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インサイドセールスの特徴と役割・効果を整理して押さえよう

ライター:荒池 和史

公開日:2024年11月20日

カテゴリー:
目次

インサイドセールスの導入を検討しているものの、従来型の営業との違いや導入の効果がよくわからないと感じていませんか?インサイドセールスの効果を最大限に活かしていくには、その特徴と役割を理解しておく必要があります。
今回は、インサイドセールスの特徴と役割、具体的な効果について解説します。インサイドセールスが果たす役割に応じた導入事例もパターン別に紹介していますので、自社に合った導入方法を検討する際にぜひ役立ててください。

インサイドセールスの特徴

はじめに、インサイドセールスの特徴について整理しておきましょう。インサイドセールスが従来の営業手法とどう違うのか、インサイドセールスにはどのような手法があるのか、基本事項を押さえておくことが大切です。

 

 

非対面型の営業手法

インサイドセールスとは、非対面で行われる営業手法のことです。対義語はフィールドセールスで、対面型・外勤型の営業スタイルを表します。

インサイドセールスでは、見込み客(リード)に対してメールや電話、Web会議ツールなどを駆使して営業活動を進めます。対面型の営業では、飛び込み営業などを通じて獲得した見込み客に対して商談を設定し、成約に漕ぎ着けるのが一般的です。インサイドセールスにおいては、見込み客へのアプローチやアポイント獲得を非対面で進めるほか、商談そのものをオンラインで実施する場合もあります。

 

 

分業型のセールスモデル

従来型の営業手法では、1人の営業担当者がリード獲得・アプローチ・アポイント獲得から、商談・契約までを担うのが一般的なスタイルでした。一方、インサイドセールスでは一連のプロセスを分業化し、複数名で担当するのが前提となります。

 

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分業の仕方は企業によってさまざまです。一般的には、マーケティング部門が獲得したリードに対してアプローチし、商談設定をした上で営業担当(フィールドセールス)に引き継ぐケースが多く見られます。近年はオンライン商談を実施するためのツールが充実してきたことから、商談そのものも含めてインサイドセールス部門が担当するケースも少なくありません。

 

 

SDRとBDR

インサイドセールスの手法には、大きく分けてSDR(反響型)とBDR(新規開拓型)の2種類があります。

 

SDR(反響型)とは

SDRとは、問い合わせや資料ダウンロードといったアクションが確認されたリードに対してアプローチする手法のことです。基本的には相手方が積極的に行動を起こすのを待つことになるため、すでにニーズが顕在化している見込み客の獲得に適した手法といえます。一方で、見込み客にLPなどを見つけてもらうには、自社に一定以上の知名度が必要です。

 

②BDR(新規開拓型)とは

BDRとは、自社からアプローチを行うことで新規顧客の開拓を試みる手法のことです。相手方は自社の存在を認知していない可能性が高く、購入意欲も不明の状態で営業活動を進めることになります。潜在層にアプローチできる可能性があることから、知名度が高くない企業であってもリード獲得を実現できる点が大きなメリットです。

 

インサイドセールスの主な役割

インサイドセールスが果たす主な役割について解説します。インサイドセールスを導入することで、どのような点が改善されるのかイメージする上で参考にしてください。

 

1.リードの選別

インサイドセールスは、マーケティング部門などが獲得したリードに対して非対面でアプローチを試み、購買意欲に応じてリードを選別する役割を担っています。アプローチすべき相手を絞り込んでおくことで、優先順位をつけて営業活動を進めやすくなるからです。

従来の対面型営業では、ニーズの有無や度合いが不明の状態で飛び込み営業などを実施するケースも多いため、商談を設定したとしても成約につながるとは限りません。より効果の高い営業活動を実施し、成約につながる確率を高めていく上で、リードの選別が大きな役割を果たしているのです。

 

 

2. 購買意欲の高いリードへの提案

インサイドセールスは、見込み客の購買意欲が高まったタイミングで商談を設定する役割も果たしています。見込み客とのやり取りを通じて情報を収集し、商談に向けて準備が整った段階でアポイントを取得するため、商談の成約率が向上する可能性が高まるのです。

裏を返せば、商談を設定する時点でリードに関する情報を十分に調査し、商談に向けて対策を講じておくことがインサイドセールス部門には求められます。購買意欲の高いリードの調査を実施し、適切なタイミングで提案することもインサイドセールスの重要な役割の1つです。

