企業事例インタビュー|ネオマーケティング

世界No.1を目指す建設工具メーカー、、 建設業界全体の課題に切り込むマーケティング戦略とは|ミルウォーキーツール・ジャパン合同会社|企業事例インタビュー

作成者: 株式会社ネオマーケティング|2021/12/23 15:00:00

ミルウォーキーツール・ジャパン合同会社 マーケティングマネージャー  渡邊和典様
設立:2020年8月
事業内容:電動工具の製造・販売
従業員数:世界5,000名以上

 

世界シェアNo.2の建設工具メーカー、ついに日本上陸

 

――まず始めに、ミルウォーキーツール・ジャパンについて簡単に紹介をお願いします。 

当社は世界シェアNo.2の建設工具メーカーで、従来の建設工具のコードレス化された商品を取り扱っております。近年では、世界市場で毎年2桁成長を継続しており、今年4月から日本市場に参入しました。ミルウォーキーが提供している電動工具のコードレス商品は工事現場における悩み・煩わしさを解消できると考えています。日本市場に参入してからまだ半年程度ですが、ユーザー様からは高評価をいただいています。

日本国内では「ミルウォーキー」はまだまだ認知されておらず、職人さんが今まで愛用してきた他社商品からシフトしていただくのは簡単ではありません。
そのような中、今回ネオマーケティングさんとご縁があり、兼ねてからの課題に共に取り組んでいく運びとなりました。

 

 

 

日本市場における「課題」

 

――兼ねてからの課題というのは、日本市場でのブランドの認知でしょうか?

その通りです。先程お伝えしたように、日本市場に参入して間もないため、全体的にみるとまだまだミルウォーキーの認知は高くないのが現状です。

建設業界の職人さん全体の約16%(出典:総務省「労働力調査」)が65歳以上、平均値がおよそ45歳程度といわれています。キャリアの長い方に対して、今まで利用してきた他社商品からシフトしていただくのは非常に困難です。そのため若い世代をターゲットにしているのですが、そもそも若い世代の職人さんは業界的に非常に少ない。
ミルウォーキーをより多く知ってもらい商品を使ってもらうためには、若い世代を建設業界に呼び込む必要があるのです。延いてはそれが建設業界全体のサステナビリティ、若手不足の解消に繋がります。

若い世代を呼び込むために、「建設業界は魅力的な市場、産業である」と認識してもらうこと、これが私たちのもう1つの課題です。
その実現のために、自社商品だけではなく建設業界全体に関する魅力的な情報発信をしたり、デジタルマーケティングを駆使したりと、若い世代に情報がいきわたるような仕組みを創りたいと考えています。

 

 

 

徹底したユーザー起点の商品開発

 

――認知拡大のために、現在主にどのような取り組みをしていますか?

商品開発をする上で、工務店の社長さんといった購入者ではなく、実際に商品を使用する職人さんの意見を最も重視しています。

これまでミルウォーキーは、現場で聞いた声を商品開発に活かしてきました。さらに、商品開発の過程で、その商品が特定の国だけではなく世界共通で評価される物であるかを吟味してきました。その結果、世界でシェアを獲得できたわけです。

しかし、価格は競合と比較すると決して安くはありません。
その背景には、他メーカーでは取り扱わないようなニッチな商品も開発・販売をしていること、電気回路やモーターは共通のモデルではなく、商品が最高のパフォーマンスを発揮できるように、商品毎に製作していることが理由です。
加えて、ミルウォーキーの強みでもある「コードレス化」を合わせると、必然的に価格は他社と比べると高くなります。しかし、実際に商品を一度手に取っていただくと他社商品との明確な違いが分かり、価格設定に納得して頂けるような仕上がりとなっています。

 

 

 

鍵となる顧客体験価値

 

―― いかに「商品を手に取って体験していただくか」が重要になりそうですね。

流通販売をしても認知がない場合、価格のみで判断されるのがほとんどです。そのため、決して流通を蔑ろにしているわけでもないですが、事業開始から現在までは、直接お客様に説明ができる直販、弊社ショールーム件販売店のH D CやJ S S(ジョブサイト・ソリューション)による直販に注力した活動を行っております。

先程お伝えしたように、重要なのは「実際に商品を一度手に取っていただくこと」です。そのため、お客様が商品を現場に近い環境で体験できるスタジオを本社兼店舗に設置しています。直接商品に触れていただき、ミルウォーキーがどのような商品・ブランドであるのか、他社商品との違いは何かを知っていただくことで、ユーザー獲得に繋げ、またユーザーとのコミュニケーションを通じて得たフィードバックを製品の販促や今後の商品開発に生かしています。


――商品を体験し、納得していただいた上で商品を購入して頂く。まさにユーザーに寄り添ったマーケティングですね。

商品を購入して頂いた後も、ユーザーとの関係を継続させる取り組みにも注力しています。ユーザーの方に向けたファン感謝際といったイベントを定期的に開催しています。そこにはユーザーだけでなく、そのご家族やミルウォーキーに興味を持っていただいたご友人なども参加されています。ユーザーのロイヤルティを高めると共に、新たなユーザーを増やすきっかけ作りを目的にしています。

 

 


業界情報をネオマーケティングと共に発信していきたい

 

――これからのネオマーケティングとの関わり方について教えてください。

 

若い世代を取り込むために、自社商品ではなく業界全体に関わる情報発信をしていきたいと考えており、まずはその情報元となる調査をネオマーケティングさんと一緒に行ないます。

具体的には、【若い世代が建設業界に対して持っているイメージ】の調査結果をリリースし、「なぜ若者の職人さんが少ないのか」という、建設業界において「普通」とされていた事象の根本的な課題に切り込むことで、他の企業も課題に取り組めるきっかけ作りができればと考えています。

このような建設業界全体に関わるような調査を定期的にリリースすることで、業界の課題解決に取り組むと共に、ミルウォーキーの認知拡大、ユーザー獲得に繋げていきたいと考えています。

また、ネオマーケティングさんとは、調査結果から得た結果を基に若い世代に対するアプローチにも一緒に取り組んでいけたらと思っています。ネオマーケティングさんにはデジタルマーケティング、その中でもSNSを活用したマーケティングの知見を借りたいと思っています。
今SNSで自社商品の情報発信を行っており、それがきっかけで新規ユーザー獲得にも繋がっています。今後はここも強化して、若者世代に対するアプローチを積極的に行っていきたいと考えています。

 

 

 

 

ネオマーケティング担当者から
リサーチからプロモーション施策・実行まで総合支援します

世界2ケタ成長を続けているミルウォーキー社の強さは、顧客起点を企業全体として取り組んでいることだと考えています。
実際のユーザーの声を聞き、その場で出た”不”を改善可能か?他ユーザーや他国に共通する課題か?顧客が喜んでくれることか?を常に考え実行し、また改善を続けることでユーザーが求める商品をアジャイル的に開発されていると感じています。
日本ではまだ認知が低いブランドの為、ユーザー想起はされにくいですが、弊社のリサーチサービスやPR・WEB広告を組み合わせアジャイルマーケティングを実行し、認知拡大・想起拡大を支援して参ります。

執行役員 今泉陽介