株式会社スタイリングライフ・ホールディングス BCL カンパニー
マーケティング本部 広報宣伝部 赤城俊介様
マーケティング本部 営業企画部 古場涼太様
設立:1996年2月1日
事業内容:基礎化粧品、メイクアップ化粧品、医薬部外品等の開発・製造・販売
従業員数:207名(2026年3月末時点)
課題:
オールインワンシャンプーの再販に向けて、顧客像の把握が必要だった。ターゲットを明確にし、商品開発から広告施策までの精度を高めたかった。
導入サービス:
アンケートによる定量調査と、インタビューによる定性調査を実施。調査結果を踏まえたクリエイティブ・LP制作、広告配信までを支援。
結果:
顧客理解が深まり、調査結果を商品開発や広告クリエイティブに反映。広告配信からECでの購買までをテストし、購買導線の効果検証につながった。
セルフ化粧品領域で複数のブランドを展開する化粧品メーカー、BCLカンパニー様。ネオマーケティングは2022年から複数のブランド調査を支援しています。
2025年に発売された「サボリーノ オールインワン美容液シャンプー」に対して、その開発段階で定量・定性両面から調査を実施。さらに、その結果を受けてのクリエイティブ制作、広告配信までワンストップでサポートいたしました。商品開発の段階からマーケティングの視点を導入したのは、同社にとっても新たな取り組みです。
なお、今回は『サボリーノ オールインワン美容液シャンプー』と『サボリーノ シートマスク』、2つのプロジェクトについて伺った内容を前編・後編に分けてお届けします。本記事はその前編(オールインワン美容液シャンプー編)です。
プロジェクトの経緯について、マーケティング本部の赤城俊介様、古場涼太様に話を伺いました。
——まずは、BCLカンパニー様の業務内容をお願いします。
赤城様 弊社は「Beauty Creative Life.」を理念に掲げる化粧品メーカーです。セルフ化粧品市場において、「がんばらなくても いいジブン」をコンセプトにした『サボリーノ』や、乾燥肌の方に寄り添う『乾燥さん』など、複数のブランドを展開しています。日本国内だけでなく、海外への展開も行っています。
——お二人の業務内容を教えてください。
赤城様 私は、マーケティング本部の広報宣伝部に所属しています。商品の認知を獲得し、お客様に適切に情報を届け、しっかり購買につなげていくことがミッションです。
具体的には、テレビCMの展開や雑誌への出稿、SNSを使った施策など、PR業務やプロモーション活動全般を私たちのチームで行っています。
古場様 赤城と同じマーケティング本部ではあるのですが、私は営業企画部に所属しています。各ブランドのプロモーションや販売戦略の立案から実施までが主要業務です。複数のブランドに幅広く関わっていて、企画部門とブランドの今後の成長について議論したり、広報宣伝部とCMやリリースなど、メディアへの伝え方を一緒に検討したりしています。
——BCLカンパニー様には複数の案件をご依頼いただいていますが、まずは、「サボリーノ オールインワン美容液シャンプー」発売時のプロジェクトについてお聞かせいただけますか?
赤城様 弊社では2018年にオールインワンシャンプーを取り扱っていたのですが、その商品自体は販売が終了していました。ただ、その後も「復活してほしい」という声が一定数寄せられ、改めて『サボリーノ』ブランドから再販することが決定したのです。それで、2024年4月、ネオマーケティングさんにご相談させていただきました。
——背景にはどのような課題があったのでしょうか?
赤城様 『サボリーノ』は、時短を叶えつつ、十分なケアができることをコンセプトにしたタイパコスメブランドで、オールインワンシャンプーはブランドコンセプトに非常にマッチしたアイテムです。しかし、ヘアケアは新規参入がとても難しい市場で、かつ、オールインワンは市場規模が極めて小さいという事情があります。
そのため、商品開発から広告施策まで、精度を上げて進める必要がありました。ターゲットを具体化し、戦略的にアプローチするために、市場の声を聞きながら作るスタンスで、プロジェクトがスタートしたのです。
どんな方が、何のために、どのように商品を選び、使っているのかを明らかにして、そこからオールインワン商品の活路を見出す。ネオマーケティングさんに開発前の調査段階から参加していただいたのは、市場での"勝ち筋"をきちんと見出したかったからです。
——まず実施したのが、顧客として想定されるターゲット層の分析と調査です。
赤城様 定量調査は、20~59歳の女性で、オールインワンシャンプーを現在利用している、あるいは、過去に利用した経験があり、今後の利用に興味がある方を対象に行いました。定性調査はインタビューを実施し、オールインワンシャンプー利用者の中から、年代などの属性を変えながら、12人程度にお話を聞きました。
——調査結果で印象的だったことはありますか?
