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広告業界について調べていると、目にする機会の多い「広告運用」。
言葉はよく聞くものの、「具体的にどのような仕事をするのか」「未経験でも目指せるのか」と疑問に感じている方もいるでしょう。
広告運用は、Web広告を出稿するだけではなく、広告の成果を分析しながら改善を繰り返す仕事です。
広告代理店だけでなく、企業のマーケティング部門など、さまざまな企業で活躍しています。
本記事では、広告運用の仕事内容や必要なスキル、向いている人の特徴、仕事のやりがい・大変なところなどについて解説します。
広告運用とは?Webマーケティングと何が違うの?
広告運用とは、広告を出稿した後の配信状況や成果を確認し、より良い結果につながるように継続的に改善していく仕事です。
広告の中でも主にWeb広告の領域で使われる言葉で、リスティング広告やSNS広告、ディスプレイ広告などを運用し、広告を届けたいユーザーに情報を届けながら、商品の購入やサービスへの申し込みなどの成果につなげることを目指します。

Web広告の多くは、広告を出稿して終わりではありません。
配信中のデータを確認し、「どの広告が成果につながっているのか」「どのユーザーに広告が届いているのか」などを分析します。
その結果をもとに、広告の内容や配信設定などを見直し、より高い成果につながるように調整します。
このように、広告の成果を見ながら改善を繰り返すことが、広告運用の大きな特徴です。
なお、広告運用を担当する人は「広告運用担当者」や「マーケター」などと呼ばれることもあります。
Webマーケティングとの違いがわかりにくいかもしれませんが、Webマーケティングはインターネット全体で売上を作る仕組み全体のことで、広告運用はその中の一つの手段(集客手法)を指します。
広告運用担当者は広告代理店で活躍するケースが多い一方、自社の商品/サービスの広告を運用する「インハウス運用」という働き方もあります。
広告運用で扱う主な運用型広告の種類
広告運用では、さまざまな種類のWeb広告を扱います。代表的なものは以下のとおりです。

✓ リスティング広告
GoogleやYahoo!など、検索エンジンの検索結果に表示される広告です。
ユーザーが検索したキーワードに応じて広告を表示できます。
✓ ディスプレイ広告
Webサイトやアプリなどの広告枠に表示される広告です。
画像や動画などを使ってユーザーにアプローチできます。
✓ SNS広告
InstagramやX、Facebook、TikTokなどのSNSに配信する広告です。
ユーザーの属性や興味関心などをもとに広告を配信できます。
✓ 動画広告
YouTubeなどの動画プラットフォームやWebサイト、SNSなどに動画を使って配信する広告です。
映像や音声を活用して情報を伝えられます。
このほかにも、さまざまなWeb広告があります。
扱う広告の種類や担当する業務の範囲は、広告代理店や企業によって異なります。
広告運用の仕事内容
広告運用の仕事は、広告を出稿するだけではありません。
広告の目的や目標を決め、実際に広告を配信し、成果を分析して改善するという一連の業務を担当します。
具体的な仕事内容を見ていきましょう。

広告運用の戦略や目標の設定
広告の出稿前には、まず目的や目標を設定します。
例えば、商品の認知度を高めたいのか、Webサイトへの訪問者を増やしたいのか、商品の購入やサービスへの申し込みを増やしたいのかによって、適切な媒体や運用方法は変わります。
広告を届けたいターゲットや予算、目標とする成果などを整理したうえで、どのような広告をどのように配信するのかを考えます。
媒体の選定
広告の目的やターゲットなどに応じて、配信する媒体を選定します。
媒体ごとの特徴や規定などを踏まえ、広告として使用する画像や動画、テキストなどの素材を用意し、配信に向けた準備を進めます。
なお、会社によっては「リスティング広告を専門に扱う」「特定の広告媒体を担当する」など、担当する媒体があらかじめ決まっていることもあるため、目標設定や媒体選定は仕事に含まれないケースもあります。
広告の出稿
設定した戦略や目標に沿って、実際に広告を出稿します。
ターゲットや予算、配信期間などを設定するほか、広告として表示する画像や動画、テキストなどを設定します。
広告を出稿した後も、想定したターゲットに広告が届いているか、予算が適切に消化されているかなどを確認します。
配信状況や成果の分析
