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アジャイル・マーケティングの導入障壁

ライター:今泉 陽介

公開日:2021年10月06日 | 更新日:2024年10月11日

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目次

「ブランドを浸透させることが重要」「ビジネス環境の変化が速くなっている」「小さく始めて試行錯誤を繰り返したい」――。
これらは、ネオマーケティグが2021年9月に行った現役マーケターの実態調査で明らかになった現場の声です。こうした課題に応えるのが、いま注目を集めている「アジャイル・マーケティング」ではないでしょうか。本コラムでは、調査結果を紹介しつつ、アジャイル・マーケティングを導入する際の障壁について考えていきます。

高速化する時代に対応するアジャイル・マーケティング

アジャイル・マーケティングとは、小さな規模でスタートし、顧客の反応やデータに応じて柔軟に微調整しながら、スピード感をもって展開していくマーケティング手法のことです。

アジャイル・マーケティング_定義と背景

デジタルの時代、ものを作る、商品情報を伝える、評判が広がり購入に至る、という一連の流れが高速化しています。じっくりと生活者を観察してニーズを把握し、仮説を立てて調査し、商品の完成度に徹底的にこだわり、満を持してリリースするーー。こうした丁寧なマーケティングが必ずしも成功するとは言えなくなっています。

むしろ、新製品のうち2年後に残るのは5%という現実を考えれば、そもそも報われるプロジェクトのほうが少数。
だとしたら、莫大なお金と時間を使ってじっくり商品開発するよりも、仮説にもとづいて作ってみて、とにかく早く出す。広告・PRについても、テレビを使った大キャンペーンではなく、WEB広告を中心にSNSなどを活用する。
アプリやソフトウエアの開発のように、ある程度のレベルで出して、そこからバージョンアップ重ねて、商品の完成度を高めていくほうが、効率的でリスクを最小限に抑えることができます。

マーケットをある種、実験場に見立てて、商品開発の最終段階をマーケットに委ねるのがアジャイル・マーケティングです。この枠組みでは、自社工場を持っているとか、幅広い販路をもっているとか、潤沢な広告費があるとか、そうした大企業の優位性はなくなります。
面白いアイデアがあれば小さな企業でも個人でも、ものづくりができる。すばやくマーケットへ出して、SNSなどで評価されれば大ヒットも夢ではない。アジャイル・マーケティングが、ここ一年で注目を集めている背景には、こうした事情があるのです。

ものづくりもコミュニケーションも購買もスピードアップしている「高速マーケティング」の時代、求められているのは速さと柔軟性であり、それに即応するのがアジャイル・マーケティングなのです。

現場のマーケターの問題意識

速さと柔軟性がいかに求められているか。それは、現場のマーケターがいちばん感じていることでしょう。
2021年9月、ネオマーケティングが現役マーケターを対象に調査を行なったところ、デジタル広告の重要性と並んで、67.6%の人が「ビジネス環境の変化が早くなっていると感じる」と回答しています。
そのうえで、「少額ではじめチューニングしながら活動したい」「新しい施策を行う時は、時間とコストをかけずに早くはじめたい」と答えた人は6割超。57%の人が「小さく始めて試行錯誤を繰り返したい」としています。

マーケターアンケート

高速マーケティングの時代、マーケティング施策もアジャイル(機敏に)にやっていかなくては! 現場の多くの人がこうした問題意識を強くもっていることがわかります。

※全国の「マーケティング・広告宣伝担当」で「発注する側の立場」にある男女179人を対象に調査。(調査期間:2021年9月1日~9月6日)

アジャイル・マーケティングの障壁

しかし、現場がアジャイル・マーケティング――敏捷に変化に対応しながらチューニングしていく手法が必要だと感じていても、いざ、実践するとなると、日本の企業、とくに大企業には厚い壁が立ちはだかります。

そのひとつが社内組織の壁です。実際、アンケートでも「ビジネス環境の変化に対応する組織体制に課題がある」とした人が、61.5%もいました。

もともと、日本企業は細かい品質にこだわりがちです。国内ユーザーもそれを求める傾向が強く、「中途半端なものは出せない」「完璧でなくてはならない」という強い矜恃を持っています。こうした企業は、とりあえずリリースして、マーケットでチューニングするという方法はなかなか受け入れ難いでしょう。

また、大きな組織になればなるほど、一つの商品に対して研究開発部門にリサーチ部門、マーケティングや宣伝販促部門がそれぞれあり、工程が進むたびに申し送りのプロセスが生じ、それぞれに時間を要してしまう。そんな、ガッチリできあがったシステムを変えるのは大変です。「俺はこれまでこのやり方で成功したんだ!」と変化を頑なに受け入れない役員の出現も、容易に想像できます。

アジャイル・マーケティングを導入するには、経営層側の理解が必要です。加えて、ある程度、現場に権限をもたせるなど組織が柔軟に動けるようにする必要があります。これは、マーケティングだけでなく、会社のあり方にも関わる問題ですから簡単ではありません。

そしてもう一つ障壁となるのが、マーケティングのパートナーの問題です。
先ほど指摘したように自社内の決定プロセスに時間がかかるのに、その上、さらに外部と煩雑なやりとりが生じるとなると、途方もない時間を費やすことになります。パートナー企業が大きければ大きいほど、ロスする時間は積み上がります。

また、事前リサーチに戦略の立案、広告・PRと、パートナー企業が複数社に分かれていたらさらに大変です。プロジェクト概要を理解してもらうために、それぞれにオリエンをしなくてはならず、どんなに時間があっても足りません。
具体的なソリューションをもち、がっちり一緒に、スピード感をもってやっていけるかどうか、パートナー企業選びはとても重要です。

変化の時代だと言われ続けて久しいですが、変化のスピードは加速度的に増しています。「高速マーケティング」の時代に入ったことは間違いなく、その対応がプロジェクトの成否、ひいては会社の未来を左右していくでしょう。

ネオマーケティングは、マーケティングリサーチに強みをもっています。素早いリサーチに加え、戦略立案に必要なエッセンスを抽出するノウハウがあります。
さらに、その後のPRやデジタルマーケティングの施策についても、内部にリソースがあるので、調査と並行しながら段階を追ってサポートすることが可能です。
また、中長期のブランド育成をエボークトセット調査で管理していくこともできます。
生活者起点のリサーチからデジタルマーケティング、PR施策まで、一気通関でアジャイル・マーケティングを支援していきます。

ネオマーケティングは国内約2889万人のアンケート会員を保有するパネルネットワークを構築、ご希望の調査対象者にリサーチを実施することが可能です。
マーケティング課題を解決し、必要なデータを取得するための調査設計から、調査結果の活用まで、伴走してご支援しています。リサーチを起点に、デジタルマーケティング、PR、ブランディング支援も行っています。
まずはネオマーケティングのサービス資料をご覧ください。

今泉 陽介
WRITER
今泉 陽介
メディアインタラクティブ(現:ネオマーケティング)入社後、家電・食品・飲料・日用品・外食・小売等のマーケティングリサーチ企画・設計・実査管理を担当。 2017年にマーケティングソリューションディビジョンにてリサーチからマーケティング施策提案や新サービス開発を行う。社会課題を解決する活動をPRするサービス「Social Impact Survey PR」の企画開発からリリースを手掛ける。

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