企業事例インタビュー|ネオマーケティング

経理業務の最新事情のデータをまとめた『経理白書』の制作を調査から一気通貫でサポート|株式会社コンカー|企業事例インタビュー

作成者: 株式会社ネオマーケティング|2024/12/18 9:43:54

株式会社コンカー 
マーケティング本部 コーポレートマーケティング部
コンテンツマーケティング 担当マネジャー 吉田麻子様
設立:2010年10月 
事業内容:出張・経費管理、請求書管理クラウドサービスの提供
従業員数:337名 (2024年10月現在※インターン、派遣社員含む)


経理業務の最新事情のデータをまとめた『経理白書』の制作を調査から一気通貫でサポート

 

出張・経費管理、請求書管理のクラウドサービスを提供、国内経費精算市場で売上金額シェアNo1*を誇る株式会社コンカー様。
コンカー様は業界のトップランナーとして、DX化や効率化の圧力を受ける業界の現状を調査した『【2024年度 経理白書】 経理業務の最新動向』を2024年5月に発表されました。
ネオマーケティングでは、この『経理白書』のアンケート調査からデータの集計、ホワイトペーパーの作成までをご支援いたしました。
マーケティング本部コーポレートマーケティング部の吉田麻子様に、『経理白書』制作の経緯や活用法、その効果についてお伺いしました。

*出典:ITR「ITR Market View:予算・経費・サブスクリプション管理市場2024」
経費精算市場:ベンダー別売上金額シェア (2014~2023年度予測)

 

 

 


出張・経費管理クラウドのデファクトスタンダード

 

——まずは、コンカー様の事業内容からお聞かせください。


弊社は1993年にアメリカのシアトルで創業し、日本法人は2011年に設立されました。
出張・経費精算など間接費にかかわるソリューションを提供するSaaSベンダーで、具体的には立替経費を一元管理する「Concur Expense」、請求書支払いを一元管理する「Concur Invoice」、出張手配に関する「Concur Travel」というサービスを提供しておりまして、サービスを総称して「SAP Concur」と言います。おかげさまで、国内経費精算市場では10年連続で売上金額シェアNo.1を獲得*し、出張・経費管理クラウドのデファクトスタンダードのサービスとなっています。 

*出典:ITR「ITR Market View:予算・経費・サブスクリプション管理市場2024」 
経費精算市場:ベンダー別売上金額シェア (2014~2023年度予測)

——吉田様はどのような業務を担っていらっしゃるのでしょうか?


私が所属しているマーケティング本部には大きく二つの部門があります。一つはインサイドセールスという営業部隊とペアになって動くチーム。もう一つはいわゆるマーケティング業務を担うチームです。

 

私はもともとインサイドセールスの部署にいたのですが、3年前にマーケティング部に異動し、以来、コンテンツ周りを担当しています。コンカーのことを知ってもらったり、興味をもってもらったりするためのコンテンツを作るのが私の仕事です。ホームページ内のブログ、お客様事例、ホワイトペーパーなどさまざまなコンテンツを企画制作するほか、SNSの運用なども担当しています。

 

 

 


『経理白書』が目指したのは経理部門で働く方々にとってのベンチマーク

 

——2024年5月に発表された『【2024年度 経理白書】 経理業務の最新動向』について教えてください。

 

『経理白書』は「従業員500人以上の企業で経費精算を担当する部下をもつ経理管理職 」を対象にアンケート調査を行い、経理業務の<現状>をまとめたものです。

 

ここ数年、弊社では比較的頻繁に調査を活用したコンテンツ制作を行っていて、『経理白書』の前には、『大学の業務のデジタル化に関する調査』や『自治体の内部事務のデジタル化に関する調査』などを実施しています。


これらの調査は、啓蒙的な意味合いもあり、結果をプレスリリースなどで発表しました。内容は、経理業務におけるデジタル化の現状を示しつつ、さらなる推進の必要性を訴え、デジタル化への方法を提示するものでした。

 

『経理白書』にもそうしたデジタル化の啓蒙とコンカーのPRといった側面がないわけではありません。でも、それ以上に、「経理をめぐる現状を明らかにして広く知らせる」ことを目指しました。

