調査会社に依頼を検討する際の情報収集源は「調査データ集」が29.9%で最多。
調査会社大手A社は「豊富なデータ資産」、B社は幅広いニーズに応える「柔軟性」、
ネオマーケティングは「顧客対応力」が評価された。
生活者を起点にしたマーケティング支援事業を提供する株式会社ネオマーケティング(所在地:東京都渋谷区)は2025年2月26日(水)~2025年3月3日(月)の6日間、全国の20歳以上の男女を対象に「大手市場調査会社」をテーマにインターネットリサーチを実施いたしました。
<調査背景>
近年、企業のマーケティング活動において市場調査の重要性がますます高まっています。生活者の価値観や購買行動の多様化が進み、競争環境が激化する中、データに基づいた意思決定の精度が企業の成長を左右する時代となりました。その中で、市場調査会社に調査を依頼することの重要性も増大。調査会社を活用することで、専門的な調査設計や高度なデータ分析が可能となり、調査結果を企業の意思決定にしっかりと活かすことができるのです。
そこで今回は、弊社を含む主要な市場調査会社の認知度・利用率・推奨度・不満点などを調査し、各社の強みや課題を明らかにしました。さらに、コレスポンデンス分析を用いた各社イメージの比較から、企業の評価ポイントも整理しています。
是非、今後のマーケティング活動の一資料としてご活用ください。
【調査概要】
調査の方法:株式会社ネオマーケティングが運営するアンケートシステムを利用したWEBアンケート方式で実施
調査の対象:全国の22歳~64歳の男女(うち事業会社の商品企画・マーケティング関連担当者、もしくは支援会社の営業・ストラテジックプランナーで、これまでに外部の市場調査会社を利用したことがある方)
有効回答数:643名
調査実施日:2025年2月26日(水)~2025年3月3日(月)
「大手市場調査会社に関する調査」主な質問と回答
◆市場調査会社に依頼を検討する際の情報収集源は:「調査データ集」が29.9%でトップ。
セルフ型調査が勢いを増す中、企業が外部の市場調査会社に調査を依頼する際、最も重要なのは「どんな調査データを納品してくれるのか」「どの程度の分析レベルなのか」という点。そのため、過去の調査実績や、実際に提供されるデータサンプルが確認できる「調査データ集」が最も信頼性の高い判断材料になると考えられる。また、「調査データ集」が29.9%で最も多いものの、その他の項目も20%前後で推移しており、企業は複数の情報源を活用しながら慎重に判断している様子もうかがえる。
◆各市場調査会社にあてはまると思うイメージは:大きく5つのイメージに分類。
大手A社は「保有しているデータが豊富」「消費者モニター数が豊富」と、豊富なデータ資産を持つイメージが強い。B社は「提供しているソリューションの数が豊富」「融通が利く」「歴史がある」「コストパフォーマンスが高い」と、幅広いニーズに応えられる“バランス型”の調査会社というイメージ。
C社・E社は、どちらも「人材が豊富」「営業力がある」「調査データ分析力が高い」「信頼できる」と、強固な組織体制と分析力を持つイメージが強く、D社は「ユニークである」「スピード感に優れる」と、機動力に優れたイメージが強い。ネオマーケティングは、「アフターフォローに優れている」「親しみやすい」と、顧客対応力が高いイメージを持たれていた。
はじめに、現在外部の市場調査会社を利用しているかをお聞きしました。
市場調査会社の利用率は全体の17.9%でした。
普段の業務における市場調査の実施頻度と、そのうち外部の市場調査会社に依頼する頻度をお聞きしました。
内部・外部を問わず、少なくとも3か月に1回程度の頻度で市場調査をおこなう企業は49.3%(※)に達するのに対し、外部の市場調査会社に依頼する企業は40.0%(※)となりました。
市場調査会社を利用している企業の中では、外部の市場調査会社を継続的に活用している実態が見えてきます。
特に、「1か月に1回程度」の頻度で外部の市場調査会社を依頼している企業が14.8%というのは、意思決定の際に外部データを重視する企業が一定数存在することを示唆しています。これは、単発でスポット的に利用する企業とは異なり、定期的に外部データをマーケティング戦略に組み込む体制ができている企業と言えるでしょう。
