約7割がご褒美消費、4人に1人がスキルアップのために自己投資をしている結果に。
とくに働く「独身女性」と「子離れ女性」は自分自身を育てる“育自”に向かう!?
アクティブに趣味や欲求を追い求め、自分磨きや自己投資に励む女性。
“育自ウーマン”が顕在化しているのではと牛窪恵氏が分析
総合マーケティング支援を行なう株式会社ネオマーケティング(所在地:東京都渋谷区)では、世の中の動向をいち早く把握するために、独自で調査を行なっております。今回2016年8月10日(水)~2016年8月19日(金)の9日間、全国の20歳~69歳の女性1700名を対象に「女性の消費行動・ライフスタイル意識調査」をテーマにしたインターネットリサーチを実施いたしました。また、その結果から見える現代女性の傾向を、世代・トレンド評論家の牛窪恵氏に分析して頂きました。
<調査背景>
2016年4月に「女性活躍推進法」が施行され、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律が制定されました。先月7月には、女性初の東京都知事として小池百合子氏が就任するなど、日本女性の活躍推進が今まで以上に活発になっています。そこで今回は、全国の20歳~69歳の女性を対象に、「自己投資にかける金額」や「ご褒美消費の有無」などの「女性の消費行動・ライフスタイルに関する意識調査」を行ないました。
<調査概要>
調査の方法:株式会社ネオマーケティングの運営するアンケートサイト「アイリサーチ」のシステムを利用したWEBアンケート方式で実施
調査の対象:アイリサーチ登録モニターのうち、全国の20歳~69歳の女性を対象に実施
有効回答数:1700名(20代~60代の独身有職各100名、20~60代の既婚で子どものいない有職各100名、20~50代の既婚で15歳以下の子どものいる有職/無職各50名、40~60代の既婚で16歳以上の子どものいる有職/無職各50名)
調査実施日:2016年8月10日(水)~2016年8月19日(金)
「女性の消費行動・ライフスタイル意識調査」主な質問と回答
◆「自己投資」、「ご褒美消費」に積極的な女性達の姿が顕在化
「独身女性」(有職)と「子離れ女性(子育てが落ち着いた女性)」(有職)を中心に高いスコアに約 6 割の女性が直近 3 年間で自己投資金額が「増えた」と回答し、中でも子離れ女性(有職)が最も高いスコアになりました。また、7 割近くの女性が「ご褒美消費」をしており、直近 3 年間で「ご褒美消費」にかける金額は、有職の独身女性と子離れ女性で「増えた」が半数を超える高いスコアとなりました。
◆働く独身女性と子離れ女性の、自分のセンスや欲求に素直な行動も明らかに
全体の半数近く(47.5%)の女性が、値段が高くても気に入れば買う「衝動買い」をしていることがわかりました。とくに独身女性(有職)と子離れ女性(有職)でのスコアが高く、自分の感覚や欲求に素直にショッピングを楽しむ様子が明らかになりました。
◆自分の趣味や興味に貪欲で、情報収集は、オンライン・オフライン両方でアクティブに行動
自分磨きやスキルアップをするにあたり、情報収集を行なう女性の約 4 割が「インターネットニュース」から情報収集を行なう(1 位)中、2 位は「口コミ」(18.9%)となるなど、オンラインだけでなく、オフライン(リアルの場)でも情報収集にアクティブな女性の行動が浮き彫りになりました。また、普段から興味を持っている情報では、1 位「自分の趣味や興味に関する情報」が 63.8%と、「今流行っているモノの情報」(24.4%)に大差をつけました。流行より「自分の趣味・興味」に貪欲な実態がうかがえます。
調査データのダウンロードはこちら
Q1. 現在スキルアップや自分磨きのために「自己投資」を行なっているか【n=1700】
1日あたりのスマホの使用時間をお聞きしたところ、全体で最も多い回答は「1時間~2時間未満」で20.8%が回答する結果となりました。年代別で比較をすると、20代、30代は「1時間~2時間未満」と回答した方が最も多い回答であるの対し、10代の最も多い回答は「6時間以上」20.5%となりました。20代30代と比較し、10代のスマホの使用時間が長いことがわかります。