——「労働環境・教育・離職」や「経理業務のKPI」など、経理の実務に着目したこともそのためなのですね。

 

実は『経理白書』の制作は、弊社のソリューションコンサルタントチームからの提案がきっかけです。
彼ら/彼女たちは日々、SAP Concurを導入すればどれだけ便利になるのか、効率化のために何ができるのかをお客様に提案しています。そのとき、基準となるデータがあるとお客様へのご提案に深みが出せるのだけれど、なにか方法はないか?という相談があったのです。

 

弊社も長年ビジネスをしていますし、全世界に何万社というお客様がいらっしゃいますから、経費精算業務そのものに関するデータは十分にあります。


しかし、経理部門では今、たとえば教育にどれくらい時間をかけているのか? 労働時間はどうなのか?何をKPIに設定しているのか? など、そういったデータは弊社でももっていません。

 

自分たちが現在、どういう状況にあるのか? 自分たちのやり方が普通なのか、それとも遅れているのか? 客観的評価がよくわからない中で、経理のお仕事をされている方は少なくないのです。
経費精算業務のデファクトスタンダードサービスを提供している企業として、経理部門で働く方々にとってベンチマークになるようなデータを提供したい。それが『経理白書』制作のスタートです。

——調査結果を見て、発見や驚きはありましたか?

 

まだまだ、手入力されている方が多いだろうと推測していたのですが、思ったよりも自動化が進んでいました。ただ、ちゃんと自動化できていれば作業時間が短縮されて効率化できるのですが、一部だけ自動化している方は、むしろ手間と時間がかかってしまっている。一部の適正化のためにツールを導入しても、あまり意味がないことがはっきりしました。

 

 

 


調査データはイベント登壇資料や営業ツール、認知度向上に活用

 

——『経理白書』として完成したものは、どのように活用されたのですか?


4月に新規顧客を対象にしたセミナー・イベントを実施した際の登壇資料として使ったほか、ブログで紹介してSNSで周知したり、ホームページでお客様がダウンロードできる資料としておいたりしました。

 

あとは、営業部門がお客様に提案する際のベンチマークデータとして活用しています。アンケート調査の最後に「興味・関心があること」を記述式で回答いただいたので、その自由回答から経理担当者のニーズと弊社のソリューションが合致するポイントを見出すことができるんです。

——現状を知ることで、ニーズの掘り起こしにも役立てているのですね。

 

あとは、経理部門の部長や課長層への継続的な認知度向上ですね。会社によりますが、経費精算は全社員が使うものなので、組織の上層部の方が最終決定をするケースが多いです。

 

そのとき、比較検討材料を揃えたり、経理部として意見や提案をしたりするのが経理部やIT関連の部署の方となります。その意味で、経理部の課長や部長の方々は、我々にとっては最初のカウンターパートです。

 

業界、規模問わず多くのお客様に利用されているサービスではありますが、そうは言っても、「コンカーって名前は聞いたことあるけど…」と、十分な比較検討をされないまま、別のソリューションを入れる企業様もいらっしゃいます。『経理白書』を通じて、弊社のことを知ってもらいたいですし、そのためにも、継続して調査を行っていきたいと思っています。

 

 

 


新規リード獲得にもっとも貢献したコンテンツに。

 

——『経理白書』はどのような成果をもたらしましたか?

 

結果として、2024年に新しく制作して公開したコンテンツの中では、もっとも新規リード獲得に貢献しています。しかも、そこから営業につながって具体的な案件になるケースが多いんですよ。

——そうした成功の要因をどう考えていますか?

 

調査の目的と活用方法を明確にして、必要な調査項目を整理していったのがよかったのだと思います。スタート段階で、「こういうふうに使いたいな」というのがはっきり見えていましたので、調査項目もそこから検討していきました。

——先ほど、「継続して調査を行っていきたい」とおっしゃっていました。次回はどのような調査になりますか?


