SGEユーザーのうち、SGEの検索結果のみでほぼ完結する割合は15.6%
SGEが表示された際でも、66.8%が「リスティング広告をクリックすることがある」。
生活者を中心にしたマーケティング支援事業を提供する株式会社ネオマーケティング(所在地:東京都渋谷区)は2024年3月6日(水)~2024年3月11日(月)の5日間、全国の20歳以上の男女を対象に「SGE」をテーマにインターネットリサーチを実施いたしました。
<調査背景>
2023年8月、日本での試験運用が始まった「SGE(Search Generative Experience)」(※以下SGE)。
検索体験の向上など、生活者にとってさまざまなメリットが見込まれる一方、企業としては「SEO」への影響や広告への影響など、懸念点も多い機能です。
そんなSGEについて今回は、SGE使用者の実態を調査し、企業がとるべき対策などを考察しました。是非、今後のマーケティング活動の一資料としてご活用ください。
【調査概要】
調査の方法:株式会社ネオマーケティングが運営するアンケートシステムを利用したWEBアンケート方式で実施
調査の対象:全国の20歳以上69歳以下の男女のうち、仕事でSGEを使用している人(スクリーニング調査では:20歳〜69歳の男女に実施)
有効回答数:660名
調査実施日:2024年3月6日(水)~2024年3月11日(月)
「SGEに関する調査」主な質問と回答
◆SGEを使用した際、SGEの検索結果のみで完結する割合は:全体の15.6%が、複数のサイトを行き来せずとも、SGEによって生成された検索結果で目的達成。
これに対し、体感「1割以下」「2〜3割程度」程度しかSGEの検索結果のみで完結していない(追加検索やソースサイトへのアクセスを頻繁におこなう)と回答した割合は、全体の11.8%にとどまった。
やはり現在仕事で継続使用する人にとってSGEは「何度も追加検索をおこなわなくて良い」「サイトの中から欲しい情報を探しにいく必要が無い」という点で評価していることがうかがえる。
◆SGEが表示された際、リスティング広告をクリックすることはあるか:66.8%が、SGEを使用していても広告をクリックすることがあると回答。
性年代別だと、男女ともに年代が下がるにつれ広告クリックに積極的な傾向がみられた。
中でも、20代の男性は「よくある」だけで31.4%、「たまにある」を含めると82.8%が、広告をクリックすることがあると回答。
調査データのダウンロードはこちら
まず、スクリーニング設問にて「有職者でSGEを知っていて、かつ使用している(「普段からよく使用している」「たまに使用している」)と回答した人」に対し、さらにその使用用途をお聞きしました。
SGEを使用する用途(n=1,439)※スクリーニング調査
全体の46.6%と、約半数が仕事で利用していることがわかりました。
職業別に結果を比較すると、仕事で使用する割合は「会社経営者・役員・団体役員」が最も高く、51.9%となっています。
ここからは、「SGEを仕事で使用すると回答した人」を対象とした本調査です。
まずは、SGEを使用した際、欲しい情報が得られていると思うかお聞きしました。
SGEを使用した際、欲しい情報が得られていると思うか(n=660)
最も肯定的な「とてもそう思う」の割合だけでも、31.7%という結果に。
「まあそう思う」の59.7%を合わせると、91.4%と大多数がSGEの有用性を認めているということがわかりました。
日本での試験運用が始まった2023年8月から、半年以上が経った現在、SGEは多くのビジネスユーザーから“使える”機能として認識されていることがわかります。
次に、SGEを使用した際、SGEの検索結果のみで完結する割合をお聞きしました。
SGEを使用した際、SGEの検索結果のみで完結する割合(n=660)
全体の15.6%が、複数のサイトを行き来せずとも、SGEによって生成された検索結果で目的を達成していることがわかりました。
SGEを使用しながらも、追加検索をおこなったり、さらに詳しい情報を得るためソースサイトへアクセスしたりといったアクションを頻繁におこなう「1割以下」「2〜3割程度」の人は、全体の11.8%という結果に。
前掲した設問【SGEを使用した際、欲しい情報が得られていると思うか】の結果を踏まえても、
現在継続的に仕事でSGEを使用している人は、「何度も追加検索をおこなわなくて良い」「サイトの中から欲しい情報を探しにいく必要が無い」という点において、SGEを高く評価している様子がうかがえます。
SGEが表示された際、どんなジャンルの検索ワードだとSGEのみで完結すると思うか、思いつく順に最大10個まで、自由記述にてお聞きしました。(※なお一つも思いつかない場合は「思いつかない」と回答)
以下は、回答されたものの中から一部抜粋して掲載しています。
SGEが表示された際、SGEのみで完結すると思う検索ワードのジャンル(自由記述)
【以下、回答を一部抜粋】
・「ことわざの意味を調べるとき」(女性、25歳)
・「慣用句の意味を調べるとき」(女性、25歳)
・「丸かバツかはっきり答えの出るもの」(男性、62歳)
・「社会問題全般に関する語句」(男性、64歳)
・「日常生活のマナー」(女性、25歳)
・「EVの現状と課題」(男性、63歳)
全体的に、言葉の意味や一般論、常識など、通常のGoogle検索でも十分な答えが得られそうなジャンルが集まりました。
SGEが、“一度の検索でユーザーが欲しい情報を即座に導き出す”というだけでなく、“その背後にある意図や文脈を理解した情報提供を目指している”ことを踏まえると、現状の使用実態にはまだまだ課題が多いと言えそうです。
