健康意識、環境意識の高まりにより、今後ビーガン・ベジタリアンは日本でも増えるのか⁉
生活者起点のリサーチ&マーケティング支援を行なう株式会社ネオマーケティング(所在地:東京都渋谷区)は、学生のアカデミックリサーチを積極的に支援しています。今回、立教大学の「eビジネス&マーケティング」(担当:大嶋淳俊先生)を受講した学生と、2021年6月21日(月)~2021年6月22日(火)の2日間、全国の16歳以上の男女を対象に「ビーガン・ベジタリアン」をテーマにしたインターネットリサーチを共同で実施いたしました。報道の一資料として、ぜひご活用ください。
<調査概要>
調査の方法:株式会社ネオマーケティングが運営するアンケートサイト「アイリサーチ」のシステムを利用したWEBアンケート方式で実施
調査の対象:全国の16歳以上の男女で「ビーガン・ベジタリアン・ゆるベジタリアン・フレキシタリアン」に該当する食生活をしている方を対象に実施
有効回答数:400名
調査実施日:2021年6月23日(水)~2021年6月25日(金)
調査立案者:立教大学 経営学部 3年次1名
<「日本のビーガン・ベジタリアン実態調査」 学生K.N.さんからの感想>
・本企画の参加動機について
約四年前、私が高校時代に一年間留学していたオーストラリアでは、既にビーガンやベジタリアンがとても多く、当時日本ではあまり聞くことのなかったため文化の違いに驚いていました。しかし近年、日本でも健康志向が高まりビーガンやベジタリアンが増えてきていることを実感していました。日本のビーガン・ベジタリアン事情についてのデータはネット上にあまり存在しなかったためとても興味深く、本企画に参加いたしました。
・結果を見ての所感
本調査の結果を見て、日本人の健康志向が高まっていることを改めて実感しました。ビーガン・ベジタリアンの方はSNSなどでコミュニティの拡大に努めている一方で、「周囲からの理解が得られない」や「外食先を選ぶのが大変」といった消極的な言葉もありました。日本におけるビーガン・ベジタリアンの認知は広がっているが、その本質を理解する人はまだ多くはいないと考えます。
・調査全体、本企画に参加したことに対する感想など
はじめに、本調査に多くの方がご回答いただきとても嬉しく思います。大学生の力では400名もの方にアンケートを取るのはとても難しいです。ネオマーケティング様のご協力のもと、ずっと気になっていたことを調べることができ、大変光栄に思います。また、質問作成からプレスリリースまで携わることが出来、貴重な経験となりました。今回の調査で、日本在住者のビーガン・ベジタリアンの方々が住みやすい社会作りにはまだまだ課題があることを知ることが出来ました。今後は、どのような手段でビーガン・ベジタリアンの理解を深めるかが重要であると考えます。
調査データのダウンロードはこちら
ビーガン・ベジタリアンの内訳
まず今回の調査対象となったビーガン・ベジタリアンの400サンプルの分類と、それぞれの割合についてです。
①ビーガン:植物性食品のみ摂取する食生活を送る人
②ラクト ベジタリアン:植物性食品と乳製品を摂取する
③ラクト オボ ベジタリアン:植物性食品・乳製品、更に卵を摂取する
④ペスコ ベジタリアン:植物性食品・乳製品・卵、更に魚も摂取する
⑤ゆるベジタリアン、フレキシタリアン:週に1日以上動物性食品を減らす食生活をおくる人
今回は、②~④を統合し、広く「ベジタリアン」:肉類を摂取しない人、として定義しています。ベジタリアンの種類によっても、結果にも差が生じています。それぞれの結果についてご覧になりたい方は、データをダウンロードしてご覧ください。
【学生コメント】
予想していたよりも、ベジタリアンの割合が多く驚きました。ゆるベジタリアンも多いことから、やはり近年では健康志向の高まりが増えています。意識的にある種類の食べ物を避けて野菜などを中心に生活して、いわゆる「健康食」の需要が高まっていると実感しました。
ビーガン・ベジタリアンになった理由
まず、ビーガン・ベジタリアンになった理由を聞きました。全ての分類で「健康を意識するようになったため」が最も多く、特にゆるベジタリアン・フレキシタリアンのうち7割が回答しています。また、ビーガンは環境問題、アニマルライツ、宗教を理由に上げている方の割合が比較的多くなっています。