特に「ブランド認知度」「ブランドイメージ」などの、継続的なトラッキングが求められ、かつ内部での実施だとバイアスがかかる恐れがある調査などは、継続的に外部の市場調査会社に依頼している可能性が高いと考えられます。
※「1か月に1回程度」「2~3か月に1回程度」の合算
続いて、市場調査を実施する目的をお聞きしました。以下は、上位10項目を表示しています。
「市場の変化の把握」が33.7%で最多に。トレンドワードやミームといったメディア・SNSの話題性の変化や、コンテンツの消費スタイル・健康意識といった嗜好・関心の変化などの「市場の変化の把握」は、ソーシャルリスニングやトレンド分析など手法が多いことが実施目的最多となった要因の一つでしょう。
また、「ブランド力測定」や「広告・プロモーション効果測定」といったブランド認知や広告施策の評価に関する調査を抑え、「顧客満足度測定」が上位に。「世間一般のブランドイメージよりも、まずは実際の顧客がどう感じているか」を重視する企業が多いことがわかります。
これは、SNSの影響で企業のブランド戦略が「一方的な発信型」から「顧客とのエンゲージメントを高める型」にシフトしていることの表れとも言えるでしょう。
そのため、短期的な新規獲得よりも、LTV(顧客生涯価値)の最大化を重視する傾向が強まっていると考えられます。
市場調査を実施する際の調査手法をお聞きしました。以下は、上位10項目を表示しています。
「ネットリサーチ(国内)※セルフ型ツール利用除く」が45.4%で最多となりました。
昨今は、中学生以下の若年層やシニア層のスマートフォン・ネット利用率が向上しており、調査対象者が広がったことも、ネットリサーチの優位性を後押ししていると考えられそうです。
一方、「セルフ型ネットリサーチ(国内)」も33.1%と比較的高い割合を占めました。
スピードと費用の観点から、企業が自社で簡単に調査を実施できるセルフ型が広く活用され始めていることがうかがえます。
しかしながら、調査会社を通さないセルフ型調査では、適切な対象者に回答してもらえない・バイアスがかかった設問を作ってしまい正しいデータが取得できない・調査設計の欠陥により混乱させてしまい、結果として回答内容の質が低下する、などといった限界も。
そのため調査会社には、セルフ型では得られない「質」の部分(パネル品質、設問設計の専門性、データ分析力)が今後ますます求められるでしょう。
市場調査会社に依頼を検討する際の、情報収集源をお聞きしました。
「調査データ集」が29.9%でトップでした。
セルフ型調査が勢いを増す中、企業が外部の市場調査会社に調査を依頼する際、最も重要なのは「どんな調査データを納品してくれるのか」「どの程度の分析レベルなのか」という点。
そのため、過去の調査実績や、実際に提供されるデータサンプルが確認できる「調査データ集」が最も信頼性の高い判断材料になると考えられます。
しかし「調査データ集」が29.9%で最も多いものの、その他の項目も20%前後で推移しており、企業は複数の情報源を活用しながら慎重に判断している様子がうかがえます。
特に「導入事例の質」(21.5%)、「口コミ・評判」(21.0%)、「導入事例の量」(19.8%)といった“実際の利用者からの情報”は上位にランクイン。
これは、市場調査会社の実力を判断する上で、単なるデータ提供以上に「どう活用できるか」「どんな成果が得られたのか」という具体的な事例を確認したいというニーズが強いことを示していると考えられます。
市場調査会社を利用する際の、1回あたりの平均金額をお聞きしました。
市場調査の費用には一定のばらつきがあるものの、「100万円〜200万円未満」が21.2%で最も多く、次いで「50万円〜100万円未満」が14.9%、「200万円〜300万円未満」が13.2%で続いています。
これにより、市場調査会社への依頼金額の主流は「100万円前後」であることが読み取れます。
「100万円〜200万円未満」の価格帯では、定量調査(ネットリサーチ)と定性調査(グループインタビュー、デプスインタビューなど)を組み合わせた調査も可能となることが多いです。
