コンテンツマーケティングは継続的な見込み客の発掘や集客につながる施策ですが、軌道に乗せるには相応の戦略が必要です。戦略が十分に練られていない状態で取り組むと、十分な効果が引き出せないおそれがあります。
本記事では、コンテンツマーケティングに戦略が求められる理由と、必ず講じておきたい6つの戦略についてわかりやすく解説しています。それぞれの戦略で取り組むべきことと失敗しやすいポイントも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
コンテンツマーケティングに戦略が求められる3つの理由
コンテンツマーケティングの基本的な手順
戦略1. コンセプト策定

コンテンツマーケティングにはいくつかの強みがあります。コンテンツマーケティングだからこそ発揮される特有の強みを把握しておくことが、施策を成功させる上で重要です。
戦略の目的と取り組むべきこと
コンセプト策定の目的は、コンテンツマーケティングを「そもそもなぜやるのか」というスタート地点がブレないようにすることです。ここにブレが生じると、制作するコンテンツの方向性や発信するメッセージの軸が定まらず、施策が迷走しやすくなります。
まずは自社が抱えている課題を整理し、分析することが大切です。その上で、コンテンツマーケティングを通じて解決したい課題を絞り込み、施策を講じる目的として定めましょう。
失敗しやすいポイント
コンセプトが曖昧な状態で走り始めた場合、ターゲットにとって有益な情報を十分に伝えられないおそれがあります。自社が「伝えたいメッセージ」と、ターゲットが「求めている情報」との間に食い違いが生じることになりかねないからです。
たとえば、「自社商品についてもっと多くの人に知ってほしい」といった漠然とした目的意識で始めた場合、商品を直接紹介する記事が中心になりがちです。これでは自社商品を認知していない層にはメッセージを届けられません。このように、「伝えたいことありき」ではなく、「コンセプトありき」で施策を講じていくことが重要です。
戦略2. ペルソナ設計
ペルソナとは、自社の商品・サービスを利用する顧客像を実在する人物として詳細に設定したもののことを指します。ペルソナ設計の戦略上のポイントを見ていきましょう。
戦略の目的と取り組むべきこと
ペルソナ設計が重要とされているのは、ターゲットを絞り込む必要があるからです。想定しているターゲットの幅が広すぎたり、実在しない層をターゲットに定めたりするのを防ぐには、実際に人物のプロファイルを設計する方法が有効です。
具体的には、ターゲットのうち実在する一人を想定し、属性情報を詳細に設定していきます。年齢・性別や居住地、日常的に接しているメディア、重んじている価値観などを挙げていき、「実際にこういう人がいても違和感がない」と思えるペルソナを設計しましょう。
失敗しやすいポイント
ペルソナを明確に設定しなかった場合、ターゲットの幅が広がりすぎてしまうことが想定されます。たとえば「首都圏在住・メーカー担当者」のようなターゲット設定では、該当するユーザーの価値観や抱えている課題を絞り切れません。
こうしたターゲット設定にもとづいてコンテンツ制作を進めると、「幅広く届けられるようでいて、実は誰にも響かない」メッセージになりかねません。具体的なペルソナを設定し、その人に向けてメッセージを届けるつもりで施策を講じることが大切です。
戦略3. カスタマージャーニー設計

カスタマージャーニーとは、見込み客が購入に至るまでのプロセスのことです。具体的には「認知」「興味関心」「比較検討」「購入」「ファン/ロイヤルカスタマー化」の一連のプロセスのことを指します。
戦略の目的と取り組むべきこと
カスタマージャーニーを設計する目的は、ユーザーの行動について仮説を立て、適切なタッチポイントを設計することにあります。ユーザーの検討フェーズごとに適切なコミュニケーション施策を講じられるかどうかは、カスタマージャーニー設計の精度次第といっても過言ではありません。
まずはペルソナが商品・サービスの購入に至るまでに、どのような思考が展開され、各フェーズでどんなコンテンツが必要になるのかを検討しましょう。それらのプロセスをカスタマージャーニーマップにまとめ、具体的なタッチポイントの設計に役立てます。
失敗しやすいポイント
カスタマージャーニー設計が不十分だと、「このコンテンツなら興味をもってくれるはず」「そうすれば資料を請求してもらえるだろう」といったように、企業側の願望にもとづいて施策を講じてしまいがちです。結果として、ユーザーの検討フェーズに合わない情報を提供してしまったり、CTA(Call To Action:行動喚起)の設置方法を見誤ったりしてしまうおそれがあります。直感や経験則に頼るのではなく、過去の事例やデータを参照するなど、事実にもとづいてカスタマージャーニーを設計することが重要です。
