この記事では、Instagram広告の種類について解説していきます。
「Instagram広告」と一口に言っても、その中には様々な種類があります。たとえば、広告が配信される画面の違いや、広告のフォーマットの違いなどです。こうしたInstagram広告の種類について、それぞれの特徴や選び方などを見ていきましょう。
Instagram広告の種類は「配信面」と「フォーマット」の違いがある
今回のテーマは「Instagram広告の種類」ですが、「種類」といっても、実際にはもう少し細かい分類が必要になります。
一つは、「配信面」による種類の違い、そしてもう一つは「フォーマット」による種類の違いです。この点を混同すると理解が難しくなってしまうので、まずはこのポイントを整理していきましょう。
これは簡単に言えば、「どこに」「何を」表示させるか、という観点になります。
【どこに?】Instagram広告の「配信面」による種類の違い
まずは「配信面」についてです。
これはInstagramの【どこに】広告が表示されるか、という観点からの違いになります。
配信面とは、実際に広告が掲載されるInstagram上の画面の違いです。Instagramと一言に言っても、その内容には様々な画面があります。
<Instagramの画面の種類>
・フィード
・ストーリーズ
・発見タブ
・ショッピング
・リール
ユーザーが「インスタを見る」と言っても、実際には、フィードを見ているのか、ストーリーズを見ているのか、それとも別の画面を見ているのか…といった違いがあります。
そのためInstagram広告の配信先も、実際に広告が表示される画面によって、種類が異なることになります。これが「配信面」の違いです。
【何を?】Instagram広告の「フォーマット」の違い
もう一つは、Instagram広告のフォーマットの違いです。
これはInstagram広告に【何を】表示させるか、という違いになります。
たとえば一口に「広告」といっても、Instagram広告では、写真だけでなく動画を用いることもできます。また、複数の画像や動画を組み合わせて広告を作ることもできます。
こうした広告の内容のフォーマットによる種類の違いは、次の4種類に分類できます。
<Instagram広告のフォーマットの種類>
・写真広告
・動画広告
・カルーセル広告
・コレクション広告
Instagram広告の種類は、「配信面」と「フォーマット」で別々に考える
このように、一口に「Instagram広告の種類」といっても、配信面の違いで種類をわけるのか、それともフォーマットの違いで種類をわけるのかで、話がまったく違ってきます。
実際に広告運用にあたる上では、「種類」という言葉を使うと意思疎通が混乱してしまうため、「配信面」の話をしているのか、それとも「フォーマット」の話をしているのか、明確に使い分けていったほうが良いでしょう。
Instagram広告の種類一覧表:配信面によるフォーマットの違い
Instagram広告の種類には、「配信面=どこに」という種類の違いと、「フォーマット=なにを」という種類の違いがあります。そして、配信面によって利用できるフォーマットも異なります。こうしたInstagram広告の種類の違いについて、一覧表にまとめてみました。
なお、以下は2022年4月現在の仕様となります。Instagram広告の仕様は頻繁にアップデートされているため、最新の情報とは異なる場合があることをご了承下さい。
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写真
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動画
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カルーセル
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コレクション
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フィード
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〇
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〇
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〇
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〇
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ストーリーズ
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〇
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〇
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〇
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〇
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発見タブ
|
〇
|
〇
|
〇
|
×
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ショッピング
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〇
|
×