赤城様 オールインワンシャンプーに対しては、どこかネガティブなイメージがあるだろうと想定していました。結果を見ると、「きしみやすい」「泡立ちが不安」といった声は確かにありました。ただ一方で、オールインワンを使っている理由は、思った以上に多様でした。
「時短で済ませたいから」という方ももちろんいらっしゃいます。けれど、ヘアケアに対してこだわりのある方から、「髪質に合っているから使っている」という声もあったのです。簡単に済ませられるのがオールインワンの魅力ですが、それでも、商品の良さを実感することが使い続ける理由になるというのは発見でした。
オールインワンであっても、やはり、泡立ちや仕上がりの良さをみなさんが求めている。そこを生かすことができれば、この製品は成立すると確信し、製品に落とし込んでいきました。
——この商品については、クリエイティブテストを目的とした広告配信も行ったそうですね。
赤城様 調査で明らかになった訴求ポイントの中から、どの方向性が一番お客様に刺さるのかを知るためです。クリエイティブとLPを3種ずつ制作し、Instagramで広告配信してECでの購買までを検証しました。
具体的には、「ツヤ感など仕上がりがイメージできるクリエイティブ」「泡立ちにフォーカスしたクリエイティブ」、そして、『サボリーノ』の「ブランドイメージを情緒的に打ち出したクリエイティブ」の3種を比較調査しました。
——結果はどうだったのでしょうか?
赤城様 もっとも反応がよかったのが、泡立ちの良さを全面に打ち出したクリエイティブでした。この結果を受け、メインビジュアルや商品パッケージ、POPには、「とろ~り」「濃密泡」「もっちり泡」「美容液」など、仕上がりの良さを想起させるワードを使用していきました。
——こうした広告検証はよく行うのですか?
赤城様 完成した商品に対して、どのような訴求が効くのかを検証することはあります。しかし、開発中の段階で世に出して、お客様が手に取るまでを含めて調査をするのは初めてです。
検証効果として重要なのは購買につながるかどうかです。3種類のクリエイティブで、広告配信だけでなく、遷移先での購買まで数値で検証できたことは、大きな自信につながりました。また、正式発売前ではありましたが、露出につなげられたのもよかったと思っています。
——社内的には、調査結果をどう活かしましたか?
赤城様 マーケティング本部主導のプロジェクトでしたが、宣伝や営業企画、ECのチームも一緒に進め、結果は開発チームとも共有しました。部門を超えて進めることで、みんなで「サボリーノ」に対する共通認識を持ち、理解を深めるきっかけにできました。
——当初、ネオマーケティングにご依頼いただいたのはマーケティング調査で、クリエイティブの制作は2社によるコンペだったと伺いました。最終的にネオマーケティングさんに決めた理由を教えてください。
赤城様 調査結果の納品の際、調査を活かした施策についてのご提案いただき、コンペにも参加していただきました。最終的にネオマーケティングさんに依頼したのは、ブランドに対する理解が深かったからです。
実は、ネオマーケティングさんへの最初の依頼も『サボリーノ』ブランドの案件でした。2022年、ブランド誕生から10年という節目を前に、シートマスクのリニューアルを検討していたタイミングのことです。
当時は弊社の組織も現在ほど大きくなく、『サボリーノ』のブランド自体もまだ成長途中でした。一方で、コロナ禍の最中で、人々のライフスタイルが大きく変化していました。
改めて、『サボリーノ』の価値や客観的な評価を明らかにして、何を伝えていくべきなのか、『サボリーノ』をどう変えていくのかを見直したい。そんな課題感からの依頼でした。
それ以来、「サボリーノシートマスク」については、毎年3月に定点調査をお願いしています。長いおつきあいもあってですが、ネオマーケティングさんはブランドが目指すコミュニケーションをよく理解してくださっていると感じています。
——その後、『サボリーノ』だけでなく、その他のブランドでもさまざまなご依頼をいただいています。
赤城様 『サボリーノ』で見せてくれたブランドへの理解に加え、PDCAを回すにあたり必要なポイントをきちんと押さえてくださるのも大変ありがたいです。また、調査からクリエイティブの効果検証まで一気通貫してお任せすることもできる。そうした信頼感や安心感が、さまざまな案件をお願いしている理由です。
前編では、オールインワン美容液シャンプーの再販に向け、開発前の調査から広告テスト、EC購買の検証までを一気通貫で行ったプロジェクトをご紹介しました。調査で見えた「泡立ち」という勝ち筋は、商品にも広告にも活かされています。
続く後編は、『サボリーノ』の定番「シートマスク」です。2026年4月、「朝」の過ごし方が異なる7パターンの広告を試したところ、さほど強く打ち出していなかった要素が響く一方、自信を持って伝えていた点が届いていないという、意外な結果が見えてきました。ブランドが育つほど多様になるお客様の声と、どう向き合ったのか。後編もぜひお読みください。
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