インバウンド戦略におけるマーケティングリサーチ活用の方法とは?
ライター:株式会社ネオマーケティング
公開日:2017年05月19日
| 更新日:2024年10月24日
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マーケティングリサーチ
近年、街中で外国人の方を見かける機会が増えています。それもそのはず、日本政府観光局(JNTO)によると、2016年の訪日外国人数は過去最高の約2403万人で、それまで過去最高だった2015年の約1973万人を430万人上回りました。東京オリンピックが開催される2020年には、その数は4000万人にのぼると予想されています。このように、訪日外国人の数が増えることにより、必然的にインバウンドビジネスのチャンスも広がりを見せるため、インバウンド集客の重要性・需要は高まっています。この大きなビジネスチャンスを掴むためには、外国人の方が何を求めて日本に来るのか、しっかりと理解する必要があります。
訪日外国人は「日本という国を感じられるもの、日本独自の文化」を見たい、食べたい、欲しい、体験したいと感じて日本にやってきます。つまり、インバウンド需要を掴むためには、まずは日本で訪日外国人が本当に求めているものを調査しなければいけません。
今回は、インバウンド集客に活かすことができるマーケティングリサーチ(市場調査)に必要な考え方について書いていきます。
インバウンドの効果
そもそも、訪日外国人が増えることで日本にどのような影響があるのでしょうか。
「爆買い」という言葉が流行りましたが、外国人旅行客が日本で使う金額は、年間3.5兆円(出典元:日本経済新聞)にのぼります。この消費金額だけでも一国のGDPに相当する額ですが、そのほかにも訪日外国人の活発な消費によって非常に大きな経済効果が日本にもたらされています。
大量に消費される商品をつくるための製造業、宿泊業や飲食サービス、運輸、郵便など、直接的に訪日外国人と接していない分野にまで経済効果は波及しており、その額は7.6兆円(出典元:株式会社日本政策投資銀行 産業調査部)といわれています。さらに製造業や小売業では、訪日外国人の消費に対応するために多くの人手が必要になることから、雇用の創出という効果も見込めるでしょう。
このような訪日外国人のもたらす経済効果を、いかに国内経済の活性化につなげるかという点が今後の課題であるといえます。
インバウンドを集客につなげるために
インバウンドの効果が絶大であることはわかりましたが、このインバウンド需要を集客につなげるためにはどのような方法があるのでしょうか。
まずは、支払い方法の多様化です。欧米や韓国のクレジットカード利用率は50%を超えており、日本の18%を大きく上回っています(JCCA 日本クレジットカード協会)。また銀聯(ぎんれん)カード※1 に対応していれば中国人の方にも喜ばれるでしょう。
次に、ホームページの多言語化です。飲食店で英語表記のメニューを見かけることはよくありますが、ホームページの多言語化対応まではされていない場合が多くあります。訪日前の外国人の情報収集手段は主にインターネットなので、多言語化することで目に留まる可能性が増します。
続いて、SNSの効果的な活用が挙げられます。世界最大のSNSであるFacebookは全世界で13億人以上の利用者がおり、海外では日本以上に使われているコミュニケーションツールです。近年急速に普及しているInstagramと合わせて、日本のことをよりリアルに知ることができるため、多くの外国人が利用しています。SNSの最大のメリットは、外国人旅行客が店などを調べるだけでなく、実際に訪れた場所をリアルな投稿として共有できる点です。独自のSNSアカウントやページをつくっていれば、拡散によってさらなる集客が見込めます。
このように、訪日外国人の目線に立った取り組みを行なうことで、自然に集客につなげることができるのです。
※1中国で発行されており、中国国内で最も一般的に普及しているクレジットカード
おわりに
外国人が日本に来る目的、そして日本に来る上で期待しているのは、訪日外国人が「日本らしい」と感じているものを体験すること、そして今日本国内で注目されているものを体験することです。増加し続けるインバウンド需要を掴み取るためには外国人のニーズをしっかり理解し、正確に把握する必要があるのはおわかりのことと思います。しかし現状として、しっかりと状況にマッチした対応ができている企業はまだまだ多くありません。さらに、人気は時間の流れと共にすぐに移り変わります。SNSの普及によって、無名だったスポットが1日でマスコミも注目する話題のスポットになることもあるのです。そうした流動性の激しい市場でうまく立ち回るために、マーケティングリサーチ(市場調査)は非常に重要です。
もう一つ重要になるのは、そこに長期的な視点を組み込み、顧客となる外国人の方の動向を探るということ。そして、一つのリサーチ結果だけを捉えるのではなく、結果を様々な視点で読み解く、複数の結果から状況を判断することが爆発的に増加するインバウンド需要の波に打ち勝つ非常に重要な要素といえるのです。
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