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「徹底した市場理解と柔軟なアイデア」が大ヒット商品を生み出す。

公開日:2024年04月30日 | 更新日:2024年08月06日

はじめに

ネオマーケティングで活躍するスペシャリストの、「現在地とこれから」を紹介するシリーズ。今回は、今泉陽介さんに話を聞きました。
今泉さんは、早稲田大学の恩藏教授とマーケティングの共同研究プロジェクトを行うなど、ビジネスだけでなく研究分野でも活躍しています。今取り組んでいることや、目指していること、仕事にかける思いを聞きました。

 

「エボークトセット」と「カテゴリーエントリーポイント」を体系化する。

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――最初に、今泉さんが今取り組んでいることを教えてください。


「エボークトセット」と「カテゴリーエントリーポイント」の体系化に取り組んでいます。

エボークトセットとは、「○○したい」と思った時に頭の中でイメージされる、購入を検討してもよいと考えるブランドの選択肢です。
たとえば「ビールを飲みたい」と思ったら、アサヒスーパードライとキリン一番搾りが頭に浮かぶ人が多いでしょう。消費者の頭の中のエボークトセット上位に自社商材を入れられれば、選ばれる確率が高まります。

カテゴリーエントリーポイントとは、エボークトセットの呼び水となる「場面」と「目的」です。たとえば「ビールを飲みたい」と思う手前には「夏の暑い日の夜」「疲れた日の夜」といった場面があり、そこがビールというカテゴリーのエントリーポイントです。

 


――なぜエボークトセットとカテゴリーエントリーポイントに注力されているのでしょうか。

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これからのマーケティング活動の中で注力が必須だからです。

たとえば、TOP2ブランド以外のブランドが所属するカテゴリーのエボークトセットで上位を占めるのは難しいかもしれません。このTOP2は膨大なリソースを投資して、上位を獲得しているからです。
しかし、TOP2以外のブランドであっても一つのカテゴリーエントリーポイントで上位を占めること自体は可能です。つまり、カテゴリーエントリーポイントを絞ってエボークトセットに入ることで、競合他社とは別の市場を生み出し、上位を取りに行けるのです。

 

生産者と消費者の距離感を埋める

 

――おもしろいです。もう少し具体例を教えてください。


挙げだすときりがないですが、2つの概念を駆使することで、エボークトセットが入れかわった例を2つ紹介したいと思います。

1つ目は、フィットネスジムのチョコザップです。
フィットネスジムは他ブランドがエボークトセットの上位を占めていました。しかし、チョコザップがわずか2年でエボークトセットで圧倒的TOPです。フィットネスジムに対して「料金が高い」「敷居が高い」などのネガティブな意見をもつ潜在層に対して展開することで、見事に1位を獲得しました。

2つ目は、電動シェーバーのラムダッシュです。
シェーバーの高機能化は進んでいましたが、ヘッドが大きくなりがちで「旅行などに持っていきにくい」というネガティブな意見がありました。そこでコンパクトなシェーバーをパナソニックが発売し、大ヒット商品となりました。

このように、業界で大きな地位を占めるブランドや商材であっても、ニーズを満たせていない市場(顧客層)がいて、そこに気付いて有効な商品開発とコミュニケーションをしていければ、大きな売上機会を獲得できるのです。

今紹介した内容は、早稲田大学の恩藏直人先生との共同研究プロジェクトの一端です。もし他の業界にも興味があれば、調査結果の紹介ページを見てみてください。
linkEvokedSet共同研究プロジェクト 調査レポート

 


――お客様に、エボークトセットやカテゴリーエントリーポイントの提案をされる機会が多そうです。


相談は多いですね。多くのお客様と話をする中で、「エボークトセット」や「カテゴリーエントリーポイント」の概念は、かなり認識されるようになったと感じます。ここ数年でさらに重要視されるようになったのではないでしょうか。
先日はテレビ業界の方から「視聴率上げたいのだけれど、どうしたらよいか」と相談があり、頭を悩ませました(笑)。
飲料業界からも「どこのカテゴリーエントリーポイントでウチはカチスジを見つければいいだろうか」といった相談もありましたね。