広告を配信した後は、どの広告がどの程度見られたのか、クリックされたのか、商品購入やサービスへの申し込みにつながったのかなどのデータを確認します。
例えば、ユーザーに見られていてもクリックにつながっていない広告や、クリックされても購入につながっていない広告などを見つけ、広告の訴求内容やターゲット、Webサイトへの導線などに原因がないかを探ります。
広告の内容や配信設定の改善
分析したデータをもとに、広告の改善を行います。
例えば、広告の文章や画像を変更したり、ターゲットや入札額などの配信設定を調整したりします。
改善後の成果を再び確認し、さらに改善するという作業を繰り返します。
レポートの作成・成果報告
広告の運用状況や成果をまとめ、レポートを作成することも広告運用の仕事の一つです。
広告費やクリック数、コンバージョン数などの数値をまとめるだけでなく、成果がどうだったのか、なぜその結果になったのか、今後どのような改善を行うのかといった内容を整理します。
広告代理店でクライアントの広告を運用する場合は、作成したレポートをクライアントに提出し、広告の成果や今後の施策について説明することもあります。
打ち合わせ
広告代理店で広告運用をする場合、クライアントとの打ち合わせも重要な業務です。
広告の目的やターゲット、予算などを確認したり、運用結果や今後の改善施策について説明したりします。
また、社内でも営業担当者やクリエイティブ担当者などと連携しながら広告を運用することがあります。
広告運用は一人で完結する仕事ではなく、さまざまな関係者と協力して進めるケースも多い仕事です。
広告運用の仕事で見る主な指標
広告運用では、広告の成果を数値で確認するために、さまざまな指標を用います。
ここでは、代表的な指標をご紹介します。
インプレッション数
広告がユーザーに表示された回数です。
広告がどの程度ユーザーの目に触れたのかを確認するための指標です。
クリック率(CTR)
広告が表示された回数に対して、クリックされた割合を示す指標です。
広告がユーザーの興味を引けているかなどを測るために使われます。
クリック単価
広告が1回クリックされるためにかかった費用です。
広告費をクリック数で割ることで算出できます。
コンバージョン率(CVR)
広告をクリックしたユーザーのうち、購入や申し込みなどの成果に至った割合です。
コンバージョン単価(CPA)
1件のコンバージョンを獲得するためにかかった広告費です。
広告費をコンバージョン数で割ることで算出します。
広告費用対効果(ROAS)
ROASは、広告費に対してどの程度の売上を得られたのかを示す指標です。
広告費に対する売上の割合を確認できます。
広告運用に必要なスキル
広告運用では、広告に関する知識だけでなく、データを分析したり、課題を見つけて改善策を考えたりするさまざまなスキルが求められます。
データを分析するスキル
広告運用の仕事では、さまざまな数値を確認・分析し、改善につなげていくため、データから課題や傾向を読み取る分析力が求められます。
課題を分析し、改善策を考える力
広告運用では、広告の成果や配信結果から課題の原因を考え、改善策を実行する業務があります。そのため、物事を整理して考える論理的思考力と、具体的な改善策を考える力が重要です。
例えば「クリック率が低い」という結果に対して、広告の内容やターゲット、配信するタイミングなど、どこに要因があるのかを考えます。そのうえで、改善につながる可能性のある施策を考え、実際に検証していきます。
コミュニケーション能力
広告運用は一人で完結する仕事ではなく、コミュニケーション能力も求められます。クリエイティブの制作者など社内の関係者と連携したり、広告代理店で働く場合にはクライアントや営業担当者とやり取りしたりする機会があります。
広告の成果や改善策をわかりやすく説明するだけでなく、相手の要望や課題を正確に把握することも重要です。
広告運用に向いている人の特徴
広告運用は、広告やマーケティングに興味がある人のほか、数字をもとに考えたり、試行錯誤したりすることが好きな人にも向いている仕事です。
数字に強く分析力がある人
広告運用では、広告のデータや広告費などの数字をもとに、施策や改善を検討することが多いため、数字を見ながら考えることが好きな人や、数字に抵抗がない人は広告運用に向いているでしょう。
仮説を立てて検証することが好きな人
広告運用は、必ずしも決まった正解がある仕事ではないため、仮説を立てて検証し、効果を確かめることに抵抗がない人が向いています。
