D2C事業における『ブランドの世界観』とは?またその設計方法は?
ライター:株式会社ネオマーケティング
公開日:2021年02月25日
| 更新日:2024年10月25日
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今回は、昨今D2C事業に参集する企業が増えてきておりますが、その在り方や考え方、またそれに対しての解決方法をご紹介させて頂ければと思います。
EC事業の現状の課題
さて、今回の本題となるD2Cの在り方や考え方について述べる前に、まずは現状のEC事業の現状についてご紹介します。
ここ数年でEC事業への参入企業は本当に多くなってきています。簡単に言ってしまうと商品を作って、それをただ販売するだけでは売れないという事です。
元々、よほどのブランディング力や知名度等があれば話は別と言えますが、基本的に簡単に売れるというのは難しくなってきている時代です。特に健康食品なんかでは薬機法の関係などもあり、以前と比較しても売りづらい・売れづらくなっているのが現状ではないでしょうか。
しかしそのような現状について、本当に良い商品を世の中に出し、消費者が求める商品を販売していくという、本来のあるべき姿になってきているのではないかと考えております。
商品を販売しても思っていたより売上が上がらない…では、それはいったい何故なのか?
その一つの要因としてあげられるのは購入する消費者の選定基準が上がっているからだと思います。現代ではスマホやパソコンを使って欲しい商品、あるいは類似商品を購入する際に口コミやレビュー等といった、とても便利な機能がございます、それらを活用する事によって、消費者は商品情報を素早くキャッチする事ができます。
その情報源となる場所もSNSをはじめ、検索しただけであらゆる場所から簡単に情報を入手する事が可能になっている為、消費者の選定基準が上がっていると言ってもいいでしょう。
更に、選定基準だけではなく商品購入する際の価値観も変わってきており、価格重視ではなく、自分の好きなブランドや好きなタレント、インフルエンサー、周りにいる友達等といったコミュケーションを図りながら商品を購入する為、買う価値観と言うのも変わってきていると言うにが事実でございます。
D2Cで求められる『ブランドの世界観』
そういった中で、実際にD2Cと言う事業をしていく中でどのような在り方や考え方で運用していく必要があるのか。
それが、商品を提供する上で必須条件となってくる、商品の『ブランドの世界観』です。世界観とは「ユニークで心に刺さるブランドの基本方針とその実装」のことを指します。D2Cブランドは製品自体やその機能でなく、「製品があるライフスタイル」とその「世界観」こそが差別化要素であると位置付けています。その事を意識しながら商品開発をしていく事で、これまでメーカーが販売して消費者が買う、といった一方通行だったものが、本当に消費者が求めてる商品、他の人に共有したくなる商品を一緒に創っていくという方向に変わってきております。また、そういった商品が創れるという事は、必然と競合他社との差別化が出来ている商品へと繋がっていくのです。
もちろん、それだけではすぐに購入へ繋がる訳ではないのですが、その『ブランドの世界観』がある、なしでは購入率やリピート率に大きな違いが出てくるでしょう。消費者に対してしっかりとしたメッセージで伝え、それを理解して貰い、初めて購入やリピートへ繋がっていくのではないでしょうか。
こうした事が現在のD2Cの在り方や考え方となってきます。
アンケート結果から見える『ブランドの世界観』の必要性
では、その世界観を実際どのように設計、あるいは創りだしていけばいいのか、その解決方法とは何でしょうか。
まず商品を開発する際に、本当にゼロの状態から商品開発をするのか、ある程度どんなものを作りたいのか決まっている場合があると思います、どちらも同様に消費者にとって必要か必要じゃないのか、求めているのか求めていないのかが大事になってきます。
その事を考えていく中、冒頭でD2C事業へ参入する企業が増えているとお伝えをしましたが、実際に自社商品を開発、販売してる方がどのくらいいるのか等、ネオマーケティングで実施したアンケートをご紹介します。
【調査概要】
調査の方法:株式会社ネオマーケティングが運営するアンケートサイト「アイリサーチ」のシステムを利用したWEBアンケート方式で実施
調査の対象:アイリサーチ登録モニターのうち、20歳~69歳の男女、有職者でかつ自社のEC担当(スクリーニングでモールを除く)者を対象に実施
有効回答数:743名
調査実施日:2021年1月5日(火)~2021年1月7日(木)
あなたご自身が関わっているECサイトで販売をしている(販売予定の)商品・サービスとして、あてはまるものをお答えください。(回答数743名・複数回答有り)
あなたご自身が関わっているECサイトの種類について、あてはまるものをお答えください。(回答数743名・複数回答有り)
このように自社商品を開発、またその商品を自社WEBサイトで販売すると言うケースは非常に多くなってきているのです。
という事はつまり、必然とそれだけジャンル問わず競合が多くなっている事がお分かり頂けると思います。そこで何度もお伝えしておりますが、競合商品との差別化、消費者が求めるような『ブランドの世界観』の設計が必要となってくるという事になります。
では、話を一旦戻しますが、どのように『ブランドの世界観』を設計していけばいいのか…
消費者が求める商品、競合との差別化、商品の世界観を設計・創りだしていく為には、後付けとかではなく、商品開発の段階からしっかりと創り込む事が必要になってきます。
そこで重要になってくるのが、顧客調査や、そのデータを元にワークショップ等を行いながら、様々な視点から意見交換や顧客調査等をする事により消費者の求める商品を創りあげていく、ということです。この段階を疎かにしてしまうと本当に消費者が求める、満足させられる商品を開発する事はなかなか難しいのではないでしょうか。
しっかりと顧客調査や意見交換等をして内容が固まってきたら商品についてのコンセプトまとめやターゲット層、商品・サイト全体のイメージカラー等と言った肉付けをしていきます、そこから自社サイトの構築やLP制作、PR・プロモーションと言った新規獲得への施策と移っていくと言う大まかな流れになります。新規獲得までできた段階で、先日記事でご紹介させて頂いた様なCRM(one to oneマーケティング)等に繋がります。LTV最大化等にもご興味がございましたらお読み頂けますと幸いです。
関連コラム:D2Cに欠かせないCRM(one to oneマーケティング)事情
まとめ
今回はD2Cについての在り方や考え方、またそれについての解決方法等をお伝えさせて頂きましたが、この先もっと多くの企業がD2C事業へ参入してくると予想されます。
そうなった場合、現状の在り方や考え方等も変わってくる可能性もあると思いますが、近々D2C事業へ参入をお考えであれば消費者が求める商品を創り上げる環境を整える準備だけでも今日から進めてみてはいかがでしょうか?
執筆者
デジタルマーケティングディビジョン D2Cコンサルタント
中村 賢明
通販業界歴10年超。主に健食、化粧品、美容コスメを扱う通販会社に単品通販事業部の起ち上げや、商品開発・顧客獲得プロモーション・CRM・カスタマー等の企画/戦略立案から実施までを経験し、その後はマネジメントに従事。
その他、不動産会社にてマーケティング責任者として不動産賃貸事業・オーナーのリード獲得や BtoB向けRPAサービスのリード獲得、フェア等の開催に携わり、その後ネオマーケティングへD2Cコンサルタントとして加入。
ネオマーケティングは国内約2889万人のアンケート会員を保有するパネルネットワークを構築、ご希望の調査対象者にリサーチを実施することが可能です。
マーケティング課題を解決し、必要なデータを取得するための調査設計から、調査結果の活用まで、伴走してご支援しています。リサーチを起点に、デジタルマーケティング、PR、ブランディング支援も行っています。
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