同じ項目でいいのか、それともちょっと違う設問にしたほうがいいのか、まだこれから検討ですね。今回の「経理白書」同様、「従業員500人以上の企業で経費精算を担当する部下をもつ経理管理職 」に調査をするのであれば、同じ質問を弊社のソリューションをすでに使っていただいているお客様に聞くという方向もあります。

次回の調査内容や進め方は来年に向けて考えていきたいと思っています。

 

ネオマーケティングに「調査〜ホワイトペーパー作成」まで依頼する理由

 

——ネオマーケティングに依頼したきっかけを教えてください。

 

弊社とネオマーケティングさんとのおつきあいは以前からあったようですが、私が最初にお願いしたのは2023年4月、『大学の業務のデジタル化に関する調査』でした。

 

弊社では2021年に同様の調査を他社様で実施していて、それに関して2023年に、ある専門誌から寄稿のご依頼をいただきました。ただ、調査自体は2年前のものでしたので、せっかく寄稿させていただくなら新しくデータをとって比較したほうがおもしろいだろうと思い、再度調査することにしたのです。
そのとき、社内でネオマーケティングさんを教えてもらい、お声掛けさせていただきました。

——ネオマーケティングに依頼した決め手を教えてください。

 

何社かに見積もりをお願いして検討したのですが、他社と比較して、ネオマーケティングさんは金額だけでなく、スケジュール的にも条件が合いました。

 

というのも、寄稿文の締め切りが迫っていて、そこまでにデータをとる必要がありました。ギリギリのスケジュールだったのですが、きちんとデータを揃えてくださいました。以来、私が担当する調査案件はネオマーケティングさんに依頼させていただいています。


初めはネオマーケティング=調査会社という認識だったため調査のみの依頼でしたが、ネオマーケティングにはコンテンツマーケの専門部署があり、一気通貫で対応できる体制があることを知りました。そのため、調査~ホワイトペーパーにまとめるところまで対応できるというご提案から、依頼させてもらいました。

——ネオマーケティングの印象をお聞かせください。

 

丁寧な仕事ぶりが印象的ですね。『大学の業務のデジタル化に関する調査』をお願いしたとき、時間がない中でもスムーズに進めていただきました。しかも、納品いただいたデータもとてもよくまとまっていて、原稿を書くときにすごく使いやすかったです。

——調査からアウトプットまで一気通貫で、ネオマーケティングに依頼するメリットを教えてください。

 

1個ずつ説明がいらないというのは大きいですよ。
どういう形で出すかによって、届く範囲も見てくださった方の印象も変わりますから、調査結果の出し方はとても重要です。そのため、外部に制作を依頼するときは、まとめ方や見せ方について、こちらの意図を含めてかなり細かくお伝えします。

 

でも、ネオマーケティングさんには調査設計の段階で、調査の目的や質問ひとつひとつの意図をお話しさせていただいているので、データをまとめるための説明がいらないんです。そして、完成物としてホワイトペーパーになったときもズレがありません。
この調査をなぜ行うのか、最終的に何を知りたくて、どう活用するのかを明確にするのが私の役割です。

 

そこをネオマーケティングさんと調査スタート時に共有しているので、最終的に出してくださるものも安心してお任せできています。早くて便利で助かっていますし、『大学の業務のデジタル化に関する調査』のように、直近の『経理白書』の成功要因のひとつだと思っています。

 

 

幅広い提案力と「プランB」を提示できる柔軟性がネオマーケティングの魅力

 

——ネオマーケティングの強みは、どんなところだと思いますか? 


調査に関してだけでなく、幅広いご提案をくださるところだと思います。ちょうど今、SEOに関するご提案もいただいて、そうした新しいご提案があるのはとてもありがたいです。
あとは、調査が想定通りに進まなかった場合の「プランB」を柔軟に検討いただけるのは、ネオマーケティングさんの強みだと思います。

――詳しく、お聞かせいただけますか?