大規模な商品開発や広告をしなくても、売上規模が急増した事例はたくさんあります。具体名は出せませんが、「中身は変えていないのにパッケージを変えただけでバカ売れした」という商品もあります。しかしこれは偶然ではなく、消費者と企業の間に存在していた認識の齟齬に気付き、両者の距離感を埋めたことで生まれた現象です。

ネオマーケティングの強みは、徹底した市場理解と顧客理解、そして場数

 

――お客様に喜んでいただいた場面やエピソードを教えてください。


キリンビバレッジ様の新サービス「KIRIN naturals」をローンチした時、とても喜んでいただいたのを覚えています。3年かけて消費者のインサイト調査からコンセプトの受容性調査など、多岐にわたる準備をしました。
link【キリンビバレッジ株式会社】新ビジネスをゼロから打ち立てた新規事業開発チームへのマーケティング支援とは?

 


――今泉さんにとって、ネオマーケティングが介在することの価値とは何でしょうか。


リサーチ能力はもちろんですが、「ここがカチスジです!」と提案し、実行できることだと思います。正解がない中で、獲得するべきカテゴリーエントリーポイントを定めるのは勇気がいることです。お客様も、自信をもって提案してくれる会社には価値を感じるでしょう。
なぜネオマーケティングが自信をも持って提案できるかというと2つあります。1つ目はこれまで3,000社以上のマーケティング支援実績があり、ナレッジとしている蓄積しているためです。2つ目はリサーチ機能を内製化しているため市場理解(マクロ)と顧客理解(ミクロ)を徹底的に行えるからだと考えています。市場をしっかり理解しブランドの強みと弱みを理解しているからこそ、提案できるものがあるのです。

柔軟なアイデアと徹底した市場理解が、大ヒット商品を生み出す原動力になる

 

――今後やりたいこと、目指していることを教えてください。


先ほども話しましたが、エボークトセットやカテゴリーエントリーポイントの体系化を更に進めたいです。「これとこれをやれば、ある程度の確率でここまで行けるね」と予想できるロジックを作りたいと考えています。
これができるようになれば、消費者に喜ばれる商品・サービスをもっと生み出すことができるようになり、世の中は豊かになるはずです。そのためにも、ロジックだけでなく、お客様のパートナーとして市場理解から実行までフルパッケージで支援ができるようになりたいと考えています。

 


―――わくわくしますね。想像が膨らみます


はい。ネオマーケティングを日本一のマーケティングカンパニーにしたいと考えています。実は、まだまだ日本では「マーケティング」を社業の中心に据えている会社は少ないと感じています。「リサーチ」「広告」「PR」「コンサル」のように機能別に細分化されているイメージです。
私の目標は「マーケティング会社」のエボークトセットで、「ネオマーケティング」が一番に想起される状態を作ることです。

もっともっと、大ヒット商品を生み出していきたいし、生み出せると思っています。
ダイソンの羽のない扇風機が話題になりましたが、ずっと昔からあったドライヤーは、羽がない送風機でした。ということは、私たちが「羽をなくして、掃除の手間や子どもが指を痛めるリスクをなくした扇風機」というアイデアを思いつかなかった、もしくは思いついても、市場理解が不足していてローンチに至れなかっただけなのです。

まだまだ世の中には、新たな市場を作れる余地があります。もっと柔軟にアイデアを出していければ、大ヒット商品を生み出していけるはずです。

プロフィール

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営業本部 執行役員
今泉 陽介

2メディアインタラクティブ(現:ネオマーケティング)入社後、家電・食品・飲料・日用品・外食・小売等のマーケティングリサーチ企画・設計・実査管理を担当。
2017年にマーケティングソリューションディビジョンにてリサーチからマーケティング施策提案や新サービス開発を行う。社会課題を解決する活動をPRするサービス「Social Impact Survey PR」の企画開発からリリースを手掛ける。

 

 

 

 

 

 

 
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