皆さんは調査をする際、なかなか調査対象が集まらずに困った経験はありませんか。
条件の限られた対象者に調査をしたい場合、調査対象者をきちんと確保するのは難しいですよね。
今回ご紹介する「機縁リクルーティング(機縁法)」は、上記のような場合によく使われる手法です。
この記事を読んでいただき、ニッチな調査対象者を集める術を身に付けましょう。
ネオマーケティングでは、「機縁法」のサービスを提供しております。
ニッチな条件の対象者をお探しの方は、下記ページをぜひご覧ください。
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機縁法(機縁リクルーティング)とは
機縁法(機縁リクルーティング)とは、調査対象者を集めるための方法の一つです。
「機縁」とは、ある物事が起こるきっかけや縁のことで、「機縁法」とは、人と人との縁、つまり人づてに条件に合った対象者の方を見つけるという方法です。
また、主な機縁法の実施方法として「スノーボールサンプリング(雪だるま式標本法)」というのがあります。
●スノーボールサンプリング(雪だるま式標本法)について
上記の機縁法で人から人への紹介をつないでいく方法をスノーボールサンプリング(雪だるま式標本法)といいます。ある調査対象者に、調査協力とともに新たな調査対象者の紹介を依頼し、同様の依頼を繰り返すことによって調査対象者を集める方法です。回収が難しい対象者も、スノーボールサンプリングによって、回収できる場合があるのです。
機縁法(機縁リクルーティング)のメリット・デメリット
次に、機縁法のメリット・デメリットについて解説します。
それぞれについて詳細にみていきましょう。
●機縁法のメリット
機縁リクルーティングのメリットは主に4つあります。
①複雑な条件のリクルーティングに強い
通常のリクルーティングでは対象者を集めるのが難しいような、複雑な条件あるいは限定的な条件の方を集める際に有効です。
②若年層に強い
他年代と比較して回収の難しい若年層でも、主婦の方のお子様やそのご友人を紹介してもらえるため、回収が可能となるのです。
③調査対象者の的確な選定が可能
リクルーターもしくは対象者の知人が、調査対象者一人一人に話を聞いて紹介するため、条件や調査テーマに合った対象者を選定することができます。
④キャンセル率が低い
リクルーターが常に密な連絡を取っている、もしくは対象者の知人のため、通常のリクルーティングより信頼関係が構築されており、キャンセル率が低いのも特徴です。
●機縁法のデメリット
機縁リクルーティングのデメリットは主に3つあります。
①回収までにやや時間がかかる
調査対象者一人一人に電話で条件を確認するため、リクルート人数が多い場合や複雑な条件の場合はやや時間がかかります。リクルート人数や回収難易度によっては、スケジュールを長めに見ておく必要があるでしょう。
②コストがかかる
調査対象者を一人ずつ探し、話を聞き、選定するため、企業によって異なりますが、通常のリクルーティングと比較すると費用がかかるケースがあります。
③デリケートな内容には適さない
プライベートな事柄(金銭、性、病気に関する事柄など)が重要になる調査の場合は、機縁では聴取しにくいため推奨しません。
通常のリクルーティングとの違い
では、機縁法は通常のリクルーティングとはどのような点で異なるのでしょうか。大きく3つの違いがあります。
●募集方法
通常のリクルーティングでは、アンケート会員として登録している全国のアンケートモニターに対して、WEBアンケートでスクリーニング調査を実施し、回答結果から条件に合致した方を抽出します。そして、その対象者の中から調査に協力してくれる方を集めます。
機縁法では、人づてを利用して、リクルーターもしくは関係者の知人で対象者に合致する方に調査協力の依頼をします。
そのため、通常のリクルーティングでは元々「アンケートモニター」という属性の方の中から対象者を集めますが、機縁リクルーティングでは「アンケートモニター」の属性を持たない方を集めることができます。
●スピード
通常のリクルーティングでは、アンケート会員にWEB上で一斉に募集をかけることができるため、対象者の抽出が短期間で完了します。
