Web広告はペイドメディアの代表格といえます。オウンドメディアとWeb広告を組み合わせて集客につなげる方法を見ていきましょう。
Web広告による集客とは
Web広告にはさまざまな手法があります。代表的な手法は次の通りです。
・リスティング広告:検索キーワードに連動して表示される広告
・リターゲティング広告:過去にWebサイトを訪問したユーザーに表示される広告
・ディスプレイ広告:Webサイトやアプリの広告枠に表示される広告
・SNS広告:SNSのタイムラインに表示される広告
・動画広告:YouTubeコンテンツなどの冒頭や合間に再生される広告
さまざまな集客の手法の中でも、Web広告は比較的短期間で成果が表れやすい手法といわれています。SNSのフォロワーが十分に集まっていない・事業を始めたばかりで認知度が低いといった場合も、集客に挑戦しやすい手法といえるでしょう。
Web広告による集客のメリット・デメリット
Web広告は予算に応じて表示回数や頻度を調整できることに加え、ターゲットを詳細に設定できることから、小規模なテスト施策から始められる点がメリットです。広告効果を検証しつつ、徐々に改善を重ねながら本格的な広告運用へとつなげていくことができます。
デメリットとしては、広告費がかかる点が挙げられます。広告費の投入をやめれば広告の表示も停止されるため、継続的に集客するには広告費を投入し続けなくてはなりません。また、リターゲティング広告にはユーザーがWebサイトを訪問した情報を記録するCookieが不可欠ですが、Cookieを個人情報と見なして規制する動きが見られます。これから始めるのであれば、リターゲティング広告以外の集客方法も含めて検討していく必要があるでしょう。
Web広告による集客の進め方
Web広告の集客方法はシンプルです。広告クリエイティブ(バナーなど)を用意し、広告費を支払えば運用を始められます。ただし、集客効果を高めるにはターゲットの分析を重ね、広告のチューニングをしていかなくてはなりません。広告の費用対効果(ROAS)を十分に高めるには、試行錯誤が欠かせないことを念頭に置いて取り組むことが重要です。
なお、Web広告経由で新たなユーザーを獲得するだけでなく、オウンドメディアに誘導した後の導線をきちんと設計しておくのも大切なポイントです。オウンドメディアを訪問したユーザーが興味あるコンテンツを探しやすいよう内部リンクを充実させ、サイト内での回遊率を高めていく必要があるでしょう。
集客方法4:メルマガ・プレスリリース
メルマガ(メールマガジン)やプレスリリースをオウンドメディアと組み合わせて活用するのも、効果的な集客方法といえます。具体的な活用方法やメリット・デメリットを押さえておきましょう。
メルマガ・プレスリリースによる集客とは
メルマガは長年にわたって活用されているマーケティング手法ですが、現在も見込み顧客との接点を築いていく手段として有効とされています。読者にとって役立つ情報を配信し、信頼関係を培っていくことが大切です。その上で、オウンドメディアのコンテンツや更新情報を掲載すれば、興味をもってくれる読者が現れるでしょう。
プレスリリースは、報道機関や企業が新商品や新サービスなどの情報を告知する場として広く活用されています。情報の新規性が高いコンテンツや調査結果などをまとめたコンテンツであれば、プレスリリースへの掲載依頼をすることでオウンドメディアが多くの人の目に触れるチャンスを得られるでしょう。
メルマガ・プレスリリースによる集客のメリット・デメリット
メルマガやプレスリリースによる集客は、コストをかけずに実施できる点が大きな特徴といえます。すでに一定数のメルマガ読者がいれば、既存の読者に向けてオウンドメディアを紹介していけばよいのです。プレスリリースに関しては無料で掲載してもらえるケースもあれば、1件あたり数万円程度で利用可能な有料プランを提供しているプラットフォームもあります。多くのコストをかけることなく集客できる点は、メルマガやプレスリリースを活用するメリットといえるでしょう。
一方、メルマガの読者を集めるには一定の期間を要します。読者との信頼関係の醸成にも時間が必要となることから、短期で実現しにくい点がデメリットです。プレスリリースであれば事前準備不要で依頼できるものの、近年は多くの報道機関や企業がプレスリリースを発信しています。他社のプレスリリースに埋もれてしまう可能性も否定できない点はデメリットといえるでしょう。
メルマガ・プレスリリースによる集客の進め方
メルマガの基本は、読者にとって役立つ情報の発信に徹することです。テーマを絞り、有益な情報を定期的に配信していきましょう。オウンドメディアのコンテンツとメルマガのテーマの親和性が高いことも重要なポイントです。メルマガの読者にとってより詳細な情報を得られるオウンドメディアであれば、集客の相乗効果が得られる可能性があります。
プレスリリースに関しては、オウンドメディアの立ち上げやアンケート調査結果など、特別な情報がある場合に活用するのがおすすめです。タイミングよくプレスリリースを打つことにより、オウンドメディアの認知度を高める効果が期待できます。
集客方法5:動画プラットフォーム
オウンドメディアへの集客には、YouTubeやTikTokといった動画プラットフォームを活用する方法もあります。具体的な手法やメリット・デメリットは次の通りです。
動画プラットフォームによる集客とは
動画プラットフォームによる集客の基本は、「オウンドメディアコンテンツの一部を紹介する」ことです。オウンドメディアの記事で紹介している情報やノウハウの中には、動きや音を加えることでより理解しやすくなるものもあるでしょう。こうした情報を予告編のように伝えることで、「続きを見たい」「もっと詳しく知りたい」と感じた視聴者をオウンドメディアへと誘導できます。
