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D2Cとはどんなビジネスなのか?メリット・デメリットを分かりやすく解説

ライター:株式会社ネオマーケティング

公開日:2021年08月27日 | 更新日:2024年10月08日

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目次

D2Cは国内でも盛り上がりを見せているビジネスモデルです。
自社で企画・製造した製品を仲介なしで直接顧客に販売する仕組みがD2Cの特徴ですが、会社により展開の仕方が異なるためいまいちよく分かっていないという方も少なくないのではないでしょうか。

今回は、
・D2Cとはどんなビジネスモデルなのか
・なぜD2Cが普及したか
・D2Cが持つメリットとデメリット
について解説いたします。

D2Cとはどんなビジネスモデル?

D2CとはDirect to Consumer (消費者直接取引)の略で、企画・製造した製品を中間流通業者や小売り店を介さずに直接販売まで自社が一貫して行う形式のビジネスです。
DtoCまたはDTCと表記されることも。

D2Cブランドの製品は自社のECサイトなどのチャネルで販売されるのが特徴で、amazonや楽天などの大手プラットフォームを利用せず、小売店で販売しない点が従来のECサイトとは異なります。

かつては実店舗を持たないことがD2Cの定義の1つと考えられていましたが、市場が広がった現在では実店舗を持つブランドも少なくありません。

また、ブランドがスタートした時点では自社ECのみの販売でも、売上が伸び製品の知名度が上がってきたら小売店に流通させるケースも増えてきました。

ただ、「発展したら店舗を持つ」というのは1つの方法に他ならず、店舗を構えてもショールームのように使って販売はECで行う、期間限定のポップアップショップは開催するが旗艦店は持たずベースはオンラインのみといった方法もあり、ビジネスのスタート地点は同じでも展開の方法はブランドによって大きく違いがあります。

混同されやすいBtoB、BtoCは「取引相手との関係性」を意味する名称です。
BtoBなら企業同士の取引、BtoCは企業が消費者にサービスを提供する状態を指しています。
D2CもBtoCと同じく企業から消費者に製品を販売しますが、取引の相手を表すのではなく「どのように製品を提供するか」に意味を置いています。

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D2Cが普及した背景

D2Cはここ数年でよく目にするようになりましたが、いまの形のビジネスモデルとして登場したのは2000年代後半のアメリカだとされています。

D2Cが世界的に広く普及した理由として、以下の3つが挙げられます。

・デジタルネイティブ世代の増加
→D2Cはミレニアル世代(1985年~1995年生まれ)以降がメインのターゲット層とされています。
この年代は幼少期からパソコンや携帯を使いこなしてきて、日常的な情報収集や買い物をネットで行うことに抵抗がありません。
それに加え、SNSやスマホの爆発的な普及で販売元となる企業も独自の販路や顧客を形成できるようになりました。
まさに技術の発展により生まれたビジネスモデルと言えるでしょう。

・消費の考え方のシフト
→時代が進むにつれて、消費者のニーズや消費そのものへの考え方も以前とは大きく変わってきました。
かつて一般的だった所有することに価値を感じる「モノ消費」ではなく、購入した製品によって得られる体験、使用価値に重きを置く「コト消費」にシフトしつつあります。
D2Cブランドの多くはただ良い製品を売るだけでなく、きめ細やかなサービスやブランドの理念やビジョンといったブランド独自の世界観という付加価値を生み出しています。

・サプライチェーンの進化
→中国やインド、アジア諸国の製造業者のサプライチェーンが進化し、少ないロットから発注できるようになったこともD2Cが発展した理由の1つと考えられます。
先ほどご紹介した消費の考え方にも通じますが、小ロットから受注・生産できるようになったことでより細分化されたニーズにも答えられるようになります。
また、企画・生産を自社で行い仲介業者を通さないことで、移り変わりの速いトレンドにもスピーディに対応できるようになるという利点も存在しています。

日本でもD2Cビジネスが普及しつつある

D2Cビジネスは、ここ日本でも盛り上がりを見せ始めています。
数年前から色々なブランドが生まれ商品もヒットしていましたが、今後も市場は拡大していくと見られます。

株式会社売れるネット広告社が2020年9月に発表した2025年までの市場規模予測では、以下の予測データが明らかになっています。
D2C市場規模予測
引用元:https://ecnomikata.com/ecnews/27562/

コロナ禍において順調に売上を伸ばすECですが、それに伴いD2Cもますます存在感を増していきそうです。

D2Cでビジネスを行うメリット

D2Cビジネスにおける、代表的なメリットを2つご紹介いたします。

売上の傾向などのデータが直接得られる

D2Cでは販売までを自社チャネルで行うため、売上や顧客のニーズ、サイト上での顧客の動きなど細やかなデータを迅速に収集・蓄積できます。
従来のように仲介業者や小売、プラットフォームが間にあるとデータの取得まで時間がかかりますし、そもそも取得できるデータに限りがあります。

トレンドやニーズにすぐ答えられる

D2Cは企画・生産・販売を自社で行うため、外部委託するよりもトレンドや顧客のニーズを反映した製品作りが可能です。
SNSなどで顧客とこまめにコミュニケーションをとり、細やかなカスタマーサポートをすることでブランドイメージを向上しファンを増やすといった方法は、今や大企業でも行っていますが、D2C的な手法でしょう。

D2Cならではのデメリット

D2Cには良い面もたくさんありますが、デメリットと言える面も存在します。

直接取引だからこそのリスクがある

企画から販売までを仲介業者を挟まず自社で行うことは、これまでに無かったリスクや負担が生まれるというデメリットにも繋がります。
ブランドの準備段階でも、自社のECサイトを作るためのコストとリソースが必要になります。
無事に売上をあげられるようになったとしても、従来は小売や代理店が担当していた発送業務・顧客対応・アフターフォローも自社で行わなければなりません。
特に販売開始初期に見られるのはリソースや人員不足による、出荷サイトや対応の遅れです。
このように、従来は外部に発注していた部分も自社で行うため専門性を挙げつつ、複数の業務を統合しなければなりません。
これはスタートアップ企業には少なからず負担になる部分でしょう。

ブランディングが重要になる

D2Cブランドの多くは店舗を持たず、大手ECを利用しないため一般消費者よりもリピート率が高い「ブランドのファン」を増やさなければ売上は上がりません
ブランドのファンを増やすためには共感が必要です。
そして共感を得るためにはただ良い品を売るだけでなく、「なぜその商品を作ったか」「なぜこのブランドが生まれたか」というブランディング戦略に置ける基礎の「why」の部分をしっかりと構築しなければなりません。

まとめ

D2Cとは、仲介業者や代理店を介さずに製品の企画・生産・販売までを一貫して行うビジネスモデルです。
本記事ではD2Cは、デジタルネイティブ世代の増加・消費者のニーズの変化や細分化・サプライチェーンの進化により生まれた、時代に沿ったビジネスモデルだという事が分かりました。
より詳細なデータが収集でき、ニーズの変化にもすぐ対応できるというメリットがある一方で、一貫して自社が請け負うことでこれまで無かったリスクが生まれたり、より強固なブランディングが必要だったりとデメリットもあります。
世界的なパンデミックが長引く中、D2Cビジネスに参入する企業も増加していくことでしょう。

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