第三弾:PMFを実現するためのUSP・POD・CEPとは
ライター:吉原慶
公開日:2023年01月17日
| 更新日:2024年10月17日
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リサーチャーコラム
第一弾では、事業の本質はPMFの達成を目指すことで、前段にPSFの達成を目指す、
第二弾では、PMF達成のために、n=1、PTSというアプローチ、についてそれぞれお話ししました。
今回の第三弾では、PMFを達成する強いブランドになるためのポイントを解説します。
それは、USP(買ってもらえる理由)があり、そのためにPOD(らしさ)を定義し、CEP(取るべき一番の市場)を設定することといえるでしょう。
強いブランドになるためには
強いブランドになるためには、ターゲットを絞ってブランドを尖らせることです。
その要件は、「らしさ」+「信じられる理由」×「エボークトセット(想起)」
その結果、USP(買ってもらえる理由)となります。
図で示すとこんなイメージです。
PODを定義しUSP化する
✓先ず、PODを定義しUSP化するとはどういうことでしょうか?
PODとは、Point of difference の略 で、商品やサービスの付加価値、つまりブランド力で他企業や製品にはない自社独自のポイント・強みのことです
ここで重要なのは、単に独自性ということではなく、「らしさ」であることです。
独自の提供価値に「自社っぽさ」を紐づけることで、「自社っぽさ=信じられる理由となり、独自性が受け入れられやすくなります。それがRTBです。
独自性をらしさに変えることでUSP化・・・買わせる理由化することができます。
例えば、アサヒビール様の生ジョッキ缶は、そのすべてを兼ね備えています
ジョッキで飲む生ビールを缶で再現するという独自性に、ビール市場で初を出し続けてきた歴史
からみるアサヒビールらしさが伴ってUSP化されました。
【アサヒビール様の初】
●日本初のビン入り生ビール
●日本初の缶入りアサヒビール
●日本発のビールギフト券の販売
●日本初のアルミ缶入りのビールの販売
CEPを設定する
✓次に、CEPを設定するとはどういうことでしょうか?
CEPとは、カテゴリーエントリーポイントの略称で、何かを購入しようと思った時にブランドを想起するきっかけや目的・利用シーンのことです。
例えば、数ある清涼飲料水の中で、「ハンバーガーと一緒に飲むから」と、コカ・コーラを選んだ
としたら、その「ハンバーガーと一緒に」がコカ・コーラのCEPとなります。
どういう時に、どういう目的の時に、どんなきっかけで買ってもらうことを目指すのか
それはイコール、市場(ターゲット)を絞ることと等しいですが、この市場を絞り込むことこそ重要な
のです。
上記でみた「生ジョッキ缶」でみると、どういうCEPが考えられるでしょうか。
「仕事終わりにお店でビールを飲みたい」で、「でも毎日はちょっと・・・」という人なら「金曜日に飲むビール」がCEPになります。
エボークトセットに入るとは
✓最後に、エボークトセットに入るとはどういうことでしょうか?
エボークトセットとは、
何かを購入・利用しようと思った際(これがCEP)に、頭の中で想起されるブランドの集合体のことを差します。
例えばビールを購入する際に想起される銘柄がそれに当たります。
何かを「買おう」と思ったとき、生活者はすでに自分の頭の中にある選択肢の中から選ぶ
ことがほとんどで、これをエボークトセット(想起集合)と呼びます
エボークトセットに入ること=強いブランドといえます。
さらにエボークトセットに入ると5つのイイことがあります。
商品カテゴリーでの想起を目指すのではなく、特定の場面・目的・シーンでの想起一位を目指し
ましょう。
これがターゲット(市場)を絞ったスモールマスな戦略です。
PMFの達成を目指すということは、
らしさを、買ってもらえる理由にして、どういう時に買ってもらいたいかという市場を設定し
その時に想起してもらうブランドになること といえます。
POD:独自の価値+らしさ を定義し
USP:買ってもらえる理由(POD+RTB)を創り
CEP:買ってもらう市場(ターゲット)を絞った上で
エボークトセット:欲しい時に想起させる
↓
PMFが達成された強いブランド
PMFを達成できているブランドは、なくなったら困るブランドです。
この点をきちんと設定し、PMFが達成できるランドづくりを目指しましょう。
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