【学生コメント】
ビーガンやベジタリアンになった理由として、肉の味が苦手な人が最も多くなると予想していたため、この表の結果は予想外でした。ビーガンはベジタリアンに比べ、環境問題などの社会問題に強い意識・想いがあるように感じられました。
家族にビーガン・ベジタリアンがいるか
家族の中にビーガン・ベジタリアンの方がいるか、という質問については、特にビーガンの場合、約6割の方が家族の中にビーガン・ベジタリアンの方がいると回答しています。
ベジタリアンについては約3割、ゆるベジタリアン・フレキシタリアンについては2割にとどまっています。
【学生コメント】
予想よりも家族全体でビーガン・ベジタリアンになる割合が少ない印象でした。ベジタリアンの割合はビーガンと比べると特に少ないですが、今後は現在よりも健康意識が高まると思っているので、割合も増えるのではないかと考えます。
ビーガン・ベジタリアンになったきっかけ
ビーガン・ベジタリアンの方に、ビーガン・ベジタリアンになったきっかけを聞きました。ビーガンの5割以上が「芸能人・インフルエンサー」がきっかけだと回答しており、他と比べて大きく影響を受けていることがわかります。ベジタリアン、ゆるベジタリアン・フレキシタリアンについては、テレビや本という回答が多くなっています。
【学生コメント】
ビーガン・ベジタリアンになったきっかけについて、SNSで環境問題や健康意識について発信している芸能人やインフルエンサーを回答された方が多かったのは予想と同じでした。最近では、InstagramやTwitter、YouTubeなどでモデルを中心に発信し、ビーガン・ベジタリアンのコミュニティが現れているように感じていました。
ビーガン・ベジタリアンのメリット・デメリット
ビーガン・ベジタリアンになって、どのようなメリットを感じているのでしょうか。体調が良くなった、というのはビーガン・ベジタリアン関わらず感じられているメリットだといえそうです。
また、ビーガンの場合はダイエットに成功したという方が4割と、ベジタリアンとゆるベジタリアン・フレキシタリアンと比べても多くなっています。
一方デメリットについては、外食時のことをあげる方が多くなっています。特に植物性食品しか食べないビーガンは、5割近い方が「外食先が難しくなった」と回答しています。
日本ではまだビーガン・ベジタリアン用のメニューを用意している飲食店は少なく、外食先を選ぶうえで課題を感じる方も多いのでしょう。
栄養という点でも、食べられる食材が限られてしまうためデメリットだと感じているようです。ベジタリアン。ゆるベジタリアン・フレキシタリアンは「栄養の偏り」をデメリットとしてあげる方が多い一方で、ビーガンの場合、「栄養が不足してしまった」と回答している方が多くなっています。
【学生コメント】
ビーガン・ベジタリアンのメリットとしては多くの方が体調面で良くなったと回答されていますが、デメリットでは外食時のことや食材調達の時のことなど、外部的要因が多く見られました。日本では広がりつつあるビーガン・ベジタリアンですが、まだ理解が薄いのではないかと考えます。
食材の購入場所と栽培について
。ビーガン・ベジタリアンの方はどのような場所で普段の食材を購入しているのでしょうか。
まずビーガンについては、「スーパー」で購入している方は5割強と、ベジタリアンなどと比較すると少なくなっています。代わりに、「ベジタリアン・ビーガン専門店」と「オンライン」と回答した方が3割以上と、比較的多くなっています。普段から、ビーガン・ベジタリアン向けの食材を専門的に扱うところで購入している様子が伺えます。
自身で食材を栽培しているという方も多く見られます。実にビーガンの4人に3人、ベジタリアンの2人に1人は自身で食材を育てていると回答しています。特にビーガンについては、食材のほとんどを自給自足している方が約3割もいることがわかりました。
【学生コメント】
スーパーやオンラインなどで食料調達をしている方が多い中、自給自足をしている方が多くとても感銘を受けました。社会的に便利なことが増えており自身で食材を栽培する人が減っていますが、スーパーで購入するより、このように自身で栽培することで食材の大事さや栽培する大変さを学べると感じます。
