現場で発生したミス・不適合事象を「カイゼン」するネオマーケティングの取り組み
ライター:株式会社ネオマーケティング
公開日:2021年08月03日
| 更新日:2024年10月09日
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カテゴリー:
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マーケティングリサーチ
品質のいいサービスを効率よく提供するためには、現場の声や知恵を吸い上げていくことが大切です。トヨタ自動車の「カイゼン」が有名ですが、ネオマーケティングでも、現場で発生したミスなどの「不適合」を活かすことで業務の改善を行っています。
今回は、その取り組みをご紹介します。
「不適合」事象をどうするか?
マーケティングリサーチや市場調査、PR戦略立案や顧客分析、D2C支援サービスなど、ネオマーケティングの業務は多岐にわたります。各部門それぞれがよいサービスを提供できるよう業務にあたっていますが、ときにミスをしてしまったり、クライアントの要望に100%応えられなかったり、そんな「不適合」事象が発生することがあります。
不適合を「仕方なかった」「次は気をつけよう」と単発の事象として片付けてしまったり、担当者だけの問題に矮小化してしまったら、同じことが起こるリスクは残り続けます。ミスを最小限にし、より効率よく現場を運用するためには、生じてしまった問題に対して真摯に対応することが不可欠です。
そこで、ネオマーケティングでは、現場で発生した不適合を集め、話し合うミーティングを週次で開催しています。
ミーティングには各部署から代表者が参加。原因を詳らかにし対策案や改善策の意見を出し合い、必要であれば社内ルールの改定を行っています。具体的には以下のような項目を明らかにしていきます。
・お客様
・案件名
・事象関係者
・売上損失
・概要
・要因
・本人が考える対策案
・ミーティングでの確認・結論
クライアントは誰でどのような案件だったのか?社内で関係した人間は誰か?その事象が発生したことによって本来不要な工数がかかり、かかるはずのなかったコストがかかることもあります。そうした売上損失もきっちり把握していきます。
そして、概要を踏まえたうえで、本人からまず対策案をあげてもらい、ミーティング参加者でその対策が適切なのかを話し合います。そして、最終的にどうすればいいのか、具体的な改善策を決定。ミーティングの場での決定事項は、各部署での周知・共有をしていきます。
事実ベースで考える
現場から事象を集めるにあたっては、大きく次の2点を意識しています。
1.事実ベースで考える
2.問題の本質を理解する
1点目については、できるだけ事実ベースで事象を共有する、ということです。報告は上長が行うこともありますが、多くは本人が申告します。
どうしても事情を説明する際、「私は〜だと思った」といったように主観的な話になりがちです。しかし、報告をあげている本人の解釈やかかわった人の思いが事実に加味されると、何が正しい情報なのかがわからなくなってしまいます。結果、問題点があやふやになり、適切な対策・改善を講じることが難しくなります。
できるだけ、事実だけを吸い上げ、事実ベースで共有することを重要視しています。
問題の本質を理解する
2点目は、深堀りを繰り返し、問題の本質を理解することです。
たとえば、不備の要因として「〜のタスクを失念していた」と報告を受けたとします。確かに忘れていたのでしょう。でも、うっかり忘れてしまった背景や理由が必ずあるはずです。
本質的な理由を潰さなければ、再び、タスク忘れが発生してしまうことになります。「タスクを失念した」というのであれば、ではなぜ、タスクを失念してしまったのか、その理由を確認する。それでも本質的なところがあやふやであれば、さらに深堀りを繰り返します。
「業務に追われてしまって」といった報告も少なくありません。そんなときも、業務量が少なければそのミスは発生しないのか?という観点から確認をします。すると別の可能性が見えてきます。深掘りを繰り返すことによって、発生した事象の問題の本質が理解でき、適切な対策・改善策を講じることができます。
失敗に学んだエジソンのように
この会議は、ミスや不備をしてしまった人を責める場ではありません。目的は同じことが発生しないよう話し合うことで、よりよい作業フローを作り上げていくためのものです。
しかし、そうはいっても、「不適合」という言葉はマイナスイメージが強く、どうしてもネガティブに受け止められがちです。そこで、ネオマーケティングでは不適合のことを「エジソンくん」と呼んでいます。少しでも、報告しやすい環境にするための独自表現です。
お察しの方も多いかと思いますが、「エジソンくん」の由来は、蓄音器や発熱電球の商品化で知られる発明家のトーマス・エジソンです。エジソンは多数の失敗を乗り越えて、数々の発明を世に送り出しました。
失敗したわけではない。誤りだと言ってはいけない。
勉強したのだと言いたまえ。
わたしは、決して失望などしない。
どんな失敗も、新たな一歩となる。
その方法ではうまくいかないことがわかったんだから、
失敗じゃなくて、成功なんだよ。
失敗を有益な足掛かりとして新しい発明をしてきた、エジソンはこうした名言が数多く残しています。ネオマーケティングも、失敗を無駄にすることなく、失敗から何を学ぶのかを重要視しています。
会議にあげられる事象は、アンケート協力者募集での不適合などリサーチ部門からの報告が多いのですが、セールス部門や管理部門からの報告もあり、その内容はさまざまです。
週1回のミーティングと改善案の共有によって、同じような事象が二度と絶対に起きなくなる、というわけではありません。しかし、確実に、“エジソンくん”の小さな芽をつぶしていくことができる。さらに最近では起こってしまった事象の報告に限らず、純粋な改善案の提案もあがってくるようになり、現場の声を吸い上げる場となりつつあります。
小さな改善を重ねることで、現場の作業効率を上げ、よりミスの起きにくい環境を整えていくーー。終わりのない取り組みですが、それが結果として、お客様に対してよりよいサービスを提供することへつながると確信しています。
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