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コンセプト調査とは?調査方法と結果の活用方法について解説

ライター:加藤 賢大

公開日:2021年11月24日 | 更新日:2024年10月09日

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目次

商品サービス開発において欠かせないのが、コンセプトです。その商品サービスがどのような価値を提供するモノなのか体現したコンセプトは、いわば商品サービスのコアとなるような存在です。果たしてそのコンセプトで商品サービス開発を進めたとき、果たして生活者がその商品サービスを購入してくれるのか、事前に予測を立てるためにコンセプト調査があります。今回はこのコンセプト調査について、具体的なノウハウまでお伝えします。

コンセプト調査とは

コンセプト調査とは、生活者インサイトから新しく作り上げた製品・サービスのコンセプトがどの程度、生活者に受け入れられるか、その受容性を調べることを目的とした調査です。
具体的には、ターゲットとする生活者にどれくらい受け入れられるのか、ニーズにマッチしているのか、コンセプトで強化・改善すべき内容はどこか、といったことを調べます。

コンセプト調査の必要性とメリット

コンセプト開発初期においては、消費者調査結果や社内でまとめた仮説をもとに「これなら受け入れられるだろう」という状態であることがほとんどです。
そのため、そのコンセプトの状態で実際に製造・販売したとした場合、ターゲットとする生活者にまったく見向きもされないリスクを孕んでいます。
そこで、製造・販売前に、今の商品コンセプトが生活者に受け入れられるものかどうか、小規模にテストをすることで、消費者のニーズにマッチしたものにブラッシュアップすることができ、販売不振のリスクを軽減することができます。

コンセプト調査の方法

コンセプト調査の結果を踏まえて、生活者からのコンセプト評価の度合いでGo・NoGoの意思決定を行ないます。
調査の手法としては、WebアンケートやHUT(ホームユーステスト)などの定量調査の手法で実施することが多いですが、インタビューなどの定性調査の中に取り入れて改善点を細かく抽出することもあります。

定量調査と定性調査の違いとは?各調査方法の特徴をわかりやすく解説

定量調査と定性調査、どちらでコンセプト調査を実施するのが良いか。それは、その企業文化ごとに異なるかもしれません。マーケティング上の判断を行う上で、定量的で客観的なデータを重視する企業の場合は、コンセプト受容度がはっきりと数字(割合)で表れる定量調査の方が適しています。「このコンセプトを魅力だと思う人90%・とても購入したいと思っている人は70%」というように、明確な数値でコンセプトを評価することができます。
一方で、生活者の声や社内メンバーの所感をベースに意思決定が行われやすい企業の場合、
定性調査が適しているでしょう。
ネオマーケティングとしては、どちらかといえば定量調査によるコンセプト調査をお勧めしております。定性調査の場合、情報の受け取り方にどうしても主観が入りますが、定量調査の場合は数字で判断することになるため誰が見ても明らかで、客観的に判断しやすいというメリットがあるからです。社内の合意形成や説得も、数字をベースに議論することができます。

コンセプト調査の具体的内容

コンセプト調査は主に以下の観点で調査を行います。

・コンセプトに魅力を感じるか
・コンセプトに新規性を感じるか
・コンセプトに独自性を感じるか
・コンセプトに信憑性はあるか
・コンセプトに共感できるか
・コンセプトにわからないことはあるか
・コンセプトの商品を使うことでどのようなよいことがあるか


