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D2Cブランド立ち上げの6ステップ

ライター:株式会社ネオマーケティング

公開日:2021年09月01日 | 更新日:2024年10月25日

カテゴリー:
目次

今回は、D2Cブランドを立ち上げるために必要な6つのステップを解説します。

一貫したコンセプトとストーリー、世界観を重視し、顧客にその価値を直接届けていくD2C(Direct to Consumer)ブランド。EC(electronic commerce)ビジネスの中でも近年、急速な拡大を見せています。

このD2Cブランドについて、今回は、立ち上げまでの流れをステップ・バイ・ステップで解説していきます。

ステップ1:顧客ニーズの調査

D2Cブランドの立ち上げには、まず顧客ニーズを把握するためのマーケティング調査が必要となります。

「顧客はどんな体験を求めているのか?」
「その体験は、どんな製品やサービスによって実現できるのか?」
「自社の強みやナレッジで、その製品やサービスは実現できそうか?」

といったことを検討していきます。

●D2Cとマーケットイン
D2Cブランドの特徴のひとつに、「マーケットイン」という考え方があります。マーケットインとは、顧客のニーズに基盤を置いてプロダクトやブランディングの意思決定を行っていく方法論です。
自社の既存製品や、既に持っている技術、知見、経験、ノウハウ等も重要ですが、それら”ありき”でブランドを立ち上げるのではなく、まず顧客のニーズを前提として方針を策定していきます。

●顧客の求める「体験」に目を向ける
D2Cブランドの立ち上げにおいては、「顧客のニーズを調べる」と言っても、「どんな製品が欲しいか」を調べるわけではありません。
従来のマーケティング調査では、機能や価格、デザインなど具体的な要素にフォーカスした調査がイメージされるかと思います。ですがD2Cブランドの立ち上げでは、そういった要素よりも重要になる点があります。それは、「顧客がどんな体験を求めているか」です。
「D2Cは体験を買うビジネスモデル」ともいわれています。D2Cは商品そのものではなく、ブランドがもつ世界観への共感、その商品を持つ/使うライフスタイルの実現に消費者はお金を出すのです。
具体的に、キャリーバッグを例に考えてみましょう。

「可愛らしいデザインのキャリーバッグを持って、友だちとプチ旅行に出かけたい」
「バイクの後ろに載せて、アウトドア用品を詰め込んでキャンプに行きたい」

…といったように、顧客がどんな場面で、どのように製品を使い、どんな体験をしたいのかを、具体的にキャッチしていくことが重要になります。

そのための方法として、新しい商品を開発する際には行動観察調査、既に売りたい商品が完成している場合、もしくは既にコンセプトがある場合にはインタビュー調査を活用していきます。

行動観察調査とは?事例紹介|メリットや失敗しないために大切なこと

インタビュー調査成功のコツとは?分析から活用方法など本当のところをお話します

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※関連ホワイトペーパー:D2C事業を成功させるための重要ポイントとは

ステップ2:ブランドコンセプトの策定

ステップ1で収集したデータをもとに、ブランドコンセプトを策定していきます。
ブランドコンセプトとは、そのブランドが持つ世界観と言い換えても良いでしょう。ECサイトのデザイン、商品のパッケージ、コマーシャルやキャッチコピー、アプリのUIなど、ブランドコンセプトは、事業展開のあらゆる要素に影響します。
また、ブランドコンセプトをしっかり固めておくことは、すなわち独自性を打ち出すことでもあります。ブランドコンセプトがどれくらいで固まるかによって、立ち上げの期間は変わりますが、決して疎かにしてはいけないステップです。

●顧客ニーズをもとにコンセプトを作る
ブランドコンセプトの策定において、もっとも重要なのは、やはり顧客のニーズを大切にすることでしょう。
「顧客が求める体験が、そのブランドの製品/サービスによって実現できる」と伝わるよう、一貫性のあるストーリーと世界観を構築していくことが大切です。
肌感覚で言えば、ここはビジネス的な発想よりも、アートディレクターのような発想力が求められるステップかと思います。こうした能力を持つ人材やパートナー企業を、早めに確保していくことも重要です。

●ブランドの世界観を顧客も巻き込んで構築する
D2Cの顧客はブランドを育てる仲間'
D2Cにおいて、顧客は商品を購入してくれるユーザーという側面だけでなく、ブランドを共に育てていく仲間・コミュニティのメンバーだという捉え方ができます。オンライン上でより詳細にユーザーの行動を把握することができ、またSNSなどで直接顧客とつながることができるため、顧客からの声・要望・フィードバックを反映していく姿勢がブランド側には必要です。また、顧客は、ブランドや商品の情報を自主的に情報発信してくれる存在でもあります。そのような顧客を獲得するため、いかにブランドに心理的なつながりを持ってもらえるか、これが非常に重要なポイントです。

