗」「伝統」「懐かしい」が購入者に比べ特に低く、「古くさい」が特に高いことがわかります。
つまり、非購入者はこのブランドに対して「古くさい」というマイナスのイメージを持っている一方、購入者は「古くさい」というイメージではなく、「老舗」「伝統」「懐かしい」とプラスのイメージを持つに至っていることがわかります。
このことから、非購入者に商品を購入してもらうには、「古くさい」というイメージを「老舗」「伝統」「懐かしい」イメージに変換させることが鍵なのではないか、と解釈することができるのです。
ユーザー化分析のポイント
ユーザー化分析で使えるのは、ブランドイメージだけなのか?というと、そうではありません。クロス集計の表頭にはブランドイメージだけでなく、多様な設問を設定することができます。
では、表側、つまりどのような軸で結果を比較すればよいのか、その選定ポイントとは何か。それは結果の分析に当たり、仮説を持つということです。
先程の例でいうと、『購入させるポイントは「古くさい」イメージの打破なのではないか』という仮説が立てられると、それを確認するために、表頭項目として「ブランドイメージ」を設定することができます。
また、『女性の若年層を顧客として取りきれていないのではないか』と仮説を立てることができれば、表頭に「性年代」を設定し、クロス集計表を実施すればよいことがわかります。
分析をするにあたって特別なフレームワークは必要無く、仮説さえあれば問題ないわけです。専門的な分析方法を知らなくても優れたマーケターが存在するのは、この仮説思考能力が高いためとも言えます。
分析に活用するデータの種類について
分析対象となるデータには、いくつかの種類にカテゴリ化され、それぞれ名称があります。
デモグラフィックとは、人口統計学的属性であり、アンケートでは「性別」「年齢」「居住地」「職業」「年収」などを指します。
サイコグラフィックとは、心理学的属性を指し、アンケートでは「ブランドイメージ」「購入理由」「価値観」などを指します。
行動データとは、ユーザーの行動そのものを表し、アンケートでは「認知」「経験」「頻度」などを指します。
コミュニケーションデータとは、主にメディア接触に関するデータで、アンケートでは「認知経路」「購入きっかけ」「情報収集源」などを指します。
他にもジオグラフィックデータなどもありますが、アンケート調査との親和性が弱いため、割愛いたします。
「頻度」はサイコグラフィック、「認知経路」「購入きっかけ」などは行動データに入ったりと諸説ありますが、本コラムでは、分かりやすく4分類で表現しています。
本題からやや逸れましたが、参考になれば幸いです
おわりに
今回は統計的分析を行わずとも、クロス集計表だけで実施することができる「ユーザー化分析」についてご説明しました。非ユーザーをユーザーにするための施策を検討するため、非ユーザーとユーザーを比較し、商品サービスへのイメージに違いはないか、ボトルネックとなっている部分はないかなど、まずは施策を検討するための情報を収集することが有効です。ネオマーケティングでは、このユーザー化を促すために必要な調査の設計・分析から、非ユーザーに購入を促す施策部分まで、一貫してご支援しています。
お気軽にご相談ください。
筆者
インサイトドリブンディビジョン リサーチャー R.F.
ネオマーケティングは国内約2889万人のアンケート会員を保有するパネルネットワークを構築、ご希望の調査対象者にリサーチを実施することが可能です。
マーケティング課題を解決し、必要なデータを取得するための調査設計から、調査結果の活用まで、伴走してご支援しています。リサーチを起点に、デジタルマーケティング、PR、ブランディング支援も行っています。
まずはネオマーケティングのサービス資料をご覧ください。
← マーケティングコラム一覧に戻る