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マーケットシェアとは?市場における自社製品の位置を知る上で役立つ指標

ライター:株式会社ネオマーケティング

公開日:2022年07月24日 | 更新日:2024年10月08日

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ネオマーケティング」ライターチームです。

 

市場で自社製品がどれくらい受け入れられているのかを図る上で、もっとも重要な指標の一つといえるのがマーケットシェアです。各企業は、マーケットシェアの割合を踏まえた上で、新製品の開発や既存製品の見直し・改良などを日々行っています。
今回は、市場戦略の分野でもっとも基本的な事項ともいえるマーケットシェアについて詳しく解説していきましょう。

マーケットシェアとは?

マーケットシェアとは、市場内で特定企業の商品・サービスが占める割合のことです。一般的には、ある商品カテゴリーにおいて、参入中の全企業の売上高や販売量などの総計のうち、特定企業の商品・サービスがどれだけ占めているかによって計算されます。

ただし、マーケットシェアの指数を何にするかによって、マーケットシェアの数値は変わってくるので注意が必要です。たとえば、商品カテゴリーの総販売量が1,000個で、そのうち自社ブランドの販売量が200個である場合、販売量基準による自社のマーケットシェアは20%となるわけです。ただしこの場合、総販売量における商品1個あたりの平均価格が100円なのに対して、自社ブランドの商品の平均価格は1個200円である場合、売上高基準でみると自社ブランドのマーケットシェアは40%となります。

マーケットシェアを計算する目的

企業がマーケットシェアを測定する目的の一つが、自社商品・サービスの現状把握です。
マーケットシェアがどのくらいあるのかを算出することで、ターゲットとする市場での自社商品・サービスの影響力がどのくらいあるのかをチェックできます。

シェアの大小により、自社が今後取るべき製品戦略・市場戦略のあり方が大きく変わるので、マーケットシェアを把握することの意義は大きいといえます。

また、ライバル企業との差を認識することも、マーケットシェアを認識する目的です。ライバル企業と自社の商品・サービスとの間に、シェアにおいてどのくらいの差があるのかを明確に捉えることは、競争戦略を考えていく上で重要になってきます。

たとえば、特定の企業がすでに圧倒的なシェアを得ている市場に参入しようとするなら、既存企業が目をつけていないニッチな製品・サービスにより一定の売上を確保するという戦略を考えることが可能です。

マーケットシェアを把握する上での4つの手法

マーケットシェアを算出する上では、どの市場を対象に調査を行うのかも重要になってきます。ここでは一般的な計算手法として知られる4つの方法についてご紹介しましょう。

●市場全体に占めるシェア
自社企業の売上が、市場全体において占める割合を算出します。これはもっともオーソドックスな計算方法であり、販売量、販売額などでシェアが計算可能です。

実際に計算する場合は、業界の境界をどのように設定するかを検討する必要があります。たとえば「自転車業界」について考える場合、ペダルのみの自転車を指すのか、電動モーター付きの自転車をも含むのかによって、計算結果は変わってくるでしょう。

●ターゲット市場におけるシェア
マーケットシェアの算出を、自社商品・サービスが対象としている市場に限定して行う計算方法です。ターゲットとする市場としては、特定の年齢層、性別、居住地域、勤務先、家族、結婚の有無など、提供する商品・サービスの特徴に応じて設定することができます。ただし、ターゲット市場でのシェアが大きい場合でも、その市場の規模自体が小さければ、市場全体でみるとシェアは小さいという場合もあるので注意が必要です。それでも、対象市場の範囲を絞り込むことで、市場内でのポジションやライバル企業の実情をより詳細に把握できます。

●ライバル企業との相対シェア
特定の企業群だけを対象にマーケットシェアを測定する方法で、市場におけるライバル間の相対的な優位性・不利性を把握できます。

たとえば、ある市場においてA企業が占めるシェアが40%、B企業が占めるシェアが30%であるとした場合、2社に絞って相対シェアを計算すると、A企業は4/7=約57%、B企業は3/7=約43%です。2社で計算するなら、50%を超えていれば市場で優位にあることを意味します。同様に、3社で計算するなら33.3%、4社で計算するなら25%を超えている企業が、市場内で相対的優位に立っていると判断可能です。

●市場1位企業との相対シェア
マーケットシェア1位の企業の売上に対して、自社の売上がどれだけあるかを測定する指標です。マーケットシェア1位の企業の売上が100万円で、自社の売上が10万円であれば、相対シェアは1割として把握できます。1位企業との差がどのくらいあるのかを、客観的な数値にて認識できるわけです。

マーケットシェアが高い場合のメリット

マーケットシェアが高い企業は、それだけ市場・社会に対する影響力を保有し、ブランドに対する高い信頼性を獲得できます。別途新商品・サービスを新たに販売する場合も、「この企業の商品・サービスだから」という理由で続けて購入してくれる効果を期待できるでしょう。また、売上高が大きければ生産量も多くなるため、規模の経済(生産量が増えることで、単位あたりコストが下がる)による効果も発生します。

シェアが高いことによるブランドへの信頼性は、ステークホルダーをその企業に惹きつける理由にもなります。人材確保という面でもメリットになります。

マーケットシェアを理解する上での注意点

マーケットシェアを分析する際、考慮しておくべき点がいくつかあります。
まず、マーケットシェアの大小は一過性や季節性など、時間の経過によって変わる可能性があるという点です。

たとえば、一時のブームとして流行った商品はいわばイレギュラーな現象であり、そこから長期的な企業の優位性、市場での位置づけを判断することはできません。
マーケットシェアはその時点での市場内での立ち位置を把握するだけで、当該商品・サービスの将来性を予測することはできません。現時点でマーケットシェア1位となっている商品・サービスであっても、1年後、2年後もその地位を維持できるかどうかについて予断はできません。つまり、マーケットシェアの数値は将来的な安心材料にはならないわけです。

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