ステップ3:商品企画

ステップ1の調査結果、およびステップ2で策定したブランドコンセプトをもとに、商品を企画していきます。
そもそも商品自体に価値を感じてもらえなければ、また競合商品と差別化できていなければ、D2Cであっても売れないことには変わりありません。商材的に、成熟産業で競合との差別化が極端に難しかったり、既に市場に似たような商品が存在している場合、もしくは技術的なハードルが低く、これから多くのD2Cブランドが参入してくることが予測される場合は、市場の選定についても慎重になる必要があります。

通常の販売形態における商品開発と、プロセス上、そこまで大きな差はありません。商品開発については、以下のコラムを参考にしてください。
【事例付き】ヒット商品開発に必須なコンセプト調査と商品コンセプト


商品企画の段階で、商品のコンセプトが市場において受け入れられるか調査を実施していくと、「ニーズとブランドのコンセプト、どちらを優先すれば?」と迷うこともあるかもしれません。そのような場合は、コンセプト受容性を計る調査の分析、活用方法について、以下ののコラムを参考にしてください。

コンセプト調査とは?調査方法について


D2Cにおいては、LTVも商品企画で重要なポイントです。そもそもどの程度の単価で、どの程度の購入頻度の商材なのか。新規で立ち上げる際には、収益性も図る必要があります。

LTV=平均購買単価×購入頻度×継続購入期間×利益率

商品の単価、購入頻度は商材ごとにある程度決まっているため、そこを考慮したうえでの商材選定が必要で、マーケティング施策の要点としては以下に継続購入してもらうか、またそもそも初回の購入機会をいかに作るか、というところになっていきます。

ステップ4:カスタマージャーニーの具体化

商品をどのように顧客の手に届けるのかも、D2Cブランドの重要な要素です。
ブランドの認知→注文/購入→配達→受け取り→利用といった、一連の顧客体験=カスタマージャーニーを具体化していきます。
この際も、カスタマージャーニーの各段階がブランドコンセプトから大きく逸脱しないよう、注意を払いつつプランを構築していくことが望ましくなります。

●集客戦略
集客戦略は、ビジネスの成否を大きく左右する要素です。
D2Cでは、集客はECと同じようにインターネットを活用して行うのが主流です。GoogleやYahoo!などの検索エンジンへのリスティング広告、アフィリエイト、純広告、最近ではYouTubeへの出稿なども行われますが、メインとなるのがSNSです。
SNSは、D2Cブランドにとって重要な顧客層となる、ミレニアル世代と相性の良い情報発信手段です。ブランドの世界観やストーリーを発信するほか、双方向のコミュニケーションにも長けており、ブランドのファンの獲得や、顧客を良い意味で巻き込んだ事業展開にもつながっていきます。
D2CブランドにおけるSNSの重要性は、次の記事で詳しく解説していきます。



●物流戦略
物流戦略も、D2Cブランドの重要な要素です。立ち上げ当初、在庫数も受注数も少ない段階では自社で商品を管理、発送までできるかもしれませんが、受注が増えるに従って大きな負担となります。
細かいことですが、商品によって配送方法が変わります。通常便なのかメール便なのか、ネコポスなのか。はたまた冷凍・冷蔵配送なのかー。温度管理が必要な商品ですと、在庫を置けるところも少ないので、倉庫の確保も考えておく必要があります。
こうしたロジスティクスの面で顧客に不便を掛けてしまうと、ブランドのイメージも一気にネガティブなものになってしまいます。こうしたリスクを防ぐためにも、堅実な物流戦略が欠かせません。

ステップ5:ビジネスパートナーを探す

ここまで商品企画(ステップ3)、カスタマージャーニー(ステップ4)とプランを進めていく中で、実現に必要となる社外リソースも具体的に把握できるようになってきます。
そこでステップ5では、必要なビジネスパートナーを探していきます。

●必要な社外リソースの洗い出し
ビジネスパートナーの選定には、必要な社外リソースの洗い出しが不可欠です。
たとえば、

「この機能を持った製品を量産するには、自社の工場では難しい」
「デリケートな商品なので、在庫管理や物流のノウハウが足りない」
「SNS運用に長けた人材がいないので、どこかに外注したほうが良さそうだ」
「インフルエンサーと提携して、情報発信を強化しよう」

…といったように、必要な社外リソースを具体的に洗い出していきます。

D2Cは商品開発からECサイト運営、集客、CRM、物流、カスタマーサクセスまでを行う必要があるため、ビジネスの総合格闘技と比喩されることがあります。個別で別々のパートナーを探すよりは、自社で賄えないところだけを部分的に相談する、もしくはビジネスの上流部分から下流まで一気に任せられる、フロントに立ってくれるパートナー企業に任せるのがよいでしょう。一部の機能を抜粋して、パートナー選定の要件を整理します。

●商品開発
商品開発においては、商品開発上必要な、顧客理解・市場理解・コンセプトメイキング・プライシングなど、必要に応じて支援企業を選定しましょう。調査をただ実施するのではなく、その後の調査結果を商品開発、ブランド開発、プロモーション施策に活用することまでを考えたうえで、調査提案できるマーケティング会社を選びましょう。