機縁法では、人づてに対象者を抽出していくため、通常のリクルーティングよりも比較的時間を要する可能性があります。
●対象者の選定
通常のリクルーティングでは、WEBアンケートの回答結果から対象者を抽出し、その中から調査協力に了承いただいた方に電話で確認をとって調査を行う流れです。
機縁法では、リクルーターによる選定と、対象者一人一人に丁寧なヒアリングをした上で調査に参加していただくことができます。
通常のリクルーティングとの使い分け
通常のリクルーティングと機縁法は、上述のような違いがあるため、どちらのリクルーティング方法が適しているのかを見極め、使い分けることが必要です。
機縁法では、通常のリクルーティングでは集まらないような複雑な条件もしくは限定的な条件の方を集める際に適しています。
アンケート会員では回収の難しい若年層や、インターネット利用率が比較的低いシニア層、回収見込みの低い特定商品・サービスのユーザーや経営者等を集める際に最適です。
機縁法の事例
当社で対応した機縁リクルーティングの中から、3つの事例をご紹介します。
●事例1:美容師
美容院向けヘアトリートメントに関する調査です。
【対象者条件】
性別:男女
年齢:18歳~22歳
地域:一都三県在住
条件:・美容室に勤務されていて、スタイリスト歴5年以上
・お店で使用しているトリートメントの選択・決定に携わっている
・指定ブランドのトリートメントを使用
合計6名
通常のリクルーティングでは回収の難しい若年層を対象としており、さらに「お店で使用しているトリートメントの選択・決定に携わっている」といった厳しい条件が付いていますが、機縁リクルーティングは若年層リクルーティングにも強いため対象者を集めることができます。
●事例2:運動部所属の中高生
特定の運動部に所属している中高生をターゲットとしたシューズに関する調査です。
【対象者条件】
性別:男女
年齢:12歳~18歳 中高生
地域:日本在住
条件:・中学校または高校の「陸上部」「サッカー部」「バスケ部」「バレー部」に所属して
活動している
・指定ブランドのシューズを使用している合計36名
通常のリクルーティングを行なうアンケートモニターへの登録は、15歳以上等の年齢制限を設けている、もしくは15歳以下は保護者の承諾が必要になります。
そのため、通常のリクルーティングでは中高生の回収が極めて難しいですが、機縁法では中高生でその他条件がある場合でも、36名という人数の回収が可能となるのです。
●事例3:シニア層スマホユーザー
シニアのスマホに関する調査です。
【対象者条件】
性別:男女
年齢:60歳~79歳
地域:一都三県在住
条件:・指定キャリアのスマホを所有している
・「アプリをインストールできない」「Wi-Fiに接続ができない」「カメラ機能が使えない」等
スマホのリテラシーが低い
合計5名
通常のリクルーティングではアンケート会員登録やアンケートの回答をインターネットで行う必要があるため、スマホリテラシーの低い方を集めるのは困難です。
しかし、お父様やお母様、お爺様やお婆様を紹介してもらうことで、回収が可能となるのです。
機縁法の費用、スケジュール
機縁リクルーティングの費用は、参加1名当たりの成果報酬型が一般的です。
例1)40~60分の会場調査:1名当たり5,000円~
例1)2時間の座談会:1名当たり10,000円~
これに加えて、調査参加者への謝礼が別途かかります。
スケジュールについては、調査対象者がどれほど確保が難しい条件なのかによります。リクルーティングに必要な日数として、2週間程度が一つの目安です。実査日の数日前には、参加者をリストで確認することができるでしょう。
まとめ
調査において、最適な調査対象者の設定はとても重要です。しかし、最適な調査対象者を設定していたとしても、実際に人が集まらなければ調査自体が実施できません。
機縁法は、通常のリクルーティングでは回収が難しい場合にとても便利なリクルーティング方法です。
ネオマーケティングでは、通常のリクルーティングと機縁法の両方に対応可能です。
そのため、求めている調査対象者から適切な方法をご案内させていただきますので、ご検討中の方はぜひご相談くださいませ。