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LINE広告2021年の最新情報~2月アップデートと今後の取組の方向性

ライター:古川 静香

公開日:2021年12月02日 | 更新日:2024年10月22日

カテゴリー:
目次

今回は、2021年現在のLINE広告の最新情報をお伝えしていきます。
内容は以下の2点となります。

1:2021年2月のアップデートについて
2:最新の審査の方向性など、LINEの強化している取り組みについて

特に注目したいのは、最新の審査の方向性についてです。元々「他の媒体より審査が厳しい」と言われているLINE広告ですが、近年の社会の動きを背景に、さらに厳しい審査が行われるようになっています。今まで審査に通っていたクリエイティブでも、今後は否認されてしまう可能性もあるでしょう。
こうしたポイントを含め、LINE広告の2021年現在の最新情報をお伝えしていきます。

2021年2月のLINE広告アップデート内容

まずは、今年2月のアップデート内容を簡単にまとめていきましょう。

・動画広告の最適化の設定
・オーディエンス検索方法の追加
・広告レポートの項目追加
・LINEタグ(トラッキングタグ)の発行画面のUI変更
・広告のコピー機能のアップデート
・広告に紐付いたメディア(画像・動画)の管理
・作成済オーディエンスの変更機能

それぞれ、要点を取りまとめて解説していきます。


動画広告の最適化の設定
動画広告の最適化の設定に関するアップデートが適用されました。このアップデートにより、動画の100%再生(試聴完了)をターゲットに配信を最適化するよう、設定が可能となります。
認知度の向上を目的に動画広告を出稿しているケースなど、より多くのユーザーに動画を最後まで観てもらいたい場合の利用が想定されるでしょう。

オーディエンス検索方法の追加
オーディエンスを検索する際、「オーディエンス名」「オーディエンスID」の両方で検索が可能になりました。これまでは「オーディエンス名」の検索のみでしたが、今後は「オーディエンスID」でも検索できるようになります。

広告レポートの項目追加
LINE広告のレポートをダウンロードする際、選択した広告のタイトルと説明文が追加されるようになりました。これにより、ダウンロードしたレポートが、今までより更に把握しやすくなりました。

LINEタグ(トラッキングタグ)の発行画面のUI変更
LINEタグのコード取得のUIが変更されています。今までより簡単に、各種コードが取得できるようになりました。たとえば「対象ドメイン」を入力する項目が追加されています。これにより、ドメインに合わせたトラッキングタグを簡単に取得できるようになっています。

広告のコピー機能のアップデート
広告のコピー(複製)機能もアップデートされています。従来は同一キャンペーン内でのみ広告のコピーが可能でしたが、アップデート後は、キャンペーンをまたいで他の広告グループへコピーすることも可能になっています。

広告に紐付いたメディア(画像・動画)の管理
管理画面で、どのメディア(画像や動画など)と紐付いている広告か把握できるようになりました。たとえば、複数の広告で同じ画像や動画を使っている場合、いくつの広告で使われているのか等を素早く確認できます。

作成済オーディエンスの変更機能
作成済のオーディエンスを変更・編集できるようになりました。電話番号アップロード、メールアドレスアップロード、WEBオーディエンスなどを作成した際、これまでは一度作成したものは変更できませんでしたが、今後は内容を編集できるようになっています。

 

LINE広告の基礎については、こちらのショートウェビナ―動画をご覧ください。

LINE広告が強化している取り組みと審査の方向性

続いて、最近LINE広告が強化している取り組みについて解説していきます。広告の審査などに大きく影響を与える取り組みが既に開始されています。
大きな方向性としては、「広告の健全化」に向けた取り組みが強化されていると捉えて良いでしょう。今までは審査に通っていたクリエイティブでも、今後は否認される可能性があります。
LINE自体、幅広い年齢層が利用するメディアだという点を改めて意識した上で、

・情報の受け取り手がどう思っているか
・ユーザーの必要とする情報を適切に配信できているか
・不快にさせないか
・安心、安全な広告であるか

といった観点で、広告出稿の在り方を見直していく必要があります。
具体的な方針について、いくつか解説していきます。

■ <b商品やサービスと無関係なクリエイティブ< b="">
今後のLINE広告では、クリエイティブにしっかりとした商品やサービスとの関連性が求められます。
たとえば、ヒヨコやチンパンジーなど、体毛がふさふさと生えている動物の写真を使ったクリエイティブで、「育毛剤」の広告を出稿する…といった手法は、この基準からNGになると考えられます。
体毛の生えている動物 → ふさふさ → 育毛剤、という連想ゲームのようなクリエイティブでは、ユーザーに正しく情報が伝わりません。「動物」と「育毛剤」を関連のあるものだと理解できるユーザーはほとんどいないでしょう。従って、「動物の写真」は「育毛剤」とは無関係なクリエイティブと考えられるため、LINE広告の審査に否認される可能性があります。

