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リブランディングの効果的な戦略とは?目的と事例を紹介

ライター:加藤 賢大

公開日:2021年12月27日 | 更新日:2024年09月30日

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目次

ブランドイメージを刷新・強化したいと考えている企業は少なくないでしょう。ブランドを再構築することを「リブランディング」といいます。
リブランディングによってブランドイメージが大きく変わるため、戦略を誤ると既存顧客を失う原因にもなりかねません。
本コラムでは、効果的なリブランディングの戦略についてポイントを絞って解説します。

リブランディングとは

リブランディングとは、すでに認知されたブランドを再構築し、一新することを指します。顕著な例として、ブランドロゴやブランドカラーの刷新をイメージする方も多いはずです。

ブランドイメージが浸透するにつれて顧客にブランドが広く認知されていく一方で、ブランドの価値が陳腐化していくのは避けられません。はじめは新鮮に映ったブランドコンセプトも、時間が経過するにつれて顧客に慣れが生じるからです。

また、時代の変化とともにブランドに求められる役割や意味合いも変化していきます。ターゲットの年齢が上がるにつれて価値観も変わるため、ブランドイメージを変化させていくことが必要になる場合もあります。リブランディングは、変化する顧客や時代に合わせてブランドを最適化していくために必要なプロセスなのです。

リブランディングのメリット

商品のリニューアルやリブランディングを検討する背景や目的、課題には以下のような様々なことがあります。

ブランドイメージを一新することにより、顧客に新鮮な印象を与えられることがリブランディングの最大のメリットといえます。より時代に即したブランドイメージを打ち出すことで、既存の顧客に「ブランドが生まれ変わった」ことを印象づけ、顧客エンゲージメントを高める効果が期待できるのです。ブランドは構築したものの、狙っていたターゲットにうまくアプローチできていない場合にも効果的です。それまで気づいていなかった強みや、差別化ポイントを洗い出し、うまく再構築できれば新たな顧客を取り込むチャンスにもなります。

リブランディングは通常のブランディングとは異なり、すでにブランドが確立されている点が挙げられます。ブランド自体は広く認知されており、顧客が多数存在する状態で施策を実行していくことができるのです。新規のブランド構築と比べて認知されやすいことも、メリットといえるでしょう。

リブランディングのデメリット

既存のブランドイメージを毀損する直接的な原因になりかねないことが、最大のデメリットです。すでにブランドが確立している以上、従来のブランドイメージに愛着や信頼を寄せている顧客が多数いると考えられます。ブランドイメージが変わることで、「以前のほうが良かった」と感じる顧客が一定数出てくることが予想されるのです。

とくにブランドの核心部分にあたるイメージが悪化してしまうと、既存の顧客が離れていくリスクがあります。リブランディングにおいて重要なポイントは、既存のブランドファンから支持を得ることです。既存顧客の支持を得られないと新規顧客を獲得するのも難しくなる傾向があるため、注意深く進める必要があります。

リブランディングの効果的な戦略

リブランディングを効果的に進めるための戦略について解説します。表面的なブランドカラーやロゴを変更するのではなく、自社のブランド価値について改めて分析することがとくに重要なポイントです。

●Whyを出発点にする
戦略の核となるのが「なぜリブランディングが必要なのか」というWhyの部分です。一般的に、リブランディングが必要となるのは次に挙げるタイミングといわれています。

▼リブランディングが必要とされるタイミング
・ブランドイメージが陳腐化している
・顧客がブランドイメージを誤解している
・重要なターゲット層に十分なアプローチができていない
・強力な競合他社が出現した
・新たな市場に参入する
・新商品・サービスを投入する
・事業規模の大幅な拡大を計画している
・世の中の価値観とブランドコンセプトに齟齬が生じている

必要とされている最大の要因を明らかにしておかなければ、Whyを出発点としたリブランディングは実現できません。必然的に、現状のブランド戦略が十分に効果を発揮していない原因の究明が急務となるはずです。

●ブランドの現在位置を明確にする
現状、自社ブランドがどのように顧客の目に映っているのかを分析しましょう。自社で打ち出しているブランドイメージと、顧客の捉え方との間にギャップがあることも考えられるからです。

ブランドの現在位置を明確にすることで、「どう見られたいのか」と「実際はどう見られているのか」の距離感を把握できます。顧客アンケートなどを通じて、先入観に囚われることなく現状分析を行うことが非常に重要です。

