ビデオ通話が可能なツールが浸透したことにより、従来は対面形式での実施が一般的だったインタビュー調査がオンラインでできるようになりました。定性調査の一環として、オンラインインタビューを実施したいと考えている事業者の方も多いのではないでしょうか。
今回は、オンラインインタビューの特徴やメリット・デメリット、実施する際の注意点について解説します。オンラインインタビューを実践した企業の事例もあわせて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
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オンラインインタビューとは
インターネット回線を利用したWeb会議システムを活用し、対象者にインタビューを行う定性調査の手法の1つです。インターネット環境さえあれば全国各地の方を対象に実施することができ、企業、調査対象者双方にとって場所と時間の制約を少なくすることができます。
企業は、インタビューを行いたい対象者の条件を設定し、アンケートモニターの中からインタビューに協力してくれる対象者を抽出します。インターネット回線につながっているデバイスであれば、スマートフォンやタブレット端末、PCであってもインタビューを実施可能です。
オンラインインタビューのメリット
オンラインインタビューの主なメリットは次の5点です。
- 関係者のモニタリング、会場手配等の負担を軽減できる
- インタビュー対象者の選択肢が広がる
- 対象者の都合に合わせて実施時間を調整しやすい
- 対象者の本音を引き出しやすい
- 対象者の生活スタイルを視覚的に確認できる
オンラインインタビューはビデオ会議ツールを通じて実施するため、場所や時間の制約を最小限に留められる点が大きな特徴です。従来はリクルーティングが困難だった層にも、居住地を問わずインタビューを依頼しやすいでしょう。
また、対象者は自宅でインタビューを受けることができ、リラックスした状態で回答に応じることができます。慣れ親しんだ環境下で、より日常の利用シーンに近い状況を再現してもらえるのです。画面を通じて対象者の生活スタイルを視覚的に確認できることから、思わぬヒントを得られる可能性もあります。
オンラインインタビューのデメリット
オンラインインタビューにはメリットが数多くある一方で、対象者や状況によってはデメリットとなりかねない面もあわせ持っています。具体的には、次に挙げる点を押さえておく必要があるでしょう。
- 対象者の通信環境やITリテラシーによっては参加しづらい
- 使用端末によって画面の見やすさが異なる
- 機材トラブルが発生する場合がある
- 対象者の微妙な感情の変化を読み取りにくい
- グループインタビューのメリットを活かしきれない可能性がある
オンラインインタビューは遠隔で実施するため、対象者側の通信環境や端末の操作方法についてインタビューを依頼する企業側は基本的に介入できません。使用端末によってはスマートフォンなど画面サイズが小さい端末を使用することもあり得ます。機材トラブルによってインタビューの中断を余儀なくされたり、場合によってはインタビュー自体が実施できなかったりする可能性も否定できません。
また、画面を通した対話となることから、対象者の微妙な表情や声のトーンの変化が読み取りにくいことが想定されます。対象者が複数名の場合、対象者間で建設的な議論が交わされるといったグループインタビュー特有のメリットを活かしきれない可能性もあるのです。調査の目的や調査内容によっては、オンラインインタビューが不向きなケースもあることを押さえておきましょう。
ネオマーケティングでは、インタビュー調査の実施はもちろん、リクルーティングから接続テストといった事前準備も支援しております。
また、リサーチャーが接続テストを行い、より適切な対象者を見つけるサービスも提供しています。
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オンラインインタビューの注意点
オンラインインタビューを実施するにあたって、前述のデメリットをできるだけ回避する必要があります。事前準備によって回避できるケースも多々あるため、次に挙げる3点を実践しておくことをおすすめします。
●適切なインタビュー時間を設定する
オンラインインタビューは、オフラインで実施するインタビューと比べて時間を短めに設定するのが一般的です。オンラインインタビュー中、対象者は常に画面を注視することになるため、オフラインでのインタビューと比べて負担が大きくなりやすいことに起因します。
対象者の集中力が持続するのは、最大でも90分間までと考えてください。基本的には60分〜90分程度に収まるようインタビューを設計するのが望ましいでしょう。
調査内容によっては、やむを得ず90分以上のインタビューが必要になるケースがあるかもしれません。その場合は休憩時間を設けるか、実施日程を2回に分けることをおすすめします。対象者の集中力が切れてしまい、散漫な回答をするようでは本末転倒です。適切なインタビュー時間の設定になっているか、客観的にチェックする必要があります。
