興和株式会社 医薬事業部 セルフケア営業本部 営業企画部 マーケティング課 中山 健次様
設立:1894年12月
事業内容:【商社部門】繊維、機械、建材、船舶、鉱物資源、化成品原料、生活関連物資などの輸出入、三国間貿易および国内販売【メーカー部門】OTC・医療用医薬品・医療用機器の研究開発・製造販売、LED照明機器・再生可能エネルギー発電システム・光学機器の研究開発・製造販売・
従業員数:6316名(2021年3月時点:連結)
エボークトセット調査とCEP調査の実施を支援
興和グループの中核企業として、商社機能とメーカー機能を併せ持ち、様々な事業展開をされている興和株式会社。今回は、ネオマーケティングが提供するエボークトセット調査(※1)とCEP調査(※2)を「バンテリンコーワ」で実施していただきました。
※1:エボークトセット調査:特定の商品カテゴリにおける、知名集合・想起集合・推奨集合を調査し、個別の商品・ブランドがどのようなイメージを持たれているかを明らかにするネオマーケティング独自の調査サービスです。
※2:CEP調査(カテゴリーエントリーポイント調査):エボークトセット調査で明らかになった、ブランド想起のタッチポイントとなるワード。そのワードごとに、どの商品・ブランドを消費者が思い浮かべるかを定量的に把握する調査手法で、ネオマーケティング独自のサービス「エボークトセットマーケティング」の一環で行っています。
「バンテリンコーワ」をはじめとしたブランド戦略を担当
――会社の紹介と中山さんご自身の業務内容についてお聞かせください。
弊社は1894年に綿布問屋として始まり、創立120年以上が経過しました。現在では、商社部門と医薬品・医療用機器といったメーカー部門の両方があり、事業は多岐にわたっています。
私は営業企画部マーケティング課に所属して、「バンテリンコーワ」、「バンテリンコーワサポーター」、「ホッカイロ」をメインにブランドを担当しています。主にブランド戦略の立案や、テレビCMなどのプロモーション施策の検討などを行なっています。
――今回調査を実施した「バンテリンコーワ」について、中山さんのミッションを教えてください。
大きくは、生活者が抱えている課題や悩み、不満を、ブランドを通して解決することをミッションにしています。特に「バンテリンコーワ」は「ツラい痛みにジカに効く」という商品コンセプトなので、生活者のツラい肩こり痛・腰痛をはじめとした様々な痛みに対し解決できる商品を提供していくことを目指しています。
生活者の「自分ごと化」が課題。「バンテリンコーワ」の戦略を強化
――「バンテリンコーワ」といえば、スポーツ選手を起用したCMが印象に残っています。
「バンテリンコーワ」は以前からプロスポーツ選手をCMに起用して、スポーツシーンでも活用できる程優れているというメッセージを自分ごと化できるように発信していました。多くの生活者からご支持をいただいていた一方で、日常生活でもより使っていただきたいという想いもありました。
実際に調査をやってみると、生活者にとっては「スポーツで使うもの」というイメージが強く、「日常生活で使えるもの」という認識が想定していた水準まで達していなかったんです。
そこで、私が担当になった2018年秋から、「バンテリンコーワ」が発信するメッセージを生活者がさらに「自分ごと」として感じてもらえるように、今まで以上にプロモーション戦略を強化しました。
購入ブランドとして想起されることを目指す。そこに応えたエボークトセット調査
――エボークトセット調査で用いる「想起集合」※の概念について、どのような印象をお持ちですか?
想起集合という考え方を今まで利用したことはありませんでした。ただ、その考え方自体には、非常に興味を持っていました。
以前、あるブランドの調査を実施した際にブランド認知率が9割だったにも関わらず、当時、市場での順位が4番手・5番手ということがあったんです。その時、ブランドの認知度は高くても商品購入時に想起されてないのでは、と思ったんですよね。いかに購入時に想起され手に取ってもらえるか、ということの重要性を感じていました。
※人は無意識のうちにブランドを頭の中でカテゴライズしており、購入利用の選択肢に入るブランド群を「想起集合」と呼びます。一方、ただ認知されているブランド群は「知名集合」と呼び、明確に区別されます。ネオマーケティングは、この分野の第一人者である早稲田大学のマーケティング研究者恩藏直人氏と共同研究プロジェクトを発足、各集合を明らかにする独自手法を開発しています。
――エボークトセット調査を実施して、どう思われましたか?
エボークトセット調査では、各ブランドがどのようなイメージを持たれているか、想起されるかを確認しました。
「バンテリンコーワ」は、「ツラい痛みにジカに効く」というコンセプトのブランドなので、そこでの想起率が高かったことは安心しましたが、その一方で、競合商品との差別化は難しく、生活者に違いがうまく伝わっていないということもわかりました。
調査で発見したタッチポイントを活用することで、「バンテリンコーワ」の想起ポイントは間違いなく増える
――エボークトセット調査の後、CEP調査も実施していただきました。そちらについても感想をお聞かせください。
CEP調査では、エボークトセット調査で発見したワードを複数ピックアップし、今度はそれぞれのワードからどのブランドが想起されるのか、定量的に調査しました。
エボークトセット調査とCEP調査の両方を経て、「ツラい痛みにジカに効く」以外に生活者にアプローチするきっかけになるワードが発見できたことは、大きな収穫でしたね。競合にはない「バンテリンコーワ」だけの強み、タッチポイントの発見に繋がりました。
これまでと同様の方法では決して発見できなかった訴求ポイントなので、プロモーション戦略上、非常に有意義な調査だったと実感しています。
――今回の調査結果を今後どのように活用されますか?
今回の調査で発見した有効性のあるワードを、ブランドサイトやオウンドメディアなどで散りばめていこうと考えています。そうすることで、生活者が「バンテリンコーワ」を想起するタッチポイントが間違いなく増えると思っています。
今まで一貫して打ち出してきた「ツラい痛みにジカに効く」に新しいワードを加えて訴求していくことで、新しい想起ポイントをどんどん増やしていき、より多くの生活者に想起していただけるようになればと考えています。
「バンテリンコーワ」だけでなく、その他のブランドなどにも同様の調査を展開していきたいですね。
ネオマーケティングは私たちと並走してくれる
――ネオマーケティングの印象を教えてください。
私達メーカーと並走してブランドを作り上げてくれるという印象を持っています。調査を運用するだけでなく、メーカー目線では気づきにくいイチ消費者としての意見をくださったり、私だけでは思いつかなかった意見をいただけたこともありました。
――最後に、ネオマーケティングに対する要望などがあればお聞かせください。
今後の調査では、ブランド立ち上げの調査からプロモーション戦略立案まで、一貫して提案いただければと思います。御社の強みはトータルで提案してくださることだと思っておりますので、ぜひお願いできればと思っています。
ネオマーケティング担当者から
私たちは現在エボークトセットマーケティングとして、購入・利用したいと思ったときに想起されるブランド・商品・サービスで第1位になるために、どのように想起されることが重要であるか研究を進めております。
興和様とは以前より様々なマーケティングリサーチにおいて携わらせていただいており、今回、中山様がバンテリンコーワをどうしたらもっと日常生活に使っていただけるものとしてプロモーション戦略を考えるにあたり、エボークトセット調査、CEP(カテゴリーエントリーポイント)調査を実施させていただきました。
その中で得た新しいCEPを持ってコミュニケーションを行い、生活者にとってさらにバンテリンコーワを想起してもらえるよう、私たちも伴走してマーケティング活動をご支援していきたいと思っています。
カスタマードリブンディビジョン
Y・S