清原株式会社 ライフスタイル事業部 企画開発部 企画1課 松井彩花様
設立:1948年
事業内容:服飾資材、繊維資材、手芸・クラフト用品の卸売販売及び輸出入
従業員数:620名
服飾資材、手芸・クラフト用品の卸売販売と輸出入を手がける清原株式会社様。2022年5月より、一般消費者向けに手芸キットの直接販売をスタートされました。ネオマーケティングは、市場調査からサイト制作、SNS運営に至るまでトータルに支援しております。
手芸キットの企画開発及びD2Cサイトの運営も担う松井様に、ネオマーケティングとのECサイト制作について伺いました。
――御社の概要と事業内容、所属部署について教えてください。
清原株式会社は、洋装副資材の輸出入からスタートし、1934年に創業しました。現在では「アパレル事業」、「ホビーライフ事業」、「ライフスタイル事業」、「海外事業」の4つの事業部により、国内外の拠点と連携を取りながら、成長を続けています。
その中で私が所属するライフスタイル事業部は、ファッショングッズ、クラフト、生活雑貨を中心に衣・食・住に関わる広い商材を取り扱い、私自身は主に手芸キットの企画開発に携わっています。
会社としてのミッションは“豊かな生活文化の発展・向上に貢献する”こと。手芸キットにおいては、もの自体が素敵であるのはもちろん、手作りをする時間も楽しんでいただきたいとの思いで開発に取り組んでいます。忙しい日々の中でもゆとりや癒やしが感じられ、また日々の彩りとなるような商品提案をしています。
――手芸キットの企画販売に取り組む経緯はどのようなものだったのでしょうか。
現在のお取引先様向けに販売させていただいている商品を、もっと魅力的なものにするために、消費者のリアルな声を商品開発に活かしたいという思いがきっかけです。一方で、消費者の方から「直接買えないのですか?」という声を多くいただいて。たくさんご要望をいただいたからには応えたい、との思いが芽生え始めました。
そして、私たちと消費者の距離が近づくことで、これまでの大切なお取引先様の事業にも将来的にもっと貢献したいと。その際、幅広い方々に商品を知ってもらいたいとの思いから、ダイレクトに消費者のニーズを満たすD2Cサイトの立ち上げが必然でした。そこで、まずはターゲットを設定しなければと、ネオマーケティングさんに市場調査を依頼しました。
――別の調査会社さんにもお問い合わせされたのですか?
はい。いろいろとお問い合わせはしたのですが、ネオさんのHPがわかりやすかったのもあって、最初から「お願いしたいな」とは思っていました。弊社と同じ大阪に事務所があるというのも安心感につながりましたし、ご担当いただいた富田さん(※富田有香・大阪営業所 所長)もとても話しやすくって。私たちの思いに寄り添っていただいているのが伝わってきたので、最初のお打ち合わせが終わった段階で「富田さんにぜひお願いしたい!」と社内の意見がまとまりました。
当初は市場調査だけお願いするつもりだったのですが、サイト制作も踏まえた上でのご提案もいただけて、サイトの構築から運営支援までまるっとご相談できる、というのもありがたかったです。
――どのような調査から始められたのですか?
まずは市場を知るために、手芸に関する全般的な調査を進めました。1200人を対象に、例えば手芸に何を求めているのか、どのような場所で手芸を楽しむか、手芸キットを使ったことはあるかなどの質問に答えてもらうアンケート調査です。
その結果をもとにデプスインタビューを複数回実施してさらに顧客理解を深めました。その上で、サイトの根幹となるテーマや思いを決めるため、社内で何度もワークショップを繰り返すというインサイト・ドリブンを実施しました。
――インサイト・ドリブンについて、どう感じられましたか?
サイト制作もネオさんにお願いすると決めたときに、どのような方向性のサイトにすべきか、社内での合意形成が大切だとお話しいただきました。サイト制作はクリエイティブな作業なのでつい感性に頼ってしまいがちですが、それだと「本当にこれで進んで大丈夫なのか?」という疑問がつきまとうことになりがちです。
一方、アンケートとインタビューでの市場調査を経てインサイトを理解し、社内での認識齟齬をなくすためにワークショップを繰り返せば、サイトの軸の合意形成もきちんと図れます。その軸をクリエイティブに生かしていけば、一致団結してこの事業に取り組めると感じました。
――ワークショップは何回開催されたのですか?
4回ほど開催しました。1回目はサイト構築に関わる企画開発の人間だけでなく、営業職や別部署からも参加を募り、20人ほどが集まりました。まずはやりたいことを発散する場として設けていたので、それぞれが頭の中に描いているものをポンポン出していきました。立場も職務内容も全く違う人たちが揃っていたので、本当にさまざまな意見が出てとても面白かったですね。
2回目以降は1回目で出た意見をさらに詰めていく作業です。サイト構築に関わるコアな部分をとことん話し合いました。
――ワークショップの成果はどのようなものでしたか??