2024年6月に旅費法改正に関連して、『旅費精算業務に関する調査』を行ったのですが、その際、調査対象者の条件がとても細かくなってしまいました。

 

というのも、行政機関は縦割り組織なので、直接の担当者でないと知らないことが多いです。調査を行う対象をある程度絞らないと、「わからない」「知らない」という答えに集まってしまうことが想定されました。
そこで、「国公立大学・私立大学・自治体・独立行政法人に勤めている、旅費精算の業務・システム運営に携わっている人」という、かなり細かなお願いをしました。

——それはなかなか大変そうです。


対象者条件が厳しかったので、当初の予定通りには サンプル数は集まりませんでした。
そのとき、ネオマーケティングさんは、「条件を広げるという手もあるし、調査期間を延長することもできる。追加料金が発生してしまうけれど、アンケートの配信数を増やすこともできる。」と、次善策を複数提示してくださりました。

 

現状集まっているデータは使えるものか、傾向分析が可能なものになっているかなどを相談させていただきつつ、期間を少し延ばして条件も広げ、「現在その仕事をしている人」だけでなく「過去にしていた人」も含めることにしました。
理想どおりのサンプル数は難しかったのですが、「プランB」をご提示いただいたことで、使えるデータを揃えることができました。

——ネオマーケティングへの期待や要望をお聞かせください。


調査テーマ自体についてもご提案いただけたらうれしいですね。現状はこちらから「こういう調査をしたい」とご相談をして、そこに細かなご提案をいただいています。それも引き続きお願いしつつ、その前段階でもお知恵をお借りしたいと考えています。
たとえば「間接費に関して、最近こんな調査が多いですよ」とか「AIに関してはこんな関心があるみたいです」とか。


こちらも予算の関係があって、いただいた提案をすべて反映できるわけではなく、申し訳なさもあるのですが…私たちが社内で考えているだけでは気づかないことはたくさんあります。今後はネオマーケティングさんから新しい視点をいただけるとありがたいと思っています。

 

 

「コンテンツマーケティングの力」でコンカーの魅力を広く伝えていきたい

 

——最後に、コンカー様の今後のビジョンをお聞かせください。


コンカーとしては今まで以上に多くのお客様にSAP Concur※を活用していただくことですね。SAP Concur を使えば出張・経費精算業務や請求書管理業務が効率化され、浮いた時間によって本業のビジネスに注力することできます。本来、デジタル化はそのためのものです。

 

そうした間接費業務のデジタル化やAI技術の活用によって、生産性や利便性が向上するだけでなくガバナンスも担保される、ひいては企業の競争力強化・価値向上につながるといったメッセージをより多くのお客様に広く伝えていきます。
また、2024年5月1日付で弊社代表取締役社長が交代いたしました。日本でコンカーがビジネスを開始してから12年間社長を務めた三村真宗が退任し、新たに、橋本祥生が社長に就任しています。コンカーとしては第2章のはじまりです。引き続きご支援いただきたいですし、皆様にもいろいろ届けたいと考えています。

——吉田様、個人としてのビジョンはいかがですか?


コンテンツマーケティングを担う立場として、コンカーのこと、コンカーのソリューションの価値をより広くより多くの方にお届けしていきたいと思っています。お客様の個別課題に向き合い、会社の方向性やあるべき姿・ソリューションの魅力を深く伝えることができるのはお客様と対峙する営業です。でも、個別に届けるには限界があります。広く届けられるのはコンテンツマーケティングの力。社内の他部署と連携しながら、コンテンツマーケティングの力を最大限、発揮していきたいと思っています。

※SAP、SAPロゴ、記載されているすべてのSAP製品およびサービス名はドイツにあるSAP SEやその他世界各国における登録商標または商標です。またその他記載された会社名およびロゴ、製品名などは該当する各社の登録商標または商標です。

 

ネオマーケティング担当者から

最初は調査からのご相談でしたが、今では吉田様の業務にダイレクトに関わるホワイトペーパー制作までご支援できますこと、大変嬉しく思っております。

私がコンカーの皆様とお仕事をさせていただく中で素晴らしいと思うのは、フィードバックの文化が社内で醸成されているところです。
調査の質問項目については、吉田様のご部署だけでなく、営業部の方からも意見があるとのことでしたので、
それが調査を実施する上で一番重要な「データの使い道がはっきり決まっていること」に通じているのだと感じています。

今後とも調査×コンテンツマーケティングの力を最大限発揮して、
コンカー様の魅力をより多くの方へお伝えできるよう弊社一丸となって取り組んでまいります。

コンサルタント
Y.T