視覚的に注意を引くことだけの表現
訴求内容が不明で、目立たせることだけの機能しか持たないクリエイティブも、今後のLINE広告ではNGと言えるでしょう。
たとえば、以下のようなクリエイティブが挙げられます。

・表示領域いっぱいに「禁止マーク」が表示されている
・「大量発生」「助けて」「売り切れ」「お詫び」などの文字だけが表示されている

このように、商品やサービスとはまったく無関係な、ただアテンションを引きつけるためだけのクリエイティブも否認されるようになっています。

低品質な画像などのクリエイティブ
たとえば、画質の荒い画像や、ブラー効果(ぼかし・モザイク)を掛けたような画像は、今後は不適切なクリエイティブと評価されます。広告として、商品の魅力を訴求しているとは考えられないためです。
こうした低品質な画像などのクリエイティブは、LINE広告の「メディア価値を毀損する恐れのある表現」として、ガイドライン違反となる可能性があります。

ネガティブな感情や不快感・恐怖心・コンプレックスを煽る表現
ユーザーのネガティブな感情を煽るような広告も、「メディア価値を毀損する恐れのある表現」に当該します。
以下に具体例をいくつか示します。

・こっそりバレずに借金減額…☓
・歯の色がやばい、もしかして気づいていない?…☓
・女性の白髪の原因は【アレ】が足りないせい…☓
・社畜生活、まだ続けるつもり?…☓
・汗のニオイ大丈夫?気づいてないのは自分だけ…☓

このように、ユーザーのコンプレックスを刺激したり、損失回避の心理を煽るようなクリエイティブは、一切避けたほうが良いでしょう。
</b商品やサービスと無関係なクリエイティブ<>

WEB広告の適正化に向けた国の取り組みが加速

LINE広告が健全化の取り組みを強化する背景には、年内(2021年)に発生した、いくつかのトピックスが影響していると考えられます。

・「コンプレックス広告」に対する批判的な世論の盛り上がり
・消費者庁によるアフィリエイト広告規制の検討開始
・薬機法改正(2021年8月)

こうしたトピックスから、インターネット広告の健全化が強く求められる時代になったと言っても良いでしょう。
Youtube広告などを中心に目立っていた、視聴者のコンプレックスを煽る広告手法に対し、批判の声が高まっていることに注目してみましょう。


「外見軽視系マンガ広告”は、クリックすると健康食品や化粧品に誘導されるのがほとんどなのだが、視聴者のコンプレックスを煽るそのやり口に、ネット上では大きな批判が集まっている。」
出展:「デブは恋愛対象外」見た目のコンプレックスを煽る「マンガ広告」の深刻な問題点(A4studio) | マネー現代 | 講談社

こうした問題は2020年頃から、主にネット上で指摘されていましたが、2021年に入って本格的に問題視されるようになりました。
また同時期に、消費者庁もアフィリエイト広告規制の検討を開始しています。同年6月10日には、景表法の適用や不当表示の未然防止などを議論する、「アフィリエイト広告等に関する検討会」が消費者庁でスタートしました。[*1]
これらの流れを受けてか、同年8月には、薬機法の改正も行われています。この改正には「虚偽・誇大広告に対する禁止」も含まれており、広告主に限らず、代理店や広告掲載メディア等も罰則の対象となっています。[*2]
このように、世論に後押しされた国の動きもある中で、時代に合ったメディアとして価値を高めるべく、LINE広告も規制強化の取り組みを始めていると推察できます。

広告手法だけでなく、ブランド力や商品力も今後は重要に

従来の広告論では、広告の「手法」だけでも一定の成果を期待することは可能でした。ですが、広告手法ばかりに頼りすぎる出稿戦略は、もはや時代に合わなくなっていると言っても過言ではないでしょう。
マーケティング・リサーチを的確に行い、顧客のニーズをしっかりと把握して、真正面からそれに答える「プロダクト・アウト」の考え方が、今後ますます重要になっていくのは間違いありません。
また、ブランド力や商品力を高め、魅力的なプロダクトを開発し、まっすぐにその魅力を伝えていくようなビジネスの在り方が求められるとも言えます。
広告手法だけに頼り、ただ目の前の数字だけを追うような姿勢では、今後の事業展開はますます厳しくなる一方です。ブランディング、商品開発、マーケティング、そして広告と、一貫性を持った事業戦略の重要性も、ますます高まるでしょう。





引用
*1:アフィリエイト広告等に関する検討会 -消費者庁
*2:令和元年の医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)等の一部改正について -厚生労働省

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古川 静香
インターネット広告代理店にて、一般消費財、健康食品、化粧品メーカーなどのクライアントを担当。市場調査・競合分析・ペルソナ調査を踏まえた販売戦略の立案から、広告クリエイティブ・ライティングを一貫して行いながらインターネット広告運用全般に従事。LINE広告においては全国No.2の運用実績を保有する。2021年~株式会社ネオマーケティング入社。

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