ブランディングに取り組むにあたって、外部の事業者に依頼するケースは多いことでしょう。一方で、費用はどの程度かかるのか気になっていた担当者の方もいるはずです。
今回は、ブランディングの主な依頼先と費用感、依頼の流れについてわかりやすく解説します。ブランディングを成功に導くコツとともに見ていきましょう。
ブランディングにワークショップを活用する目的ブランディングの主な依頼先と費用感の傾向
ブランディングの費用内訳
ブランディングを依頼する流れ
ブランディングを依頼する際の流れについて解説します。依頼先や依頼内容によって詳細は異なりますが、基本的な流れは次のとおりです。
1. 問い合わせ
依頼先の候補をWebサイトなどで探し、数社をピックアップしておきましょう。各社の実績や得意分野を確認した上で、実際に問い合わせる事業者を絞り込んでいきます。問い合わせ先が決まったら、Webサイトのコンタクトフォームや電話で連絡し、順次打ち合わせの日時を設定してください。
重要なポイントとして、複数社に問い合わせることが挙げられます。Webサイトなどに記載されている限られた情報量から、事業者ごとの正確な実績や得意分野を見極めるのは容易ではありません。実際に担当者と話してみなければわからないこともあるため、はじめから1社に絞り込まないことが大切です。
2. ヒアリング・打ち合わせ
事業者との打ち合わせでは、自社についてできるだけ詳しく正確に知ってもらうことが大切です。事業の方向性や抱えている課題のほか、予算や想定している期間、予定している制作物などを伝えましょう。事業者に提示する資料をあらかじめ作成しておくのが得策です。
優良な事業者であれば、まずはクライアントの課題や想定しているブランディング施策について詳細な情報を求めるでしょう。クライアントが実現したいブランディングのあり方を正確に把握しなければ、適切な戦略の策定や要望に合った施策実行ができません。打ち合わせは、それぞれの事業者が対応可能な領域や業界・商品への理解度の深さを確認するための場と捉えてください。
3. 見積もり依頼
打ち合わせの内容を踏まえて、複数社に見積もりを依頼しましょう。見積もりが提示されたら、作業領域に過不足がないか、費用と業務内容が釣り合っているかといった点を十分に確認する必要があります。見積もり内容に不明点や疑問点がある場合は、必ず問い合わせて解決しておくことが大切です。
とくに作業領域に関しては、契約締結後のトラブルに発展しやすいポイントのため入念にチェックしておくことをおすすめします。たとえば「コンサルティング料」と一口に言っても、コンセプト段階から最終的な広告表現まで並走してもらえるかどうかは事業者によって異なるからです。料金面で比較するだけでなく、対応可能な領域を十分に確認してください。
4. 契約締結
見積もりの内容に納得できたら、契約条件を詰めていきます。契約期間や報酬の支払い条件など、詳細を十分に確認しておくことが大切です。事業者によっては最低契約期間を定めていることも想定されます。途中解約する場合の条件についても、契約締結前によく確認しておきましょう。
ブランディングを成功に導くコツ
ブランディングを成功に導くには、どのような点に留意する必要があるのでしょうか。とくに実践しておきたい5つのコツを紹介します。
ブランディングに取り組む目的を明確にしておく
ブランド力の向上を図ることによって何を実現したいのか、ブランディングに取り組む目的を明確にしておくことが重要です。最終的なゴール設定によって、依頼先の事業者が策定する戦略や実行すべき施策は大きく異なります。
依頼時には自社がブランディングに取り組む目的を十分に伝え、理解してもらう必要があります。施策の方向性をすり合わせるにあたり共通認識の形成が求められるだけでなく、何をもってブランディング施策の「成功」とするかを決めておかなくてはならないからです。
ブランディング施策の範囲を決めておく
ブランディング施策の範囲をあらかじめ決めておくことも重要なポイントの一つです。主なブランディングの種類として、次のものが挙げられます。
・商品ブランディング
・サービスブランディング
・インナーブランディング
・企業ブランディング
・リブランディング
・BtoBブランディング
・採用ブランディング
たとえば、特定の商品をブランディングしたいのか、企業全体のブランディング(コーポレートブランディング)に取り組みたいのかによって、施策の範囲は大きく異なります。新たにブランディング施策を講じる場合と、既存のブランドを強化する場合も必要とされる施策はまったく異なるでしょう。自社が望んでいるブランディング施策の範囲を正確に伝えられるように準備しておくのがポイントです。
参考:ブランディングの事例21選と成功のポイントを戦略別に紹介
https://corp.neo-m.jp/column/branding_004/
注力すべき施策の目星をつけておく
ブランディング施策は非常に幅広いことから、あらかじめ注力すべき施策をある程度絞っておくことをおすすめします。ブランディングの目的から逆算し、必要な施策の優先順位をつけておきましょう。
事業者との打ち合わせを通じて、より良い施策を提案されるケースももちろんあるはずです。一方で、自社が注力したい施策を事前に伝えておくことによって、事業者側も核となる施策を決定しやすくなります。ブランディングを強化したいからといって、何もかも取り組もうとせず優先順位をつけて施策を講じていくことが大切です。
事業者への丸投げは避ける
ブランディングを外部委託するといっても、すべての工程を丸投げするのは避けてください。あくまでも自社が今後長きにわたって育てていくべきブランドの構築が目的です。自社の資産を築くための重要な業務を、外部に丸投げするのは本末転倒と言わざるを得ません。
自社内にもブランディングチームやプロジェクトチームを設置し、自社が主導権を握って戦略策定や施策実行を進めていきましょう。専属チームを設置して窓口を一本化することは、事業者との確認や調整を最小限に抑える上でも重要なポイントといえます。
まとめ
ブランディングを外部の事業者に依頼するには、まず自社がどのようなブランドを築き上げたいのか、何を目的にブランディング施策に取り組みたいのかを確認することが重要です。その上で、今回紹介した費用感や費用内訳を参考に適正な料金設定の事業者を選んでください。自社が目指すブランディングのあり方を深く理解してくれる事業者が見つかれば、非常に心強いパートナーとなるはずです。
※このコラムは「マーケのカチスジ」で2024月3月12日に公開された記事を移行したものです。