他の人への推奨度
ビーガン・ベジタリアンの方に共通して当てはまる傾向はあるのでしょうか。
他の人にビーガン・ベジタリアンの食生活・考え方・志向を強く勧めたいと思っている傾向は、ビーガンの方ほど強いことがわかりました。「勧めたい」と回答した方は、「食生活」については6割以上、「環境への配慮」「健康志向(体質改善を含む)」「食糧危機・貧困への改善意識」については4割強、「動物愛護」「フェアトレード」についても3割強と、ベジタリアン・フレキシタリアンと比較して多くなっています。
更にビーガンの方は、SNSでの情報発信や普及活動への参加も、ベジタリアンやゆるベジタリアン・フレキシタリアンと比較して積極的なようです。
【学生コメント】
ビーガン・ベジタリアンはそれぞれ想いを持っていることが改めてわかりました。特にビーガンの方は問題意識を持ち、それの改善に向け動いていることがわかります。
ビーガン・ベジタリアンのコミュニティについて
また、このような傾向はコミュニティ活動にも表れています。ビーガンの方は、ビーガン・ベジタリアンを社会に広めるコミュニティ、情報を交換し合うコミュニティに所属している割合が、他と比べて高くなっています。ビーガンの方は志向を同じくする人同士でつながり、より多くの人に広めていこうという動きに積極的だということが伺えます。
【学生コメント】
ビーガン・ベジタリアンはまだ日本では少ないですが、このようなコミュニティ活動によって年々増えているように感じられます。五年後、十年後はもっと増えると確信しています。
ビーガン・ベジタリアンの方がより生活しやすくなるために求められること
今後、日本のビーガン・ベジタリアンの方が生活しやすくなるために、どのようなことが求められているのでしょうか。自由記述で記載してもらったところ、ビーガン・ベジタリアンの食生活や志向への理解、そのための認知拡大、ビーガン・ベジタリアンの方にも対応した商品サービスが提供されること、商品提供時の改善などが意見としてあがりました。
【一部抜粋】
・多様性に対する理解(女性60代)
・ビーガン・ベジタリアン対応のレストランや食材店が増えるといいと思う。ビーガン・ベジタリアンのライフスタイルへの社会全体の理解が深まるまで少し時間がかかると思う。(女性60代)
・食に対する知識をもっと増やす。ビーガン食品はだいぶ店で見かけるようになったので、今後過ごしやすくなると思っている(女性40代)
・家庭野菜の栽培方法を教えて欲しい。SNSやユーチューブ等で。(男性50代)
・表示をわかりやすくしてほしい。(男性70代)
・畑の肉と呼ばれる大豆を中心に、 大豆のお肉や大豆のチーズ等を取り入れていけば良いのではないでしょうか。(女性50代)
・外食チェーン店などでベジタリアン専用メニューを提供するなど(男性20代)
・野菜カレーとうたっているのに成分を見るとたくさんのお肉のエキスが入っている事がほとんどですのでわかりにくい面が改善されると良いと思います。(女性50代)
・もっとメディアなどで取り上げることが必要。 環境問題なども絡んでくるので、必然的に多くなってくると思う。(女性30代)
【学生コメント】
ここの項目では、ビーガン・ベジタリアンの方々からのお言葉を頂きました。このような声がもっと多くの方に届くことで、よりビーガン・ベジタリアンへの理解が深まり、ここに出ている問題などが改善されることを期待しております。
■この調査のその他の質問
・食べるのを避けている食材
・取り組んでいる食生活
・ビーガン・ベジタリアンになった時期
・月の食費
・食材を選ぶ時の基準
など
■引用・転載時のクレジット表記のお願い
※本リリースの引用・転載は、必ずクレジットを明記していただきますようお願い申し上げます。
<例>「生活者を中心にしたマーケティング支援事業を提供する株式会社ネオマーケティングが実施した調査結果によると……」
■「ネオマーケティング」
URL:https://neo-m.jp/
ダウンロードしていただくと、リリースデータをPDFでご覧いただけます。