多くの方がご存じの通り、Facebookは世界最大のユーザー数を誇るソーシャルネットワークサービス(SNS)です。またFacebookは実名登録が基本となっているため、ユーザーの属性がつかみやすく、ターゲットを絞った広告配信に向いたSNSだともいわれています。このFacebookのプラットフォームを使ったFacebook広告とは、どのようなものなのでしょうか。本コラムでは、Facebook広告の概要や種類、メリット・デメリットや、その出稿方法などを解説していきます。
Facebookとは
Facebookは、米国・ハーバード大学の学生だったマーク・ザッカーバーグが、2004年に立ち上げたソーシャルネットワークサービス(SNS)です。サービスの開始当初は同じ大学の学生間のみで交流が行われていましたが、徐々にサービスの対象を拡大し、2006年には一般に開放されました。それ以来Facebookは成長を続け、2018年7月の時点で、月間ユーザー数は22.3億人と4大SNS(Facebook、Twitter、Instagram、LINE)のトップに君臨しています。
世界で見ると4大SNSのトップにいるFacebookですが、日本国内の月間ユーザー数を比較するとLINE、Twitterに次ぐ3番手、4番手をInstagramと争う位置になります(※Facebookは約2,800万人)。
ただしLINEは、SNSといっても連絡手段として使われている色合いが濃く、Twitterはその手軽さが重宝されているSNSともいえるでしょう。近年はFacebook離れが進んでいるともいわれますが、同じメタ・プラットフォームズが所有するInstagramと合わせれば、かなりのユーザー数を誇る正統派のSNSといえるのです。
Facebook広告とは
Facebook広告とは、Facebookのフィードやストーリーズに出稿できるSNS広告です。またFacebook広告の配信先は、FacebookだけでなくInstagramやMessenger、Marketplace、Audience Networkの中から目的に応じて選ぶことができます。
FacebookやInstagramといった人気のあるSNSだけではなく、他の場所にも広告を配信できるのがFacebook広告の特徴といえるでしょう。
またFacebookは、実名での登録が基本となっているSNSです。ユーザーの属性を把握しやすく、広告配信を行うターゲットが絞りやすい、というのもFacebook広告の大きな特徴です。
Facebook広告のタイプ(広告フォーマット)
Facebook広告のフォーマットは、五つのタイプが用意されています。
画像広告
画像広告とは、下図のように画像がついた投稿の形式で配信される広告のことです。Facebookを利用されている方ならば、よく目にする広告のタイプでしょう。
※Meta for Businessの公式ページより引用
ユーザーにとってわかりやすい画像と適度な量のテキストで、商品や企業ブランドの周知を行うことができます。使える画像のフォーマットはBMPやJPEG、PNG、TIFFといった汎用的なものであれば問題なく使えます。また以前は広告画像に掲載するテキスト量に制限がありましたが、現在では撤廃されています。
カルーセル広告
カルーセルとは、もともと回転木馬のことを意味する英単語です。カルーセル広告では、一つの広告で最大10件の画像や動画を用いて商品やサービスを訴求し、それぞれに違うリンクを設定できます。スマートフォンやタブレットの場合はスワイプで、パソコンの場合には矢印をクリックすることにより、画像もしくは動画が回転木馬のように回ります。
コレクション広告
コレクション広告は、動画やスライドショーと4枚の静止画像を組み合わせた広告フォーマットです。動いて目立つ画面とユーザーの好みに応じてタップできる静止画は、とてもポップな印象になります。
コレクション広告はどちらかというとスマートフォンやタブレットに向いている広告のフォーマットで、ニュースフィード(自分や友達が投稿した近況や写真などが表示される画面)に表示されます。動画や画像をタップするとフルスクリーン表示に切り替わり、広告専用の画面へと遷移します。
動画・スライドショー広告
動画・スライドショー広告は、共に動く画面を用いた広告フォーマットです。Facebookの場合はニュースフィードに出稿され、画面をスクロールして広告が目の前にくると自動的に再生されます。再生はループで続くのでリーチ力が強く、動画によって注目度も高くなります。