Q2. 最近の1日あたりのスマホ使用時間は増えているか【n=1200】
現在スキルアップや自分磨きのために「自己投資」を行なっているかをお聞きしたところ、女性全体の4人に1人(24.0%)が「現在、自己投資を行なっている」と回答しました。とくに「働く女性(有職)」ほどその割合が高いことが明らかになりました。
Q2. 現在自己投資を行なっていない方は今後スキルアップや自分磨きのために自己投資を行ないたいか【n=1292】
スマホゲームやYoutubeなどデータ通信が必要なサービスやアプリが流行している近年、データ通信量に関してはどのように変化しているのでしょうか。スマホのデータ通信量は増えているかとお聞きしたところ、増えた計が76.6%となりました。約8割のデータ通信量が増加傾向にあることがわかりました。10代の女性は合計84.0%が増えたと回答し他の性年代より多い結果となっています。さらに「とても増えた」の回答も多い結果となっています。
Q4. 使用しているスマホのサービス、アプリ【n=1200】
現在自己投資を行なっていない方に今後スキルアップや自分磨きのための自己投資を行ないたいかをお聞きしました。現在自己投資を行なっていない人でも「今後、自己投資を行ないたい」とする積極的な女性が、3人に1人(32.3%)いることがわかりました。
Q3.行なっている(行ないたい)自己投資【n=825】
次に、現在自己投資を行なっている方と、今後自己投資を行ないたいと考えている方、計825人(対象者全体の48.5%)に、その内容をお聞きしたところ、「旅行」が49.7%と最も多い結果となりました。女性はアクティブに「旅行」に出掛け、心身のリフレッシュや“体験”を積むことを自己投資と捉えているのかもしれません。また、「趣味を究めるための習い事」が、「子育て女性」を除くすべての属性の女性で3割を超えたのも、特徴的でしょう。
Q4. 現在行なっている自己投資として1カ月にかける平均の金額
現在自己投資を行なっていると回答した方に、1カ月にかける平均金額をお聞きしたところ、「旅行」では月平均10,000円以上と答えた女性が合計して6割以上いたほか、「50,000円以上」の回答も1割以上に及びました。また、「美容、健康のためのヨガ体験やジム通い」、「趣味を究めるための習い事」、「資格取得のためのセミナーや講座への参加」などアクティブな投資も月平均10,000円以上の回答が3割を超えました。
Q5. 3年前と比べて、現在自己投資にかける金額は増えたか【n=408】
同じく、現在自己投資を行なっていると回答した方に、3年前と比べて自己投資にかける金額が増えたかをお聞きしたところ、「増えた」が、全体で約6割(65.4%)にのぼり、全属性の女性で「増えた」が「減った」を上回りました。最も「増えた」割合が高いのは、有職の子離れ女性(子どもの年齢が16歳以上の女性)で、82.4%が「増えた」と回答しました。ほかに、同じく有職の独身女性(70.8%)と、無職の子育て女性(子どもの年齢が15歳以下の女性)(80.0%)で、「増えた」の回答が他の属性と比べ多い結果となりました。
Q6. 自分への「ご褒美消費」を行なう頻度【n=1700】
続いて、自己投資とは別の、いわゆる「ご褒美消費(頑張った自分自身にご褒美を与える消費行動のこと)」についてお聞きしたところ、「行なわない」はわずか3割となり、約7割の女性は何らかの形で自分へのご褒美に消費することがわかりました。また、その頻度を1週間~1カ月に1回と答えた女性が、全体の35.1%にのぼりました。
Q7. どのような「ご褒美消費」をしているか【n=1163】
・高級ブランド品を買う(DINKS 34歳)
・友人とディナー、宝塚観劇(子離れ女性:無職 50歳)
・劇団四季の観劇鑑賞、韓国旅行など(子育て女性:無職 42歳)
