スポットワーク利用者の約半数は「正社員」。
「未経験でも働けること」「勤務場所が自宅から近いこと」が応募の決め手に。
生活者を中心にしたマーケティング支援事業を提供する株式会社ネオマーケティング(所在地:東京都渋谷区)は2024年8月19日(月)~2024年8月20日(火)の2日間、全国の18歳以上の男女を対象に「スポットワーク」をテーマにインターネットリサーチを実施いたしました。
<調査背景>
昨今、数時間単位で手軽にアルバイトができる「スポットワーク」が大きな注目を集め、活況を呈しています。スポットワークの先駆けとなった株式会社タイミーの「タイミー」から始まり、昨今はパーソルホールディングス傘下のシェアフル株式会社が運営する「シェアフル」やLINEヤフー株式会社の「LINEスキマニ」、株式会社メルカリの「メルカリハロ」など、大手企業も続々とこの市場に参入しており、スポットワークのサービスは現在拡大中です。
こうした背景のもと、今回は、スポットワークで実際に働く人々に焦点を当て、その属性や利用実態を多角的に調査。スポットワークが注目される理由や今後の課題についての考察も加えました。
是非、今後のマーケティング活動の一資料としてご活用ください。
<調査概要>
調査の方法:株式会社ネオマーケティングが運営するアンケートシステムを利用したWEBアンケート方式で実施
調査の対象:全国の18歳以上の男女で、スポットワークを利用したことがある人
有効回答数:500名
調査実施日:2024年8月19日(月)~2024年8月20日(火)
「スポットワークに関する調査」主な質問と回答
◆スポットワークの利用経験者の職業は、約半数が「正社員」。
全体の半数近くを「正社員」が占めた。“スポット”ワークや、“スキマ”バイトの名の通り、本業の合間に副収入を得たい正社員が利用しているようだ。
◆スポットワークに応募するときに重視する点は、「未経験でも働けること」「勤務場所が自宅から近いこと」にそれぞれ43.2%・40.0%集まる。
「仕事の内容」が50.4%と、全体のトップに。そこに、「未経験でも働けること」「勤務場所が自宅から近いこと」がそれぞれ43.2%、40.0%と続いた。“気軽に・身軽に参加できるかどうか”も、応募において重要なポイントになっていることがうかがえる。
調査データのダウンロードはこちら
まずはスクリーニング調査にて、回答者全員に対し「スポットワーク」(※)をどの程度知っているかを「利用したことがある」「利用を検討したことがある」「聞いたことがある」「知らない」の4つの尺度で聴取しました。
※隙間時間などを利用し、数時間単位で働く1回限りのアルバイトのこと。「スキマバイト」とも呼ばれる。企業や店舗は、働いてほしい時間帯に求人を出せ、申込者は面接や履歴書など不要で働くことができる。
スポットワークをどの程度知っているか(n=14,925)
全体で見ると、スポットワーク利用経験者の割合は4.0%となりました。
年代別で比較すると、年代が低くなるにつれその割合は高くなっていく傾向がみられ、10〜20代が16.2%で最多に。「利用を検討したことがある」という潜在層を含めると、28.3%にも上りました。
続いて、「スポットワークを利用したことがある」と回答し、本調査に進んだ人全員に現在の職業をお聞きしました。
スポットワーク利用経験者の職業(n=500)
全体として、「正社員」が半数近くを占めています。
一方、「パート・アルバイト」「無職・リタイア(休職・産休・育休・介護休含む)」といった、定職につかない人の割合(合算)は30%未満となっていました。
“スポット”ワークや、“スキマ”バイトの名の通り、本業の合間に副収入を得たい正社員が利用しているようです。
次に、スポットワークをする頻度をお聞きしました。
スポットワークをする頻度(n=500)
全体としては、「1週間に1日程度」が18.2%で最多でした。
年代別で見ても「1週間に1日程度」の頻度で働く人の割合が多い中、30代は「ほぼ毎日」が21.4%で最多に。30代は、最も収入アップに意欲的ということかもしれません。
1度のスポットワークで、働くことが多いおおよその時間をお聞きしました。
1度のスポットワークで、働くことが多いおおよその時間(n=500)
全体において、5時間未満(「1時間未満」「1時間以上3時間未満」「3時間以上5時間未満」の合算)が66.4%と、半数以上を占めています。
中でもボリュームゾーンとなったのが「3時間以上5時間未満」で、37.4%でした。
年代別で見てもその傾向は大きくは変わりませんでしたが、唯一60代以上は「3時間以上5時間未満」が「1時間以上3時間未満」に逆転されています。
これまでに実施したことがある、スポットワークの業務をお聞きしました。
これまでに実施したことがあるスポットワークの業務(n=500)
全体の50.2%が「軽作業」という結果に。
数時間単位・1回限りで働くことを前提としたスポットワークの性質上、レクチャーに時間がかかる複雑な業務や、専門的なスキルが必要な業務よりも、比較的単純な業務が好まれる傾向があるようです。
次点で「飲食」が26.6%で続きましたが、学生時代にやっていたアルバイトのスキルや経験を活かしている人も多いのかもしれません。
どの年代においても「軽作業」が最多となっていますが、その他の内訳は年代によってやや異なる傾向がみられました。
前掲した設問【スポットワークをする頻度】にて「ほぼ毎日」と回答した割合が最多だった30代は、他の年代で比較的割合が少なかった「引っ越し・配送」「専門職」「コンビニ」も含め、満遍なくさまざまな業務に散らばっていることがわかります。
