「マイクロプラスチックによる生態系問題」の認知度は57.2%
製品に使われていたら従来より高額でも買いたいと思うフレーズ「純国産」「地産地消」「オーガニック」
生活者起点のリサーチ&マーケティング支援を行なう株式会社ネオマーケティング(所在地:東京都渋谷区)では、世の中の動向をいち早く把握するために、独自で調査を行なっております。今回2021年7月13日(火)~2021年7月15日(木)の3日間、全国の20歳~99歳の男女1000人を対象に「環境保全」をテーマにインターネットリサーチを実施いたしました。
<調査背景>
2021年6月4日、プラスチックごみの削減とリサイクルの促進を目的とする「プラスチック資源循環促進法」が成立しました。この法律により、生活者は普段の生活で具体的にどのような行動の変化を求められるのか、また、生活者の意識がコロナ禍を経てどのように変わってきたのかを、調査により探りました。民間で既に取り組まれているSDGsや環境負荷軽減を目的とした各施策や消費者へのメッセージ、認証制度の認知などの実態も把握していきます。是非、今後のマーケティング活動・取り組み方針決定のための一資料としてご活用ください。
【調査概要】
調査の方法:株式会社ネオマーケティングが運営するアンケートシステムを利用したWEBアンケート方式で実施
調査の対象:アイリサーチ登録モニターのうち、全国の20歳~99歳の男女
有効回答数:1,000名
調査実施日:2021年7月13日(火)~2021年7月15日(木)
「環境保全を考える ~容器包装に着目~」主な質問と回答
◆脱プラスチックにかかわる問題の認知度:「マイクロプラスチックによる生態系問題」の認知度は57.2%
どの問題についても認知度は約50%~60%前後となり、とりわけ「地球温暖化問題」が63.7%で最も高くなった。「マイクロプラスチックによる生態系問題」も57.2%と、半数以上の方が認知していることが分かった。「マイクロプラスチック」という言葉や問題が徐々に浸透してきていることがうかがえる。
◆言葉やフレーズへの印象:製品に使われていたら従来より高額でも買いたいと思うフレーズは「純国産」「地産地消」「オーガニック」
約半数の方が「あてはまるものはない」、つまり、魅力を感じる・良さそうだと感じるフレーズが商品に使用されていてもその分高額であれば購入しないと回答。
しかし一方で、高額でも購入したい方の回答を見ると、「純国産」「地産地消」「オーガニック」「原料は100%リサイクル品を使用」等、シンプルかつその内容を理解しやすいフレーズが上位に並んだ。
企業が自社の環境保全の取り組みをメッセージに組み込む場合、シンプルなフレーズで一目して内容を理解できるように気を配れば、その価値が伝わりやすいといえる。
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「プラスチック資源循環法」成立の認知度
「プラスチック資源循環法」(「プラスチック資源循環促進法」)が成立したことを知っているかお聞きしました。
認知度は26.7%と、法成立自体はあまり知られていないといえるでしょう。
脱プラスチックにかかわる問題の認知度
脱プラスチックにかかわる問題について、自身が知っているものをそれぞれお聞きしました。
どの問題についても認知度は約50%~60%前後となり、とりわけ「地球温暖化問題」が63.7%で最も高くなりました。また、「マイクロプラスチックによる生態系問題」も57.2%と半数以上の方が知っており、「マイクロプラスチック」という言葉や問題が徐々に浸透してきていることがうかがえます。
前掲した設問【「プラスチック資源循環法」成立を知っているか】では法成立の認知度が低いことが分かりましたが、脱プラスチックに関係する問題それ自体の認知は全体的に高いといえるでしょう。
地球環境保全のために意識して行動しているか
普段の生活において地球環境の保全のために意識して行動しているか、お聞きしました。
地球環境の保全について、「とても意識して行動している」「やや意識して行動している」と回答した方で約半数を占める結果となりました。
普段の生活で意識して行動していること
普段の生活において意識して行動している項目であてはまるものをお聞きしました。
トップが「レジ袋を使わず、マイバッグを活用している」で67.9%、それに次いで「詰め替え用の商品を心掛けて買う」が54.4%となりました。レジ袋や容器を「購入しない」こと、節約することがイコールで環境保全につながる行動は、やはり取り組みやすいのかもしれません。
一方で、「安全性や環境への配慮、人道的な生産環境などを証明する認証ラベルや認証マークのついた商品をできるだけ選んで買う」「環境配慮プログラムを表彰する大会やアワードで受賞した企業や商品をできるだけ選んで買う」等、積極的な知識が必要となる行動はどれも10%を下回りました。
サステイナブルなカテゴリーだと思う業種
サステイナブルなカテゴリーだと思う業種をお聞きしました。(※サステイナブル:人間・社会・地球環境の持続可能な発展と定義)
容器の問題は勿論、水と密接に関係するカテゴリーである「製造業(飲料)」が最も高く、22.4%となりました。それに次いで「製造業(鉄鋼・金属・機械)」「製造業(日用品、トイレタリー)」が約20%で並びました。
環境負荷が高いと感じる容器包装
