one to oneマーケティングをD2Cに活用するメリットと事例を解説
ライター:株式会社ネオマーケティング
公開日:2021年01月22日
| 更新日:2024年10月08日
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カテゴリー:
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デジタルマーケティング
PR・プロモーション
one to oneマーケティングを実践する手法とメリット
D2Cビジネスを成功させる上で、LTV(ライフタイムバリュー)向上のための施策は非常に重要な位置を占めています。LTVを向上させる施策としてよく知られている施策の一つがone to oneマーケティングです。
本コラムではone to oneマーケティングをD2Cに活用するメリットや、実際の事例について解説します。
one to oneマーケティングとは
one to oneマーケティングとは、顧客一人ひとりのニーズや購買履歴に応じて個別に施策を講じるマーケティングのことです。顧客のニーズや購買行動の細分化が進み、マスを対象としたマーケティング施策は徐々に効力を失いつつあります。そこで注目を集めているのが、顧客ごとのニーズに合ったマーケティング施策なのです。
one to oneマーケティングの顕著な例として「LINE公式アカウント」が挙げられます。LINE公式アカウントに友達登録したユーザーの属性をセグメントに分けることにより、より深いアプローチを可能にしているのです。ユーザーとのコミュニケーションも図りやすくなり、ユーザーのニーズに応じたプロモーションを打つことができます。
one to oneマーケティングの主なメリット
特one to oneマーケティングに取り組むことにより、どのようなメリットを得られるのでしょうか。主な二つのメリットについて解説します。
●顧客エンゲージメントの向上
one to oneマーケティングによって、顧客が求めている情報を届けやすくなります。顧客が購入したアイテムの関連商品を案内したり、興味をもつ可能性の高いセール情報を送ったりできるのです。顧客の立場から見ると「ちょうど求めていた情報が届いた」ことになり、ブランドに対する愛着や信頼性が高まります。
また、セグメントごとにターゲットを絞って情報を届けることにより、不要な情報を受け取る顧客を減らすことも可能です。マスを対象としたマーケティング施策では、一部の顧客に対して有効な施策が他の大多数の顧客から敬遠されるといった事態が起こりがちでした。より的確なターゲティングを行うことで、顧客エンゲージメントを不必要に低下させずに済むこともone to oneのメリットといえるでしょう。
●マーケティング施策の精度向上
one to oneマーケティングによって、ターゲットごとに発信する情報を変えることができます。顧客の年齢や性別・居住地・収入・家族構成・興味関心などに合わせて、ターゲットに合った情報を届けられるのです。
また、マーケティング施策をターゲットごとに講じることは、施策の費用対効果を高める上でも効果的です。マスを対象としたプロモーションの例としてDMやテレビCMが挙げられます。しかし、多額の広告費に対して十分なプロモーション効果が得られるとは限りません。DMやCMを目にする人々の大半は、企業が発信する情報を求めていないからです。
one to oneマーケティングにより、すでにニーズや興味関心のあるターゲットを選んで情報を届けられるため、マーケティング施策の精度を高めることができます。
one to oneマーケティングのデメリット
one to oneマーケティングのデメリットとしては、顧客管理や施策の運用に手間がかかることが挙げられます。顧客ごとの属性情報を抽出・分析し、セグメント化して管理しなくてはなりません。さらには、施策ごとにどのターゲットに対して発信するべき情報かを見極める必要があるのです。
one to oneマーケティングに取り組むには、顧客関係管理(CRM)の充実化を図る必要があります。顧客のニーズや興味関心を把握するには、日頃から顧客との関係性を築いておくことが欠かせないからです。
CRMとは
CRM(Customer Relationship Management)は、顧客関係管理と訳されています。CRMの本来の意味と、one to oneマーケティングにおける活用方法について確認しておきましょう。
●CRMの本来の意味
CRMは顧客との良好な関係性を構築・維持するための施策全般を表す概念です。顧客の基本情報や購買履歴、購買行動といった情報を集め、顧客が求めているサービスを提供するための施策を表しています。
たとえば、自動車のディーラーが既存顧客に対して「車検が近づいてまいりました」といった連絡を入れるのも、広い意味ではCRMの一種です。適切な時期に車検の案内をするには、顧客ごとに車の購入年月を記録しておかなくてはなりません。顧客は「そろそろ車検の時期だと思っていたら、ディーラーから連絡が入った」と感じ、ディーラーのアフターサービスに対する信頼感が高まるのです。
近年はCRMツールによって顧客情報を詳細に管理・分析することも可能になりました。しかし、CRMとは本来「顧客との関係性を良好に保つ」ための施策全般を指している点に変わりはありません。何らかのシステムを導入・運用することだけをCRMと呼ぶわけではない点に注意しましょう。