企業が新商品の市場性を検証したり、ターゲット顧客のニーズを深掘りしたりするのに十分なデータを収集できる、ベースとなる価格帯と言えるでしょう。
また、1回の平均依頼金額が500万円以上と回答した方が13.0%でした。
市場調査に費やす金額としては高額の部類に入ると考えられますが、大きな金額を投資してでも市場や消費者の実態を調査すべきという、市場調査の重要性を感じている企業が一定いるということが読み取れます。
安価なセルフ型の市場調査ツールや、内製化によるコスト削減が浸透している状況下で、市場調査会社に大きな金額を投資した先に求められる価値としては、市場調査から得られるデータだけではなく、データから導き出される示唆やネクストアクションへの伴走など、「マーケティング会社」としての関わり方なのかもしれません。
市場調査会社を選定する際に、重視する点をお聞きしました。
以下は、上位10項目を表示しています。
「データ品質」が33.4%でトップに。
無料ツールによるリサーチやセルフ型調査といった安価な選択肢が豊富な昨今。そんな中、市場調査会社を利用する企業は、単にデータを取得するのではなく、自社の意思決定に役立つ精度の高いデータや、具体的な戦略に落とし込める分析結果を求めており、その点でデータ品質が最も重視されていると考えられます。
また、「実績・ノウハウ」が29.4%で、「価格」を上回っていることからも、企業は単に安い調査会社を選ぶのではなく、「業界や目的に合った適切な調査を実施できる会社かどうか」を重視していることがうかがえます。
特に、新規市場参入やブランド調査など、企業の戦略に直結する調査では、価格よりも“調査結果が企業の意思決定にしっかり活かせるかどうか”が重要視されるでしょう。
市場調査会社に対する不満点をお聞きしました。以下は、上位11項目を表示しています。
「料金が高い(コストに対する納得感が低い)」が18.5%で最多に。そこに「他社との違いがわからない」が14.3%、「料金体系がわかりにくい」が13.8%で続いており、市場調査会社への不満点は「費用」と「差別化」に集中していることがわかりました。
前掲した設問【市場調査会社を選定する際に重視する点】で「データ品質」「実績・ノウハウ」が上位にあったものの、「口コミや評判」の影響力は限定的だったことからもわかるように、市場調査会社のブランドや差別化は浸透していない可能性があります。
つまり、「どこに頼んでも同じでは?」と考える企業が一定数いるため、価格競争になりがちで、結果として「料金が高い」という不満にもつながっていると考えられます。
いずれかの市場調査会社を認知していた人に対し、各市場調査会社にあてはまるイメージをお聞きしました。
以下は、調査結果をコレスポンデンス分析(※)したものです。
※クロス集計結果を散布図にして見やすくする手法
A社は「保有しているデータが豊富」「消費者モニター数が豊富」というイメージが強く、市場調査会社の中で最大規模を誇る大手A社ならではの強みが企業に伝わっていることがわかります。
これは、前掲した設問【調査会社の認知・理解・利用経験・現在利用率】でA社が「認知度」「利用率」「推奨度」の全てでトップレベルの評価を得ていたことと一致しており、長年にわたるデータ蓄積と業界での安定的な地位がブランドイメージを形成していることがわかりました。
B社は「提供しているソリューションの数が豊富」「融通が利く」「歴史がある」「コストパフォーマンスが高い」というイメージを持たれており、市場調査の総合力が高く、柔軟な対応が可能な企業として認識されていることがわかります。
これは、前掲した調査で【各市場調査会社の今後の利用意向】「どちらとも言えない」と評価される割合が最多であった点と関連しており、「突出した強みがあるわけではないが、幅広いニーズに応えられる“バランス型”の市場調査会社」として機能している可能性がありそうです。
C社・E社は、どちらも「人材が豊富」「営業力がある」「調査データ分析力が高い」「信頼できる」というイメージを持たれており、強固な組織体制と分析力が評価されていることがわかります。これは、前掲した設問【各市場調査会社の推奨度】でC社・E社が比較的高評価だったことと一致しており、企業にとって「質の面で信頼できる市場調査会社」として認識されている可能性が高いと言えます。
