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デプスインタビューとは?メリット・デメリットと成功のコツを紹介

ライター:株式会社ネオマーケティング

公開日:2020年03月02日 | 更新日:2024年10月23日

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目次

マーケティングリサーチでよく行われる手法のひとつに、デプスインタビュー(DI:Depth Interview)があります。この記事ではデプスインタビューとは何か、また定性調査においてよく用いられるグループインタビューやエスノグラフィーと比較しながら、そのメリット・デメリットについて解説します。

 

ネオマーケティングでは、デプスインタビューのサービスを提供しています。課題・お悩みから調査設計・実施までご支援しておりますので、ご興味のある方は下記ページをご覧くださいませ。

 

デプスインタビューとは

デプスインタビュー(深層面接法)とは、定性調査の代表的な手法のひとつで、1対1の対話形式で行われます。

表層的な情報収集に留まらず、消費者のライフスタイルを理解した上で、行動に至るまでの思考や背景を掘り下げてインタビューをします。

消費者が無意識にとっている行動や潜在的なニーズを、会話の中から引き出して把握します。

メリット

デプスインタビューを実施するメリットは以下の通りです。

 

■消費者を深く理解でき、意思決定プロセスの解明ができる

インタビューは1人あたり1時間〜1時間半程度かけて実施するため、消費者が商品・サービスを選ぶに至った理由や経緯を細かく確認できます。

消費者の行動には各々のライフスタイルや感覚など、様々な背景・理由が存在します。

それらを詳細に深堀して消費者理解を深めることで、どのように意思決定が成されたのかのプロセスを解明できます。

 

■潜在ニーズやインサイトに迫れる

デプスインタビューの最大のメリットは、消費者の行動の背景を深堀していくことで、潜在ニーズやインサイトにまで迫れることです。

これらは消費者自身も自覚していない思いや心理のため、インタビュー中にわかりやすく言語化されることはありません。インタビュー中ではあくまで得られるのは「潜在ニーズやインサイトのヒント」だと理解しましょう。

インタビュアー、インタビューフロー、対象者選定に高いノウハウが求められますが、これらをとらえられれば、消費者の心を動かすマーケティング施策につながります。

 

 

■プライベートにも踏み込んだ質問ができる

たとえば年収や住宅ローン、身体の健康や悩みなどは、複数名がいる場では話しにくいものです。

しかし1対1のインタビューであれば、このような扱いにくいテーマでも本人の了解さえ得られれば、深く踏み込んで伺うことができます。

 

■話しづらい本音を確認することができる

グループインタビューのように複数名を同時に調査するとなると、参加者はどうしても他者の発言の影響を受け、本音を話せないような事態が起こり得ますが、デプスインタビューにはそうした心配は要りません。

参加者は周囲の意見に左右されることなく、自分の意見を自由に述べることができます。

デメリット

一方、以下のようなデメリットもあることも予め理解しておきましょう。

 

■他の調査と比較するとコストがかかる

前述の通り、1名に対して1時間〜1時間半のインタビュー時間を割くことになるため、グループインタビューに比較すると1人あたりにかかる単価が高く手間もかかります。

仮に全部で10名にインタビューしたい場合には、最低でも10時間はかかることになり1日では終えられないため、分析やレポート作成も含めスケジュールには余裕を持たせる必要があるでしょう。

 

■議論の発展性は期待できない

他者と意見交換するのであれば、会話の中で考えが膨らんで共感を生むことがありますが、デプスインタビューは発展的な議論は期待できません。

あくまで個人の思考・行動を掘り下げ、深層心理を探ることを目的に進めていくことが大切です。

 

■インタビュアーの技量に得られる情報量と質が依存する

インタビュー参加者の心理や理由をどの程度深堀りできるかは、インタビュアーの技量に大きく依存します。

「デプスインタビューをしたが、得られる情報が少なく意味がなかった」という話を聞くことがありますが、大きな原因の1つは、インタビュアーが参加者の話をうまく広げられず、1問1答のようなインタビューをしてしまうことです。

優れたインタビュアーは参加者が本音を話せるように、ラポール(信頼関係)の構築、雰囲気づくりから行います。

インタビューフローに縛られすぎず、適宜参加者の発言を広げながら多くの情報を引き出し、参加者の潜在ニーズやインサイトのヒントを集めていきます。 

デプスインタビューが有効な場面

■消費者の心理や行動理由を深く理解したい場合

消費者理解を深めたい場合にデプスインタビューを行います。

ネットリサーチなどの定量調査では市場全体の傾向把握や仮説の量的検証はできても、消費者の心理や行動理由の深堀には適していません。

インタビュー対象者との一対一の対話の中で、発言を深堀したり理由を尋ねることで、消費者への質的理解を深められます。

 

■アイディアや仮説を構築したい場合

どのような施策が有効かわからない、施策のアイデアが浮かばないという場合、消費者の質的理解が不足していることが原因です。

デプスインタビューで消費者の心理や行動理由の理解を深めることで、有効なマーケティング施策のアイデアや仮説を考えられるようになります。

グループインタビュー・エスノグラフィー調査との使い分け

定性調査の手法としてはデプスインタビューの他にも、グループインタビューやエスノグラフィー(行動観察調査)があります。

どのような場面でどの調査を用いるべきか、それぞれ目的やコストなどに応じて適切に使い分けをしましょう。

まずはそれぞれの特徴をお伝えします。

 