 

 

3. 中長期的なナーチャリング

インサイドセールスは、中長期的なスパンでリードナーチャリング(見込み客の育成)を行う役割も担っています。見込み客とのコミュニケーションを通じて相手が抱えている課題を顕在化させ、自社の商材が課題解決に役立つことを認識してもらう上で、リードナーチャリングは重要なプロセスの1つです。

従来型の営業手法では、商談を設定したものの見込み客が自社の課題を認識していなかったり、課題を解決する必要性を感じていなかったりすることで、受注に至らないケースも多々見られたのではないでしょうか。商談を設定する時点で見込み客の課題を顕在化させておくことにより、成約に至る確率を高めることができるのです。中長期的なナーチャリングを通して成約率を高めることは、インサイドセールスの大切な役割の1つといえます。

 

インサイドセールスを導入する4つの効果

インサイドセールスを導入することで、具体的にどのような効果を得られるのでしょうか。主な導入メリットとして、次の4点が挙げられます。

 

 

1. 営業活動の効率化につながる

インサイドセールスの導入により、購買意欲が高く成約可能性の高い見込み客に対してピンポイントでアプローチしやすくなります。結果として営業活動の効率化につながり、生産性を向上させることができるでしょう。

非対面でリードにアプローチすることで、従来型の営業と比べて1人あたりが担当可能な見込み客の件数が多くなります。対面型の営業では必須だった移動時間が削減され、遠方の見込み客に対しても社内にいながらアプローチできるからです。商談をフィールドセールスに引き継ぐ場合も、成約可能性の高い見込み客に絞って商談を設定することにより、営業活動の精度向上につながるでしょう。

 

 

2. 見込みの低いリードや休眠顧客にも対応できる

現状では成約可能性の低いリードに対しても、継続的にコミュニケーションを取っていくことで徐々に購買意欲を高めていくことができます。リードごとに適切なタイミングで情報提供を行うことにより、確度の低いリードの興味関心を段階的に高められるからです。

休眠顧客に関しても定期的な情報提供を続けることによって、どこかのタイミングで興味を持ち始める可能性があります。このように、従来型の営業では手が回っていなかった層の見込み客にも対応しやすくなることは、インサイドセールスを導入するメリットの1つといえるでしょう。

 

 

3. 部門間の連携が強化される

インサイドセールスは他部門と連携して営業活動を推進するケースが少なくありません。マーケティング部門や営業部門と協力しながら成約を目指す過程において、部門間の連携が強化される効果が期待できるでしょう。

複数部門が関わるチームで営業活動を進めることは、社内の結束を強めるだけでなく営業活動の属人化を防ぐ上でも有効な手法といえます。従来は1人の営業担当者がすべてのプロセスを把握していたところを、複数の担当者や部門が携わるようになることで、複数の視点から施策の改善を図りやすくなるはずです。営業担当者の退職や休職といったリスクに備える意味でも、チーム単位で営業活動を推進できることは大きなメリットといえます。

 

 

4. 見込み客の管理を抜け漏れなく行える

インサイドセールスでは、複数の担当者間で業務を分担することが前提となるため、顧客管理ツールを導入するケースが少なくありません。ツールを活用して複数名で情報を共有しながら見込み客を管理していくことで、管理を抜け漏れなく実現しやすくなります。

また、ツールを活用することにより、見込み客の管理方法を標準化できるというメリットもあります。特定の担当者が不在の際には問い合わせに対応できないといった事態を回避し、見込み客の要望に迅速に対応する意味でも、営業活動を分業化するメリットは十分にあるでしょう。

 

インサイドセールスの役割に応じた導入例

インサイドセールスを担う部門と役割については、いくつかのパターンが想定されます。パターン別の導入例を見ていきましょう。

 

 

インサイドセールス・フィールドセールスを別部門とする場合

リードへのアプローチから商談設定までをインサイドセールスが担い、実際の商談はフィールドセールスに引き継ぐパターンです。明確に分業できるため、部門ごとに果たすべき役割がクリアになる点がメリットといえます。

一方で、インサイドセールスをフィールドセールスの各部門にそれぞれ人員を配置する必要があることから、人材確保が課題となりがちです。すでに現実的な人員配置が可能な人材がそろっている場合や、今後の採用計画の見通しが立っている場合に適した役割分担といえるでしょう。