「このターゲットに広告を配信すれば成果が伸びるのではないか」「広告の画像を変えればクリックされやすくなるのではないか」などの仮説を立て、データをもとに検証していくことを楽しめる人には、向いている仕事といえます。
変化の多い環境を楽しめる人
Web広告は、市場環境やユーザーの行動、広告媒体の仕様などが変化しやすい分野です。そのため、変化に合わせて柔軟に対応できる人が向いているでしょう。
広告運用では、一度成果が出た方法が今後も同じように成果を出すとは限りません。新しい情報やトレンドを取り入れながら、運用方法を変えていくことを楽しめる人は、広告運用に適性があるでしょう。
自分で考えて行動することが好きな人
広告運用では、決められた作業を繰り返すだけではなく、データをもとに課題を見つけ、自分なりの改善策を考えて実行する場面があります。
自分で考えた施策を試し、その結果をもとにさらに改善していくことにやりがいを感じる人に向いている仕事です。
ユーザーや消費者の心理・行動を想像できる人
広告運用では、広告を見るユーザーが「何に興味を持つのか」「どのような情報があれば商品/サービスに興味を持つのか」など、ユーザーの心理や行動を考えることも重要です。
例えば、同じ商品/サービスを広告する場合でも、ターゲットによって興味を引く広告の内容や訴求方法は異なります。ユーザーの立場に立って考え、どのような広告なら興味を持ってもらえるのかを想像できる人は、広告運用に向いているでしょう。
広告運用の仕事のやりがい
広告運用には、Web広告ならではの数字のわかりやすさや、自分の工夫を施策に反映できることなど、さまざまなやりがいがあります。
頑張りや成果を数字で実感できる
広告運用では、広告を配信した結果がデータに反映されるため、自分が考えた施策や改善の成果を数字で確認できます。
例えば、広告のクリック率やコンバージョン数などが改善すれば、自分の取り組みが成果につながったことを実感できるでしょう。
自分の工夫が成果につながる
広告運用では、広告の内容やターゲット、配信方法などを考え、さまざまな工夫を施策に反映できます。
試行錯誤した結果、広告の成果が改善すれば、自分の考えや施策が実際の成果につながったことを実感できます。
幅広いマーケティング知識を身につけられる
広告運用を経験することで、Web広告の知識だけでなく、ターゲット設定やユーザーの行動、データ分析など、幅広いマーケティング知識を身につけられます。
広告の運用経験を積みながら、Webマーケティング全体への理解を深められることも魅力の一つです。
さまざまな業界・企業のマーケティングに携われる
広告代理店の広告運用担当として働く場合、さまざまな業界や企業のマーケティングに携われます。
業界によってユーザーの特徴や広告の訴求方法などが異なるため、幅広い業界のマーケティングに関わりながら経験を積めることも、広告運用の仕事の魅力です。
広告運用の仕事の大変なところ
広告運用にはやりがいがある一方で、成果を出すために継続的な改善や学習が必要になるなど、大変に感じる部分もあります。
常に数字や成果を意識する必要がある
広告運用では、広告費に対してどれだけ成果を出せたかなど、数字を意識しながら仕事をする必要があります。日々の広告の配信状況をチェックし、成果に変化がないかを確認することもあります。
特に広告代理店ではクライアントから成果を求められるため、数字を意識しながら業務に取り組むことにプレッシャーを感じる場面もあるでしょう。
継続的な改善が求められる
広告は一度出稿して終わりではなく、配信結果を確認しながら改善を続ける必要があります。
成果が伸び悩んでいる場合には原因を考えて施策を実施し、その結果を再び分析するなど、状況に応じて試行錯誤を繰り返すことになります。
幅広い知識を学び続ける必要がある
Web広告は、媒体の仕様やユーザーの行動、市況などが変化しやすく、広告運用に必要な知識も増えていきます。
そのため、広告媒体の最新情報やトレンド、マーケティングに関する知識を継続的に学ぶ姿勢が求められます。
クライアントの期待に応える必要がある
広告代理店の運用担当者は、クライアントから預かった広告費を使って、期待される成果につなげることが求められます。
思うような成果が出ない場合には、その原因を分析して改善策を考え、クライアントに状況を説明する必要もあります。広告の成果に責任を持って運用することは、広告運用の仕事の大変なところの一つです。
広告運用の仕事に就くには?