■グループインタビューとは

デプスインタビューが1対1で行われるのに対し、6名程度の顧客を同時に集めて座談会形式でインタビューを行う調査を、グループインタビューといいます。

特定のテーマについて、共通属性を持つグループに分かれて商品・サービスの評価を行います。

■エスノグラフィー調査とは

エスノグラフィー調査(行動観察調査)は、顧客の生活環境に調査員が身を置いて顧客を観察することで、商品・サービスの利用状況などを確認する調査手法をいいます。

顧客の購買行動は潜在意識に基づいて実行されることが多く言語化が難しいため、顧客の普段の行動や言動を観察することで、新たなニーズや課題を探る手段となります。

■定性調査手法の比較

各定性調査の違いを一覧表にまとめました。それぞれ目的や準備に使える期間・時間を考慮し、メリット・デメリットを踏まえた上で、適切な調査を選択しましょう。

定性調査手法の比較

進め方

続いて、デプスインタビューの進め方を解説します。
デプスインタビューの進め方

1. 調査対象者の決定

まずは調査に相応しいインタビュー対象者選びです。

一般的には事前にウェブアンケートに答えていただいてスクリーニングをかけます。

その際対象者の選定基準が伝わってしまうと、基準に当てはめようと事実と異なる回答が集まる恐れがあります。

顧客の行動の実態が把握できるように、しかし調査対象者は明らかにしないように、スクリーニング調査の設問を設計しましょう。

 

2. インセンティブの決定

次に、インタビュー協力者への謝礼を準備します。

1対1のインタビューは調査対象者にも負荷がかかり、時間・労力を加味して金額を設定します。

一般的には60分で5,000円〜1万円の範囲で設定されます。

調査の対象者が医師のような専門職であったり、企業の上級管理職であったりする場合には、より高い金額が適切な場合もあります。

 

3. 設問の洗い出しと優先順位付け

そして、質問内容を洗い出します。

限られた時間の中で重要なポイントを押さえながらインタビューを進めていく必要があるため、質問に優先順位付けをしましょう。

時間次第では優先度の低い質問をカットします。

 

4. インタビューフローの設定

質問の内容を決めたら、それをどのような順序で尋ねるか、インタビューのシナリオを作成します。

調査の目的を伝え同意を得るのに5分、ラポールに5分、など内容と質問にかける時間を設定していきます。

具体的には以下のような点に気をつけてフローを決定しましょう。
インタビューフロー作成時の留意点

5. インタビューの実施

設問とフローの準備が整ったら、デプスインタビューの実施です。

調査対象者の総数は案件のテーマや目的などにより異なりますが、10名程度のサンプル数を確保する場合が多いです。

土日などを使って集中的に実施できると効率が上がります。

成功させるためのポイント

デプスインタビューをする際に押さえておきたいポイントをご紹介します。

 

・適度な共感で心理的な壁を作らせない

1人で話をしていると、相手がどう感じているのか不安になることがあります。

インタビュアーは適度に相槌を打ったり、そうですね・おっしゃる通りですねと共感を示したりすることで、話者が安心して本音を話せるよう心掛けましょう。

 

・話すのは対象者、インタビュアーは聞き役に

調査対象者から深層心理を引き出すことが目的のため、インタビュアーが話しすぎないよう注意が必要です。

調査対象者自身も無意識から発言している場合もあるため、何気ない反応から真相を探っていきましょう。

「さきほど◯◯と仰っていましたが」など、しっかり話を受け止めていることを折に触れて伝えると良いでしょう。

 

・インタビュー後のワークショップで認識共有

デプスインタビュー後は、「デブリーフィング(振り返り会話)」という場を設けるのが通常です。

デブリーフィングとは、記憶が鮮明のうちにインタビューの内容を振り返り、感想や意見を関係者間で交換し合う場のことです。

しかし、デブリーフィングでは感想や意見の共有で終わってしまうこともあるため、ワークショップを行うことをお勧めしています。

ワークショップでは意見を出し合うだけでなく、具体的な施策アイデアやアウトプットに落とし込むところまで行います。

ラフでも構わないので、商品であればプロトタイプのイメージを作成します。

デプスインタビューで得られる定性情報は、人によって受け取り方や認識が異なるため、全員がイメージできる形でアウトプットしてしまうことが重要です。

成功事例

弊社でご支援したデプスインタビューの成功事例をご紹介します。

 

【審美歯科フランチャイズ】インタビュー調査をサービス改善とリブランディングに活用

まとめ

以上述べてきたように、デプスインタビューは顧客の潜在的な意識に迫るのに適した調査手法です。

顧客が購買行動に至るまでの意思決定プロセスを可視化できるよう、事前準備として設問の設計等をしっかりと行い、本番のインタビューに臨みましょう。

リサーチのプロであるネオマーケティングでは、デプスインタビューの実績も豊富にあり、安心してお任せいただけます。調査の進行に不安のある方はご相談ください。

ネオマーケティングは国内約2889万人のアンケート会員を保有するパネルネットワークを構築、ご希望の調査対象者にリサーチを実施することが可能です。
マーケティング課題を解決し、必要なデータを取得するための調査設計から、調査結果の活用まで、伴走してご支援しています。リサーチを起点に、デジタルマーケティング、PR、ブランディング支援も行っています。
まずはネオマーケティングのサービス資料をご覧ください。

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