・ジュエリー(独身女性:有職 43歳)
・リッチな外食、のんびり温泉旅行(子離れ女性:有職 55歳)
・エステ、日帰り温泉など時間に拘束されない自由な時間を過ごす(独身女性:有職 55歳)
・プチ贅沢な国内旅行(DINKS 67歳)
・ホテルのランチビュッフェ、おしゃれなお店で飲む(独身女性:有職 36歳)
・少し高価な化粧品を買う(子育て女性:無職 38歳)
・スイーツ旅行(独身女性:有職 37歳)
・友達とバイキングやランチに行ったり、デパ地下で高級なお菓子を購入します(DINKS 29歳)
・子どもを親族に預けて、友達や旦那と少し高いご飯を食べにいくこと(子育て女性:無職 30歳)
・少し高い化粧品(スキンケア用品)を購入したり、洋服を買ったりする(子育て女性:無職 26歳)
ではご褒美消費をする女性は、何を「ご褒美消費」と考えているのでしょうか。その内容を自由回答でお聞きしたところ、高級ブランド品やジュエリー、デパ地下スイーツや高価な化粧品など(高額)ショッピング系も多かったものの、友人とディナーや観劇、エステ、国内旅行など、“体験”をご褒美と捉える女性も数多くいることがわかりました。品物を購入し所有することだけでなく、外に出て行動することでご褒美を得るアクティブな女性の様子がうかがえる結果となりました。
Q8. 3年前と比べて、「ご褒美消費」の金額に変化はあるか【n=1163】
Q5の「自己投資」と同様、「ご褒美消費」をしている女性に、3年前と比べてその金額に変化があるかをお聞きしました。全体では「増えた」が約半数の49.2%を占め、自分へのご褒美に積極的な女性像が浮き彫りになりました。さらに、「増えた」の割合を属性別に見ると、自己投資同様に有職の独身女性で52.7%、有職の子離れ女性で57.9%が目立って多い様子がわかりました。
Q9. 買い物をする際に、値段が高くても気に入れば衝動的に買ってしまう【n=1700】
消費行動の一つ、「衝動買い」についてお聞きしました。その結果、衝動買いをすることが「ある」と回答した方が「よくある」「時々ある」を合わせて47.5%となり、半数近くの女性が衝動買いをしていることがわかりました。とくに有職の独身女性と有職の子離れ女性の半数以上が、値段が高くても気に入れば衝動的に買ってしまうことがあると回答し、ショッピングに積極的である様子が明らかになりました。
Q10. スキルアップをしたいか【n=1700】
スキルアップをしたいと思うかお聞きしたところ、全体の6割以上(66.0%)が「スキルアップをしたいと思う」と回答しました。
Q11. スキルアップをした先に求めていること【n=1122】
スキルアップしたいと思っている女性、計1122人(対象者全体の66.0%)に、ご自身がスキルアップをした先に求めていることについてお聞きしたところ、最も多かった回答は「自分自身の成長」が39.4%で約4割にのぼりました。続いて「現在の仕事でのさらなる飛躍・向上」が20.2%となりました。女性たちは主体的にスキルアップをして自分自身をより高めたいという思いを持っていることがうかがえます。
Q12. 自分磨きやスキルアップをしているか【n=1700】
自分磨きやスキルアップをしているかお聞きしたところ、「スキルアップをしている」が67.6%となりました。
Q13. 自分磨きやスキルアップをするにあたり情報収集をしているか。【n=1150】
次に自分磨きやスキルアップをしている方に情報収集をしているかお聞きしたところ、8割近くの方が「情報収集をしている」と回答しました。
Q14. 自分磨きやスキルアップをするにあたり、どのように情報収集しているか【n=897】
現在自分磨きやスキルアップを「している」と回答し、かつ自分磨きやスキルアップするにあたり情報収集をしている女性、計897名(対象者全体の52.7%)に、どのように情報収集しているかをお聞きしたところ、1位は「インターネットニュース(キュレーションメディアを含む)」で、その回答割合は約4割となりました。同じくインターネット系の「SNS」の回答は13.6%となりました。一方で、2位は「口コミ(友人・知人からの勧め)」18.9%となっています。ネット社会と言われて久しい現代ですが、女性達はリアルの場も含めてアクティブに口コミし合うことで、自分を高める情報を得ているようです。
