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インサイドセールスの事例7選-施策の具体例と成功のポイント

ライター:荒池 和史

公開日:2024年11月22日

カテゴリー:
目次

・インサイドセールスを取り入れたものの、なかなか成果につながらない……。
・インサイドセールスのモデルケースとなるような成功事例はないだろうか……?

こうした悩みや疑問を抱えていませんか?今回はインサイドセールスの7つの成功事例について、解決した課題別に紹介します。
各社が抱えていた課題や施策の具体例、成功のポイントを解説していますので、ぜひ参考にしてください。

1.ツール連携により確度の高い見込み客の可視化に成功した事例

企業と新卒採用候補者のマッチングサービスを提供している企業の事例です。
この企業では、コミュニケーションツール  (Sansanなどの名刺管理ツール)と営業支援ツールSalesforceを連携させたことにより、アポイント数の向上につながりました。具体的にどのような方法で課題を解決したのか見ていきましょう。

 

 

抱えていた課題

この企業では、採用候補者に対して企業側から積極的にアプローチするダイレクトリクルーティングの手法を駆使して候補者を発掘しています。
アポイントを取得した学生の属性を鑑みつつ、人材ニーズが高い企業の採用担当者をマッチングさせなければなりません。
採用担当者にアピールすべき適切なタイミングの見極めが課題となっていました。

 

 

施策の具体例

同社ではコミュニケーションツールと営業支援ツールを連携させることにより、企業の採用担当者ごとに最適なタイミングでアプローチしやすくなりました。
具体的にはSFAと名刺管理ツールを連携し、顕在顧客・潜在顧客を問わず顧客情報を一元化した上で、各社の採用担当者の状況をリアルタイムで可視化できる仕組みを実現したのです。
たとえば、各社が求人広告の掲載を開始したタイミングや、業務経験・保有資格・語学力といった求める人材の要件を求人情報から収集し、随時確認できます。
条件を満たす人材をタイミングよく紹介することにより、マッチングの確度を高めることができました。

 

 

成功のポイント

見込み客の状況を可視化し、相手の検討フェーズに合わせてアプローチしたことが同社の成功要因と考えられます。
営業戦略を検討するにあたって、どの見込み客にも一律の施策を講じてしまうケースは少なくありません。
しかし、自社側の論理で講じた施策が見込み客に響くとは限らないのが実情です。
顧客理解を深化させ、相手のニーズが高まったタイミングでアプローチをかけるほうが得策でしょう。

インサイドセールスは非対面の営業手法であることから、対面での営業活動と比べて顧客理解がいっそう重要なポイントとなります。
見込み客の現状を可視化したことで、タイミングを逃すことなくニーズに応えられるようになった好例です。

 

2.ホットリードの発掘により商談率が向上した事例

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デジタルマーケティングやデジタルアート制作、システム開発などを手がけるWeb関連企業の事例です。
インサイドセールス施策そのものは以前から取り組んでいたものの、施策の改善によって商談発生率が大きく向上しました。
具体的にどのような施策を講じたのか見ていきましょう。

 

 

抱えていた課題

この企業には複数の営業拠点があるため、各拠点での顧客情報や電話対応の状況が把握し切れないという課題を抱えていました。
インサイドセールス部門を設けていたものの、顧客の状況が見えないことで見込み客にアプローチするタイミングを逃したり、
効果的なアプローチ方法が見出せなかったりするケースが少なくなかったのです。

 

 

施策の具体例

同社が取り組んだ改善策は、インサイドセールスの体制強化です。
担当者の増員を図っただけでなく、顧客管理ツールHubSpotを導入し、各拠点で得た顧客情報を一元管理できる仕組みを整えました。
すべての拠点の顧見込み客の情報について、問い合わせ履歴やメールDMを開封したタイミングなどをリアルタイムで見られるようになったことにより、
見込み客ごとに適したアプローチをしやすくなったのです。

インサイドセールス施策の改善を図る上で、とくに重視したのがホットリード(確度の高い見込み客)の発掘です。
見込み客の興味関心が高まったタイミングを逃さずアプローチできるようになったことで、商談発生率が4割近く向上しました。

