商品企画に望まれるハイブリッド調査とは?~定性×定量調査でより価値のある情報を~
ライター:株式会社ネオマーケティング
公開日:2014年12月12日
| 更新日:2024年10月15日
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マーケティングリサーチ
異なる種類の調査を組み合わせることで、単一の調査では実現不可能な幅広い情報を得るアプローチを「ハイブリッド調査」と言います。必要とする情報をより多角的かつ深くとらえることができるため、商品企画の現場などでも重宝されている手法です。そこで今回は、定番の調査方法である定量調査と定性調査のメリット・デメリット、そしてそれらを活かすハイブリッド調査の魅力について紹介してみます。
量vs質、定量調査と定性調査の特徴を知る
定量調査とは、「好ましい57%、好みではない43%」というように、回答を数値化したデータを得ることを主とした調査方法です。費用、手間ともに少ない負担で多くの人から回答を得ることができるネット調査が、その主流となっています。数多くの回答を集めることで誤差を減らすことができ、ターゲット層の動向や嗜好などのトレンドをデータとして把握するのに適した調査です。
しかしその一方で、定量調査で得られる情報は比較的浅いものに限られます。「はい」「いいえ」といった「選択肢にある回答」しか得られません。選択した回答に至るまでのプロセスやなぜそう感じたかといった、詳しい理由を知るのには向いていない点がデメリットです。
一方、定性調査は、対象者の発言やフリーコメントなど、Yes/NOや選択肢では得られない回答を分析する調査方法です。アンケートのフリーアンサーや、数人で行うグループインタビューなどがその代表的な手法でしょう。例えばグループインタビューなどでは、意見を交換することで回答者の細かな心理や、設問者にはなかった考え方やアイデアを得ることもできます。回答に至るまでの背景も含めて知り得ることで、質の高い情報を収集できる点がメリットです。
デメリットは、一回に集まる数が限られることや、一般的な意見として取り入れにくかったりまとめにくかったりする可能性があるという点です。定量調査に比べてコストや時間がかかる手法が多く、統計として役立つ量の定性的意見を集めるのが難しいと考えられます。
定量調査と定性調査の違いとは?各調査方法の特徴
「ハイブリッド調査」で補い高め合う関係に
そこで注目したいのが、「ハイブリッド調査」です。定量と定性のように方向性の異なる調査を組み合わせることで、互いの不足を補いつつ長所を伸ばし、より自在な情報の入手が可能となります。
例えば商品を開発する際、発売後に浮かび上がるであろう問題点や要望を予想したい場合。
まず、グループインタビューによる聞き取りなど定性調査を行うことで、様々な意見を得ることができるでしょう。しかし、グループインタビューの対象となった数人の回答ではまだ、裏付けるための根拠として強くはありません。
そこで、グループインタビューの結果をもとに、定量調査であるネット調査を実施します。ネット調査で問うことで、グループインタビューの結果を補足し、裏付けとなるだけの回答者数を得ることができることでしょう。この例では、ハイブリッド調査を行うことで、仮説レベルの意見でも、裏付けのあるデータとして活用することが可能になるということが分かります。
また逆に、最初に幅広い層に対してネット調査を実施。製品にもっとも好意的だった層を抽出し、その何人かにグループインタビューを実施することで、メインの利用者となる層のディープな意見を掘り出すといった使い方もできます。
こうしてお互いのメリットを利用することで、目的にピタリと合った情報の収集が可能なるのがハイブリッド調査です。「せっかく収集したデータの方向性が間違っていた」「グループインタビューした層とメインの購買層に開きがあった」といった失敗を避けるのにも役立ちます。
グループインタビューとは
まとめ
組み合わせる調査の種類、実施する順番により、非常に多彩な結果を導き出せるハイブリッド調査により、リサーチが果たす役割は大きな広がりを見せます。これまでのリサーチでは満足する結果をなかなか得られなかったという人は、特にチェックしておきたいアプローチと言えるでしょう。
なおここで注意したいのが、依頼するリサーチ会社や専門家の見極めです。ネット調査とグループインタビューではノウハウが大きく異なるため、双方に精通したリサーチ会社を選ぶ必要があります。特にグループインタビューは、場を取り仕切るモデレーターの手腕により集まる情報の質に大きく差が出ますので、ネット調査ばかりを扱うリサーチ会社には荷が重い場合が多いことは覚えておきたいポイントです。
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