広告運用は、経験者だけでなく未経験から目指すこともできる職種です。未経験から目指す場合は、Web広告やマーケティングの基礎知識を身につけておくと、仕事内容への理解を深めやすくなります。必要に応じて、独学やスクールなどを活用して学ぶのもよいでしょう。
未経験から広告運用担当者を目指す場合
未経験から広告運用を目指す場合は、まずWeb広告やマーケティングの基本的な知識を身につけることが重要です。広告媒体の仕組みや広告指標の意味などを学び、実際の広告運用について理解を深めておくとよいでしょう。
また、広告運用だけでなく、Webマーケティングに関連する業務を経験してから広告運用担当者を目指す方法もあります。求人によって求められる経験やスキルは異なるため、未経験者を対象とした求人を探してみるのも一つの方法です。
💡参考:【マーケ初心者】独学も可能?未経験者・社会人からのマーケティング勉強方法をご紹介
広告運用の経験を活かして転職する場合
広告運用の経験がある場合は、これまで扱ってきた広告媒体や業界、運用規模、実績などを整理しておくとよいでしょう。
例えば、「広告費○万円の案件を担当した」「CPAを○%改善した」など、具体的な数字を交えて実績を伝えることで、これまでの経験やスキルをアピールしやすくなります。
また、広告代理店から事業会社へ、あるいは事業会社から広告代理店へ転職するなど、これまでの経験を活かして異なる環境でキャリアを築くこともできます。
新卒・未経験から広告運用を目指す場合
新卒で広告運用の職種を目指す場合、総合職として入社して後に広告運用職への配属を目指す方法と、はじめから広告運用職の求人を探す方法があります。
広告運用職は経験を求められる場合も多く、新卒向けの募集はそれほど多くありません。ただし、新卒で応募できる求人もあるため、広告代理店などを中心に探してみるとよいでしょう。
選考対策としては、学生の段階で広告やマーケティングについて学んでおくと、仕事内容への理解を深めやすくなります。企業によっては、新卒社員向けの研修などを用意している場合もあります。
広告やマーケティングに興味があることに加え、広告運用につながる自身の強みや適性、経験を整理しておくことも大切です。例えば、数字をもとに考えることが好き、主体的に学ぶことができる、学生時代に広報活動で集客実績があるなど、広告運用に活かせる具体的なエピソードを考えておきましょう。
広告運用の仕事に関するよくある質問
最後に、広告運用に関するよくある質問をご紹介します。
広告運用は未経験でもできますか?
広告運用は未経験からでも目指せる仕事です。広告費を使って成果につなげる仕事のため、経験者を対象とした求人が多い一方、中には未経験者を対象とした求人もあります。
企業によっては、入社後の研修や実務を通して広告運用の知識やスキルを身につけられる場合もあります。
選考で意欲をアピールするために、Webマーケティングスクールや教材などを活用して、あらかじめ基礎知識を学んでおくのもよいでしょう。
💡参考:未経験からWebマーケターへ!おすすめスクール8選|転職・副業を成功させる選び方も解説

広告運用担当者に資格は必要ですか?
広告運用担当者になるために必須となる資格はありません。
広告媒体の仕組みやマーケティング、データ分析などの知識を身につけることが重要です。
資格取得を通じて知識を身につけることもできますが、資格の有無だけで広告運用の仕事ができるかどうかが決まるわけではありません。
広告運用は文系でもできますか?
文系出身でも広告運用担当者を目指すことは可能です。
広告運用では数字を扱う場面が多くありますが、高度な数学の知識が必須というわけではありません。
それよりも、データをもとに考えたり、課題を見つけて改善策を考えたりする力が重要です。
広告運用担当者のキャリアにはどのようなものがありますか?
広告運用の経験を積んだ後は、広告運用の専門性を高めるほか、Webマーケターやマーケティング責任者など、より幅広い業務を担当するキャリアも考えられます。
また、広告代理店でさまざまな企業の広告運用を経験した後、事業会社で自社の商品/サービスのマーケティングに携わるなど、経験を活かして異なる環境へキャリアを広げることもできます。
さらに、広告運用の経験を活かしてフリーランスとして働くなど、会社員以外の働き方を選択することも可能です。
広告運用とWebマーケティングの違いは何ですか?
広告運用は、Webマーケティングの一部にあたります。
Webマーケティングには、Web広告のほか、SEOやSNSマーケティング、メールマーケティングなど、さまざまな施策があります。
広告運用担当者はWeb広告を中心に担当しますが、企業によっては広告以外のマーケティング施策にも関わる場合があります。
💡参考:Webマーケティングの仕事とは?仕事内容ややりがい、未経験から就職する方法などをご紹介
まとめ
広告運用は、Web広告を出稿し、成果を分析しながら改善を繰り返す仕事です。
未経験や新卒から目指すこともできるため、広告やマーケティングに興味がある人や、数字をもとに考えながら仕事をしたい人にとって、キャリアの選択肢の一つといえるでしょう。


