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広告・広報・PRの違いとは?今後重要性が高まる戦略PRとは

ライター:高橋 拓己

公開日:2021年06月16日 | 更新日:2024年10月11日

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目次

「広告」「広報」「PR」は、いずれも自社の商品・サービス、ブランドについて知ってもらうための活動です。いずれもマーケティングにおいて重要な役割を担うものですが、それぞれ目的やアプローチは異なります。個別の部署・担当が対応している企業があれば、一つの部署・一人の担当者が行っている企業などさまざまですが、同じようなやり方で進めているがために、なかなか結果につながらないというケースもあるようです。今回はあらためて、広告・広報・PRの違いを整頓し、今後一層、重要となる「戦略PR」について解説していきます。

関係を築いていくのが「PR」

広告・広報・PR、それぞれの意味・役割は、それぞれ次のようにまとめられます。

広告:広告料を支払いメディアの広告枠・広告商品(編集タイアップなど)を購入する
広報:企業が社会に向けて情報を発信すること
PR:パブリックリレーションズの略で、Public(公共)とのRelations(関係づくり)

広報は、商品やサービスの情報をメディアなどに共有したり、依頼に応えて商品を貸し出したり、サービスや企業の情報を提供します。広報が提供した情報は、メディアが取材や撮影を通じて紹介して、生活者のところに届きます。
外部との伝達窓口となり、会社を代表して取材などの対応をしたり、メディアなどの反響や意見に対応することも広報活動のひとつです。自社内の合意を取りまとめ、リスクを避け、企業にメリットをもたらすよう適切で迅速に対応をします。

PRは、商品やサービスなどの情報を出していくという点では広報と同じですが、メディアなど企業内外との「関係づくり」を担うのがPRです。
メディアにその情報の価値を見出してもらい紹介につなげ、生活者に「この商品いいな」「このブランドおもしろそう」といった共感を生むことを目的とします。
結果、第三者が自発的に発信する機会が生まれ、企業やブランド・商品やサービスの認知だけでなく、信頼やイメージ(世界観)、好感度が高まります。

広告と広報・PRとの違いをシンプルに示すなら、お金を払うか払わないかという点になります。PRも実費や協力費を払うことはありますが、基本的にメディアに料金を払うことはせず、メディアは自身の判断、自身の言葉で発信します。
広告は発信内容やタイミング、発信先やボリュームなど、企業が決めます。メッセージが画一化するため深いコミュニケーションは難しいですが、即効的に一定の認知を高める効果があります。

PRから戦略PRへ

昨今、生活スタイルが大きく変わり、生活者の購買のきっかけや意識も変わりました。加えて、社会事象や経済状況の影響もあって、従来のPRでは効果が出にくくなっています。          
また、デジタルの進化と普及によって、SNS上のインフルエンサーが影響力を持ち、大きなメディアのひとつとなりました。コミュニティや同じタグラインでのつながりがたくさん生まれ、誰もがメディアになる時代になっています。
そんな新しい時代に対応するPRが「戦略PR」です。

前述のとおり、メディアに価値を見出してもらい、生活者に共感を抱いてもらうための活動がPRです。メディアとの双方向な関係を通じ、魅力的な内容を適切なタイミングで、伝えたいメディアに伝え、メディアに掲載されるよう働きかけるわけですが、情報を取り上げるかどうかの判断はあくまで、メディア側にあります。

メディアが情報に価値を見出せば大きな特集になりますし、逆に、価値がないと判断すれば小さい掲載になったり、掲載されないこともあります。どれくらいのサイズで露出するか、どう紹介されるかは、その先にいる生活者への伝わり方を左右します。

PR担当者はできるだけ、メディアが価値を見出す情報を選び、ベストなタイミングで、適切なメディアへ働きかけるわけですが、「戦略PR」は、もう一歩踏み込んでいきます。
商品やサービスの対象となる生活者はいま何を考えているのか?ということから考えていくのです。

いま、どんなニーズがあるのか?どんなメッセージが好きなのか/嫌いなのか?どんな目線、どんな人の発信だったら共有されるのか?どんな価値があるとおすすめしたくなるのか?
アンケート調査などを実施し、マーケット自体をキャッチして、拡散したくなるバリューは何なのかを探り出します。

つまり、企業側が考える商品やサービスの価値をそのまま情報として提供するのではなく、生活者にとっての価値を起点に、自社の商品やサービスのアピールポイントを創り出し、それを情報として打ち出していくのです。
また、伝えて欲しい内容やイメージを誤解なく伝えてもらえるよう、メディアと価値を共有できる関係を築いていくことも戦略PRには欠かせないポイントです。

具体的にはさまざまな方法があり、PRリリースに商品スペックだけでなく、たとえば、開発裏話などのストーリーをつけていったり。自社のSNSで発信したり。店頭のポップにメッセージを加えて、VMD(ビジュアル・マーチャンダイジング)を展開するといったこともそうですし、届けたい層が支持するエンドーサーに使ってもらうといったこともあります。これらすべてが戦略的PRとなります。

戦略PRは、いろんなタッチポイントでの拡散を狙いますから、広告以上に効果が出ることもあります。新商品が販売され商品名や価格をまとめたPRリリースを出すといったルーティンで行っているPR活動も、情報提供としてはとても大切です。しかし、これまで通りのPRだけでは手応えがないと感じているのであれば、戦略PRを導入してみてはいかがでしょうか。

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高橋 拓己
WRITER
高橋 拓己
マーケティング業界歴13年。2011年よりネオマーケティングに入社。マーケティングリサーチに留まらず、次なるPR施策まで含めた提案も多く実施。 日用品・調味料メーカー、広告代理店、PR会社など多様な業界でのプロジェクトに携わり、数々のプロモーションを手掛ける。

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