WEB広告とは、オンライン上のさまざまな媒体に掲載される広告の総称です。WEB広告が掲載される媒体は多様化しており、表現方法から課金方式まで幅広い選択肢があります。しかしWEB広告の初心者にとっては選択肢が多すぎて調べることすら手間がかかり、ついつい後回しになってしまうこともあるでしょう。この記事では、WEB広告のメリットや代表的な種類について解説しながら 「自社商品のWEB広告を打ちたいが、広告の種類もイマイチわからず、どれが適切かもわからない」 といった疑問に答えていきます。
WEB広告のメリット
広告は大きく分けて「オフライン広告」と「WEB広告」があります。オフライン広告はテレビCMや新聞折込チラシなど、不特定多数の人が目にする広告です。これにより普段リーチできない消費者に広く訴求することができます。一方、WEB広告はターゲットを絞り込むことができ、オフライン広告にはないさまざまなメリットがあります。そのため、市場規模も拡大し続けています。
高いターゲティングの精度
企業のマーケティング活動において、ターゲット層への訴求は事業活動の根幹といっても過言ではありません。インターネットユーザーの年齢、性別、所在地、更には興味関心、検索に用いたキーワードや行動履歴などを基に広告の掲載先を決められるため、オフライン広告と比べて極めて高い精度で広告を打てます。
効果測定のしやすさ
効果測定を定量的に行えることも大きなメリットです。オフライン広告では定量的な効果測定に限界がありました。しかし、WEB広告ではユーザーの端末画面に表示された数や、広告がクリックされた数、更には購買や問い合わせに至った数などを明確にできます。広告効果を定量化し、PDCAを回すことで費用対効果の最大化に取り組みやすくなるのです。広告の方法を早いサイクルで改善できることは、企業にとって大きなメリットです。
予算に合わせた柔軟性
オフライン広告は一回あたりの広告単価が比較的高いことが多く、大きな予算を持つ企業に限定されがちでした。一方、WEB広告のもう一つの特徴は、予算に応じて広告費用を柔軟に調整できることです。広告を掲載するターゲットを広くしたり、掲載期間を長く設定したりすれば費用は高くなり、ニッチな層を狙い掲載期間を短く設定すれば費用は抑えられます。掲載先や掲載期間などを柔軟に設定できるため、自社の予算に合わせて無理のない範囲で広告を掲載できるのです。
WEB広告の種類
WEB広告にもさまざまな種類があります。それぞれの特徴を紹介します。
リスティング広告
リスティング広告は検索エンジンの検索結果画面の上部に表示されるテキスト広告です。広告主のWEBページリンクが埋め込まれたテキストで、Googleの場合は「スポンサー」とラベリングされています。広告主は検索キーワードに対して広告費を支払います。
検索キーワードは「検索クエリ」と呼ばれ、「Do」「Know」「Go」「Buy」に大別されます。広告主はクエリ(ユーザーの求める情報種別)に沿う形で広告を用意するのです。
ディスプレイ広告
WEBページやアプリの広告欄に表示される画像形式の広告がディスプレイ広告です。掲載場所はWEBページ内だけでなく、ページ遷移の間に表示させたり、ページスクロール時に表示させたりするなど、バリエーションがあります。画像やテキスト、動画を組み合わせて工夫すれば、ユーザーの目に留まりやすくなります。一目で訴求したい内容がわかるため、ニーズが顕在化していない潜在客を掘り起こすことも可能です。
SNS広告
Twitter、Instagram、Facebook、TiktokなどのSNSで配信する広告です。ユーザーの画面には他のユーザーによる投稿が並べられ、その中に溶け込む形で広告が表示されます。ユーザーの興味関心に沿う形で広告を作れたら、好意的に受け取られやすくなります。見飛ばされたり、悪印象を持たれたりすることが多いWEB広告において、SNS広告ならではの特徴です。
アフィリエイト広告
ブログやSNSなどの媒体主に依頼して、自社商品を紹介してもらうのがアフィリエイト広告です。事前に詳しい商品情報を渡しておき、媒体主の体感などを交えて紹介してもらいます。媒体主のファンから好意的に受け止められやすく、リスティング広告やディスプレイ広告などと比べて購入着地率 も高くなります。成果報酬型にすれば費用対効果も高くなります。
記事広告
記事として商品を紹介する方法です。たとえばニュースメディアの中で「PR」「AD」「広告」といったラベル付の記事が混ざっていることがあります。クリックするとニュース記事のような内容となっていることが多く、ユーザーの「知りたい」ニーズを満たしながら商品の魅力が紹介されます。ユーザーのニーズを満たせれば、説得力のある形で購買意欲を高められるでしょう。
動画広告
その名の通り動画形式の広告で、YouTube動画の中に差し込まれる広告が代表的です。短時間でたくさんの情報を伝えられ、ユーザーの印象にも残りやすい方法です。ただし動画制作には手間がかかることや、ユーザーが一定時間動画を再生しなければ広告効果は低く、悪感情を持たれたりスキップされたりしやすいといった課題もあります。
メール広告
消費者に直接メールを届ける広告形式です。過去に自社を利用したことがあるユーザーに再購入を促すために用いられることが多く、コストをかけずに発信できます。ただしブロックされ、中身を見ることなく削除されることも多いため、一般的にはメールの中にリンクを埋め込み、それがどれだけクリックされたかで効果を測定します。
運用型広告の活用
スマートフォンの普及によりユーザーは一日の中で媒体を開いて広告に触れる機会が増え、その影響を受けるようになりました。企業は一種類のWEB広告に限らず、複数の媒体を通してターゲットに多角的にアプローチするようになってきています。一方で広告主の予算は限られており、ターゲットに触れるあらゆる媒体の広告枠をまとめて買い取るのは現実的ではありません。そこで生まれたのが運用型広告です。
広告枠の配信期間や頻度をまとめて買い取る純広告に対して、運用型広告はオークション形式でさまざまな媒体の広告枠に対して都度入札しながら広告をリアルタイムで「運用」することで費用対効果の最大化を図るのです。
DSPの活用
運用型広告は幅広い媒体で柔軟に展開できるメリットがある反面、一つひとつの媒体は入札額や課金形式、更には広告の種類も異なるため管理に大変な手間がかかるデメリットがあります。
これを解決するためにDSP(Demand-Side Platform)サービスが活用されるようになりました。
事前に広告を出す条件と入札金額の上限を決めておけば、DSPが半自動で広告枠のオークションをしてくれます。手間をかけず運用型広告を管理運営できる方法です。
運用型広告の種類
運用型広告で扱われる広告の種類は主に「リスティング広告」「ディスプレイ広告」「SNS広告」「動画広告」です。広告主はどの種類で広告を掲載するか決めておき、それぞれの種類に合ったコンテンツを用意しておく必要があります。DSPは運用の手間を省けますが、さまざまな種類を扱うためコンテンツを制作する手間はかかります。運用しながらコンテンツの内容に改善点がみつかれば都度修正し、作り直す手間も想定する必要があるでしょう。
まとめ
WEB広告のメリットや種類、運用型広告と純広告の違いを紹介してきました。WEB広告の特徴は、その柔軟性です。こまめにPDCAを回し日々改善していけば、きっと広告効果を最大化できるでしょう。