 

 

インサイドセールスを外部委託する場合

アウトソーシングサービスを活用し、リードへのアプローチからアポイント獲得までのプロセスを外注するパターンです。現状、インサイドセールス部門や担当者が社内にいない企業や、試験的にインサイドセールスを導入したいと考えている企業におすすめの方法です。

アウトソーシングの費用はかかるものの、社内のリソースを大きく割くことなくインサイドセールスを導入できる方法といえます。インサイドセールスを本格的に導入する前にアウトソーシングを活用する期間を設けることで、効果を検証しておくのも1つの考え方でしょう。

 

 

インサイドセールスの一部を外部委託する場合 

社内にインサイドセールス部門や専属チームを設けつつ、業務の一部をアウトソーシングするハイブリッド型の運用方法です。外部のリソースを活用しつつ、インサイドセールスに必要なノウハウを社内に蓄積していくには適した方法といえます。

インサイドセールスの専属担当者として配置できる人員が限られているようなら、最小限のリソースで始められるハイブリッド型の運用がおすすめです。ただし、委託先の事業者と社内の連携を密に連携することが重要なポイントとなるため、情報共有の仕方など外部委託先との連携方法を十分に検討しておく必要があるでしょう。

 

 

営業部門内にインサイドセールス担当者を配置する場合

現在の営業部門内にインサイドセールス担当者を配置する方法です。営業ノウハウを活かしてインサイドセールスの施策を講じられることから、リードとのコミュニケーションを通じて商談に必要な情報を効率よく引き出せるでしょう。

一方で、営業を兼任する担当者にとっては業務の負担が増すことになる上に、インサイドセールスに関する知識やノウハウを吸収していかなければなりません。現状、営業部門に適任と思われる人材が在籍しているかどうか、慎重に見極める必要があります。

 

 

マーケティング部門内にインサイドセールス担当者を配置する場合

現在のマーケティング部門内にインサイドセールス担当者を配置する方法です。マーケティングの知識やノウハウを活かしてインサイドセールスの施策を講じることにより、ターゲット選定からアプローチ、顧客育成、アポイント獲得までをワンストップで実現できます。

実際、リードにアプローチすべきタイミングの見極めや顧客育成の施策を講じる上で、マーケティングの知見が求められる場面は少なくありません。ターゲット選定に比重を置き、営業活動の効率化を重視したい企業におすすめの手法です。

 

 

営業部門をすべてインサイドセールスに移行する場合

営業活動を完全非対面へと移行する方法です。フィールドセールス部門を持たない企業は現状まだ少ないものの、業種や商材によっては実現可能な場合もあります。とくに無形商材の場合は導入しやすい営業手法といえるでしょう。

従来型の営業手法と比べて営業費を大きく削減できる可能性が高いことから、コスト削減効果が期待できます。また、担当者1人あたりが担当できる顧客数も従来と比べて増やせるため、営業部門を少数先鋭にしていくことも可能です。オンラインコミュニケーションツールが広く普及していくことで、今後はこうした営業スタイルも増えていくことが想定されます。

 

まとめ

 

非対面で営業活動を進めるインサイドセールスは、営業活動の効率化やリードに対するアプローチ精度の向上など、多くのメリットを得られる手法です。フィールドセールスが担う役割や期待される導入効果を押さえた上で、自社に導入すべきか検討していくことをおすすめします。

インサイドセールスの導入をご検討中の事業者様は、ぜひネオマーケティングにご相談ください。累計4万件以上のプロジェクト支援実績と3,000社以上の取引実績に裏打ちされた豊富な経験をもつエキスパートが、貴社のインサイドセールス戦略を強力にサポートします。自社に合ったインサイドセールスの導入形態や具体的な営業戦略の策定を通じて、費用対効果の高いインサイドセールス施策を実現してみてはいかがでしょうか。

 

 

 

※このコラムは「マーケのカチスジ」で2023月12月6日に公開された記事を移行したものです。

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荒池 和史
WRITER
荒池 和史
新卒でセブン‐イレブン・ジャパンに入社、イー・ガーディアン株式会社で取締役や子会社の代表を経験後、現在はネオマーケティングで事業全体の管掌と新規事業開発に取り組んでいます。

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