また、SGEをめぐる懸念として多く上がっているのが「広告」への影響。
現在(2024年3月)テスト中につき、端末によって表示のされ方がやや異なりますが、
SGEを使うと「スナップショット(Snapshot)」(SGEが生成した回答のブロック)がトップページに表示されるようになり、これまでトップに来ていたオーガニック検索が下に追いやられるという状況がたびたび見られました。
ユーザーは「スナップショット(Snapshot)」からサイトにアクセスするようになり、現在出稿している広告からサイトにアクセスすることが減ってしまうのではないかという懸念が広がったのです。
そんな「広告」について、SGEユーザーの実態を聞いてみました。
以下では、「SGEが表示された際、リスティング広告をクリックすることはあるか」お聞きしています。
SGEが表示された際、リスティング広告をクリックすることはあるか(n=660)
すると全体の66.8%が、SGEを使用していても広告をクリックすることがある(「よくある」「たまにある」合算)と回答。「たまにある」程度でもその割合は約半数を占めています。
性年代別で結果を比較すると、男女ともに多少揺れはあるものの、年代が下がるにつれ広告クリックに積極的な傾向がみられました。
中でも、その積極性が最も目立ったのが20代の男性。
「よくある」だけで31.4%、「たまにある」を含めると82.8%が、広告をクリックすることがあると回答しています。
結果、SGEを使用していても、一定数は変わらず広告をクリックすることがわかりました。
Googleは今後、「スナップショット(Snapshot)」や会話モードの中に、段階的に検索広告やショッピング広告をテストしていく予定と発表しています。
会話形式で展開していくスムーズな検索(SGE)は、ユーザーが求めている物により素早く・ピンポイントに行き着くことを目指しているため、今後ここに広告が自然な形で表示されるようになれば、非常に質の高いクリックが発生することも考えられそうです。
次に、SGEの表示で、不足していると思う情報はあるかお聞きしました。
SGEの表示で、不足していると思う情報(n=660)
54.1%が「詳細なソース情報」の不足を、42.9%が「比較情報(製品やサービス間など)」の不足を訴えていることがわかりました。
前者について、“ソースの表示”という意味では既に改善されています。
元々日本で試験運用が始まった2023年8月時点では、「スナップショット(Snapshot)」上のテキストにソース表示がされない仕様でしたが、現在は、回答文の横にある矢印をクリックするとソースとなったサイトにアクセスできるように。
しかし、42.9%が「比較情報(製品やサービス間など)」の不足も訴えていることからわかるように、多くの人が気にしているのは“参照しているソース自体の少なさ”や“ソースの参照基準(表示ロジック)”の部分でしょう。
この不足感があるうちは、「何か新しいサービスを検討している」もしくは「何かを購入したい」段階にある(CVに近い段階にある)ユーザー、つまり一定程度の比較を必要としているユーザーがSGEのみで満足する可能性は低いと考えられます。
前掲した設問【SGEを使用した際、欲しい情報が得られていると思うか】では91.4%と大多数がSGEの有用性を認めているということがわかりました。
しかし、先ほどの【SGEが表示された際、SGEのみで完結すると思う検索ワードのジャンル(自由記述)】でも明らかになったように、
現時点でSGEは「一般論と、関連するトピックが把握できれば良い場合」や「どのサイトでも類似した内容が掲載されていると予測される、事実や常識(ニュースや言葉の意味等)を即座に把握したい場合」などで重宝されているように見受けられます。
SGEの普及に備え、現時点で、SEOの観点から何か補強していくのであれば「コンテンツの専門性向上(一般論から一歩踏み込んだ独自の見解)」「注力するキーワードの取捨選択(SGEが担う部分との兼ね合い)」がポイントになりそうです。
最後に、SGEの表示と従来のWEB検索で、使い分けをする基準をお聞きしました。
SGEの表示と従来のWEB検索で、使い分けをする基準(n=660)
「情報の詳細度(概要か、詳細な情報か)」がトップで49.2%、そこにわずか1.3ポイント差で「情報の新鮮度(最新の情報かどうか)」が続きました。
このことから特に、独自の見解や専門知識を入れず「“概要”で終わるサイト」は今後、SGEにとっ
て変わられる未来も予想されます。
もちろん、SGEの品質維持のために学習元となる概要サイトは必要なものではありますが、
企業としては【SGEの表示で、不足していると思う情報】でも述べた通り、やはり一般的な情報を提供するだけでなく、一歩踏み込んだ内容にシフトすることが重要になっていくでしょう。
■この調査のその他の質問
・SGEを知っているか(スクリーニング設問)
・SGEをどの程度使用しているか(スクリーニング設問)
など
■この調査で使用した調査サービスはコチラ
ネットリサーチ:https://neo-m.jp/research-service/netresearch/
■引用・転載時のクレジット表記のお願い
※本リリースの引用・転載は、必ずクレジットを明記していただきますようお願い申し上げます。
<例>「生活者を中心にしたマーケティング支援事業を提供する株式会社ネオマーケティングが実施した調査結果によると……」
■「ネオマーケティング」
URL:https://neo-m.jp/
ダウンロードしていただくと、リリースデータをPDFでご覧いただけます。