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×
|
×
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リール
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〇
|
〇
|
×
|
×
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Instagram広告の「配信面」ごとの種類の特徴
それでは、ここから具体的に内容を把握していきましょう。
まずは、Instagram広告の配信面ごとに、どんな種類があり、それぞれどんな特徴を持っているのか確認していきます。
Instagramの「フィード」広告とは
まずは、Instagramの「フィード」広告について見ていきましょう。
フィードとは、ユーザーがInstagramを開いたときに、最初に表示されるタイムラインのことです。フォローしたユーザーが投稿した画像や動画などがリスト形式で表示されます。このフィード画面に広告を出稿することが可能です。
フィード広告では、写真、動画、カルーセルおよびコレクションのフォーマットが利用できます。
フィード画面は、多くのInstagramユーザーが目にするため、ここに広告を配信することで効果的なリーチが期待できます。Instagram広告の基本的な配信面の一つと考えて良いでしょう。
Instagramの「ストーリーズ」広告とは
Instagramのストーリーズは、通常の投稿と異なり、24時間で自動的に削除される動画・画像などの投稿になります。自動的に消えることから、気軽に利用できる投稿方法としてユーザーに人気を博しています。
このストーリーズの画面に広告を配信するのが「ストーリーズ広告」です。ストーリーズの画面では、投稿がフルスクリーンで表示され、ユーザーが画面をスワイプすることで内容が切り替わります。この一連の表示の中に、投稿と同じフルスクリーンのフォーマットで広告が表示されます。
ストーリーズ広告はフルスクリーンで表示されるため、高い没入感を演出できることが特徴の一つです。ユーザーにじっくり閲覧してもらえる可能性が高くなります。一方で、ユーザーがあまり気に入らなければ、スワイプ操作ですぐにスキップされてしまうため、一見で与える印象も重要になります。
Instagramの「発見タブ」広告とは
Instagramの「発見タブ」は、ユーザーがまだフォローしていないアカウントなどを発見できる機能です。既にフォローしている人や、これまでの「いいね!」などを元に、おすすめの投稿が表示されます。この「発見タブ」に広告を配信できるのが、Instagramの「発見タブ」広告です。
「発見タブ」は、新しい情報を探しているユーザーが利用します。ここに広告を配信できるため、新しいユーザーにリーチできる可能性が高くなります。他の配信面ではリーチが難しいユーザーにもアプローチできるため、ブランドの認知拡大や新規顧客層の開拓といった目的に、適性の高い配信面だと言えるでしょう。
Instagramの「ショッピング」広告とは
Instagramの「ショッピング」機能は、文字通り、Instagramを通してオンライン・ショッピングを楽しめるプラットフォームです。
通常の投稿と異なり、「ショッピング」への投稿では、商品名と価格を投稿にタグ付けできます。また、画像(主に商品画像)にリンクを張ることで、画像をタップするだけでECサイト等の外部サイトに遷移できるようになります。
「ショッピング」機能を利用するユーザーは、購買意欲が明確であり、「何かを購入したい」という状態で閲覧していると考えられます。そのため、ここに広告を配信することで、製品やブランドの購入につなげやすくなります。ECでの販売数や売上アップを目的にInstagram広告を運用する場合は、必ず配信しておきたい配信面になると言えるでしょう。
Instagramの「リール」広告とは
Instagramの「リール」とは、15秒~60秒程度の短い動画をシェアする機能です。類似するサービスとして、TikTokを想像すると良いでしょう。「リール」タブでは、フォローしているアカウントの投稿のほか、「いいね!」等に基づくおすすめの投稿も表示されます。こうした短い動画コンテンツは、特に10代~20代の間で人気を博しており、多くのユーザーにリーチできる媒体だと言えるでしょう。
この「リール」タブに広告を配信するものが、Instagramの「リール広告」です。
リール広告には、写真などのフォーマットも配信できますが、ユーザーの利用目的に合わせて考えると、可能な限り縦長画面の動画で広告フォーマットも揃えたいところです。
Instagram広告の「フォーマット」による種類の違い
Instagram広告の種類には、配信面のほかにフォーマットによる違いもあります。画像、動画、カルーセル、コレクションといったフォーマットがあります。これらのフォーマットについても、特徴を確認していきましょう。
Instagramの画像広告
画像広告は、Instagram広告の基本的なフォーマットの一つです。
Instagramの画像広告は、他の媒体での画像広告に比べて、特にクオリティが重要になります。
Instagram自体が画像を主体としたSNSであり、ユーザーの投稿する画像も、他の媒体に比べると高水準です。個人のユーザーが趣味で投稿する写真であっても、画像加工や編集は当然のように行われています。撮影機材やライティング(照明)にもこだわって撮影を行い、Instagramに投稿するユーザーも珍しくありません。プロ水準の画像があふれている媒体のため、広告の画像も相応の品質に仕上げなければ、チープなものと受け止められてしまうでしょう。
