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ブランドベース開発のメリット

ライター:土田 琢磨

公開日:2022年08月30日 | 更新日:2024年10月15日

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自社のブランド戦略に課題を抱いていても、その解決には大きなエネルギーが必要です。そのため、どうしても目先の施策が優先され、抜本的な対策に踏み込めないというケースもあるのでは? しかし、ブランドを根幹から見直すことによって、得られるものはかけがえのないものとなります。
本コラムでは、「ブランドベース開発」のメリットについて、解説します。

「ブランドベース開発」とは?

ネオマーケティングが提供する「ブランドベース開発」は、「タグライン」「ステートメント」「キービジュアル」という3つの軸を開発していくものです。

「タグライン」は、商品やサービスへの“思い”を端的に表現した言葉で、生活者と企業を結ぶ「合い言葉」。そのタグラインにこめた思いを文章で丁寧に補うのが「ステートメント」です。そして、言葉と文章で作られた世界観を「キービジュアル」で視覚化していきます。

文字だけでなく、ビジュアルもセットで開発するのには理由があります。同じ言葉でも、そこからイメージするものは千差万別。人によって受け取り方が変わることは珍しくありません。言葉は思いを伝える大切な手段ではありますが、言葉にできない部分は必ずあるものです。言語化できない部分をキービジュアルで補い、広くイメージを共有していくのです。

タグラインやステートメントといった「言葉」とビジュアルが一体となって、伝えたいメッセージを齟齬なく伝えることができます。タグライン×ステートメント×ビジュアルが一体となって、ブランドのベースとなるのです。

「ブランドベース開発」3つのメリット

ブランドベース開発のお問い合わせをいただくと、「で、売り上げにつながるの?」といったご質問を受けることが少なくありません。タグラインやステートメント、キービジュアルを決めたからといって、すぐ、翌月の売り上げが倍になることはありません。しかし、中長期で考えたとき、次の4つのメリットをもたらします。

 

1) 選ばれるブランドに育つ

外出先で「ゆっくりお茶でもしようかな」と思ったとき、みなさんの中には、1つ2つ、候補となるカフェが思い浮かぶでしょう。
生活者がものやサービスを選ぶとき、頭の中に思い描くブランドは、だいたい2つ未満といわれています。つまり、選ばれるブランドになるためには、想起される2つ以内に入る必要があるのです。

商品やプロダクトがコモディティ化している現在、スペックだけで差別化するのは難しくなっています。機能や性能ではなく、「***といえば、これ!」と思い出してもらう“きっかけ”や“イメージ“がブランドと強く結びついていることが重要です。

その“きっかけ”や“イメージ“のことを、カテゴリーエントリーポイント(CEP)と呼びます。ネオマーケティングではこのCEPを探り、CEPを素材にタグラインを開発していきます。

タグラインは広告や販促活動のベースになるものです。マーケティングや広告、広報活動全体を通じて、CEPを意識したメッセージを生活者に送ることができ、「***といえば、これ!」という意識を根づかせることができる。結果、選ばれるブランドへと育てることができるのです。

 

2)売上につながる「信頼」を醸成できる

先ほど、ブランドベース開発をしても翌月の売上に影響を与えるものではないといいました。それはそもそも、役割の違いがあるからですが、じつは確固たるブランドベースができると、中長期的には売上にもつながっていきます。

実際、ブランドベース開発のご依頼を受け、ヒアリングをすると「売上をあげたいから」とお答えになる企業も少なくありません。

改めて言うまでもありませんが、セールスをしていくうえで「信頼」は欠かせない要素です。信頼を築くといってもその方法はさまざま。営業や店頭販売員の人柄や態度も信頼を醸成するひとつですし、商品やサービスの質によって信頼が強まるということもあります。

タグラインやステートメント、キービジュアルもまた、信頼の醸成に役立ちます。
言葉とビジュアルを用いてどういうブランドなのかを表明することで、企業のメッセージが齟齬なく伝わりますし、同時に生活者からの声も届きやすくなります。
コミュニケーションが円滑になるのです。それが信頼を築き、信頼がセールスに結びつく。結果、売上にも貢献する。そんな循環が生まれるのです。

 

3)“初心”を見失わずに事業展開できる

ブランドを立ち上げるとき、新たなサービスを展開するとき、必ずそこには熱い思いがあるはずです。しかし、悲しいかな、人は忘れていく生きものです。
月日がたつうちに当初掲げたビジョンやミッションは形骸化し、業務や効率性、目先の利益を優先するようになってしまいます。
仕方のない面はありつつも、事業を行う意味や目的が曖昧になると、商品開発やマーケティング施策に一貫性が失われ、いずれ瓦解してしまいます。

しかし、最初にブランドベース開発を丁寧にしておくと、揺らがない軸となります。どれだけ時間がたっても、志がブレることなく、最初に掲げた「熱い思い」を思い出すことができます。

タグラインは、企業やブランドがどこから来て、どこに向かうのか、それを指し示す「指標」の役割も担っているのです。

もちろん、タグラインやステートメント、キービジュアルが、いまの事業体に合わなくなったということもあるでしょう。企業もブランドも成長するものですし、社会も変わっていくものですから、珍しいことではありません。
そのときは、リブランディングのタイミング。新たに開発をすればいいのです。

お気に入りの洋服が今の自分に合わなくなったら、着替えればいい。今も変わらず、自分らしくいられる一着であれば、そのまま着続ける。大切にしつつも、自分らしくありつづけるための変化は恐れないーーブランド戦略にはこうした姿勢が必要です。

ブランド開発に外部の人間が必要な理由

ブランドベース開発には以上のようなメリットがあるわけですが、開発を進めるうえで、ひとつ重要なことがあります。
それは、社内での合意形成です。ブランド担当者一人、あるいは担当部署だけでタグラインやビジュアルを決めても、意味のあるものにはなりません。

自分たちはどういう思いで商品やサービスを提供するのか? 何を生活者と約束するのか? 社内のさまざまな人の合意を得て決めていくことが、ブランド開発には欠かせません。

なぜなら、話し合いの過程そのものが、従業員の意識を高め、商品・サービスへの理解を深めるからです。また、議論の末に決定したブランドの理念は、従業員一人ひとりにとって、納得できる腑に落ちたものになるでしょう。

しかし、それは相当な労力が必要です。組織内の力関係や思惑があったりして、簡単にはいかないものです。
そうしたとき、外部の専門家が役に立ちます。プロフェッショナルが客観的な第三者として参加し、議論を進めることで合意形成がスムーズになります。

「新規事業を展開するにあたって、ブランド戦略を固めて売上を上げていきたい」
「ブランドが時代に合わないようで、コミュニケーションロスが起きている」など、ブランドベース開発が必要な状況はさまざまでしょう。
ブランド戦略に課題感をお持ちであれば、ネオマーケティングにご相談ください。選ばれる、信頼されるブランドづくりをサポートいたします。

ネオマーケティングは国内約2889万人のアンケート会員を保有するパネルネットワークを構築、ご希望の調査対象者にリサーチを実施することが可能です。
マーケティング課題を解決し、必要なデータを取得するための調査設計から、調査結果の活用まで、伴走してご支援しています。リサーチを起点に、デジタルマーケティング、PR、ブランディング支援も行っています。
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土田 琢磨
WRITER
土田 琢磨
コピーライターとしてキャリアをスタートし、国内広告会社にてクリエイティブ部門責任者・シニアクリエイティブディレクターを務めた。主に、広告クリエイティブのディレクション・コピーライティング・CMプランニングを担当。医薬品・新聞社・官公庁・教育・家電などのクライアントワークに携わる。

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