 

 

成功のポイント

顧客情報を整理し、確度の高いリードを見分けやすくなったことが同社の成功要因と考えられます。
各々の営業担当者は見込み客に関する情報を数多く把握しているにもかかわらず、顧客情報として共有されていないケースは少なくありません。
営業担当者ごとに情報が属人化しやすく、部門を超えた連携も困難になりがちです。

顧客情報を一元化し、アプローチに適したタイミングを見極めやすくすることは、
インサイドセールス部門だけでなく営業部門にとってもメリットのある改善策といえます。
商談率が高まるほか、見込み客に関する多くの情報を得た状態で商談に臨めるからです。
営業担当者は商談の場で1からヒアリングを行う必要がなくなり、見込み客が求める提案をしやすくなるでしょう。

 

3.リードナーチャリングの短期化が功を奏した事例

バックオフィスの支援ツールを扱うソフトウェア開発会社の事例です。
リードナーチャリング  の短期化を実現したことにより、確度の高い案件の創出に成功しました。
リードナーチャリングとは、見込み客(リード)の購買意欲を高め、受注へとつなげるために顧客育成に取り組むことを指します。
一般的には中長期にわたる取り組みが必要とされるリードナーチャリング施策を、なぜあえて短期化したのでしょうか。

 

 

抱えていた課題

同社で提供しているツールは、初期費用が無料であることが有力なセールスポイントとなっていました。
導入のハードルを下げられる一方で、リードナーチャリングを「待ってもらえる」期間が非常に短いことが判明したのです。
長期計画のもとじっくりと推進してきたリードナーチャリング施策が、実は顧客の離脱を招いているという皮肉な結果をもたらしていたのです。

 

 

施策の具体例

従来は1年単位の長期計画にもとづいて進めていたリードナーチャリング施策を思い切って手放し、
顧客情報を1カ月単位で整理した上でフィールドセールスへと引き渡す施策へと切り替えました。
大胆な方針転換でしたが、リードナーチャリングの期間を短縮したことにより確度の高い案件を効率よく創出できるようになりました。
現在ではごく限られたインサイドセールスの人員で、有力なリードを月あたり数百件単位で獲得しています。

 

   

成功のポイント

顧客情報の整理をスピーディーに進め、フィールドセールスへと引き渡す期間の短縮を最優先したことが同社の成功要因と考えられます。一般的には中長期的な取り組みとなるリードナーチャリングですが、時間をかければ良いというものではありません。見込み客の意思決定スピードに合わせ、商材の利便性を強く実感しているタイミングでアプローチをかけることが重要です。リードの行動パターンや心理状態をフラットな視点で捉え直したことが、インサイドセールスの成功へとつながった事例といえるでしょう。

 

4.非対面コミュニケーションの強化が売上アップにつながった事例

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従来、リストを活用したインサイドセールスに取り組んでいた企業の事例です。
アウトバウンド型のインサイドセールス施策を講じてきた同社では、非対面コミュニケーションの強化を図ることにしました。
なぜコミュニケーションに着目したのか、抱えていた課題と施策の具体例を見ていきましょう。

 

 

抱えていた課題

同社では十分な量の見込み客リストを保有していたにもかかわらず、フィールドセールスへの適切な引き継ぎができていないという課題を抱えていました。
見込み客のニーズを深掘りするのは容易ではなく、形式的な引き継ぎに終始しがちだったのです。
どうすれば見込み客のニーズをより詳細かつ的確に引き出せるのか、具体的な対応策を検討する必要に迫られていたのです。

 

 

施策の具体例

 同社が取り組んだ施策は大きく分けて2つです。

1つは、非対面コミュニケーション強化に向けたトレーニングの実施でした。
担当者の対応力を高め、見込み客と「話せる」ようスキル向上を試みたのです。
インサイドセールス施策では電話やメールによるコミュニケーションが中心になることから、見込み客との間に距離が生じやすくなります。
この距離をできるだけ縮めるための対策が、非対面コミュニケーションスキルの強化だったのです。