これらの量的な結果と、各要素についてどの部分からそれが感じられたのか、といった点を踏まえてコンセプトのブラッシュアップに役立てます 。
コンセプトの商品・サービスのカテゴリーについての実態を把握する質問項目を別途設けることで、なぜコンセプトがこのような評価だったのかの背景が見えやすくなるため、
設問に余裕があれば聴取することを推奨します。例えば、化粧品のコンセプトがシミ対策にフォーカスしたアンチエイジング系のものであったときに、そのコンセプトに魅力を感じた人たちはみなシミに悩んでいた、ということがわかる、といった具合です。
コンセプトのブラッシュアップの時の注意点としては、調査結果を受けてどの程度の修正や改善をコンセプトに行なうべきか、ということです。
商品・サービス開発においては、その企業・ブランドが目指す”ブランドパーパス”があるはずです。もしくは、訴求したかった独自性があるはずです。消費者からのコンセプトの評価が悪かったとしても、商品が提供したい価値、ブランドの存在価値まで変えてしまう必要が本当にあるかということは、慎重に判断するべき内容かと思います。
大抵の場合、その商品の価値や独自性を、消費者目線で、消費者に価値を感じてもらえるような形で表現することに議論を深める方が有効です。

コンセプト調査結果の活用について

コンセプト調査の量的な結果については、高評価が何%だから売れる、売れないといった明確な基準はありません。しかしながら、企業側としてはどのくらいのポテンシャルを秘めた商品なのかわかると製造・販売ロスを削減する意味でも知りたいところです。
そこで、企業ではコンセプト調査の結果を蓄積される取り組みがなされています。
例えば、商品のコンセプトの魅力度についての過去データを見たとき、70%の人が魅力を感じている場合に上市するとある程度売れていた、70%以下の場合は売れ行きが不調だった、というような定量データの蓄積があったとします。すると、「今回の結果が70以上であれば、過去の結果からみてこのくらいは売れるだろう。逆に、70以下であればあまり売れないかも。。。」という予測を立てることができます。
これはかなり簡素化したイメージではありますが、過去の定量データを蓄積しておくことで、客観的データから販売予測を行うことができ、社内の合意形成や認識の共有がしやすくなります。
また、上で示した魅力度以外の、個別の評価項目のデータを蓄積することもお勧めです。これらを蓄積しておくことで、全体としての魅力度に問題があった時に、どこにボトルネックがあるか、という仮説を立てることができます。

【再掲】
・コンセプトに魅力を感じるか
・コンセプトに新規性を感じるか
・コンセプトに独自性を感じるか
・コンセプトに信憑性はあるか
・コンセプトに共感できるか
・コンセプトにわからないことはあるか
・コンセプトの商品を使うことでどのようなよいことがあるか



例えば、独自性の評価が低ければ、独自性が消費者に魅力的に伝わっていないのではないか?という仮説が立てられます。
このように過去のデータを蓄積し、照らし合わせることで新しい商品コンセプトのGo・NoGoの意思決定に役立てることができるのです。
まだ社内にこのようなデータの蓄積がなく、そのうえでこれから過去データを活用した売上予測を実施していきたいとお考えの方は、是非お気軽にお問い合わせください。

まとめ

コンセプト調査についてまとめさせていただきましたが、コンセプト調査はあくまでも商品開発の1フェーズにすぎません。いくらコンセプト調査が精度高くデザインされていても、コンセプトそのものが生活者のニーズにマッチしていなければ、満足のいく結果は得られません。
コンセプトを考えるうえで、前提となるのは生活者のニーズを捉えたうえで、それを刺激する商品価値を作り上げることです。
そのために、ネオマーケティングではインサイトドリブンというサービスがあります。

『Insight Driven』~イノベーション共創プログラム~

弊社が大事にしている「生活者起点」のコンセプトを作り上げるご相談でも 、コンセプト調査のご相談でも、ノルム値の蓄積についても、お気軽にご相談いただければ幸いです。

 

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加藤 賢大
WRITER
加藤 賢大
マーケティング業界歴10年超。2011年よりネオマーケティングに入社。リサーチのみならず、WebマーケティングやPR、ニューロ・IoTなど、各種ソリューションを駆使して顧客の課題解決に尽力。 武蔵野美術大学と共同で新サービス開発及び論文発表、日本マーケティング協会主催のマーケティングAI研究会に参加するなど研究活動にも従事し、幅広い業務に携わる。

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