環境負荷が高いと感じる容器包装はどれかお聞きしました。また、その中で最も環境負荷が高いと感じる容器包装も合わせてお聞きしました。
環境負荷が高いと感じる方が最も多いのがPETボトル、それに次いでプラスチック容器となりました。プラスチックが環境に及ぼす影響について、認知している方が多い結果ではないでしょうか。
一方同じプラスチックでも、ラップや緩衝材等は「最もあてはまるもの」としては10%を下回る数値となりました。まずは、代替がききやすいPETボトルやプラスチック容器に問題意識が向いているのかもしれません。
容器包装について
使用量を軽減すべき、無駄が多いと思う容器包装をお聞きしました。また、あなたが普段リサイクルやリユース、リターナブルに心掛けている容器包装も合わせてお聞きしました。
※リデュースとは・・・ゴミや・生産そのものを減らすこと
※リサイクルとは・・・再生産すること
※リユースとは・・・再利用すること
※リターナブルとは・・・使用した瓶などが返却され再利用できること
「軽減すべき/無駄が多いと思う(リデュースできる)」容器包装については、前掲した設問【環境負荷が高いと感じる容器包装】と同じく、やはり代替がききやすいPETボトルやプラスチック容器に問題意識が向いているからか、この2つの容器に40%強の票が集まりました。
「リサイクル、リユース、リターナブルに心掛けている」容器包装については、最も多いびんが49.5%、PETボトルがそれぞれ41.0%となりました。PETボトルは軽減すべきと感じつつも、現状では、PETボトルを購入しリサイクルすることで環境保全に貢献している方が多いということがわかります。
地球環境の保全のために買いたいと思う、商品やサービスについて重要なこと
地球環境の保全のために買いたいと思う商品やサービスについて、それぞれどの程度重要だと思うか、自身の気持ちに最も近いものをお聞きしました。
「自分にとっての価値:商品やサービスが自分にとっての価値や魅力があること」がトップで60.1%、それに次いで「企業の信頼性:それらを提供する企業の信頼があること」が57.9%となりました。
「値段は今まで通り:従来通りの価格帯で買うこと」は56.2%となり、商品やサービスの価格が変わらないことよりも、魅力や企業の信頼をやや重要視するということが分かります。
言葉やフレーズへの印象
魅力を感じる、また地球環境の保全に良さそうだと感じる言葉やフレーズについてお聞きしました。また、仮にそのフレーズが製品に使用されていたら、従来の製品よりも高額な場合でも購入したいと思うフレーズはどれかお聞きしました。
「地産地消」は魅力を感じる・良さそうだと感じるフレーズとして、どちらも唯一30%を超えました。
高額でも購入したいと思うフレーズについては、約半数の方が「あてはまるものはない」、つまり魅力を感じる・良さそうだと感じるフレーズが商品に使用されていてもその分高額であれば購入しないと回答しました。
しかし、高額でも購入したい方の回答をみると、「純国産」「地産地消」「オーガニック」「原料は100%リサイクル品を使用」等、シンプルかつその内容を理解しやすいフレーズが上位に並びました。
企業が自社の環境保全の取り組みをメッセージに組み込む場合、シンプルなフレーズで一目して内容を理解できるように気を配れば、その価値が伝わりやすいといえるでしょう。
認知している認証や活動
認知している認証や活動について、お聞きしました。
全14種の認証・活動のうち8種が10%を下回る認知度となり、広く認知されている認証・活動は限られていることが分かります。トップの「エコマーク認証」「グリーンマーク」の認知度は飛びぬけて高く、それぞれ67.1%・52.0%と、半数以上の方が知っているようです。
「Loop」(ループ)について
「Loop」(ループ)について、取り組みの認知度・興味、取り組みへの参画・地球環境の保全への貢献意欲をお聞きしました。
※世界20カ国以上でリサイクル事業を手がける米国のベンチャー企業、テラサイクルが2019年5月にアメリカ、フランスでスタートした「Loop」(ループ)
再利用可能な容器ボトルを用いてECや小売店で販売し、使用後に容器ボトルを回収し、洗浄、再充填の後に再販売することでごみを減らす仕組みのこと。日本でも、2021年3月に東京都内からスタートしました。Loop専用の容器ボトルを使用した販売・回収経路は2種類あり、開始当初はECで5000世帯、小売店経由ではイオン17店での導入となります。※
認知度は18.1%と高いとはいえませんが、約50%の方が取り組みへの興味を持っているという結果でした。貢献意欲についても、「とても貢献したい」が約10%、「やや貢献したい」が約40%と、合計約50%の方が「Loop」(ループ)を通じた地球環境保全に意欲的ということが分かりました。
■この調査で使用した調査サービスはコチラ
ネットリサーチ:https://neo-m.jp/research-service/netresearch/
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<例>「生活者を中心にしたマーケティング支援事業を提供する株式会社ネオマーケティングが実施した調査結果によると……」
■「ネオマーケティング」
URL:https://neo-m.jp/
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