画像広告は、Instagram上のほぼ全ての配信面で利用することが可能です。配信面によって使用できる画像のサイズが異なりますが、「広告アセットカスタマイズ」機能を使うことで、一枚の画像を様々な配信面に合わせてレイアウトすることも可能です。
Instagramの動画広告
Instagramにおけるコンテンツの主流は、画像から動画に移り変わろうとしています。スマートフォンの高性能化や、誰でも手軽に動画を編集できるアプリの普及によって、画像よりもリッチな動画のほうが、主流になりつつあると言えるでしょう。広告に関しても、画像広告よりも動画広告のほうがリッチであり、"今風"と言っても良いかもしれません。
Instagramの動画広告は、フィード、ストーリーズ、発見タブ、リールといった主要な配信面に対応しています。特に全画面表示に対応した「リール」タブは、動画広告の強みを発揮しやすい場面になります。
画像広告に比較すると、動画広告は、制作に予算や工数が多く必要となりますが、訴求力や伝達力は何倍も高くなります。広告プロジェクト全体の目的や規模、予算感などに合わせて、動画広告と画像広告を適切に使い分けることが重要です。
Instagramのカルーセル広告
Instagramのカルーセル広告は、複数の画像や動画を組み合わせたフォーマットの一つです。一つの表示領域の中で、画像や動画が順番にスクロールして表示される形式となります。スクロールは、スワイプ操作や、矢印ボタンをタップすることで先送りできます。
カルーセル広告は、Instagramのフィード、ストーリーズおよび発見タブにて使用可能です。
カルーセル広告は、複数の広告クリエイティブを順番に見せることができるフォーマットです。そのため、通常のシングル画像広告よりも幅広い情報を掲載できる、ストーリー性を持った広告演出が可能になる、等のメリットがあります。
一方で、一度に全てのクリエイティブを表示できるものではなく、ある程度は広告に注視してもらわなければ、カルーセル内の全てを見せることはできません。
最初に表示されたクリエイティブで興味関心を持ったユーザーが、スワイプ/タップ操作でカルーセルをめくり、さらに情報を得るような設計と捉えると良いでしょう。
Instagramのコレクション広告
Instagramのコレクション広告は、複数の画像の組み合わせによって構成される広告フォーマットです。複数の商品やサービスについて、購入を促したい場合に適しています。
カルーセル広告との違いとして、コレクション広告は、一度に複数の画像が表示される形式となります。カルーセル広告の場合、複数の画像を閲覧するためには、スワイプ/タップ操作が必要になりますが、コレクション広告の場合、一枠の配信面に最初から複数の画像が表示されるため、一目で全体像を閲覧できることになります。
Instagramのコレクション広告は、やや大きめのカバー画像が上部に、下部に小さなサイズの商品画像が3つ並ぶ展開となります。コンパクトな商品カタログをイメージすると良いでしょう。
広告をタップすると画面がスクロールし、より多くの商品一覧を閲覧できます。ユーザーは気になる商品をタップすることで、その商品の詳細を閲覧できます。
Instagram広告の種類の選び方と活用方法
Instagram広告は、配信面やフォーマットの種類により、適した活用方法が異なります。さまざまなケースが考えられますが、ここでは初歩的な考え方として、「販売促進の場合」と「認知拡大の場合」に区別して考えてみましょう。
Instagram広告で認知拡大・新規顧客の開拓を行いたい場合
Instagram広告を活用して、ブランドの認知拡大や新規顧客の開拓を行いたい場合は、「フィード」「ストーリーズ」「発見タブ」「リール」といった配信面が適しているでしょう。特に「発見タブ」は、新しい情報を探すユーザーが閲覧しているため、目的に適っていると言えます。
フォーマットは動画、画像、カルーセル、コレクションのいずれも効果的です。ただし、認知拡大や新規顧客の開拓といった場合、「知らない人」へのアプローチとなるため、ファーストインプレッションが極めて重要になります。いずれのフォーマットを用いる場合も、流し見で一見しただけで、知らない人にも魅力が伝わるような工夫が必要になるでしょう。
Instragram広告で販売促進を行いたい場合
商品やサービスの販売数・売上高といったKPIでInstagram広告を運用する場合、販売戦略に適した広告の種類を選ぶことが重要になります。
たとえば物販系で複数のアイテムを扱う場合、コレクション広告やカルーセル広告が効果的になるでしょう。アプリやサービスの販促であれば、サービス内容の伝わりやすい動画広告も効果的です。動画広告は平均的に、最初の15秒程度しか閲覧されない傾向があるため、最初のフック(掴み)をいかに演出するかも重要になります。
配信面はフィード、ストーリーズ、発見タブ、リール、ショッピングいずれも効果が期待できますが、特に物販系であれば「ショッピング」タブへの配信を重視したいところです。
Instragram広告の種類は、さまざまな要素を検討して選択を
実際には、Instagram広告の種類は、「こういう場合はこれを選べば良い」といった、定石的なパターンはありません。
事業フェイズ、商品やサービスの特性、ターゲティング、自社のInstagramアカウントの運用状況や、他のマーケティング施策との兼ね合い、そして予算や工数など、さまざまな要素を勘案しつつ、現実的な方法で効果を最大化できる手段を選択していくことが必要になります。
こうした判断やプランニングには、Instagram広告の運用に関する幅広い知識と経験が必要になります。インハウスでの運用には限界もあるため、お困りの際は、弊社までお気軽にご相談下さい。