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【事例】顧客分析の活用方法と活用のヒント

ライター:加藤 賢大

公開日:2021年07月29日 | 更新日:2024年10月22日

カテゴリー:
目次

自社の顧客構成はどうなっているのか? 
顧客の基盤は強いのか弱いのか? 
売上に直結する顧客の属性や消費態度が把握でき、効率的な施策へつなげていけるのが「顧客分析」です。今回は、実際にネオマーケティングで支援したあるサプリメントメーカーの事例から、顧客分析の流れを解説していきます。

顧客分析の具体的プロセス

まずはじめに、顧客分析はどういうプロセスで進めるのかを説明しましょう。大きくは次の3つのステップで行っていきます。

1.顧客の定義を検討するワークショップ
2.アンケートデータによる定量的な顧客分類
3.顧客ごとの課題を精緻化するための定性調査

それぞれ、解説していきましょう。

1.顧客の定義を検討するワークショップ
たとえば、「20代女性」と一口に言っても、人によって抱くイメージは異なります。顧客イメージも同じです。「うちの顧客ってこういう人たちだよね」というイメージは、人それぞれ。そこで社内でワークショップを行い、「仮のお客様像」を決めていくのです。

このとき、ブランドやマーケティングの担当者だけでなく、販促や営業など他部署の社内関係者を巻き込めるとベストです。みんなで顧客像を作り上げることで、先々の施策やプロジェクトへの納得度が格段に変わります。

ワークショップは会議とは異なり、それぞれがどう思っているのかを吐き出す場です。上下の立場関係なく意見を出せる場ではありますが…どうしても遠慮や忖度が入ってしまいます。そうした場合には、ネオマーケティングがファシリテーターとしてワークショップを取り仕切ります。第三者が入ることによって、分け隔てない発言を引き出すことができます。

ちなみに、顧客の分類はいくつかの方法がありますが、主に用いるのが「行動分析」です。行動分析とは、その商品やブランドに対して、その人がどれだけ関与しているか、どういう行動をとっているのかという分類で、たとえば、「優良顧客」「非優良顧客」「離反顧客」「非購入者」「非認知者」という5つのセグメントに分けられます。
関連コラム:顧客分析とは

具体的には以下のような定義になります。
・優良顧客:1年以上継続して定期購入している
・非優良顧客:定期購入しているけれど、期間はまだ1年未満
・離反顧客:以前定期購入していたけれど、現在はやめてしまった人
・非購入者:ブランド自体は知っているが、買ったことのない人
・非認知者:ブランド自体知らない人

さらに優良顧客の属性はどういう人なのか、20代女性が多いのか、どういう価値観をもっている人なのか、といった点を探っていきます。

2.アンケートデータによる定量的な顧客分類
次に、ワークショップで決めた「仮のお客様像」は、実際に世の中にどの程度いるのか?定量的に知るために、アンケート調査を行って明らかにしていきます。アンケートは競合他社のデータも合わせてとれますので、自分たちの顧客特性を他社と比較することもできます。

たとえば、自社の顧客属性を見たとき、「他社に比べて優良顧客が少なく非優良顧客が多い」という結果が出たとします。これは、「優良顧客になる割合が低い」という課題に置き換えられます。
あるいは、「非認知者の割合が多く、商品の認知に課題がある」「離反顧客にはどういう人が多いのか」といったことも明らかになっていきます。

3.顧客ごとの課題を精緻化するための定性調査
そして、明らかになった課題を深掘りしていくために、3つ目のステップとしてインタビュー調査を行います。
優良顧客になる割合が低いというのであれば、優良顧客と非優良顧客の違いがわかれば、優良顧客へと変わる分岐点が見えてきます。
また、非購入者の多さが課題だとしたら、買ってくれない理由は何かを探っていきます。
購入障壁になっているポイントを見つけ、さらに、非優良顧客や優良顧客がその壁をどう乗り越えたのかがわかれば、非購入者への有効なアプローチ方法が導き出せます。

この3つのステップを経て施策を行い、その後半年から1年ぐらいのスパンで、再び顧客分析を行い、構成比の変化などを見ます。
たとえば、優良顧客を5%から10%に伸ばすという目標を掲げたとしたら、実際、それが達成できているのかどうか?
あるいは、競合A社からのスイッチングによる顧客増を狙ったというのであれば、それは成功したのか?
目標に対しての到達度も定量調査のデータによって測ることができます。