もう1つの施策は、リードの属性に合わせた担当者の選定でした。
インサイドセールスの担当者には、各自が得意とするタイプの見込み客が存在するケースがあります。
たとえば、メーカー系企業に関する知識が豊富な担当者、IT関連企業での勤務経験がある担当者などが在籍しているケースです。
過去の実績や担当者自身の適性を踏まえ、対応者を都度選定するという方針に切り替えました。
結果としてフィールドセールスへの引き継ぎがスムーズに進むようになり、売上の伸長に成功しています。

 

 

成功のポイント

フィールドセールスの担当者に得意とする顧客のタイプがあるように、インサイドセールスの担当者にも得意・不得意があることが想定されます。
各自のパーソナリティや得意とする分野を見極め、適材適所の人材活用を推進することは、インサイドセールスにおいても重要な視点の1つといえます。

また、非対面コミュニケーションのスキルを部門全体として底上げしていくことも重要です。
同社のようにトレーニングプログラムによるスキル向上を図ることは、担当者の応対能力を高める上で欠かせない要素といえるでしょう。
インサイドセールス部門のアプローチ力向上を図ったことが、成果につながった好例といえます。

 

 

5.MAツールでリードとの接触タイミングを改善した事例

飲食店向けに経営サポートサービスを提供している企業の事例です。
同社ではMAツールを導入することで、インサイドセールスの施策改善を実現しました。
なぜMAツールが必要だったのか、抱えていた課題と具体的な施策を確認していきましょう。

 

 

 抱えていた課題

 一度はリードと接触できたものの、再接触が困難になってしまうケースは少なくありません。

同社においても、過去に獲得したリードへの再接触ができなくなってしまい、結果として常に新たなリードを発掘し続けなくてはならない状況に陥っていました。
しかしながら、新たなリードをコンスタントに発掘し続けるのは容易ではなく、リードとの再接触を可能にする方策を探す必要に迫られていたのです。

 

 

施策の具体例

同社がMAツールに白羽の矢を立てたのは、リードと接触するタイミングの最適化に加え、再アプローチ施策の効率化を図れると考えたからです。
具体的には、リードが購買を検討するにあたってどのの検討段階にあるのかをMAツールで分析し、接触に適したタイミングでアプローチできる仕組みを整えました。
さらに、再アプローチのタイミングに関しても過去の反応率を元にメール配信施策を自動化。結果として、接触を試みたリードのうち約半数を商談化することに成功しました。

 

 

成功のポイント

同社の成功要因はMAツールの活用によるもののように見えるかもしれませんが、最も大きな要因として挙げられるのが「データの活用」です。
リードの検討フェーズや再アプローチに適したタイミングを感覚で判断するのではなく、データにもとづく接点の最適化を図ったことが成功へとつながりました。

MAはインサイドセールスでよく活用されているツールですが、本質的な導入メリットは「データの有効活用」にあります。
ツールさえ導入すればインサイドセールスが強化されるのではなく、導入の目的を明確にしておくことが非常に重要です。
ツールありきで施策を講じるのではなく、施策ありきでツールを導入したことが成果をもたらした事例といえるでしょう。

  

6.営業担当者のリソース不足を解消した事例

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主にセミナーやイベント開催を通してリードを獲得してきた、比較的小規模な企業の事例です。
インサイドセールスを導入したいと考えているものの、現実的にリソースが足りないというケースは少なくないでしょう。
少人数の企業がインサイドセールスを導入するには、どのような対策を講じるのが得策なのでしょうか。

 

 

抱えていた課題

同社ではセミナーやイベント開催を通して多くのリードを獲得していたものの、営業担当者のリソースが事後のフォロー電話に割かれていることが課題でした。

参加企業1件1件に対して長期にわたるリードナーチャリングを継続していくには、営業担当者の人員が明らかに不足していたのです。
フォロー電話に追われることで新規開拓のための営業活動に専念できなくなり、受注数が伸びないという悪循環に陥っていました。

 

 

施策の具体例

同社が改善施策として推進したのは、インサイドセールスの外部委託です。
インサイドセールスのプロセスを思い切って外注することにより、従来は営業担当者が実施していたフォロー電話も含めて委託できるようになりました。
営業活動に注力するための時間と人員を確保し、本来の営業活動に専念しやすい環境を整えたのです。
新規開拓のための営業活動に十分な時間を確保できるようになったことで、受注数を従来よりも倍増させることができました。

