顧客満足度調査の具体例
「顧客満足度を調べたいけど、どのような方法が最適なのかわからない」というのはよくある悩みです。顧客満足度調査(CS調査)には、オンラインや紙のアンケートやインタビュー、さらにはSNS分析などさまざまな方法があります。それぞれの方法を詳しく解説します。
アンケート(オンライン・紙・電話)
アンケートは、顧客に対して質問を投げかけるもので、満足度や意見を収集する最も一般的な方法です。オンライン・紙・電話などの手段を活用し、短期間で大量のデータを集められます。
選択式の質問を使えば数値化しやすい「定量データ」 を、自由記述欄を設ければ「定性データ(顧客の生の声)」 を収集できるのが特徴です。オンラインであれば回答の自動収集もできるため、大規模調査に適しています。
インタビュー
アンケートではわかりにくい「満足・不満の背景や理由」を深く探るのに適しているのがインタビュー調査です。顧客と直接対話し、数値だけでは見えない本音や感情を把握できます。
たとえば「接客には満足しているけど、待ち時間が長いと感じた」といった具体的なフィードバックが得られれば、サービス改善のヒントになります。ただし少人数の対象に深くヒアリングするため、大規模調査には不向きです。
そのため、アンケートで全体傾向を把握し、インタビューで深掘りするという組み合わせも効果的です。
グループインタビュー(フォーカスグループ)
調査後のデータ分析や、細かい運用までサポートしてもらえるのも、専門の調査会社に依頼するメリットです。単なる顧客満足度の数値ではなく、「なぜ満足度が高いのか」「どのポイントを改善すべきか」 まで分析してもらえます。
調査結果をもとにした戦略立案やマーケティング施策のアドバイスを受けられるため、調査結果を最大限活用できるのも大きな利点です。
覆面調査(ミステリーショッパー)
覆面調査(ミステリーショッパー)は、調査員や一般消費者が実際の顧客としてサービスを利用し、接客や店舗環境、商品・サービスの品質を評価する手法です。通常の顧客満足度調査(CS調査)では得られにくい、現場のリアルな状況を把握するのに役立ちます。
たとえばレストランの覆面調査では、「スタッフの笑顔は自然か?」「料理の提供スピードは適切か?」 など、顧客視点での細かいチェックが可能です。一般消費者モニターを活用し、自社で調査を実施するか、覆面調査会社に依頼するのが一般的です。
SNS・口コミ分析
SNS・口コミ分析は、各サイトの投稿を分析し、顧客の評判や満足度をリアルタイムで把握する手法です。顧客が自主的に発信したリアルな意見が得られるため、従来の調査では見落とされがちな不満点や期待を発見しやすく、トレンド分析にも役立ちます。
たとえばある商品の口コミを分析し、「パッケージがおしゃれ」「成分が気になる」といった声が多いことがわかれば、それをマーケティングや商品改良に活かせます。
顧客満足度調査(CS調査)で使われる指標
顧客満足度調査にはさまざまな指標がありますが、とくによく使われるのがNPS®・CSI・JCSIの3つです。
NPS®(ネットプロモータースコア)
顧客ロイヤルティ(企業やブランドへの愛着・推奨度)を測る指標
CSI(顧客満足度指数)
顧客満足度そのものを数値化する指標
JCSI(日本版顧客満足度指数)
CSIをベースに、日本の市場に合わせた独自の指標を加えたもの
NPS®は「どれだけ推奨されるブランドか(顧客ロイヤルティ)」を重視し、CSIは「現時点での満足度」を測る点が異なります。それぞれの指標の特徴を理解し、目的に合った指標を活用しましょう。
顧客満足度調査の事例3選

顧客満足度調査は、商品やサービスの改善やブランドロイヤルティの向上など、さまざまな目的で実施されます。しかしどのように調査を設計し、結果をビジネスに活かすかは、企業次第です。
ネオマーケティングが支援し顧客満足度調査(CS調査)を実施した、キヤノンマーケティングジャパン株式会社、横河商事株式会社、ホワイトエッセンス株式会社の3社の事例を紹介します。
■キヤノンマーケティングジャパン株式会社の事例
キヤノンマーケティングジャパン(以下キヤノンMJ)は、新規事業サービスの開発において、顧客のフィードバックを収集してサービス改善に活かしていました。しかし従来の方法では、取引先や営業経由でのインタビューに限られ、十分なデータを集めるのが難しいという課題を抱えていたようです。
課題を解決するため、キヤノンMJはネオマーケティングにインタビュー調査を依頼しました。調査対象となる企業のリストを提供し、そこからキヤノンMJが選定した企業に対してインタビューを実施し、結果を集計しています。結果として、キヤノンMJは新規サービス展開時の課題であった顧客からのフィードバック収集を効率化し、サービスの改善に役立てられました。
■横河商事株式会社の事例
横河商事株式会社は、計測・制御・情報システムを扱うエンジニアリング商社として、単なる製品販売にとどまらず、技術力を活かしたメンテナンスやサポートを提供しています。
同社は「モノ売り」から「コト売り」への転換を図る中で、顧客理解を深める必要性を感じ、ネオマーケティングの支援のもと初めて顧客満足度調査を実施しました。この調査により、顧客のニーズや課題が明確になり、各部門間の連携強化やサービス改善につながりました。
得られたデータは、今後の経営戦略や顧客との関係構築に活用され、同社の「コト売り」へのシフトを後押ししています。