Q15. 普段から興味を持っている情報について、あてはまるもの【n=1700】
普段からどのような情報に興味を持っているのかお聞きしたところ、1位は「自分の趣味や興味に関する情報」で63.8%となり、2位以下に大差をつけました。女性はとくに自分の趣味や興味に対して貪欲で、それに関する情報を追い求める傾向にあるようです。また、2位に「新しいモノ(店舗や商品)の情報」(34.2%)がランクインし、「今流行っているモノ(店舗や商品)の情報」(24.4%)を約10ポイントも上回ったことからも、流行より「最新の情報」に目を向けて行動する様子がわかりました。
世代・トレンド評論家 牛窪恵氏コメント
「個人消費や消費意欲がなかなか伸びない」と言われる昨今ですが、女性に限ってはそうでもないようです。とくに今回の調査では、20~60代女性の4人に1人が「自己投資」を行ない、約7割が「自分へのご褒美」にも消費する様子が顕著に。さらに独身女性(有職)と「子離れ女性(子育てが落ち着いた女性)」を中心に、いずれもその金額が増加傾向にあること、値段が高くても気に入れば衝動買いをする傾向にあることには、本当に驚きました。具体的には、旅行や趣味の習い事、衝動買いはもちろん、資格取得や美容・健康のためのヨガ、ジム通いにも積極的な姿が見てとれます。
彼女達の多くはアクティブで前向き、しかも「自分自身の成長」に貪欲で、常に自分を高めようと新たな情報収集も怠らない。私は、彼女達のように「自分のセンスや感覚、欲求に素直で、自己投資や自分磨きに積極的な女性」を、“育自ウーマン”と呼びます。
トレンドの現場では、子育てを通して自分自身も成長する「育児=育自」という考え方が定着しているようですが、すでに女性達の間でも、子育てしている、いないに関わらず、自分自身を育てる「育自」の感覚が広がっているのかも知れません。
牛窪恵氏プロフィール
牛窪恵氏マーケティングライター / 世代・トレンド評論家
1968年東京生まれ。日大芸術学部 映画学科(脚本)卒業後、大手出版社に入社。5年間の編集及びPR担当の経験を経て、フリーライターとして独立。2001年4月、マーケティングを中心に行なう有限会社インフィニティを設立。現在、『日本経済新聞』『日経ビジネス』『AERA』ほかに連載、または定期寄稿中。
得意分野は、トレンド、マーケティング、世代論、小売流通、ホテル、旅行関連。トレンド、マーケティング関連の著書多数。「おひとりさま(マーケット)」(05年)、「草食系(男子)」(09年)は、新語・流行語大賞に最終ノミネート。テレビ朝日「ワイド!スクランブル」、NHK「所さん!大変ですよ」、フジテレビ「ホンマでっか!?TV」他でコメンテーター等を務める。
【代表作】
◆『男が知らない「おひとりさま」マーケット』(日本経済新聞出版社)
◆『草食系男子「お嬢マン」が日本を変える』(講談社)
◆『恋愛しない若者たち』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
他多数。
*『大人を磨くホテル術』(高野登氏と共著 /日本経済新聞出版社)が今秋発売に
■この調査で使用した調査サービスはコチラ
ネットリサーチ:https://neo-m.jp/research-service/netresearch/
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<例>「生活者を中心にしたマーケティング支援事業を提供する株式会社ネオマーケティングが実施した調査結果によると……」
■「ネオマーケティング」
URL:https://neo-m.jp/
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