動画内ですべての情報やノウハウを紹介すると、視聴者は動画を見ただけで満足してしまいます。あくまでも視聴者の「知りたい」「気になる」という欲求を視覚的に刺激することが、動画プラットフォームを集客に活用するコツです。
動画プラットフォームによる集客のメリット・デメリット
動画は視覚・聴覚に訴えることに長けたメディアのため、文字や静止画では伝わりにくい要素を効果的に伝えられます。また、Webサイトを検索して訪問するという具体的な行動に至っていない潜在層を発掘できる点も、動画プラットフォームのメリットの1つです。
一方で、動画プラットフォームにはライバルが多く、ジャンルによってはチャンネルを成長させていく難易度が高いケースも見られます。動画コンテンツの制作には時間やコストもかかるため、相応の予算とリソースを確保する必要があることもデメリットとなり得る点です。
動画プラットフォームによる集客の進め方
オウンドメディアのコンテンツのうち、動画で紹介するのが効果的なコンテンツを見極めましょう。その上で、数十秒〜2分程度の短い動画を制作して動画プラットフォームに投稿していきます。動画コンテンツ内で紹介するのは、あくまでもメインコンテンツであるオウンドメディア記事の一部です。視聴者に「なぜだろう?」「理由が知りたい」といった疑問をもってもらい、答えを知るためにオウンドメディアを訪問してもらうのも効果的な方法といえます。長々と解説するのではなく、オウンドメディアの記事を見に行くきっかけを作ることを意識するのがポイントです。
集客方法6:インフルエンサーの活用
オウンドメディア経由での集客を強化するには、インフルエンサーを活用する方法もあります。インフルエンサーを活用した集客方法とメリット・デメリットを見ていきましょう。
インフルエンサーを活用した集客とは
インフルエンサーとは、世の中に一定の影響力のある人物のことです。著名なYouTuberや芸能人、識者、実業家といった人物の影響力を借りることで、オウンドメディアの認知度が高まる効果が期待できます。
著名な人物へのインタビュー記事や、識者による監修記事などは、オウンドメディアの権威性を高める意味でも有効です。インフルエンサーのファンがオウンドメディアを訪れたことをきっかけに、新たな見込み顧客となることも想定されます。
インフルエンサーを活用した集客のメリット・デメリット
インフルエンサーを活用した集客のメリットは、即効性が期待できる点です。近年はインフルエンサーと企業のマッチングサービスなども提供されており、著名人に案件を依頼する難易度が下がっています。インフルエンサーの影響力を借りることで、オウンドメディアの認知度を一気に高められる可能性があるのです。
一方で、依頼するインフルエンサーの選定には注意が必要です。オウンドメディアのカラーと合わない人物に依頼してしまうと、非ターゲット層が集まってしまうこともあり得ます。また、インフルエンサーの言動は注目されやすいため、炎上リスクと隣り合わせである点にも注意してください。
インフルエンサーを活用した集客の進め方
取材や対談企画、記事の監修など、オウンドメディアのコンテンツ制作に何らかの形で関わってもらいましょう。その上で、「取材を受けた」「記事が掲載されている」といった事実をSNSや動画チャンネルで紹介してもらいます。SNSの投稿や動画での発言を目にしたファンが、オウンドメディアを訪れるというのが基本的な流れです。
なお、まるでインフルエンサー自身の「個人的なお気に入りサイト」であるかのような形で紹介してしまうと、ステルスマーケティング規制に抵触する点に注意してください。「取材を受けた」「記事を監修した」など、企業との関係性が明示されていることが重要です。
集客方法7:オフラインでの告知
オウンドメディアを活用した集客は、オンラインにこだわる必要はありません。オフラインでも集客を強化するための活動が可能です。オフラインでの具体的な活動例について解説します。
オフラインでの告知による集客とは
オフラインでの集客とは、「オウンドメディアを事あるごとに告知していく」活動に他なりません。展示会やセミナーなどで話した相手にオウンドメディアの存在を知ってもらうほか、チラシやDMにオウンドメディアを閲覧できるQRコードを掲載するといった活動が想定されます。対面で直接話した相手には企業や担当者の印象が残りやすいため、実際にオウンドメディアを訪問してもらえる確率も高いのです。
オフラインでの告知による集客のメリット・デメリット
オフラインでオウンドメディアを告知する大きなメリットは、「ぜひご覧になってください」と直接お願いできる点です。展示会やセミナーでは、その場で名刺交換をしただけになってしまうケースも少なくありません。こうした方々と何らかのつながりをもっておくには、オウンドメディアの存在を告知するのは意義がある活動といえます。
ただし、オフラインでの告知は地道な活動の積み重ねです。短期的に爆発的な効果を生む施策ではないため、こつこつと継続する必要があります。即効性が期待できない点は、オフラインでの告知のデメリットといえるでしょう。
オフラインでの告知による集客の進め方
オフラインでの告知を強化する第一歩は、チラシなどの媒体や名刺にオウンドメディアのURLやQRコードを印刷しておくことです。名刺交換をする際には、相手の検討段階や商談化できる可能性などを問わず、まずはオウンドメディアの存在を伝え、訪問してもらうよう依頼することを習慣化しましょう。
URLやQRコード入りの名刺などを単に渡すだけでなく、「ぜひご覧になってください」と明確に依頼することも重要です。このように告げられることで、相手は「見ておく価値があるWebサイトのようだ」と感じるため、実際に訪問してもらえる確率が高まります。