やりたいことを強く認識できました。サイトを作るにあたって大切にしたいことって一体何なんだろう、と時間をかけて決めていけたのはとても大きいです。普通の社内会議で話し合う程度では絶対に出てこなかったでしょうし、思いを共有できたことで、たとえ誰かが迷ったとしてもいつでも根本に立ち返ることができます。
――「itonowa(いとのわ)」というサイト名もこのワークショップから生まれたのですか?
そうです。手作りする時間に笑顔になれ、作った後も飾ったり持って歩いたりプレゼントしたりと、楽しみが広がり笑顔がつながっていく。ワークショップでそんな思いをメインに据えようと決められたので、そこから自然と「itonowa」というサイト名が生まれました。
――実際のサイト制作はスムーズでしたか?
抽象的なイメージはワークショップで決めていたので、作業自体はスピーディに進められたと思います。手芸らしいやわらかな雰囲気にしよう、白を基調にしつつ色を使うなら暖色系にしよう、など具体的にどうするかがサイト制作のスタート時点で見えていました。
また、“暮らしの中に手芸がある”ということを打ち出したかったので、手芸キットを販売するだけのD2Cサイトではなく、読み込めるような特集コンテンツも大切にしました。
ちなみに、特集コンテンツにご登場いただいている一般ユーザーさんは、ネオさんのデプスインタビュー調査で、話を聞かせていただいた方なんです。そういった意味でもいい出会いをいただきました。
――「糸がはぐくむ、ひとの輪。」というキャッチコピーや、それに続くボディコピーも弊社で作らせていただきました。こちらに関してはいかがですか?
すごく満足しています。ネオさんのクリエイティブを担当されているディレクターの方が考えてくださったと伺いました。これまでのワークショップで出てきた内容を踏まえ「こういうサイトにしたいので、それを表すようなコピーを」とお伝えしたのですが、私たちがサイトで実現したいことを、そのまま言葉にしてくださって。刺しゅう枠を使ったメインビジュアルのディレクションもその方に担当していただいて、すごく可愛らしい仕上がりに満足しています。
――実は今だから言える「ここがちょっと困った!」なんていうことはありましたか?
ECサイトの運営が初めてなので私たちの知識がなかったこともあり、最初の頃は「最終的にどんなサイトに仕上がるんだろう……?」という不安はありました。何日までにこれを提出し、次はこの情報をお出しして、などと進んではいたのですが「本当に大丈夫かな?」という漠然とした不安ですね。
ただ、この不安感も担当の富田さんにずっとお伝えしていて、逐一解消してくださるのがありがたかったです。実際にサイトを作っていただいた制作会社さんとの間にしっかり入っていただき、丁寧に橋渡ししてくださいました。
また、物流面での相談にものっていただいたのも心強かったです。在庫を管理している倉庫と、サイトとの連携の面で不安に思っていたときも、「こういう方法はどうですか?」と提案いただいたりしました。もはや市場調査やサイト制作という域を超え、私たちのD2C事業にトータルで寄り添っていただけ、結果、今もスムーズに運営ができています。
――SNS運営の面ではいかがでしょうか。
現状はInstagramの運営と広告配信をサポートしていただいています。広告配信をした商品はしっかり売れていますし、思った以上に反響は良いですね。
今後は“手芸でつながる”という分野にも進出していきたいと思っています。実店舗まではいかなくても、みんなで作るワークショップを開催したり、インスタライブで手作りの時間を一緒に楽しんだりと、リアルなつながりも構築していきたいところです。その核となるのがSNSだと思うので、引き続き力を入れていきたいですね。
――最後にネオマーケティングの印象と、今後期待することをぜひ教えてください。
まず、こちらが漠然と「やりたい」と思っていることに対して、期待を超えるご提案をいただけるなといつも思っています。思いを上手に汲み取っていただき、具体的な提案としてすぐ出てくるので、「なるほどこうしたらいいのか」、とすんなり導いてくださる印象です。
何より、相談して「無理です」と言われたことがないのがすごい(笑)。これまで、きっと無理なことも相談していたとは思うのですが、「この方法だったら可能そうです」とさまざまな角度からご提案いただけるので、本当に頼もしい限りです。
今はフロント部分での支援がメインなのですが、今後は商品開発の分野でもネオさんの強みを生かしたご提案がいただけたらなと。さまざまな分野で、引き続きサポートをしていただきたいですね。
松井様はじめ、清原様のプロジェクトメンバーの皆様のお力添えあって、2022年5月10日(いとのわ)に、サイトオープンの日を迎えることができました。
清原様が私たちネオマーケティングや協力会社さんのことを、パートナーとしてとても大事にしてくださっている気持ちを常に感じていたので、この期待に絶対に応えたい!という思いで、当時も、今も、プロジェクトに従事しています。
お客さまと新しい事業を一緒に創るということはどのようなことなのか、ということを、私自身が改めて腰を据えて考えるきっかけになった印象深いプロジェクトです。
サイトオープンを迎え、今度は事業を成功させるというフェーズになり、気が引き締まる思いでいますが、清原様とこのプロジェクトを始めたときの気持ちを忘れず、糸がはぐくむ、ひとの輪。の「わ」を拡げられるよう、今後も尽力して参ります。
カスタマードリブンディビジョン
大阪営業所 所長
Y.T