ここからは、ネオマーケティングの営業チームがインサイドセールスの実務でどのように工数を使い、成果を出しているかを実例に基づいて紹介します。
課題:商談獲得のためのアクション数が担保できない
限られたリソース(時間・人員)の中で商談獲得数を最大化する必要がある一方、架電しても不在や離席が多く、担当者になかなかつながらないという課題がありました。
解決策:日次マスト架電数の設定と時間帯別の振り返り
この課題に対し、「日次100件のマスト架電数」を設定し、担当者ごとに時間帯別の行動を記録、日次で振り返り(目標・結果・気付き・対策の共有)を行う仕組みを導入しました。

取り組みを開始する前後の月を比較した結果、架電数(アクティビティ数)は2.49倍、メイン商談数は1.28倍に増加しました。
さらに、架電数・接続数・アポ数を時間帯別に集計したところ、10:00〜11:00台は接続率・アポ率がともに好調、13:00〜14:00台はアポ率、14:00〜15:00台は接続率がそれぞれ好調という結果が見られました。
一方で、「接点なしリスト(過去に取引や商談のない相手)」への架電に限ると、14:00〜16:00台は接続率・アポ率がともに相対的に低いことがわかりました。
この結果を踏まえ、同チームでは接続率・アポ率が上がりやすい10:00〜11:00台・13:00〜15:00台を効率的に架電する「集中架電タイム(ゴールデンタイム)」とし、接点なしリストへの接続率・獲得率がともに極端に低い14:00〜16:00台は商談や商談準備に充てる「商談優先タイム」とする運用に切り替えています(14:00台は接続率のみ好調であるため、どちらかというと商談優先タイムとした)。
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気付き
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運用上の対応
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10時台は接続率・アポ率ともに好調、13時台はアポ率、14時台は接続率が好調
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「集中架電タイム(ゴールデンタイム)」として10:00〜11:00台・13:00〜15:00台に架電を集中させる
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接点なしリストの14〜16時台は接続率・アポ率が相対的に低い
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この時間帯は商談・商談準備にあてる「商談優先タイム」とする
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アクション数(架電数)は、行動量を仕組みで管理することで一定水準を担保できます。
ただし、この取り組みはBtoB企業をターゲットに調査以外の施策をメインに活動した場合の結果である点には留意ください。
【自社の実践】HubSpot導入による「嫌われないSDR」への変革
もう一つの自社事例として、ネオマーケティングがHubSpot(MA・SFA・CRMが一体となったツール)を導入し、営業組織を「顧客中心」のモデルへ変革した際の取り組みを紹介します。
「嫌われないSDR」になるための2つの条件
飛び込みの電話営業に抵抗感を持たれやすいインサイドセールスですが、顧客から嫌われないためには次の2点が重要だと整理しました。
1.顧客中心のアプローチ:適切なタイミングに、適切な方法で、適切な人がアプローチする
2.価値提供ファースト:商材を売ることより先に、価値ある情報を届ける
これを実現するための組織モデルとして、マーケティング・インサイドセールス・フィールドセールス・カスタマーサクセスの各部門の情報を可視化・数値化する「The Model(ザ・モデル)」型の組織運用を参考にしています。
導入前の課題:営業活動が「見えない」
HubSpot導入前は、売上と見積りの数字しか把握できず、各担当者が誰に・何を目的に・どれくらいの商談をしているかが可視化されていませんでした。
導入初期も、商談数自体は評価対象に加えたことで登録されるようになったものの、商談の詳細な履歴まではなかなか登録が進まないという課題がありました。
そこで「商談履歴まで記入されたものを『商談』としてカウントする」という運用ルールに切り替えたことで、受注率や商談化率を把握できるようになりました。
導入後の変化
HubSpotを軸に、見込み客の行動履歴(Webページ閲覧やメール開封など)を一元管理し、特定のページにアクセスした見込み客に絞ってテレアポを行う、商談履歴に対して上長がアドバイス・ナレッジシェアを行う、といった運用に切り替えたところ、以下のような変化が見られました。

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指標
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変化
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売上(2019年→2022年)
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約2.0倍(11.32億円→22.51億円)
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アポ獲得率
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17倍(「ハウスリストへのテレアポ」から「特定ページにアクセスした人へのテレアポ」に変更)
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営業1人あたりの商談数
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140%増
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Webサイトの訪問数
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104%増
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資料請求数
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146%増
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新規取引社数
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コロナ初期から毎年110%増
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※これらの数値は、ツール導入に加えて運用ルールの見直しや営業体制の変更なども含めた複数の施策を組み合わせた結果であり、HubSpot導入という単一の要因による効果とは言い切れない点にご留意ください。あくまで当社における一事例としてご参照ください。
インサイドセールス導入でつまずきやすいポイント
ここまでの自社事例からも分かるように、インサイドセールスを機能させるには、架電数のような「行動量」の管理と、商談履歴のような「質」の可視化の両方が必要です。
どちらか一方に偏ると、行動量だけを追ってアプローチの質が落ちる、あるいは質を気にして行動量が不足する、といったことが起こりやすくなります。
特に導入初期は、次のようなつまずきが起こりやすいポイントです。
・行動量の基準がなく、担保できない:
「架電数は多いほうが良い」という感覚だけでは、担当者ごとのばらつきが大きくなります。本記事で紹介した自社の取り組みのように、日次のマスト架電数を具体的な数値で設定することが有効です。
・商談の「質」が可視化されず、振り返りができない:
商談数や受注数だけを追うと、なぜ受注につながったか/つながらなかったかの要因が蓄積されません。
HubSpotの事例のように、商談履歴まで記録する運用に切り替えることで、上長からのアドバイスやナレッジシェアがしやすくなります。
・KPIの設計・運用が属人化する:
架電数・接続率・商談化率など、どの指標をどう追うかの型が定まらないまま始めると、チームや担当者によってやり方がばらつきます。
導入初期に具体的にどのようなKPI(架電数・接続率・商談化率など)を設定し、どう運用していくかについては、「インサイドセールスのKPI項目と効果的な設定方法とは?」で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
まとめ
インサイドセールスとは、訪問せずに電話・メール等で行う内勤営業で、SDR(反響型)とBDR(新規開拓型)に大きく分けられます。
自社調査では、良い・悪いイメージともに「特になし」という回答が7割を超え、依頼先として思い浮かぶ企業もほとんど無いという、市場全体としての認知度の低さが明らかになりました。
一方で、ネオマーケティング自身の実践では、架電の時間帯分析やHubSpotを使った行動履歴の可視化によって、商談数やアポ獲得率を着実に伸ばせた実例があります。
見込み客を集める入り口としてのリード獲得については「リード獲得とは?具体的な手法18選と成功させるためのポイントを解説」、集めたリードを商談化するインサイドセールスのKPI設計については「インサイドセールスのKPI項目と効果的な設定方法とは?」でそれぞれ詳しく解説しています。インサイドセールスの立ち上げ・改善でお悩みの場合は、こうした自社の実践データも踏まえてご相談いただけます。