D社は「ユニークである」「スピード感に優れる」というイメージを持たれており、伝統的な市場調査手法とは異なるアプローチや、迅速なデータ提供が強みと認識されていることがわかります。
前掲した設問【各市場調査会社の推奨度】で、D社に「10点」をつける支持層が13.5%と比較的多かったことからもわかるように、「市場調査をもっと機動的におこないたい」企業にとっては非常に魅力的な依頼先になっている可能性がありそうです。
ネオマーケティングは、「アフターフォローに優れている」「親しみやすい」などといった評価を得ており、市場調査会社の中でも、顧客対応力の高さが評価されていることがわかります。
これは、前掲した設問【各市場調査会社の推奨度】でネオマーケティングに「10点」をつけた割合が全社中トップ(14.8%)だったこととも一致しており、特定の企業にとって非常に高い満足度を提供できている可能性がありそうです。
いずれかの市場調査会社を認知していた人に対し、各市場調査会社の、今後の利用意向をお聞きしました。
ネオマーケティングが69.0%(※)で、最も利用意向が高くなりました。また、C社も67.8%(※)、D社も66.7%(※)と、大手のA社を上回る結果に。
一方A社は「利用したい」が34.4%で、全社中で最も高いものの、「どちらとも言えない」も29.2%集まっています。これはB社(35.9%)ほどではないものの、C社・D社・ネオマーケティングより高い数字です。「A社に満足しているが、他の選択肢も視野に入れている」という企業が増えているのかもしれません。
特にネオマーケティングは「利用したい」の割合が比較的高く、“試してみたい”という期待感が強い様子がうかがえます。市場ではまだ広く知られていないものの、認知した人にはポジティブな印象を与えている可能性がありそうです。
一方でE社は「利用したい」が25.6%で最も低くなっており、また「どちらかというと利用したくない」が5.6%で最も高くなっています。
これは、過去の利用経験がネガティブだった企業が一定数存在するか、費用や一部対応への評価が低い可能性がありそうです。
※「利用したい」「どちらかというと利用したい」の合算
前掲した設問【調査会社の認知・理解率/利用・利用経験率】にていずれかの市場調査会社を認知していた人に対し、各市場調査会社をどの程度「勧めたい」と思うかお聞きしました。
※10点を満点として、0〜10点で回答
※0点〜2点は合算して表示
「推奨度(7点以上)」で見るとA社が63.7%で最多に。そこにC社が59.2%、D社が58.7%で続いています。
A社は前掲した設問【調査会社の認知・理解・利用経験・現在利用率】でもトップクラスの結果でしたが、今回の推奨度でも高評価を維持しており、市場調査業界の中で最も安定したブランドポジションを確立していることがわかりました。
ネオマーケティングとD社は「10点」の割合もそれぞれ14.8%・13.5%と高く、特定の企業から強く支持されている様子がうかがえます。しかし、D社は「0〜2点」の割合も4.0%と比較的高く、評価が二極化している可能性もありそうです。
■この調査のその他の質問
・属性設問(職業、お勤め先の事業形態など)
・「市場調査会社」と聞いて思い浮かべる会社名(自由記述)
など
■この調査で使用した調査サービスはコチラ
ネットリサーチ:https://corp.neo-m.jp/service/research/quantitation/netresearch-domestic/
■引用・転載時のクレジット表記のお願い
※本リリースの引用・転載は、必ずURLとクレジットを明記していただきますようお願い申し上げます。
<例>「生活者を中心にしたマーケティング支援事業を提供する株式会社ネオマーケティングが実施した調査結果によると……」
引用元URL:https://corp.neo-m.jp/report/investigation/research_013/
データ引用に関する詳細なガイドラインについてはリクエストフォームページに記載の「本ウェブサイトコンテンツに関するガイドライン」をご確認ください。
■「ネオマーケティング」
URL:https://corp.neo-m.jp/