PRで大切な「量より質」とは
ライター:高橋 拓己
公開日:2020年09月29日
| 更新日:2024年10月11日
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マーケティング戦略に欠かせないPRですが、いま、PRに求められることやPRでできることが変化しています。それに伴い、PRで大切なことも変化しています。
PRの役割
以前のPRの役割は、リリースすること・伝えること、でした。伝える内容は、商品やサービスの新発売やリニューアル、伝え先はメディア(TV・新聞・雑誌・WEBメディア)でした。大切なこと(KPI)は、掲載数や広告換算値でした。
しかし今、デジタルの進化普及や生活スタイルの変化、メディア環境の変化や社会事象の影響などにより、企業や商品に求められる役割や人々のニーズが大きく変化し、それに伴いPRの役割も変化しています。
リリースすること・伝えることは変わりませんが、伝えるべき内容は、従来に加え、企業活動(SDGsなど)や、ブランドのイメージや世界観を伝えるブランディングなどが複雑多岐に加わり、企業や商品の好き嫌いやファン・ロイヤルカスタマーの創出を左右する役割がいっそう付加されています。
そして、伝え先は従来に加え、様々なデジタル上のタッチポイントや、主にSNS上でリーチを拡げるインフルエンサー(著名人や一般人)などかつてメディアと認識されていなかったコンテンツが影響力のあるメディアとして加わりました。
今、PRで大切なこと
こうした中、PRで大切なこと(KPI)は、掲載数や広告換算値だけではなくなってきています。
伝えるべき内容と伝え先が変わったことで、情報のスペック(名前・価格・発売日)が数多く伝わることだけがPRのKPIではなくなり、情報の質(ブランドや商品価値・メッセージ・世界観)を伝え、その結果、ターゲットである生活者の心理的満足度や期待値を刺激することがPRの大きな役割になっています。
PRは、メディアがPRの内容に価値を見出して記事化し、生活者に発信するため、発信の仕方はメディア任せになります。メディアによる記事化やストーリー作りのベースになるのが、PRのコアとなるキーメッセージです。どのメディアを見ても同じキーメッセージがフォローされていれば、伝えたい情報の質が伝わり、伝えたい生活者(ターゲット)の心理を動かします。
キーメッセージは、メディアによってその伝え方は異なります。キャッチコピーや文章、写真や映像、またはエンドーサーなどに変化変容しますが、どれも1つのキーメッセージを伝えるものになっていればターゲットの心理に伝わります。もちろん、企業や商品とセットで伝わることは必須ですが。
大切なこと(KPI)の違いによる、失敗と成功の違い
PRのKPIを掲載数や広告換算値だけにしている場合、その数が目標数を超えれば成功、下回っていれば失敗です。
一方、PRのKPIが質である場合、極論、たった1本の記事化だったとしても、その記事が情報の質を伝えるキーメッセージにより伝えられれば成功となります。質で成功するPRは、メディアによりエンドース(推奨)され、伝わったターゲットの心理を強く動かし、さらに拡散していきます。
どう記事化され、それが伝わった生活者の心理変化にどう寄与したかが重要になるため、いくら数百件ものメディアに取り上げられ、広告換算値にして数億円という結果が出たとしても、キーメッセージが含まれず個々にバラバラな記事化であり、ターゲットの心理を動かしていなければ、失敗ということです。
PRの活用方法
ECの拡大や、経済状況など、マーケットを取り巻く様々な事象を解決するPR。広告やその他マーケティング活動との連携は必須ですが、瞬発や効率の時代・不安な時代・SDGsなど環境や持続性の大切さが推奨される時代だからこそ、パーソナルな心理満足度を瞬時に満たすことのできるPRが効いてきます。上手に活用すれば広告よりお得で、着実な方法にできます。
ターゲットの心理を動かすPRのキーメッセージはどうやって決めればいい?今の企業や商品にはどんなキーメッセージが必要? —— その答えは、生活者の声にあります。社内で議論する過程で、時々、俯瞰して生活者の声を取り入れてプランすることで解決できます。
生活者の心理変容を調査してその実態を把握し、企業や商品に対するターゲットの心理変化をマーケティングカレンダーと照らして検証することで、ファン(長期安定的顧客)の創出ができているかを確認する目安にできます。
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●生活者の心理変容を調査で数値化し、PRの効果指標に活用する=心理ロイヤルティ指標。
●“さぁ、どれを買おう?”と思った時に想起されるか調査する=ブランド想起(Evoked Set)。
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