●ECサイト構築・運営
サイト制作はパートナーに依頼する、ということがほとんどでしょう。一般生活者むけのサイト制作、ECサイト制作、D2Cのサイト制作に長けた制作会社を選定するのがよいでしょう。


●製造パートナー(工場、OEMメーカー)
必要な能力を備えた自社工場を持っている企業なら問題ありませんが、そうでなければ、自分たちが作りたい商材を作ってくれる工場を探す必要があります。
最近ではOEMを手がけるメーカーも増えているため、以前ほどの難しさはありません。ですがそれでも、メーカーによって得意不得意があります。

・使いたい成分や原材料に対応できるのか?
・独自成分や独自材料の持ち込みは可能か?
・品質を保った商品をつくれる工場なのか?
・再発注時のリード対応は?

など、しっかりと確認しましょう。

●ロジスティクス(物流、在庫管理など)
ロジスティクス・パートナーの選定も、多くの場合は必要になるかと思います。自社で配送網まで備えている企業は、それほど多くはないでしょう。

・作った商品をどこに保管するか?
・どう出荷するか?
・受注から発送、到着までの流れと時間は?
・費用はどのくらい掛かるか?スケールメリットは?

こうした点についても、慎重に検討しながら、信頼して任せられるロジスティクス・パートナーを選定していきます。

●プロモーター、インフルエンサー
D2Cブランドは、SNS運用が重要になります。
SNSアカウントを作って運用すること自体は誰でもできますが、D2CブランドにふさわしいSNS運用は、そう簡単ではありません。

・顧客にとって魅力的なアカウント
・ブランドイメージに則った情報発信
・企業公式としての倫理観を逸脱しない適切な運用
・SNSプラットフォームの特徴による使い分け
・万が一、”炎上”してしまった場合の対応などリスクマネージメント

このように様々な専門性が求められます。
とくに最近では、インフルエンサーを使った成功事案が増えてきています。インフルエンサーに依頼する際は、誰にどう発信してもらうかが重要で、当然のことですが、商品、ブランドイメージに合ったインフルエンサーを起用する必要があります。
インフルエンサーの起用と合わせて、自社のアカウント、ブランドの公式アカウントも連動して運用していきます。
時折、公式アカウントの「中の人」の不用意な投稿によって炎上してしまうケースがあります。ただ、投稿すればいいというわけではなく、SNSに対するそれなりの知識も必要です。
しかし、うまく運用できれば、ブランドのコンセプトやメッセージを伝えるのに役立ち、親近感を与え、消費者との距離を縮めることに役立ちます。
ブランドのコンセプトがズレていると、投稿内容もブレてしまいますので、やはり、ブランドの世界観をきっちり固めておくことが重要です。運用は大変ですが、こまめにメッセージを発信していくことが認知度を上げ、ファンを獲得することにつながります。

ステップ6:ミニマムスタート

準備が整ったら、商品の製造やSNSなど、ブランドの展開をスタートしていきます。最初のうちは無理をせず、ミニマムスタートで取り掛かっていくほうが良いでしょう。

●まずは少量生産から
どんなビジネスでも、実際に動かしてみないとわからない点が多々あります。
「こんなはずではなかった」という失敗もあれば、「まさかコレがヒットするとは」という嬉しい驚きもあるものです。
どのような場合でも軌道修正が容易なように、最初は少量の生産に留めるのも判断の一つ。受注生産であれば、受注量を増やしすぎない等、バランスの良いハンドリングを効かせていけるのが理想的です。

●事前プロモーションの展開
ブランドの立ち上げと製品供給に実現性が見えてきたら、事前プロモーションを先行展開するのも手法の一つです。

・ブランドのイメージを強力に印象付け、顧客の期待感を高める
・目新しさによる話題性、拡散力

など、事前プロモーションには発売前にしかできないメリットがあります。
たとえば、販売サイトの開設に先駆け、インフルエンサーを使って大々的に認知を広げるケースもあれば、商品の販売タイミングに合わせるケースもあります。コンセプトや世界観に加え、どういうプロモーション戦略をとるかによって実際には変わるでしょう。
また、SNSや自社サイトでの発信だけでなく、オウンドメディアにプレスリリースを打つなどの方法もあります。



●PDCAサイクルによる調整を経て本格展開へ
まずはミニマムスタートで、PDCAを回してビジネスモデルとブランドを最適化していけば、より本格的な展開への見通しも立つようになってきます。
顧客の反応、SNSでの話題性、共有や拡散の状況などをチェックし、ニーズに合わせてPDCAサイクルを回転させていきます。
ミニマムスタート段階での実績があれば、本格展開に向けた資金調達や、さらなるパートナーの獲得、ニュースメディア・オウンドメディアへの露出の機会なども有利になるでしょう。

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