●事前に接続テストを実施する
オンラインインタビューでは、通信環境に起因する問題が生じがちです。映像・音声の遅延、接続不良、ノイズなど音声の不調、カメラの不調などは前もって確認することを強くおすすめします。
ネオマーケティングでは、オンラインインタビューをスムーズに進行するため、対象者全員に事前の接続テストを行っています。Web会議システムの操作説明、インターネット環境の確認を行います。また、事前に設定した時間通りに参加してもらえるか等、対象者がインタビュー対象者として相応しいかを事前に確認することも、接続テストの目的の1つです。
またインタビュー本番前に一度顔を合わせて話すことで、ある程度打ち解け、スムーズに本番に臨むことができます。ラポール形成にも役立っています。
●使用端末による特性を把握しておく
調査の内容に応じて、使用端末をあらかじめ決めておきましょう。リクルーティングの段階で対応が可能か確認しておくことに加え、接続テスト時に改めて推奨環境を周知しておくことが大切です。
使用端末にこだわらない場合は、調査対象者自身が普段使用しているPC、タブレット端末、スマートフォンでオンラインインタビューに参加しても問題ありません。ただし、スマートフォンの画面の大きさによってはPCと表示が異なるため、スライド資料等を画面共有する場合はあらかじめ推奨端末を伝えておく必要があります。
また、スマートフォンは画面に映る人数が制限されることから、オンライン上でのグループインタビューには適さない点にも注意してください。オンラインインタビューの形式や実施目的に照らし合わせて、使用端末を適切に指定しましょう。
オンラインインタビューの流れ
オンラインインタビューを実施する際の基本的な流れを確認しておきましょう。インタビューの内容や実施する目的によって異なる点もありますが、基本の流れは以下の通りです。
- 調査企画の立案:課題に対して仮説を立て、仮説にもとづいて調査を設計する
- 対象者の条件設定・リクルーティング:調査目的に応じて対象者を決定する
- インタビューフローの作成:実施時間を加味して全体の流れを決めておく
- 事前調査の実施:必要に応じて製品試用やアンケートなどの機会を設ける
- 接続テストの実施:当日のトラブルを回避するためにも実施を推奨
- オンラインインタビュー実施:インタビューフローに沿って実施する
- 発言録の取りまとめ:必要に応じてインタビューを録画しておくとよい
- 報告書の作成:調査を通じて明らかになった事実やデータを報告書にまとめる
とくに調査企画の立案は、オンラインインタビューの成否を大きく左右しかねません。調査を実施する目的に立ち返り、課題の絞り込みと仮説の設定を的確に実施しておくことが求められます。調査企画に曖昧な点が残されたまま以降のフローに進むことのないよう、議論を詰めておくことが大切です。
オンラインインタビューの謝礼
オンラインインタビューの対象者に謝礼を用意しておくことで、リクルーティングがよりスムーズに進む可能性があります。対象者としても参加するメリットを見出しやすいだけでなく、謝礼を受け取る以上は責任感を持って参加してくれる可能性が高まるでしょう。
謝礼の相場は、60分のオンラインインタビューで2,000〜12,000円と幅広いのが実情です。現金・商品券のほか、自社商品やサービスポイントなどを進呈するケースもあります。対象者にとって魅力的な謝礼であれば、積極的に参加する人材をリクルーティングしやすいでしょう。
ただし、謝礼を用意することで得られるのはメリット面ばかりではありません。謝礼が目当ての応募者も現れる可能性があるからです。対象者を公募する場合には、参加条件を明確に示すとともに、事前にヒアリングやアンケートを実施するなどして応募者の質を見極めることが大切です。
オンラインインタビューの事例
実際に、ネオマーケティングでオンラインインタビューを実施いただいた事例を2つ紹介します。ご覧いただき、オンラインインタビューは、どのような目的で、どのような情報が収集可能なのかといった内容についてイメージをつけていただければと思います。
①アシックスジャパン株式会社様
②ホワイトエッセンス株式会社様
まとめ
オンラインインタビューは、定性調査の手法として主流となりつつあります。
- 時間と場所に縛られない
- 調査対象者を広く選んで調査を実施できる
- 一般的なWeb会議システムで実施ができるという
- 社内の関係者も参加しやすい
など多くのメリットがあることから、非常に有効な調査手法といえるでしょう。
ネオマーケティングでは、数多くのオンラインインタビュー調査の実施をサポートしています。インタビューで聞く内容や成果物のご提案だけでなく、対象者だけを集めて当日の運営までをサポートして欲しい、といったご要望にもお応えしております。
インタビュー調査をご検討中の事業者様は、ぜひご相談ください。
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