ダイナミック広告
ダイナミック広告は、上記の広告フォーマットと違うタイプの広告です。一番の特徴は、ユーザーのインターネット利用履歴から興味のある商品やサービスを分析し、カタログから自動選択した商品を「おすすめ」として表示することです。
広告は上記の広告と同じようにFacebookのニュースフィードに表示されます。他のサイトで見た広告と同じ内容がニュースフィードに表示されていたならば、このダイナミック広告が使われています。
Facebook広告のメリット・デメリット
ではFacebook広告には、どのようなメリットとデメリットがあるのかを確認しましょう。
●メリット
詳細なターゲット設定ができる
先述のように、Facebookは実名登録を基本としたSNSです。また基礎情報として性別や年齢、居住地、趣味、学歴なども登録できるので(登録しないという選択肢もある)、この情報を元に精度の高い詳細なターゲット設定が可能になります。
予算に応じた広告配信が可能
広告出稿は少額から設定可能で、予算に応じた広告配信が可能です。低価格でも広告出稿ができるため、効果を確認しながら最も効果の高い出稿方法を検討することもできるでしょう。またFacebook広告には「自動配置」という機能があります。
この機能は広告の目的や予算に応じて、自動的に効果の高い配信先や配信場所に出稿場所を変更してくれるという機能です。初めてFacebook広告を利用する場合には、このような機能を使って効果を確認しながら、徐々に手動設定に変えていくという方法もあります
双方向のコミュニケーションが可能
Facebookに自社の公式ページを開設していれば、広告から誘導したユーザーと双方向のコミュニケーションを行うことができます。通常は一方的な情報の送出となる広告配信が、SNSを使うことによって双方向のコミュニケーションができる媒体に変化するのです。
柔軟な広告運用ができる
Facebook広告は、広告配信の停止や再開を簡単に行うことができます。また広告の予算も「1日の予算」か「掲載期間の通算予算」で決めた予算の範囲内で費用が発生します。広告配信を行うユーザーの要望が反映しやすいシステムになっているのです。
●デメリット
ユーザーとの交流には細心の注意が必要
Facebook広告は、Facebookに開設した自社の公式ページを通して、ユーザーと双方向のコミュニケーションを行えることがメリットでもあるのですが、ユーザーとの交流には細心の注意を払う必要があります。
ちょっとした言葉遣いや解釈の違いで、コメント欄が炎上してしまうことがあるからです。SNSは情報の拡散が速いメディアです。たとえ誤解であっても、悪い評判はすぐに広まってしまうことになりかねません。
仕様変更が多い
Facebookはシステムやインターフェースの変更など、仕様変更が多いことで有名です。広告の出稿仕様や操作画面なども、頻繁に変更されることがあります。広告出稿の仕様が新しくなった場合には、仕様に合わせたクリエイティブの修正などを行う必要があります。
Facebook広告の課金方法
Facebookで広告を出稿する場合には、まず予算として「1日の予算」か「掲載期間の通算予算」を決定します。広告費用はこの予算内で発生し、予算が消化されると停止します。Facebook広告の広告費用は入札制で、落札された金額により広告費用が決定します。これが予算から消化されていく金額になるのです。
主な課金方法は「クリック課金」と「インプレッション課金」ですが、他にもアプリのインストールによる課金、「いいね!」の数による課金、動画の再生などへの課金もあります。
クリック課金
広告設定されているリンクがクリックされるごとに課金(CPC:Cost Per Click)が行われます。
インプレッション課金
ユーザーに対して、広告が表示された回数(インプレッション数)に対して課金されます。課金は1,000回あたりに課金される(CPM:Cost Per Mille)となっています。
まとめ
日本国内のユーザー数では他のSNSにかなわない部分もありますが、世界で考えればFacebookは圧倒的なユーザー数を誇っています。広告したい商材が世界でも十分に通用するものであれば、Facebook広告は最適な広告手段となるでしょう。