あるサプリメーカーの顧客分析

では以前、ネオマーケティングが支援したあるサプリメーカーを例に、顧客分析の流れを見ていきましょう。

「サプリ市場全体は伸びているのに、うちの売上は横ばい。これを上げていくためにはどうしたらいいのか? これまで調査はまったく実施したことがなく、マーケティングは経験と勘でやってきたが、いまの時代を考えるとしっかりと仕組み化してやっていきたい」

こんなご相談をいただいたのが、そもそもの始まりでした。こちらの企業に対しても、ワークショップから始めていきました。
仮想のペルソナを作成したら、それが世の中にどのくらいいるのかを知るため、アンケート調査を実施しました。

得られたデータで定量的に顧客分類をしたところ…
・1年以上継続して利用している「優良顧客」が他社に比べて少ない
・商品について知っているけど買ったことがない「非購入者」が多い
といった発見がありました。

そこで、3ステップ目として、優良顧客、非優良顧客、非購入者それぞれにインタビューを実施しました。

その結果、さまざまな発見があったのですが、印象的な発見としては2つありました。
1つは、「優良顧客・非優良顧客・非購入者、それぞれ期待値に大きな差がある」ということでした。

クリエイティブの問題点を発見

優良顧客や非優良顧客には、商品の特徴や独自性などメーカーが伝えたいことがしっかり届いていて、「期待通りの商品」ということで継続購入にいたっていました。
一方、非購入者にはメーカー側のメッセージがまったく伝わっていなかったり、誤解されていたり、正しく伝わっていませんでした。

なぜ、メーカーのメッセージの到着度に大きな差ができてしまったのか? 細かく探っていくと、公式サイトや動画広告、店頭のポップ、商品パッケージによって、メッセージが微妙に違っていることがわかりました。メッセージに一貫性がなく、そのため、どのメディアに接触したのかによってブランドへの期待に大きな差が出たのです。

サイトや動画広告を見ていた人はメーカーの意図を理解していたのですが、店頭でパッケージだけ見て購入した人や動画を少しだけ見たという人にはまったく伝わっていなかった。そこで、広告やPRなどのクリエイティブを変更、統一する施策をさっそく行っていきました。

公式SNSへ導くDM戦略を展開

もう1つの大きな発見は、優良顧客と非優良顧客の違いでした。優良顧客の多くが、ブランドとの接点を持っていました。メーカーの公式SNSをフォローし、サイトのQ&Aを自分で調べるなど積極的にブランドとかかわっていたのです。

このメーカーは、SNS上で購入者向けにイベントやキャンペーンなどを積極的に展開していました。SNSへのアクセスによって、「このブランドはお得なこと、おもしろいことをやってくれている」と満足度を高めることにつながり、それが優良顧客になる分岐点となっていたのです。

一方で、非優良顧客はSNSの存在すら知らない人が少なくありませんでした。購入後、自らブランドにかかわることはしておらず、ブランドから何かアプローチがあるわけでもない。使ってみて悪くはないけれど続ける積極的な理由がないため、今後どうしていこうか悩んでいるという状態だったのです。

優良顧客の満足度を高めているのがSNSならば、非優良顧客をSNSに誘導することで有料顧客化を図れるのではないか? そこで、商品購入後に公式SNSを案内するDMを送るなどの施策を展開し問題を解消することができました。

顧客分析を行う理由は企業によってさまざまですが、「うちのお客様はこういう人たち」というのを確認することで、多くの気づきを得ることができます。
顧客分析は足元を見直し、先々の施策の道筋を立てるのにとても有効なプロセスです。
「自社のやり方が市場の変化についていけてないのではないか」といった不安、「これまで行ってきた施策が売上と結びつかなくなった」などの問題をお持ちでしたら、一度、顧客分析を行ってみてはいかがでしょうか。

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加藤 賢大
WRITER
加藤 賢大
マーケティング業界歴10年超。2011年よりネオマーケティングに入社。リサーチのみならず、WebマーケティングやPR、ニューロ・IoTなど、各種ソリューションを駆使して顧客の課題解決に尽力。 武蔵野美術大学と共同で新サービス開発及び論文発表、日本マーケティング協会主催のマーケティングAI研究会に参加するなど研究活動にも従事し、幅広い業務に携わる。

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