●近年注目を集めるD2Cにおいても重要なone to oneマーケティングとCRM
近年、実店舗をもっている企業やメーカー企業などがD2Cビジネスに参入するケースが増えています。D2C(Direct to Consumer)とは、メーカーやブランドが自社で企画・生産した商品を、流通業者を介することなく自社ECサイトで直接消費者に販売するビジネスモデルを指します。
D2Cにおいては、単純に商品を売るだけではなく、しっかりとしたブランドの世界観を確立していく必要があります。そのためには、消費者をどれだけ満足させられるか、LTVをどれだけ向上させられるかが重要です。
ブランドの世界観を確立し、消費者目線で商品を届けることができるかがD2Cビジネスの成否を分けるポイントとなります。D2C事業を運用していく上でone to oneマーケティングは中核的な役割を担うことになるでしょう。顧客のニーズをきめ細かく捉え、個々のニーズに合わせた施策を講じていく上でCRMがいっそう重要度を増していくはずです。
ネオマーケティングではD2Cビジネスの支援サービスを行っており、ブランドの世界観やサイトコンセプト制作のご支援から、ECサイト制作、D2Cビジネスを強力に推進するデジタルマーケティング、企業の窓口となって顧客体験を形作るカスタマーサクセスまでをご支援しています。
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one to oneマーケティングの手法4選
one to oneマーケティングの具体的な手法を紹介します。顧客との関係性を深め、個々のニーズに合わせた施策を講じていくイメージをつかんでください。
●レコメンデーション
顧客におすすめ商品をPRする手法です。顧客が関心をもつ可能性が高い商品を、タイムリーにレコメンドすることが重要なポイントといえます。
CRMで収集・分析した顧客情報をセグメント化することにより、特定のセグメントに属する顧客を対象としたレコメンデーションが可能となります。興味関心の高い可能性がある商品をレコメンドするので、顧客にとってストレスが少なく、かつ効率のいいプロモーション戦略を講じられることがレコメンデーションの特徴です。
●リターゲティング広告
自社のWebサイトを訪れた顧客のCookieを追跡し、他サイトを閲覧している際に自社商品の広告を表示させる手法です。自社サイトへの再訪を促し、購入をあらためて検討してもらう効果があります。
過去に自社サイトを訪れたことがある顧客に絞って広告を打てるので、購入する可能性のある層にアピールできることが大きな特徴です。顧客としても、一度は関心を寄せて閲覧したサイトの情報のため、心理的な負担が少ないというメリットがあります。
●MA(マーケティングオートメーション)
実店舗・ECサイト・Web広告といった複数のチャネルを統合し、one to oneマーケティングを展開するためのツールです。各チャネルの強みを引き出し、効果的に組み合わせて活用するのに適しています。
D2Cにおいてしばしば課題となるのが、実店舗とECサイトの連携です。ECサイトを訪れた顧客にWeb広告を表示し、実店舗への来店を促すなど、顧客情報を有効活用することがポイントといえます。
●パーソナライズDM
パーソナライズDMとは、顧客の購買履歴やWebサイトへのアクセス履歴を分析し、ニーズが高いと思われる層へ集中的にDMを送る手法です。
DMは反応率が決して高くない手法とされてきましたが、パーソナライズDMによって精度の改善が期待できます。オフライン施策の代表格であるDMにも、one to oneマーケティングを活用できるのです。
EC担当者に聞くCRM(one to oneマーケティング)の実態調査
ネオマーケティングでは、実際にECをされている企業様、これから始めようとしている企業様に対してCRM(one to oneマーケティング)の実態調査を実施しました。いくつかの質問を抜粋して記載します。
Q1 ECサイト運用をしていく上で感じている課題(回答数743名)
Q2 CRMに取り組んでいるか否か(回答数360名)
Q3 CRMが不十分だと回答した方の課題感(回答数170名)
調査結果を見ると分かる通り、実際にD2C事業をしている方でも、CRMに十分に取り組めている方が約5割しかいないというのが現実です。
D2Cを新規で立ち上げる場合はプロモーションやWeb広告等を使って新規獲得をすることに注力をしていきますが、その後は必ずCRM(one to oneマーケティング)が必要となってきます。
また、実際に不十分と回答された方に多くみられるのは、全体の4割の方が回答したリソース問題です。ここが現状のD2Cを運用していく上で大事な課題となるのではないでしょうか。
ネオマーケティングでは、その企業様の現状を把握し、課題やKPIといった指標に合わせてCRM(one to oneマーケティング)を実施し、LTVの最大化や継続率、離脱率改善のご提案、施策実行までの支援を行っています。
ネオマーケティングは国内約2889万人のアンケート会員を保有するパネルネットワークを構築、ご希望の調査対象者にリサーチを実施することが可能です。
マーケティング課題を解決し、必要なデータを取得するための調査設計から、調査結果の活用まで、伴走してご支援しています。リサーチを起点に、デジタルマーケティング、PR、ブランディング支援も行っています。
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