また、想定していた顧客層と実際の顧客層との差異をリサーチすることも、ブランドの現在位置を知る手がかりとなります。現状、プロモーションが十分に効果を発揮していないとすれば、ターゲットとしてきた顧客層とプロモーションがリーチしている顧客層が異なる可能性が高いからです。

●ブランドを再び認知してもらうための道筋を決める
新たに打ち出したいブランドイメージを、どのような道筋で顧客に認知してもらうかを決めていきます。単にブランドロゴやブランドカラーを変更するだけでは、ブランドイメージが刷新されたことが顧客に伝わりません。

新たなブランドイメージをどんな顧客に伝えるべきか、伝えるべきメッセージは何かを明らかにしましょう。その上で、ブランドに込められたメッセージが伝わりやすいコミュニケーションの手段を選択します。

ブランドイメージを刷新した経緯を顧客に伝えていくことも重要です。たとえば、ロゴを変更することを予告し、新たなロゴに込めたメッセージを伝えましょう。ロゴの変更がデザインの変更に留まらず、ブランドイメージ刷新の一環であることを印象づけることができるはずです。

リブランディングの成功・失敗事例


リブランディングによってブランドイメージを一新した企業は、過去に数多く存在します。その中でも、成功・失敗事例として広く知られているケースを見ていきましょう。

●成功事例:製菓メーカーA社
製菓メーカーA社は、ポテトチップスの新たなブランドを発表しブランドロゴとパッケージもシンプルで高級感のあるものに一新しました。

従来、ポテトチップスには「安価」「手軽」「ジャンク」といったイメージがつきものでした。しかし、類似商品を販売する企業が増え続けたことにより、ポテトチップスは価格競争に突入せざるを得ない状況になっていたのです。

A社は他社に先駆けて「高級感のあるポテトチップス」を投入し、多くの顧客が従来抱いてきたポテトチップスのイメージを覆しました。その結果、販売計画を大幅に上回り生産が追いつかなくなるほどの反響を得たのです。リブランディングが顧客の潜在的なニーズを捉え、成功を遂げたケースといえるでしょう。

●失敗事例:飲料メーカーB社
マーケティングの稀有な成功事例として知られている飲料メーカーB社も、過去にはリブランディングに失敗したこともあります。長年続いてきた飲料の味を一新する野心的な試みでした。

ところが、新しい味は顧客に受け入れられず、わずか3カ月後に同社は元の味に戻します。顧客が求めていたのは新しい味ではなく、長らく愛され続けてきた味だったのです。

この失敗事例における最大の原因は、ブランドの現在位置を把握できていなかったことに尽きるでしょう。リブランディングによってブランドイメージが大きく変わることは、既存の顧客に「求めているものと違う」「裏切られた」といった印象を与える原因にもなります。リブランディングに取り組む際は、ブランドの現在位置を客観的なリサーチを元に正しく把握しておくことが非常に重要です。

まとめ

ブランドを再構築し、強化していくのがリブランディングです。強いインパクトがある反面、ブランドイメージを損ない既存顧客を失う原因もなりかねないため、慎重に判断した上で実践する必要があります。

 

今回解説してきたリブランディングの目的と進め方を参考に、ぜひブランドの再構築に取り組んでください。効果的なリブランディングはブランドイメージの新鮮さを取り戻し、顧客のさらなる支持を得ることにもつながるはずです。

 

【参考サイト】
誤解しがちなリブランディング。 本当の意味とその手法とは?
https://prdx.co.jp/visions-prdx/rebranding/#22Why
リブランディングとは?  〜言葉の意味、方法、ポイント、事例
https://www.fullthrottle.co.jp/blog/re-branding/
リブランディングの意味や目的と展開事例
https://chibico.co.jp/blog/brand-strategy/re-branding-011/
【リブランディング】
https://www.gentosha-mc.com/terms/rebranding/
リブランディングとは?13件の成功事例と5件の失敗事例からその方法を学ぼう
https://start-x.work/blog/content/Wq-u_Kqh

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加藤 賢大
WRITER
加藤 賢大
マーケティング業界歴10年超。2011年よりネオマーケティングに入社。リサーチのみならず、WebマーケティングやPR、ニューロ・IoTなど、各種ソリューションを駆使して顧客の課題解決に尽力。 武蔵野美術大学と共同で新サービス開発及び論文発表、日本マーケティング協会主催のマーケティングAI研究会に参加するなど研究活動にも従事し、幅広い業務に携わる。

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