一方、60代以上では「軽作業」が最もメジャーではあるものの、「オフィスワーク」「専門職」の割合がともに28.0%と、年代別では最多に。前掲した設問【スポットワーク利用経験者の職業】で、60代以上は他の年代と比較して「会社経営者・役員・団体役員」「無職・リタイア(休職・産休・育休・介護休含む)」の割合が高くなっていましたが、本業で培ってきた高い専門スキルをスポットワークの現場で発揮している様子がうかがえます。
スポットワークに応募するときに、重視する点をお聞きしました。
以下は、上位10項目を表示しています。
スポットワークに応募するときに、重視する点(n=500)
「仕事の内容」が50.4%で全体のトップとなりました。やはり報酬や自由度の高さよりも、何をおこなうかが決め手のようです。
注目すべきは、そこに続いた「未経験でも働けること」「勤務場所が自宅から近いこと」の割合。
それぞれ43.2%・40.0%と大差無く続いていることから、“気軽に・身軽に参加できるかどうか”も、応募において重要なポイントになっていることがうかがえます。スポットワークは、面接・履歴書不要で、数時間単位で誰でも働けるという柔軟性が魅力の一つと捉えられているのでしょう。
一方で、企業側としては、レクチャーに時間をかけるのを避けたいという理由から、できれば経験者を採用したいと考えることも理解できます。
このように、応募者側と企業側のニーズのバランスがスポットワークの応募に影響を与えていることが推察されます。
スポットワークについて、今後の実施意向をお聞きしました。
今後のスポットワークの実施意向(n=500)
全体としては82.8%(「とても行いたい」「やや行いたい」の合算)と、大多数が継続の意向を示しました。
どの年代においても継続意向が70%を切ることがなく、スポットワークの満足度の高さがうかがえました。
スポットワークを行って、良かったエピソードを自由記述にてお聞きしました。
スポットワークを行って、良かったエピソード(自由記述)
「嫌だと思ったら1日で辞められる」「一日限りの人間関係なので気を使わなくてすんだ」など、“気負わず働ける点”を評価する声や、本業と違った業務をすることで良い気分転換になったり、隠れた自分のスキルを発見でき自己肯定感が向上したりと、手軽に働けるスポットワークならではのエピソードも多くあがっていました。
【以下、回答を一部抜粋】
・「自分の興味分野が広がる」(男性、53歳)
・「興味ある分野を経験出来た」(女性、51歳)
・「嫌だと思ったら1日で辞められる」(女性、35歳)
・「時間を効率よく使える」(女性、36歳)
・「毎回違う職場と内容で飽きない」(男性、58歳)
・「思った以上に自分のスキルを発揮できた」(男性、59歳)
・「一日限りの人間関係なので気を使わなくてすんだ」(男性、41歳)
・「スポットワークを重ねるうちに、自身の良い評判が広がり、直接依頼が来たり、レギュラー勤務に繋がった。初めての仕事でも数をこなすうちに慣れてくるので、いきなりの転職に抵抗がある人にもお試しに良いと思った」(女性、52歳)
・「身体を動かす事が好きなので、体力維持や健康増進になっている」(男性、73歳)
・「スポットワークを行っている人同士のつながりが出来たのはよかった。また、普段はデスクワークであることが多く、体を動かしてリフレッシュする良い機会となっている」(男性、32歳)
反対に、スポットワークを行って、悪かったエピソードを自由記述にてお聞きしました。
スポットワークを行って、悪かったエピソード(自由記述)
仕事内容の事前共有がきちんとなされていなかったり、マニュアルや指導方針が決まっておらず十分に指導されなかったりといった、企業側の準備不足が原因のエピソードがみられました。
また、数時間限定の関係ということもあってか、中には従業員に邪険に扱われたという声も。
従業員への周知と理解促進も含め、やはりこちらも企業側の準備の甘さが招いたエピソードだと言えるでしょう。
【以下、回答を一部抜粋】
・「短時間では社内コミュニケーションが取りづらい」(男性、53歳)
・「肉体労働でしんどかった。服装選びを間違えて動きづらかった」(女性、35歳)
・「ちゃんと仕事を教えてもらえなかった」(女性、33歳)
・「対人関係が悪い職場があって、初めての人間にきつい言葉を掛ける場合があった」(女性、45歳)
・「初めての業務にもかかわらず、あまり教えてくれなかった。業務のマニュアルを作成していれば、もっと効率よく指導ができるのではと感じる」(男性、42歳)
・「すでに働いている従業員・社員がスポットワーカーに対して横柄な態度だった」(男性、34歳)
・「思っていた仕事内容と違うこと、現場での指示がわかりにくく、質問を聞いてくれる人がいない」(女性、42歳)
■この調査のその他の質問
・これまでのスポットワークの実施回数(単数回答)
・どの時間帯にスポットワークを行うことが多いか(単数回答)
・これまでに行ったことがあるスポットワークの業種(複数回答)
・スポットワークの推奨意向(単数回答)
など
■この調査で使用した調査サービスはコチラ
ネットリサーチ:https://corp.neo-m.jp/service/research/quantitation/netresearch-domestic/
■引用・転載時のクレジット表記のお願い
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<例>「生活者を中心にしたマーケティング支援事業を提供する株式会社ネオマーケティングが実施した調査結果によると……」
■「ネオマーケティング」
URL:https://corp.neo-m.jp/