 

 

成功のポイント

セミナーやイベント後にフォロー電話を実施するケースはよくあるものの、その中から確度の高いリードを発掘できる確率が高いとは言い切れません。
むしろ、数件のホットリードを発掘するために膨大な時間と労力を費やしてしまうことも多いはずです。

同社のように、社内で取り組むべき業務と外部委託する業務を明確に分けることで、営業担当者がコア業務に専念しやすくなります。
自社が抱えている課題のうち、何を解決するためにインサイドセールスを導入するのかを明確にし、外部委託も含めて施策を検討していくことが重要です。
内製に固執しなかったことにより、営業部門のリソース不足解消を実現した好例といえるでしょう。

 

7.インサイドセールスの外部委託が成果につながった事例

新規事業の展開にインサイドセールスを活用した企業の事例です。

既存のビジネスモデル以外に売上の軸をつくりたいと考えている事業者様は多いことでしょう。
一方で、自社にとって経験のない領域に挑戦する場合、初期段階では試行錯誤の繰り返しになりがちです。
こうした状況を、インサイドセールスの導入によってどのように解消したのか見ていきましょう。

 

 

抱えていた課題

同社が抱えていた最大の課題は「顧客開拓のためのノウハウがない」という点でした。
試行錯誤を繰り返しているほどの時間・人員の余裕もなく、ノウハウを確立するのが困難な状況に陥っていたのです。
よって、①アプローチ数を増やすこと・②アプローチから得たノウハウを蓄積していくこと、この2つの条件を満たす施策を講じる必要がありました。

 

 

施策の具体例

求める成果から逆算した結果、数カ月間で数千件規模のアプローチが必要とされることがわかりました。
そこで、インサイドセールスを外部委託することにより必要なアプローチ件数の条件を満たせる仕組みを整えたのです。
結果的に目標数に近いアポイント数を獲得することができました。
さらに、外部委託先にノウハウが蓄積されていくとともに商談化の精度が高まり、商談の質も向上していったのです。

 

 

成功のポイント

インサイドセールスを外部委託するのは1つの方法ですが、委託する目的と目標を明確にしておくことが非常に重要です。
漠然と委託するのではなく、具体的にどれだけの成果を得たいのか決めておく必要があるでしょう。

この事例では、自社が求める成果から逆算した上で、「〇カ月間で〇件のアプローチが必要」といった具体的な数値目標を掲げています。
結果として、委託先の事業者は求める条件を満たすための人員を配置し、施策の推進に取り組むことができたのです。
インサイドセールスを社内で実施するか、外部に委託するかを問わず、導入する目的と求める成果を明確化しておくことの重要性を示唆している事例といえます。

 

まとめ

 

インサイドセールスを導入する際、解決したい課題は企業によってさまざまです。
自社にとってなぜインサイドセールス施策が必要なのか、導入することによってどのような課題を解決へと導きたいのか、十分に検討しておく必要があるでしょう。

今回紹介した7つの事例を参考に、インサイドセールス施策を課題解決に役立ててみてはいかがでしょうか。
ネオマーケティングでは、インサイドセールスの効果的な推進はもちろんのこと、各社様の状況に合わせたインサイドセールスの導入も支援しています。
インサイドセールスの導入をご検討中の事業者様、現状のインサイドセールス施策に課題を抱えている事業者様は、ぜひネオマーケティングにご相談ください。

 

 

 

※このコラムは「マーケのカチスジ」で2023月12月4日に公開された記事を移行したものです。

ネオマーケティングは国内約2889万人のアンケート会員を保有するパネルネットワークを構築、ご希望の調査対象者にリサーチを実施することが可能です。
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荒池 和史
WRITER
荒池 和史
新卒でセブン‐イレブン・ジャパンに入社、イー・ガーディアン株式会社で取締役や子会社の代表を経験後、現在はネオマーケティングで事業全体の管掌と新規事業開発に取り組んでいます。

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