戦略4. KPI設定
コンテンツマーケティングは長丁場の取り組みとなるため、小さなゴールを設定して着実に達成していくことが大切です。コンテンツマーケティングのKPI設定に関する戦略を見ていきましょう。
戦略の目的と取り組むべきこと
メディアの運営フェーズに応じてKPIを設定し、効果測定を実施することで、具体的かつ客観性の高い改善策を見出しやすくなります。データにもとづいて改善に取り組むことが、KPIを設定する主な目的です。カスタマージャーニーのプロセスに応じたKPIの指標例として、次のものが挙げられます。
・認知:PV(ページビュー)・UU(ユニークユーザー数)
・興味・関心:滞在時間・直帰率・再訪率
・比較検討:回遊率・リテンション率
・購入:CV(コンバージョン)数/率
失敗しやすいポイント
KPI設定が適切に行われていないと、短期的な成果を求めてしまったり、施策が現状うまくいっているのか判別できなくなったりするおそれがあります。結果として、コンテンツ制作そのものが目的化してしまうケースも少なくありません。
ただし、コンテンツを公開し始めた直後はアクセスが少なく、PVやUUといった具体的な指標を適用しにくいことも想定されます。このような時期には、制作したコンテンツ数や公開頻度といった行動ベースのKPIを設定してもよいでしょう。
戦略5. 効果測定
コンテンツを公開後は、効果測定を必ず実施します。効果測定を適切に行い、施策の改善へとつなげていくことが、コンテンツマーケティングを成功させるポイントです。
戦略の目的と取り組むべきこと
あらかじめ設定したKPIにもとづいて、メディアの運営フェーズに応じた効果測定を実施します。この工程を経ることで具体的かつ客観性の高い改善策を見出し、データにもとづいて改善していくことが効果測定を実施する目的です。
設定した目標に届いていないようなら、なぜ未達となっているのか原因を分析します。たとえば「PVは順調に推移しているが、CVが伸び悩んでいる」のであれば、ユーザーがどの時点で離脱しているのか、CTAは適切な位置や訴求方法で設置されているのか、といった点を見直す必要があるでしょう。
失敗しやすいポイント
効果測定の実施方法が適切でないと、講じるべき改善策を見誤りやすくなります。CVを改善する必要があるにもかかわらず、「コンテンツの公開頻度を高める」といった改善策を講じたとすれば、CTAの設置方法が適切でないコンテンツを量産することにもなりかねません。
また、成果が表れ始めている施策を途中で変更してしまい、結果として成果につながらない、といった判断ミスも決してめずらしいものではありません。効果測定は直感や経験則を頼りに進めるのではなく、必ずデータにもとづいて実施することが大切です。
戦略6. PDCAサイクル
コンテンツは公開した直後から狙いどおりの成果をもたらすとは限りません。むしろ、改善を積み重ねながらブラッシュアップしていく必要があるケースがほとんどです。施策を改善する際に重要なPDCAサイクルの回し方を確認しておきましょう。
戦略の目的と取り組むべきこと
PDCAサイクルを回す目的は、計画と実行結果の差異を客観的に評価し、より効果的な改善策を打ち出すことにあります。次の観点に立って、PDCAの各プロセスにおける解像度を高めましょう。
・P(計画):指標とするKPIを明確に定め、期限を設ける
・D(実行):コンセプト、ペルソナ、カスタマージャーニーを踏まえて制作する
・C(評価):各種分析ツールを活用してデータにもとづく分析・評価を行う
・A(改善):効果測定結果を踏まえて、具体的な施策につながる改善点を見出す
失敗しやすいポイント
PDCAサイクルを回しているようで、いつの間にかP(計画)→D(実行)を繰り返しているケースは少なくありません。C(評価)・A(改善)のための時間を意識的に確保し、チームで話し合いながら改善策を見出す場を設ける必要があるでしょう。
また、改善すべき優先事項を見誤ってしまうことも起こり得ます。複数の改善事項が挙がった際には「できること(リソース・所要時間)」と「やるべきこと」のバランスを見極め、まずは成果につながりやすい施策を優先するのも1つの考え方です。
コンテンツマーケティングを戦略的に進めよう
コンテンツマーケティングは短期間で成果が期待できる施策ではないため、中長期的な計画を立てて取り組む必要があります。施策の効果を引き出すためのポイントを押さえ、戦略的に進めていくことが求められるでしょう。
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